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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - EXIA-01

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だれでも歓迎! 編集
私の名はゼノビア・ネイピア。科学者だ
いや、“元”科学者、と言った方が正しいだろう
訳あって勤めていた研究所を出、今は世界中を飛び回っている
手元に残った物は五体満足の身体と服と財産、知識と技術、そして――――力
人間というものは非常に賢い生き物で、己が生きる為なら明日生き残る方法を瞬時に見つけ出せる
例えそれが、楽であろうが苦であろうが関係無い
悠々自適な人生を送るか、死に物狂いで働くか、それは自分次第だ
私は―――――どうだろう、考えた事も無い
私が常に考えているのは、楽か苦かなどではなく、“金になる”か“ならない”か
結局世を動かすのは金、それが無い者はこの星に立つ権利が無いに等しい
豊かな者が笑い、貧しき者は死ぬ
私は常に笑っていなければならない
明日の為に
生きる為に
世界の為に
願いの為に―――――――

















「った、助けてくれっ!」
「……断る、と言ったら?」
「金なら幾らでも払う! だから私を助けてくれ!」
「ほう、幾らまで?」
「ぐ、ごじゅ」
「200万」
「ならひゃk」
「200万」
「ぬぅっ……わ、分かった、200万払おうっ!!」
「交渉成立だな」

にっ、と笑いながら、外套に身を包み、長い銀髪を一つに結んだ女性――ゼノビアは立ち上がり、
その視線を怯え倒れている太った中年男性から外し、目の前の“生物”に移した
一言で言うならば、巨大なイカの化物
触手が短く眼の無いイカの化物が、火を噴きながらビル街で大暴れしていた

「「シュド=メル」……クトゥルフ神話に登場する1600メートルという巨体を持つ「クトーニアン」の長…
 夜刀浦市に潜伏して3ヶ月、ようやく本命に出会えたよ」

その瞬間、彼女の身体から電光が発せられ、全身を駆け巡る
ゼノビアは外套を脱ぎ捨て、「シュド=メル」と呼ばれた化物に歩み寄った

「『EXIA』、起動(Drive)」

彼女が呟くと同時に、彼女の姿が大きく変化する
丸みを帯びた装甲は炎が揺らめくように赤く、右手には砲口が備えられていた

「さて、狩らせて貰おうか」

背中のブースターから眩い光の粒子が溢れ出し、彼女は勢い良く跳び上がり、
左腕の砲口から5、6発の弾丸を打ち出してビルの窓に掴まった
弾丸はどれも「シュド=メル」を狙っていないにも関わらず、
それらは方向を変えて真っ直ぐに目標へと飛んでいき、「シュド=メル」の外皮に命中した
しかし、全て弾かれてしまい、弾丸は空しくも地へ落ちてゆく

「やはり通常の兵器では無理か……「シュド=メル」の弱点は―――――」

考える隙を突き、「シュド=メル」の火炎がゼノビアを襲う
彼女はそれを回避すると同時に、さらに上へと跳び上がった
そして、どれだけ跳び上がってもなお頂の見えない化物に砲口を向ける

「今考えている所なんだ、少し凍っていてくれ」

放たれたのは煙のような、不定形な流体の白い塊
それが着弾した直後、着弾地点から瞬間的に「シュド=メル」の身体が凍結した
硬くなった表皮を壁代わりに、ゼノビアはビルと交互に蹴りながら壁をジャンプし、
ビルの長さが足りなくなったところでふわりと宙に浮かび上がった

「……あれだ」

今度は「シュド=メル」ではなく遥か下の地上にある標的に向けて弾丸を放つ
先程の弾丸とは違い、雷光を放ちながら恐ろしいスピードで突き進むそれは標的を穿ちアスファルトを抉り、
火山が噴火したかの如く、地上から大量の水が噴き上がった
破壊された消火栓から噴き出た水を浴びた「シュド=メル」は、大きく身体をうねらせ始める
それはまるで、苦しみ悶えるかのように

