※ある日の夕暮 の続き
空飛ぶ海賊船で現実逃避をしていたローゼは、突如部下からのお説教というラブコールをうけ、しぶしぶと山の裏に海賊船を下し、涙目で部下の元に走っていった。
その前に、雄介と薫はメールアドレスや電話番号を交換していたりするのだが。
そして、これはその後の出来事の、続きである。
「……何だったんだろうな。あの子供」
「そうですね」
薫は違和感を覚えたまま、帰路を歩いている。
だが、雄介は眉毛月のコアラのお菓子に関心が行っているらしい。
「なあ、このお菓子がどうかしたのか?」
「ええ、まあ」
それに、先程から雄介にも違和感がある気がするのだが、薫の気のせいだろうか?
「これは、某お菓子会社メーカーの、レアものです」
「ん、そうなのか?」
「ええ、普通は眉毛は描かれていないのですが……二つも出るなんて、あの子は相当のラッキーボーイのようです」
「ラッキーボーイね……」
その様な感じには見えなかったが、雄介がいうならそうなのだろう。
「それに、このコアラを食べると、幸運が訪れるとも言われています」
「……そう言われてみれば、都市伝説の気配を微かに感じるな」
「感じるんですか」
「感じるな」
「そうですか」
やはり、どこか冷たい気がする。一体どうしてしまったのだろうか?
「今のお前、どこかおかしいぞ?」
「どこがです?」
「何だか、感情が抜けたロボットみたいだ」
「先程の事で、少々考え事をしてまして……」
「さっきってあれか? あの目つきの悪い男の事か?」
「……ああ、そっちもありますが、これは自分の問題なので」
「…………」
と、言う事は、だ。雄介は恐らく、あの兄について考えているのだろう。
喧嘩とはいえ、都市伝説のぶつかり合いだ。どこか大けがをさせてしまったという罪悪感。
それに、あの兄はどこまでも追いかけ回すだろう。自分を、道具にするか、殺すまで……。
その前に、雄介と薫はメールアドレスや電話番号を交換していたりするのだが。
そして、これはその後の出来事の、続きである。
「……何だったんだろうな。あの子供」
「そうですね」
薫は違和感を覚えたまま、帰路を歩いている。
だが、雄介は眉毛月のコアラのお菓子に関心が行っているらしい。
「なあ、このお菓子がどうかしたのか?」
「ええ、まあ」
それに、先程から雄介にも違和感がある気がするのだが、薫の気のせいだろうか?
「これは、某お菓子会社メーカーの、レアものです」
「ん、そうなのか?」
「ええ、普通は眉毛は描かれていないのですが……二つも出るなんて、あの子は相当のラッキーボーイのようです」
「ラッキーボーイね……」
その様な感じには見えなかったが、雄介がいうならそうなのだろう。
「それに、このコアラを食べると、幸運が訪れるとも言われています」
「……そう言われてみれば、都市伝説の気配を微かに感じるな」
「感じるんですか」
「感じるな」
「そうですか」
やはり、どこか冷たい気がする。一体どうしてしまったのだろうか?
「今のお前、どこかおかしいぞ?」
「どこがです?」
「何だか、感情が抜けたロボットみたいだ」
「先程の事で、少々考え事をしてまして……」
「さっきってあれか? あの目つきの悪い男の事か?」
「……ああ、そっちもありますが、これは自分の問題なので」
「…………」
と、言う事は、だ。雄介は恐らく、あの兄について考えているのだろう。
喧嘩とはいえ、都市伝説のぶつかり合いだ。どこか大けがをさせてしまったという罪悪感。
それに、あの兄はどこまでも追いかけ回すだろう。自分を、道具にするか、殺すまで……。
「ああ!! すいませんが先程の愛してるの『俺もだ』って、結局恋人確定って事なんですかー!?」
「そっちか!? お前さっきのシリアスクールカリスマ空気は何だったんだ!?」
「……すいません。脳の70%をそちらに使っていたものですから、大体しか覚えてないですはい」
「お前の脳はどうなってるんだ!?」
今思い出した。雄介というバカは、空気を読まずに自分と本条薫という女の為にしか動かないという事を、薫は思い出してしまった。
これはKYというレベルではない。絶対狙っている。
「それで、どうなんですか? あの~返事?」
あははははははは、と笑いながら頭を抱えている雄介。
対して薫は、はぁ……とため息をつきながら頭を抱えている。
だが気を取り直し、自分の顔より高いところにある雄介の顎を掴み、少し顔を赤くしながら、ちゃんと雄介の目を見る。
「……普通に恋人の愛してるって意味で受け取っておけ」
薫は雄介の顎を突き離し、つかつかと顔を赤くしながら先を歩く。
その言葉を聞いた雄介は、一気に顔を赤くし、サッと恥ずかしがって後ろを向いてしまう。
「おい!! さっさと帰るぞ!!」
「は、はい!」
雄介は薫の隣を歩き、互いに手をつないで、夕日を背に歩きだした。
「……すいません。脳の70%をそちらに使っていたものですから、大体しか覚えてないですはい」
「お前の脳はどうなってるんだ!?」
今思い出した。雄介というバカは、空気を読まずに自分と本条薫という女の為にしか動かないという事を、薫は思い出してしまった。
これはKYというレベルではない。絶対狙っている。
「それで、どうなんですか? あの~返事?」
あははははははは、と笑いながら頭を抱えている雄介。
対して薫は、はぁ……とため息をつきながら頭を抱えている。
だが気を取り直し、自分の顔より高いところにある雄介の顎を掴み、少し顔を赤くしながら、ちゃんと雄介の目を見る。
「……普通に恋人の愛してるって意味で受け取っておけ」
薫は雄介の顎を突き離し、つかつかと顔を赤くしながら先を歩く。
その言葉を聞いた雄介は、一気に顔を赤くし、サッと恥ずかしがって後ろを向いてしまう。
「おい!! さっさと帰るぞ!!」
「は、はい!」
雄介は薫の隣を歩き、互いに手をつないで、夕日を背に歩きだした。
「そういえば」
「ん?」
だが、そんな空気に耐えきれなかったのか、雄介はもう一つ気になっている事を話し始めた。
「あの時、先輩……龍一さんでしたっけ?」
「ああ、あれがどうした?」
「明日葉ちゃんが『この二人と知り合いか?』って聞いた時に、龍一先輩は『……顔見知りでは、ある』と答えました」
「だな」
「……あれって、自分の事も入っているんですかね? 顔見知りに。私がファントムだって気が付いていたんですかねぇ?」
学校でもあいさつ程度ですし、と補足した。
だが、それはないと思う。彼は都市伝説ではなく、自由に都市伝説になる事ができる身体能力の高い人間だ(屋根の上を普通に飛びまわっているので、高いと思う)。
普段の彼には都市伝説と感じるものは無く、ファントムと比較すると、声もたたずまいもまるで違う。
よって、ありえないと思うのだが……もしかしたら分かっているのかもしれない。
「でもまあ、いい人そうで安心しましたけどね」
「……警告しただけで親切ってのは、解釈が少し大きすぎないか?」
「いいじゃないですか。そういうふうに考えても」
相も変わらず、雄介はのんきだ。
「だが、あの幸太って子供は実はサバよんでるな。猫どころかチワワ被ってるだろ」
「引っかかるものはありましたけどね」
二人はそんな話題も、幸せそうに、笑顔を浮かべながら話していた。
まだ見ぬ未来へ、歩きながら。
「ん?」
だが、そんな空気に耐えきれなかったのか、雄介はもう一つ気になっている事を話し始めた。
「あの時、先輩……龍一さんでしたっけ?」
「ああ、あれがどうした?」
「明日葉ちゃんが『この二人と知り合いか?』って聞いた時に、龍一先輩は『……顔見知りでは、ある』と答えました」
「だな」
「……あれって、自分の事も入っているんですかね? 顔見知りに。私がファントムだって気が付いていたんですかねぇ?」
学校でもあいさつ程度ですし、と補足した。
だが、それはないと思う。彼は都市伝説ではなく、自由に都市伝説になる事ができる身体能力の高い人間だ(屋根の上を普通に飛びまわっているので、高いと思う)。
普段の彼には都市伝説と感じるものは無く、ファントムと比較すると、声もたたずまいもまるで違う。
よって、ありえないと思うのだが……もしかしたら分かっているのかもしれない。
「でもまあ、いい人そうで安心しましたけどね」
「……警告しただけで親切ってのは、解釈が少し大きすぎないか?」
「いいじゃないですか。そういうふうに考えても」
相も変わらず、雄介はのんきだ。
「だが、あの幸太って子供は実はサバよんでるな。猫どころかチワワ被ってるだろ」
「引っかかるものはありましたけどね」
二人はそんな話題も、幸せそうに、笑顔を浮かべながら話していた。
まだ見ぬ未来へ、歩きながら。
「そういやマヤ文明がそろそろ世界が終るとか予言してなかったか?」
「この町なら本当になりそうだからやめて下さいっ!!」
「この町なら本当になりそうだからやめて下さいっ!!」
世界が終らなければ、続く……