「赤い糸? 緑の炎で焼き切ってあげるよ」
さて、この世界には『運命の赤い糸』などという色の通りに血迷った戯言を信じている輩がいるようだけど、本当に妬ましいと思う。生まれたときから? 愛によって結ばれるのが約束されている? くだらない。妬ましい…
疾風「本っ当妬ましい…!」
と、そんな言葉を漏らす僕、妬見女疾風。学生会七つの大罪、嫉妬担当。帝先輩は、ゆくゆくは『学生会七つの大罪』を『秘密結社七つの大罪』にグレードアップさせるつもりだって言ってたけど、今はいいか
ん? あそこに居るのは…
「はい紅ちゃん。あーん」
高校生くらいの女性の箸の先にある玉子焼きが、隣の男性(恐らく恋人だろう)の口元に運ばれる…
疾風「爆発しろ!」
前に爆散した。こんなにあからさまにイチャついてたんだもん。爆発させろって言ってるような物だろう?
「なっ…なんだ?」
「私達の愛を邪魔する人は誰?」
こいつら全然懲りてないよ…ああ妬ましい
疾風「どうも! 中央高校2年B組、妬見女疾風でーす! 妬ましくって仕方ないから貴方達の恋路を邪魔しにきました!」
紅介「はぁ…赤井紅介です」
結子「糸田結子です」
ん? ちょっと引いてる? うん、まぁ概ね計画通り。これでさっきのイチャイチャの熱も冷めたし、そんな空気も壊せただろう
結子「ねぇ紅ちゃん。この人怖ーい」
紅介「大丈夫。結にゃんは僕が守るからね」
あれ? おっかしいなー またイチャイチャし始めたぞー? 空気読めよこのリア充どもが! 爆発しろ!
疾風「…爆発しろ」
壊れた空気を読まない彼らの発する桃色の空気をぶち壊すように、爆音と爆風が響く。すっきりした
紅介「なんなんだ君は! なんなんだそれは! 何故君は僕達の愛を邪魔するんだ!」
疾風「『リア充爆発しろ』。僕の契約都市伝説だよ。僕って君達みたいに愛し愛される人間が大ッッ嫌いなんだよ! ああ妬ましい!」
結子「はぁ? ふざけないでよ! 貴方には関係ないじゃない!」
疾風「関係ない? 関係ないとか関係あるとか…それこそ関係ないよ。僕の嫉妬は無限大で全方位型の法界悋気だ」
あ、法界悋気っていうのは自分とは全く関係ない人に嫉妬することね
紅介「どうしても邪魔するって言うんだね…。なら! 僕達の…」
結子「私達の絆で! 貴方を倒す! この…」
紅介・結子「「『運命の赤い糸』で!!!」」
疾風「あっはははは! 赤い糸? 緑の炎で、嫉妬の炎で焼き切ってあげるよ…! 」
こうして、非リア充(ぼく)VSリア充(カップル)の勝負が始まったのだ!
紅介「いくよ…!『赤い糸』!」
結子「レッドスパイダー!」
『運命の赤い糸』をくもの巣のように張り巡らせる二人。使いこなしてるじゃないか妬ましい!
疾風「爆発しろ!…うわっ!」
『リア充爆発しろ』で爆破しきれない! 『運命の赤い糸』の絶対に切れない能力か…!
疾風「危なかった…! 拙いな…ここは一旦引く!」
逃走…ではない。一時的な戦略的撤退である
紅介「え?」
結子「あれ?」
紅介「逃げたみたいだね」
結子「みたいね…。じゃ、食事の続きを…」
「紅介くーん! まったぁ?」
二人がイチャイチャし始めようとすると、突然一人の女の子がやってきた…いや、僕なんだけども
紅介「え…鳥風(とりえ)? どうして此処に…」
鳥風「どうしてじゃないわよ…忘れちゃったの? 今日ここで会うって約束してたのに…」
紅介「え?(そんな約束してたっけ?)」
まぁ、僕が他人の約束のことなんて知るわけもないんだけどね
鳥風「ふーん…忘れてたんだぁ…。ねぇ、ところで…その女、誰なの?」
さっき紹介されたから知ってるわけだけど…
結子「糸田結子。紅ちゃんの彼女よ!」
鳥風「へぇ、ちゃん付けで呼んでるんだぁ…でも! 私の方が紅介君のことをよく知ってるんだからぁ!」
そう言って赤井紅介君の腕にしがみつく僕。いや、別にそういう趣味があるわけじゃないよ?
