アットウィキロゴ

「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ギザ十と幽霊少女とご先祖様と組織の狗-17

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集

ギザ十と幽霊少女とご先祖様と組織の狗 17


~襲撃一日前~ 最後の夜。

牛スジカレーを食べながら、平将門から手に入れた組織の「情報」が書かれた紙の束を、
「ちょっと、大事な資料がカレーで汚れてもしらないわよ」
などと、半眼で注意してくる幽霊少女をカレーに、いや華麗にスルーしながら捲る。
首塚の隠れ里の一室で、急性アルコール中毒になりかけながら手に入れたその「情報」はその苦労に見合うものであった。
「暗部」。
そう呼ばれる集団が、「組織」の中にあるらしい。
「暗部」は「組織」の中でも一握りの人間しか知らされていないらしく。
その実態も、その活動内容も、謎に包まれているという。
しかし唯一、分かっている事がある、
それは「鮫島事件」という強大な都市伝説を所有し、この学校町全体を対象にそれを発動させようとしている事だ。
「鮫島事件」、俺の敵。
俺がこの世界へと足を踏み出す切っ掛けとなった忌むべき都市伝説。
幼馴染である「   」を俺のもとから奪った憎むべき存在。
こいつを、この都市伝説を葬る事だけが、今の俺の存在理由と言って良い。
それが、明日、この街で、発動される。
発動しすればどうなってしまうのか、その条件は一体何なのか、その全ては謎に包まれているが。
「俺のやるべき事は、変わらない……か」
「情報」の一番最後に書かれた地図。
北区、今居る場所から大体一時間程の場所に、組織の重要施設であった廃ビルが存在した場所がある。
その重要施設の存在理由は今まで不明であったが、地質をスキャンしてみるとどうやら、その下には広大な規模の地下施設が存在し
それこそが、「暗部」の秘密基地である可能性が高いとのこと。
先日、「夢の国」がその施設を奪取したさい、その施設ごと敵対勢力を消滅させたという……そう「鮫島事件」を使って。

そこまでして「敵対勢力」に知られたくない存在が、その地下に存在する巨大空洞にある、という考えは不自然で無いだろう。
現在、「組織の黒服」達が多数警戒しており、その警備を突破する事は限りなく不可能であろう場所。
しかし明日ならば、「夢の国」の大攻勢の混乱で、その警備も緩くなる可能性がある。
ならば、そこに賭け、その秘密の地下施設とやらに潜入する。
秋祭り二日目、「夢の国」がこの街に姿を表すタイミングに合わせて「鮫島事件」を発動する可能性が高いだろうと最後に締め括られた紙の束を丸め。
意味もなく、俺の横で牛スジカレーを食べている太郎さんの頭をポコンと叩く。
いきなり叩かれ、意味が分からずクエスチョンマークを頭上に多数浮かべる太郎さんを無視して、頭上を見上げる。
地上から祭りの熱気と強い人工の光に照らされてもなお、妖しく光り輝き続ける気丈な満月を見上げ、ふと溜息を一つ吐く。
「先日の「鮫島事件」発動の際の実行命令を下した黒服……ね」
手渡された資料にクリップで止められた一枚の写真、見覚えのあるその姿。
「まさか……アンタが?」
俺が「組織」に入た頃から、先日担当から外れるまでの十数年間をずっと俺の担当をしていた「黒服」
その冷静、冷血、無表情な、その顔は思い出すだけでも忌々しいく思う。
しかし、それでも、俺が天涯孤独の身となり、只一人となった俺に、何かと世話を焼いてくれた存在で、
俺は、きっと口に出す程には、あいつのことを嫌っては居なかった、と思う。
そんなあいつが、
「俺の敵だったとはなぁ…」
もう一度溜息を吐く。
しかしそれでも、俺の胸に宿る復讐心は変わらない、揺るぎない我が怨嗟は黒く濁りきっている。
たとえ誰であろうと、我が敵ならば屠るのみ、全ては明日、俺は全てに決着を付けるのだ。
周りから聞こえる祭囃子を聞きながら、俺は頭上に映る月へと向け、鈍く輝く銅貨を指で弾いた。



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー