足を止める
……妙な気配がする
そんな予感がしたのだ
……妙な気配がする
そんな予感がしたのだ
学校町には、都市伝説が多い
ゆえに、都市伝説の気配は町中いたるところにある
ただ…
ゆえに、都市伝説の気配は町中いたるところにある
ただ…
(……気配が、濃すぎる)
「組織」の黒服には、標準能力として都市伝説の気配を感じ取れる、というものがある
個人差があるとはいえ、「組織」の黒服は皆、都市伝説の気配を感じ取ることができる
個人差があるとはいえ、「組織」の黒服は皆、都市伝説の気配を感じ取ることができる
…だからこそ、彼、A-N.18782はそれに気づいた
学校町内の、とある住宅に………都市伝説の気配が、濃く、色濃く充満していることに
学校町内の、とある住宅に………都市伝説の気配が、濃く、色濃く充満していることに
都市伝説か、その契約者の集団が住み着いているのか?
昨日まで、ここで、ここまで強い気配は感じられなかったはず
つまり、今日……ここに、それらが住み着いたということか
昨日まで、ここで、ここまで強い気配は感じられなかったはず
つまり、今日……ここに、それらが住み着いたということか
それらが、悪意を持たぬ集団であればよい
だが、それを判断するすべは、少なくとも今の彼にはない
だが、それを判断するすべは、少なくとも今の彼にはない
今、自分がすべきことを彼は考える
……「組織」に、報告すべきだ
そう考え、懐から端末を取り出す
物陰に入り込み、「組織」と連絡を取ろうとした
……「組織」に、報告すべきだ
そう考え、懐から端末を取り出す
物陰に入り込み、「組織」と連絡を取ろうとした
彼の判断は、間違っていない
責められるべきものではない
責められるべきものではない
彼は、きちんと周囲を警戒していた
彼は、間違わなかった
彼は、間違わなかった
ただ
相手が悪かった
場所が悪かった
相手が悪かった
場所が悪かった
あまりに、濃く都市伝説の気配を感じられる場所
ゆえに、己に近づく都市伝説的気配に気づくのに、遅れた
ゆえに、己に近づく都市伝説的気配に気づくのに、遅れた
「…はい、こちら、A-No.18782です………ご報告したいことが……………っ!?」
するり
首筋に絡む、白い腕
背中にもたれかかってくる何者か
首筋に絡む、白い腕
背中にもたれかかってくる何者か
「………駄目よ、まだ……駄目ぇ」
耳元で囁かれた、甘い、甘い声
その甘ったるい声は、じわりと、脳裏にしみ込んでくる
その甘ったるい声は、じわりと、脳裏にしみ込んでくる
甘い匂いがする
そう気づいた時には、もう、遅かった
そう気づいた時には、もう、遅かった
『A-No.18782……?どうした、A-No.18782!!!』
かたん、と音を立てて、端末がアスファルトの上に落ちて、転がる
体中から力が抜けていくのを
思考が薄らいでいくのを、A-No.18782は嫌でも自覚してしまう
体中から力が抜けていくのを
思考が薄らいでいくのを、A-No.18782は嫌でも自覚してしまう
「………その「日」が来るまで。お前には、妾の「人形」になってもらうぞ?「組織」の黒服よ」
その声が聞こえたのを、最後に
………ぷつん!!と
A-No.18782の意識は、途絶えて
「組織」はその存在を、感知することが………不可能となった
A-No.18782の意識は、途絶えて
「組織」はその存在を、感知することが………不可能となった
to be … ?