紅介「! 君、偽者だろう? 鳥風はこんなに積極的じゃあなかった! つまり君は…本物の鳥風じゃないんだ!」
鳥風「………あれぇ? ばれちゃいましたかぁー…」
リア充から離れ、変装を解く僕
疾風「結構完璧に変装できてたと思ったんだけどな…」
紅介「また君か…! 君は今日始めて会ったばかりのはずなのに…なぜ鳥風に変装できたんだ!?」
疾風「ん? ああ、この前君と話してるのを見たから。僕は一回見た人なら誰でも変装できるし、一回聞いた声なら何でも真似られるのさ」
紅介「一回聞いたら…? まさか君、最近噂の『異常』とやらか…! 変装能力とはかなり超能力じみているな…」
疾風「おいおい、早とちりするなよ。変装能力(こんなの)も声帯模写(こんなの)もただの特技だぜ? 僕の誇る僕の異常は…他にある!」
と、どこかで聞いたことのある台詞を吐く僕
疾風「ところ紅介くん。君、糸田さんと恋人なんだよね? 一生彼女を守るって決めたんだよね?」
紅介「そうだけど…」
疾風「だったら他の女のことなんて、全く全然気にならないはずだよねぇ? だったらどうして、鳥風さんが積極的じゃないって分かったのかなぁ…?」
紅介「そ…それは…とっ…友達だから!」
疾風「言い訳にしか聞こえないよ。ねぇ、糸田さん。これで分かったろう? つまりコイツと運命の仲だと思ってたのは君だけだったってわけさ。
許せないよね? コイツは今まで君を騙してきてたんだ! 君を一生守るとか嘯いて! いったいこの台詞を、何人の女に言ったんだろうね…?」
言葉を巧みに操って、糸田さんの心を刺激する…否、言葉(こんなもの)はただの手段に過ぎない―
結子「裏切り…浮気…」
糸田さんの周りから、一部の人にしか見えない緑のオーラが放出される…そう、『ジェーラ』だ。よし、こうなれば…
疾風「そう! コイツは君の事を玩具としか思ってない! 心の中じゃあ君を『チョロい女』とか笑ってるに違いないよ…コイツはそういう女誑しなんだ!」
結子「女…誑し…」
紅介「な…違う! 騙されないでくれ! 確かに他の女の子と話すこともあったけど…それはあくまで友達としてだ! 僕にとっての一番は君だけなんだよ!」
疾風「無駄だよ。その言葉が嘘だろうと本当だろうと、今の彼女には裏目(マイナス)にしかはたらかない…」
結子「ふ…ふふ…あは…あはははははははは! そっかぁ…やっぱりそうだったんだぁ…
分かってる、分かってるよ紅介君…。貴方は誑かされてたのよね…悪い悪魔に取り憑かれてただけなのよね…。でも大丈夫。私が目を覚まさせてあげるから…」
よし、狙い通り…飲まれたね
疾風「教えてあげるよ。嫉妬に狂った女の子は何よりも強くて何よりもまっすぐで何よりも恐ろしくて…そして何よりも美しいんだ。そこがまた妬ましいんだけど…ね!」
紅介「ま…まさか…君…」
疾風「そう! これこそが僕の異常だよ。異性だろうと同性だろうと。人間だろうと人外だろうと。生物だろうと無生物だろうと。有機物だろうと無機物だろうと…例外なく全てに嫉妬する。悋気王辺(グリーンアイドクイーン)だ。
そして、嫉妬心が強すぎるあまり…他人の嫉妬心すら操れるのさ」
男なのに女王(クイーン)? とか、そういう突っ込みは受け付けてないよ!
