「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・万能の魔法使い-06g

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 ………ひらひら
 ひらひらと
 漆黒の蝶が現れるのは、カラミティが現れる、合図

 どこからか、その蝶が現れ、それに気づいた直後
 蝶は一か所に集まり、そして、カラミティの姿へと変わっていく
 ……この様子を見るのにも、ずいぶんと慣れてしまった気がする

「あ、影守と希もいたか。ちょうどいいな」
「……あぁ、なんだか嫌な予感がして、美緒さんのところに来ていて良かったよ」

 美緒の部屋に姿を現したカラミティ
 それを軽く睨みつつ、影守はやや美緒を庇うような位置に立つ
 そんな影守の様子に気づいているのかいないのか、カラミティはいつも通りの気楽な様子である
 ……この大魔法使いに、「恋人がいる女性の部屋に鍵がかかっていようが平気で入りこむは色んな意味で問題」と言っても無駄である
 俺様な上にお子様だから

「カラミティ、調べると言っていた事、調べがついたのですか?」
「あぁ、ちゃんと調べさせてきたぞ!」
「自分で調べたんじゃないの?」

 本日は腕だけの状態の希の言葉に、あぁ、とカラミティは頷いた
 それはもう、あっさりと

「腕の立つ情報屋が知り合いにいるからな。黄金たっぷり与えたらたっぷり調べてくれたぞ」
「これだから成金は」
「…カラミティの金銭感覚に関してはいつか修正するとして。とりあえず、調べてきたという情報は?」
「あぁ、これだぞ」

 つい、とカラミティが杖を振る
 すると、ぽんぽん、と小規模な花火が発生し、それと同時に紙束が出現した
 ぱさぱさと、それらは美緒と影守の手に納まる

「…もうちょっと、普通に出せないのか?」
「えー、そんなのつまらないだろ?魔法ってのは地味に使うもんじゃなくて、派手に使うもんだって師匠達も言ってたぞ」
「あなたの師匠にはいつか一言言ってやらなきゃいけない気がするわ」

 ぱらぱらと、カラミティが持ってきた「情報」に目を通し始める美緒と影守
 希も、腕だけの状態ではあるが、影守が手にしている資料を覗き込む
 相手の外見、本名、二つ名
 現在わかっているだけの能力、そこから推定される正体

 ……本当、よく調べがついたものだ
 もし、個人レベルの情報屋ならば、何らかの都市伝説と契約している可能性を疑いたいどころだ

(それこそ、「アカシックレコード」の契約者か………とでもな)

 小さく苦笑し、無駄な考えを追い払う
 そして……うん?と、とある資料を見て、手を止めた

「…おい、カラミティ」
「ん、何だ?」
「その……一人、見覚えのない人物が混じっているように見えます。いえ、目元を隠されているうえ、顔に札を大量にはられた姿ではありますが……以前、あなたが鏡に映しだした中には、いなかったかと」

 美緒も、気づいた
 …そう
 カラミティが持ってきた「13使徒」の資料の、中に
 まったく、見覚えのない人間の姿があったのだ
 いや、人間と呼んでいいかどうかすら、怪しい
 その外見は、美緒が口にした通りなのだから

\「あぁ、そいつか?そういえば、前は棺桶しか映らなかったからな。外に出てなかったから」
「……!そういえば、一人、棺桶を担いでいた男の方がいましたね」
「あの棺桶の中にいた、と…?」

 その者のデータに目を通す
 「ジャバヴォック」 サミュエル
 推定される能力は…炎熱関係の攻撃能力、広範囲へのほぼ同時攻撃…これは、配下となる何かを召還している可能性有
 目撃例から、推定される正体は……

「……待て、これはちょっと、シャレにならなくないか?いや、「終末の火」 レティ・ルーニーとやらの推定正体も十分シャレにならないが」
「そうか?そいつくらいなら、俺様の素敵な魔法でどうにかなるぞ?」
「…なんでも自分基準で考えないでよ」

 希が突っ込む
 …影守の言うとおりなのだ
 サミュエルの契約都市伝説、正直、シャレにならない

 …いや

 「13使徒」はほぼ全員、シャレにならない存在と契約している
 そう言ってもいいだろう
 ヴァレンタインとニーナは除くが

「この、ゲルトラウデと言う女性のみ、能力の詳細がわからないのが不気味ですね…」
「前線に全然出てこねぇんだと、そいつ。影に隠れていて、何やってんのかわかんねぇんだろ。まぁ、もうちょっと探らせてみるけどな」
「……まさかだが、明日も来る気か」
「?また情報手に入ったら、すぐ来るぞ?」

 駄目なのか?と首をかしげるカラミティ
 この男、これでも美緒と影守の恋愛を応援している
 心から応援している
 ただし、気遣いが足りないうえに、デリカシーと呼べるものはほぼ持ち合わせていない
 悪魔に育てられた男にそんなもん期待するのが間違っているのかもしれないが

「まぁ、大丈夫だぞ。どんな奴が出ようとも、俺様が素敵な魔法で殺してやるから!!」
「甘ったるい殺し方は勘弁してよ?血の匂いは平気だけど、それにお菓子のにおいが混じるとあんなにひどいとは思わなかったわ」
「そうなのか?あれ、面白いぞ?」
「やめろ、快楽殺人鬼と殺しをためらわない魔法使いの会話とか、グロカオスの予感しかしない」

 己の契約都市伝説と空気読まない魔法使いの会話が嫌な方向に流れるのを押しとどめつつ
 影守は真剣に、資料に目を通していく



 …この中に、己が戦うべき相手はいるかどうか
 それを、さらにさらに、見極めるように








to be … ?




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