「「クトーニアン」は水を嫌う種族……量が多ければ殺せるが、生憎殺しに来た訳ではないのでね」

ビルの屋上に立ち、苦しむ「シュド=メル」の様子を見ながらゼノビアはまた呟いた
弱りかけた化物を見て、再び砲口を向け、弾を射出した
速度の緩いその弾が「シュド=メル」の表皮に触れると、
「シュド=メル」の巨体が、見る見る内に弾の中に吸い込まれるように消えてゆく
完全に巨体が消えてなくなり、弾が落下を始めた時にゼノビアもそれを追って屋上から飛び降りる
ブースターから光を放出して勢いを殺して着地した後、彼女は「シュド=メル」を吸いこんだ弾を拾う
よく見ればそれは弾丸ではなく、その辺りに落ちていそうな石ころだった
だが、ゼノビアの浮かべた笑みからは、とても邪悪なものを感じた

「案外簡単だったな。一番時間がかかったのは出会うまで、か……さて、」

銃声
ゼノビアが背後に向けて弾丸を撃ったようだ
「ひぃっ」という情けない声を上げたのは、先程の中年男性だった
くるりと振り返り、彼女は己の変身を解除して鎧を取り払いながら、ゆっくりと男性に歩み寄った

「…お前、今逃げようとしていたな?」
「そ、そそそそんな、滅相もございません」
「なら金を出せ。200万」
「はっはい、その、こ、小切手で宜しいでしょうか?」
「本来なら現金が好ましいが……まぁ良いだろう」

さらさらと男性が懐から取り出した小切手にサインすると、ゼノビアはそれをさっと取り上げ、
また男性の懐から免許証も取り上げて、桁数やサインに虚偽が無いか隈なく確認した
口角を上げて頷いたところを見ると、どうやら正しく記載されていたようだ

「ふん、確かに…………毎度あり」

ぽい、と免許証を捨てやると、ゼノビアは自分の外套を拾って羽織ると、
崩れたビルの残骸の中へと姿を晦ました


















―――――夜
明るく賑やかな大通りとは対照的に、暗く物音一つしない路地裏にて
アタッシュケースを片手に提げたゼノビアは、逐一腕時計で時刻を確認しながらそこに立っていた
誰かと待ち合せているらしい

「……遅い。約束の時間はとっくに―――」
「例の物は手に入ったか?」

低い男性の声
闇の奥から現れたのは、黒いマントで身を包んだ男だった
辺りが暗い所為か、顔はよく見えない

「いつもより遅いぞ、何をしていた」
「これは失敬、こちらも色々と忙しいのでな
 それはさておき件の品は」
「…ここにある」

そう言って彼女はアタッシュケースを開けてその中身を男に見せた
そこにはずらりと石ころが並んでいたが、これを見て男の口元は満足そうに歪んだ

「素晴らしい……この3ヶ月で「シュド=メル」だけでなく、
 「ティンダロスの猟犬」、「ガタノトーア」、「ショゴス」、「アトラク・ナクア」……
 重複はあれど200もの邪神や怪物共を「要石」に封じ込めるとは…
 我が見込んだだけの事はあるな、ゼノビア・ネイピアよ」
「御託はいい。約束の金を寄越せ」
「分かった分かった…そら、約束の7億だ」

男は何処からともなくアタッシュケースを取り出し、中の札束の山を見せて再び閉じる
ゼノビアは笑みを浮かべ、それを受け取った

「確かに頂いた。次の依頼は何だ? 「クトゥルフ」でも封印するか?」
「いや、もうこの地のものは良い。また拠点を移して貰おうか」
「次は何処だ?」
「…人外魔境、学校町だ」
「ほう……良いだろう。ターゲットは?」
「特に指定はせん、期限もだ。とにかく多くの都市伝説を封じ込めよ
 無論その分報酬は弾む……多ければ多い程、な」
「どうした?随分気前が良いじゃないか……まぁいい。その依頼、引き受けた」

外套を翻し、男に背を向けて彼女は路地裏を後にする
目指すは異形と人外が集う街―――学校町

「私に……完遂できない依頼はない……!」



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