結子「あっははははははははははははははははは!!!
大丈夫だよ紅介君…私が綺麗にしてあげるから!」
どこからか包丁を取り出し、振り回す糸田さん
紅介「ひっ…」
結子「どうして…? どうして逃げるの…? 私はこんなに好きなのに…!
ああそっかぁ! 私が『紅介君』なんて余所余所しい呼び方するから怒っちゃったんだね…。ごめんね紅ちゃん! ねぇ紅ちゃん、ちゃんと紅ちゃんって呼ぶから! だから逃げないでよ…」
紅介「目を覚ましてくれ結にゃん! 君はその男に騙されてるんだ…!」
結子「おかしなことを言わないでよ。私が騙されてるわけないじゃない。貴方に浮気されてたのは確かにショックだったけど…でも、貴方を私しか愛せないようにすれば! 貴方に寄り付く意地汚い女共を全て滅ぼせば! みーんな解決するのよ…!」
虚ろな瞳で包丁を振り回す糸田さん
疾風「ふーん…この状況でまだ説得なんてしようとするんだ…。無駄だって言ってるのに。あー、それにしても…君を疑わせるために嫉妬に狂わせて! 関係をぶち壊してやろうと思ったのに…愛されてるんだね妬ましい…!
それもこれも君に良い所(プラス)があるからなのかなぁ…? じゃ、それも踏まえて無駄だってことを教えるために…しっかり“釘を刺して”おかないと…ね!」
僕は袖から五寸釘を取り出し…紅介君と糸田さんに突き刺す!
紅介「!?」
結子「…?」
疾風「見た目はグロテスクだけど…肉体に殆どダメージはないよ。これは僕の過負荷(マイナス)なんだから」
紅介「マイ…ナス? なんだそれ…! 聞いたこともないぞ…?」
疾風「教えるとでも? …と、言いたいところだけど、折角だし教えてあげるね。過負荷っていうのは異常と違って、環境や性格によって後天的に発言するスキルさ。
異常と違って理論も理屈もないってのが特徴でね…。つまり! 文字通り種も仕掛けもありません、ってことなんだよ…! ちなみに僕の過負荷は勝人堕とし(ベストクリーナー)。僕が妬んでる相手に、気持ちを込めて釘を刺すことで…良い所を削ぎ落とせるんだよ」
紅介「良い…所?」
疾風「そう! 体型(スタイル)にしろ顔(ルックス)にしろ性格(キャラクター)にしろ能力(スキル)にしろ…全部削ぎ落として剥ぎ取って洗い流すのさ!
隣の青い芝生は全部刈るに限る、ってね。さぁ! 良い所がなくなった君を! 愛する奴なんか誰も居ない! 僕達(マイナス)の、どんなに頑張ってもどんなことをしても! 決してモテない人生を味わうがいいよ…。あはははははははは!!!」
紅介「う…う…く…」
結子「紅…ちゃん…」
疾風「ふーん…まだそんな呼び方できるんだ…。でも! そんなのは所詮惰性なのさ! 止めだよ…『橋姫』」
『了解よ。あははははは、呼ばれるのはまだかってずーっと待ってたわ…。だって、すごく妬ましかったんだもの…! 私の橋を渡ったカップルは、みーんな別れることになるのよ…!
主の異常と過負荷のお陰で! 『運命の赤い糸』が無効になっている今! 貴方達にこれを防ぐ術はない…!』
『宇治の橋姫』の手から緑色の炎が飛び出し、紅介君と糸田さんの間に飛んでいく…。そして、文字通り『運命の赤い糸』を、焼き切った…否、“妬き切った”
紅介「…あれ? 僕は今まで何を?」
結子「…あれ、これ、私のお弁当…。向こうのベンチで食べましょう」
ここで何事もなかったかのように、どこかに行ってしまった紅介君と糸田さん。よし、これでまた一組、リア充共をぶち壊せた…!
あははははははははははははははは!!!! 優秀な奴も幸せな奴も! 人気者もリア充も! みーんなみんな滅びちゃえばいいんだよ!!!
