カラミティが口にした事実
……学校町を焼き尽くせと言う命令を受けているのは、カイザー
脅迫されていて、学校町を焼き尽くすと言うその命令を、カイザーは断れない
脅迫されていて、学校町を焼き尽くすと言うその命令を、カイザーは断れない
今のままでは
カイザーは、その命令を実行するしかないのだろう
カイザーは、その命令を実行するしかないのだろう
……自分に警告してきた時のカイザーの表情を、悠司は思い浮かべる
彼は…自ら望んで、その命令を受けるようには思えなかった
わざわざ、こちらに警告してきたのだ
きっと、本心では、その命令を受けたくないのかもしれない
彼は…自ら望んで、その命令を受けるようには思えなかった
わざわざ、こちらに警告してきたのだ
きっと、本心では、その命令を受けたくないのかもしれない
「あ、あの!」
「ん?」
「ん?」
カラミティを見上げる悠司
カラミティは小さく首をかしげて、悠司を見つめ返してくる
その金色の瞳は、なんだかずいぶん、子供っぽく見えた
カラミティは小さく首をかしげて、悠司を見つめ返してくる
その金色の瞳は、なんだかずいぶん、子供っぽく見えた
「あの………カイザーさんを助ける事って、できませんか?」
「助ける?」
「助ける?」
それを
提案して、自分はどうしようと言うのか
払えるべき代償を、自分は持たない
だが、それでも、悠司は口に出さずにはいられなかった
提案して、自分はどうしようと言うのか
払えるべき代償を、自分は持たない
だが、それでも、悠司は口に出さずにはいられなかった
「カイザーさんが、無理矢理命令されて、脅迫されて、学校町を焼き尽くそうとしているのなら………っその状況から、カイザーさんを助ける事は、できませんか?」
悠司の、その提案に
んー、と、考え込んだそぶりを見せるカラミティ
それは、悠司の言葉を承諾しようかどうか、悩んでいる……と、言うよりは、それが実行できるかどうか、悩んでいるように見えた
んー、と、考え込んだそぶりを見せるカラミティ
それは、悠司の言葉を承諾しようかどうか、悩んでいる……と、言うよりは、それが実行できるかどうか、悩んでいるように見えた
そして、尋ねてくる
「お前、カインとは仲いいみたいだけど、カイザーとも仲、いいのか?」
「え?」
「??仲がいいから助けたいんじゃないのか?」
「え?」
「??仲がいいから助けたいんじゃないのか?」
ひどく子供っぽく、首を傾げてくるカラミティ
仲が良いか?
そう尋ねられて、「Yes」と即答できる訳ではない
カイザーとは、ただ一度顔を合わせて…その時に、警告してくれた
ただ、それだけの関係でしか、ない
けれど……
そう尋ねられて、「Yes」と即答できる訳ではない
カイザーとは、ただ一度顔を合わせて…その時に、警告してくれた
ただ、それだけの関係でしか、ない
けれど……
「カイザーさんとは、ただ一度だけ、しか会った事がありません。あの人の事も、詳しく知っているわけではありません」
そう
カイザーとの接点は、ただそれだけ
だが
カイザーとの接点は、ただそれだけ
だが
「でも、あの人は、僕に危険を警告してくれました。カインさんの事も…とても、心配していました」
あの、優しい人を
見捨てる事など……悠司には、できない
見捨てる事など……悠司には、できない
「払える代償もないのに、虫のいい提案だって事は、わかってます。それでも…」
「それでも、お前は、カイザーに助かってほしいと願いのか?」
「それでも、お前は、カイザーに助かってほしいと願いのか?」
こくり、と悠司は頷く
救われてほしい、と
そう、願うのだ
救われてほしい、と
そう、願うのだ
頷いた悠司の、その様子に
うー、と、カラミティが難しそうな表情を浮かべる
うー、と、カラミティが難しそうな表情を浮かべる
「……でも、それ。カイザー自身に生きたいっていう想いがないと、難しいぞ?」
「カイザーさん自身に…ですか?」
「そう。多分、あいつ、死にたがってるから」
「カイザーさん自身に…ですか?」
「そう。多分、あいつ、死にたがってるから」
死にたがる?
……カイザーが?
……カイザーが?