さて、この世界には『運命の赤い糸』などという色の通りに血迷った戯言を信じている輩がいるようだけど、本当に妬ましいと思う。生まれたときから? 愛によって結ばれるのが約束されている? くだらない。妬ましい…
疾風「本っ当妬ましい…!」
と、そんな言葉を漏らす僕、妬見女疾風。学生会七つの大罪、嫉妬担当。帝先輩は、ゆくゆくは『学生会七つの大罪』を『秘密結社七つの大罪』にグレードアップさせるつもりだって言ってたけど、今はいいか
ん? あそこに居るのは…
「はい紅ちゃん。あーん」
高校生くらいの女性の箸の先にある玉子焼きが、隣の男性(恐らく恋人だろう)の口元に運ばれる…
疾風「爆発しろ!」
前に爆散した。こんなにあからさまにイチャついてたんだもん。爆発させろって言ってるような物だろう?
「なっ…なんだ?」
「私達の愛を邪魔する人は誰?」
こいつら全然懲りてないよ…ああ妬ましい
疾風「どうも! 中央高校2年B組、妬見女疾風でーす! 妬ましくって仕方ないから貴方達の恋路を邪魔しにきました!」
紅介「はぁ…赤井紅介です」
結子「糸田結子です」
ん? ちょっと引いてる? うん、まぁ概ね計画通り。これでさっきのイチャイチャの熱も冷めたし、そんな空気も壊せただろう
結子「ねぇ紅ちゃん。この人怖ーい」
紅介「大丈夫。結にゃんは僕が守るからね」
あれ? おっかしいなー またイチャイチャし始めたぞー? 空気読めよこのリア充どもが! 爆発しろ!
疾風「…爆発しろ」
壊れた空気を読まない彼らの発する桃色の空気をぶち壊すように、爆音と爆風が響く。すっきりした
紅介「なんなんだ君は! なんなんだそれは! 何故君は僕達の愛を邪魔するんだ!」
疾風「『リア充爆発しろ』。僕の契約都市伝説だよ。僕って君達みたいに愛し愛される人間が大ッッ嫌いなんだよ! ああ妬ましい!」
結子「はぁ? ふざけないでよ! 貴方には関係ないじゃない!」
疾風「関係ない? 関係ないとか関係あるとか…それこそ関係ないよ。僕の嫉妬は無限大で全方位型の法界悋気だ」
あ、法界悋気っていうのは自分とは全く関係ない人に嫉妬することね
紅介「どうしても邪魔するって言うんだね…。なら! 僕達の…」
結子「私達の絆で! 貴方を倒す! この…」
紅介・結子「「『運命の赤い糸』で!!!」」
疾風「あっはははは! 赤い糸? 緑の炎で、嫉妬の炎で焼き切ってあげるよ…! 」
こうして、非リア充(ぼく)VSリア充(カップル)の勝負が始まったのだ!
紅介「いくよ…!『赤い糸』!」
結子「レッドスパイダー!」
『運命の赤い糸』をくもの巣のように張り巡らせる二人。使いこなしてるじゃないか妬ましい!
疾風「爆発しろ!…うわっ!」
『リア充爆発しろ』で爆破しきれない! 『運命の赤い糸』の絶対に切れない能力か…!
疾風「危なかった…! 拙いな…ここは一旦引く!」
逃走…ではない。一時的な戦略的撤退である
紅介「え?」
結子「あれ?」
紅介「逃げたみたいだね」
結子「みたいね…。じゃ、食事の続きを…」
「紅介くーん! まったぁ?」
二人がイチャイチャし始めようとすると、突然一人の女の子がやってきた…いや、僕なんだけども
紅介「え…鳥風(とりえ)? どうして此処に…」
鳥風「どうしてじゃないわよ…忘れちゃったの? 今日ここで会うって約束してたのに…」
紅介「え?(そんな約束してたっけ?)」
まぁ、僕が他人の約束のことなんて知るわけもないんだけどね
鳥風「ふーん…忘れてたんだぁ…。ねぇ、ところで…その女、誰なの?」
さっき紹介されたから知ってるわけだけど…
結子「糸田結子。紅ちゃんの彼女よ!」
鳥風「へぇ、ちゃん付けで呼んでるんだぁ…でも! 私の方が紅介君のことをよく知ってるんだからぁ!」
そう言って赤井紅介君の腕にしがみつく僕。いや、別にそういう趣味があるわけじゃないよ?
紅介「! 君、偽者だろう? 鳥風はこんなに積極的じゃあなかった! つまり君は…本物の鳥風じゃないんだ!」
鳥風「………あれぇ? ばれちゃいましたかぁー…」
リア充から離れ、変装を解く僕
疾風「結構完璧に変装できてたと思ったんだけどな…」
紅介「また君か…! 君は今日始めて会ったばかりのはずなのに…なぜ鳥風に変装できたんだ!?」
疾風「ん? ああ、この前君と話してるのを見たから。僕は一回見た人なら誰でも変装できるし、一回聞いた声なら何でも真似られるのさ」
紅介「一回聞いたら…? まさか君、最近噂の『異常』とやらか…! 変装能力とはかなり超能力じみているな…」
疾風「おいおい、早とちりするなよ。変装能力(こんなの)も声帯模写(こんなの)もただの特技だぜ? 僕の誇る僕の異常は…他にある!」
と、どこかで聞いたことのある台詞を吐く僕
疾風「ところ紅介くん。君、糸田さんと恋人なんだよね? 一生彼女を守るって決めたんだよね?」
紅介「そうだけど…」
疾風「だったら他の女のことなんて、全く全然気にならないはずだよねぇ? だったらどうして、鳥風さんが積極的じゃないって分かったのかなぁ…?」
紅介「そ…それは…とっ…友達だから!」
疾風「言い訳にしか聞こえないよ。ねぇ、糸田さん。これで分かったろう? つまりコイツと運命の仲だと思ってたのは君だけだったってわけさ。
許せないよね? コイツは今まで君を騙してきてたんだ! 君を一生守るとか嘯いて! いったいこの台詞を、何人の女に言ったんだろうね…?」
言葉を巧みに操って、糸田さんの心を刺激する…否、言葉(こんなもの)はただの手段に過ぎない―
結子「裏切り…浮気…」
糸田さんの周りから、一部の人にしか見えない緑のオーラが放出される…そう、『ジェーラ』だ。よし、こうなれば…
疾風「そう! コイツは君の事を玩具としか思ってない! 心の中じゃあ君を『チョロい女』とか笑ってるに違いないよ…コイツはそういう女誑しなんだ!」
結子「女…誑し…」
紅介「な…違う! 騙されないでくれ! 確かに他の女の子と話すこともあったけど…それはあくまで友達としてだ! 僕にとっての一番は君だけなんだよ!」
疾風「無駄だよ。その言葉が嘘だろうと本当だろうと、今の彼女には裏目(マイナス)にしかはたらかない…」
結子「ふ…ふふ…あは…あはははははははは! そっかぁ…やっぱりそうだったんだぁ…
分かってる、分かってるよ紅介君…。貴方は誑かされてたのよね…悪い悪魔に取り憑かれてただけなのよね…。でも大丈夫。私が目を覚まさせてあげるから…」
よし、狙い通り…飲まれたね
疾風「教えてあげるよ。嫉妬に狂った女の子は何よりも強くて何よりもまっすぐで何よりも恐ろしくて…そして何よりも美しいんだ。そこがまた妬ましいんだけど…ね!」
紅介「ま…まさか…君…」
疾風「そう! これこそが僕の異常だよ。異性だろうと同性だろうと。人間だろうと人外だろうと。生物だろうと無生物だろうと。有機物だろうと無機物だろうと…例外なく全てに嫉妬する。悋気王辺(グリーンアイドクイーン)だ。
そして、嫉妬心が強すぎるあまり…他人の嫉妬心すら操れるのさ」
男なのに女王(クイーン)? とか、そういう突っ込みは受け付けてないよ!