悠司の疑問を感じ取ったのだろう
カラミティは、軽く杖を振りつつ、言葉を続ける
カラミティは、軽く杖を振りつつ、言葉を続ける
「あいつは、脅迫されてるから命令に逆らえない。でも、命令には従いたくない」
振られる杖から、魔法陣が生まれる
先ほど悠司へと吸い込まれた魔法陣と同じく、悪魔を召還できるようにするためのものなのだろう
それらは、すぅ……と、悠司の体に触れて、吸い込まれて消えていく
先ほど悠司へと吸い込まれた魔法陣と同じく、悪魔を召還できるようにするためのものなのだろう
それらは、すぅ……と、悠司の体に触れて、吸い込まれて消えていく
「そういう時、どうすればいいか?……手っ取り早いのは、自分が死ぬ事だ。死ねば、命令に従わずに済むからな」
「自殺……しようとしている、って事ですか?」
「いや、自殺は無理だろ。そうすると、カイザーを脅迫するための材料にされてる餓鬼共がどうなるかわからないし。それに、確かあいつらの信じてる神って、自殺は禁じていたと思うから」
「自殺……しようとしている、って事ですか?」
「いや、自殺は無理だろ。そうすると、カイザーを脅迫するための材料にされてる餓鬼共がどうなるかわからないし。それに、確かあいつらの信じてる神って、自殺は禁じていたと思うから」
残される者の為と、信仰の為に、自殺はできない
だが
だが
「…でも、「殺される事」はできるだろ?」
「それって……」
「それって……」
カラミティが言わんとしている事を
悠司は、理解する
悠司は、理解する
「誰かと、戦闘状態になった場合……あの人が、自ら殺されようとする可能性がある、って事ですか?」
「そういうことだな」
「そういうことだな」
すぅ……と
幾つも生まれた魔法陣が、全て、悠司の中に吸い込まれて消えていった
それだけ、彼は簡易の契約を結び、悪魔を呼び出せるようになったということか
「アガレス」「ヴァッサゴ」「オリアス」「ストラス」などと、脳裏に名前が浮かび上がってくる
幾つも生まれた魔法陣が、全て、悠司の中に吸い込まれて消えていった
それだけ、彼は簡易の契約を結び、悪魔を呼び出せるようになったということか
「アガレス」「ヴァッサゴ」「オリアス」「ストラス」などと、脳裏に名前が浮かび上がってくる
「……カインを護り、なおかつ、カイザーの事も、救いたいならば」
つ、と
カラミティが、再び、悠司に杖を向けた
カラミティが、再び、悠司に杖を向けた
「事が起きる前に、何とか、カイザーに接触してみろ。そして、自分が死ねば済むって考えをひっくり返させるんだな。そうしないと、難しいだろ」
それは
居場所もわからぬカイザーを、探し出せと言うこと
居場所もわからぬカイザーを、探し出せと言うこと
「お前が「教会」の奴に接触するのがバレるのがまずいなら、それくらいはごまかしてやる。お前に貸した悪魔に、人探しが得意な奴もいるし、不可能じゃあねぇだろ」
最後に、要求されるのは
「お前がどれだけ、そいつを救いたいか、どれだけ、それを強く願い実行できるかだ」
「………」
「………」
俯く悠司
……自分に、それができるのか?
……自分に、それができるのか?
いや
できるのか、ではない
本当に救いたいならば、できなければならないのだ
できるのか、ではない
本当に救いたいならば、できなければならないのだ
「あぁ、そうだ」
「………?」
「ありがとうな」
「………?」
「ありがとうな」
え、と
突然の、カラミティの感謝の言葉に……悠司は、きょとん、とする
悠司の足元で丸くなっていたフラウロスも、その言葉に「にゃ!?」と驚いたように顔を上げた…明日には槍でもふってくるんじゃないか、と言うような顔をしている
突然の、カラミティの感謝の言葉に……悠司は、きょとん、とする
悠司の足元で丸くなっていたフラウロスも、その言葉に「にゃ!?」と驚いたように顔を上げた…明日には槍でもふってくるんじゃないか、と言うような顔をしている
「ありがとう、って…」
「お前は、カインを護るって約束してくれたから。カインは、俺様の一番大事な存在で、唯一無二だから。それを護るって約束してくれたんだから、感謝するのは当然だぞ」
「お前は、カインを護るって約束してくれたから。カインは、俺様の一番大事な存在で、唯一無二だから。それを護るって約束してくれたんだから、感謝するのは当然だぞ」
だから、と
カラミティは、子供っぽく笑ってくる
カラミティは、子供っぽく笑ってくる
「お前の、「カインを守る」と言う約束を、俺様は信じる。だから俺様のできる手伝いは、何だってしてやる。俺様の大切な存在を護ると言ってくれたお前に、俺様は感謝し、祝福する…………大魔法使い カラミティ・ルーンの名前の元に」
と
己の名のもとに……そう、強く、宣言してきたのだった
己の名のもとに……そう、強く、宣言してきたのだった
to be … ?