結子「あっははははははははははははははははは!!!
大丈夫だよ紅介君…私が綺麗にしてあげるから!」
どこからか包丁を取り出し、振り回す糸田さん
紅介「ひっ…」
結子「どうして…? どうして逃げるの…? 私はこんなに好きなのに…!
ああそっかぁ! 私が『紅介君』なんて余所余所しい呼び方するから怒っちゃったんだね…。ごめんね紅ちゃん! ねぇ紅ちゃん、ちゃんと紅ちゃんって呼ぶから! だから逃げないでよ…」
紅介「目を覚ましてくれ結にゃん! 君はその男に騙されてるんだ…!」
結子「おかしなことを言わないでよ。私が騙されてるわけないじゃない。貴方に浮気されてたのは確かにショックだったけど…でも、貴方を私しか愛せないようにすれば! 貴方に寄り付く意地汚い女共を全て滅ぼせば! みーんな解決するのよ…!」
虚ろな瞳で包丁を振り回す糸田さん
疾風「ふーん…この状況でまだ説得なんてしようとするんだ…。無駄だって言ってるのに。あー、それにしても…君を疑わせるために嫉妬に狂わせて! 関係をぶち壊してやろうと思ったのに…愛されてるんだね妬ましい…!
それもこれも君に良い所(プラス)があるからなのかなぁ…? じゃ、それも踏まえて無駄だってことを教えるために…しっかり“釘を刺して”おかないと…ね!」
僕は袖から五寸釘を取り出し…紅介君と糸田さんに突き刺す!
紅介「!?」
結子「…?」
疾風「見た目はグロテスクだけど…肉体に殆どダメージはないよ。これは僕の過負荷(マイナス)なんだから」
紅介「マイ…ナス? なんだそれ…! 聞いたこともないぞ…?」
疾風「教えるとでも? …と、言いたいところだけど、折角だし教えてあげるね。過負荷っていうのは異常と違って、環境や性格によって後天的に発言するスキルさ。
異常と違って理論も理屈もないってのが特徴でね…。つまり! 文字通り種も仕掛けもありません、ってことなんだよ…! ちなみに僕の過負荷は勝人堕とし(ベストクリーナー)。僕が妬んでる相手に、気持ちを込めて釘を刺すことで…良い所を削ぎ落とせるんだよ」
紅介「良い…所?」
疾風「そう! 体型(スタイル)にしろ顔(ルックス)にしろ性格(キャラクター)にしろ能力(スキル)にしろ…全部削ぎ落として剥ぎ取って洗い流すのさ!
隣の青い芝生は全部刈るに限る、ってね。さぁ! 良い所がなくなった君を! 愛する奴なんか誰も居ない! 僕達(マイナス)の、どんなに頑張ってもどんなことをしても! 決してモテない人生を味わうがいいよ…。あはははははははは!!!」
紅介「う…う…く…」
結子「紅…ちゃん…」
疾風「ふーん…まだそんな呼び方できるんだ…。でも! そんなのは所詮惰性なのさ! 止めだよ…『橋姫』」
『了解よ。あははははは、呼ばれるのはまだかってずーっと待ってたわ…。だって、すごく妬ましかったんだもの…! 私の橋を渡ったカップルは、みーんな別れることになるのよ…!
主の異常と過負荷のお陰で! 『運命の赤い糸』が無効になっている今! 貴方達にこれを防ぐ術はない…!』
『宇治の橋姫』の手から緑色の炎が飛び出し、紅介君と糸田さんの間に飛んでいく…。そして、文字通り『運命の赤い糸』を、焼き切った…否、“妬き切った”
紅介「…あれ? 僕は今まで何を?」
結子「…あれ、これ、私のお弁当…。向こうのベンチで食べましょう」
ここで何事もなかったかのように、どこかに行ってしまった紅介君と糸田さん。よし、これでまた一組、リア充共をぶち壊せた…!
あははははははははははははははは!!!! 優秀な奴も幸せな奴も! 人気者もリア充も! みーんなみんな滅びちゃえばいいんだよ!!!
続く…