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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 邪気殺し-16

最終更新:

Retsuya

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だれでも歓迎! 編集
「きりゅりりゅりしぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「よーし、このまま兄ちゃんのとこまで飛べ、「応龍」!」

四枚の翼を広げ、「応龍」は学校町の上空を飛ぶ
その背に立って下を見続け、清太は一人町に残った日天を探していた
町中に溢れ返るジャガー達に戦いを挑んだ彼を手助けする為に

「待ってろ兄ちゃん……絶対生きててくれよ!」

願い、彼は「応龍」で空を翔ける
しかし、その願いは叶わぬものとなる
「応龍」の身体が、がくんと傾き、清太は龍の皮膚を掴んで落ちそうになった身体を支えた

「おわっ!? ど、どうした「応龍」――――――――――――!?」

彼は目を疑った
「応龍」の顔が、無い
何かに抉られたように下顎のみが無惨に残り、赤黒い血をぴゅうぴゅうと噴き出している
思わず口を押さえる精太だったが、直後に死した龍が落下を始めた
当然、飛行能力の無い彼も共に落ちてゆく

「おわああああああああああああああああああああああ!?」

事切れた龍は彼の視界の中、粒子となって掻き消える
この状況をどう切り抜けようかと、頭の中を掻き回した

「ッ清太! 足ヲ水晶ニ変エヨ!」
「お、おう!」

清太はセキエを握りしめると、それは即座に彼の身体に同化して、
2本の足を冷気が下りる透き通った美しい水晶に変化させ、着地の寸前に2本の水晶を突き立てた
びりりっ、と身体が震える

「………いってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
 バカ野郎! 滅茶苦茶痛ぇじゃねぇか!」
[知ラン。死ナナカッタダケマシダロウ?]
「この野郎…まぁいいや、それより一体何が起こったんだ?」

足を元に戻してきょろきょろと辺りを見回すと、己の周囲がやけに陰っている
ふと見上げ、思わず目を見張った

「ッ、『イーヴィル・ブレイカー』!」

右手を水晶に変え、頭上に上げる
“影”は迫り清太を襲うが、全ての衝撃を邪気として水晶が吸収し無傷で済んだ
ばさっ、と大きな羽音と咆哮が聞こえた

「ききゅあああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
[ム……コレハ……]
「と、鳥!?」

月明かりに黒光りする翼、鋭い爪と嘴、眼は血のように赤く頭に毛は無かった
猛禽の姿をした、あらゆるものを抉り取る魔神―――

[「シェコトヴァッチ」……確カソンナ名前ダッタ筈ダ]
「兄ちゃんの「応龍」を殺したのもこいつか……よくもぉ!!」

「水晶は永久に凍ったままの氷」の能力で作り上げた冷気の塊を発射する
「シェコトヴァッチ」は黒羽を散らしながら闇夜の空へと舞い上がった
冷気の弾丸を何度も射出しても、ひらり、ひらりと躱される
遂には、足で弾丸を空間ごと“抉って”投げ返すという荒技までやってのけた

「うわっ!? くっそ、すばしっこいし強いぞこいつ!」
「ききゅあああああああああああああああああああああああああああ!!」
[仮ニモ“魔神”ダ、油断スルナ……来ルゾ!]

甲高い咆哮をあげ、「シェコトヴァッチ」が爪を振り上げて清太に襲いかかる
が、不意に見当違いの方角へ顔を向けて空中でブレーキをかけたかと思えば、

「石破ァ! 天驚けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!」

怒号に近い声と共に光弾が飛んできた
真っ直ぐに「シェコトヴァッチ」を狙っていたそれを、いとも容易く足で抉り取った

「『大噴火』ァ!!!」

アスファルトが罅割れ、赤々と煮え滾る溶岩が噴出する
清太は死に物狂いで安全な位置に避難したが、
「シェコトヴァッチ」は掴み取った光弾をぶつけて相殺し、上空へと舞い上がった

「ぜぇ、ぜぇ……あ、あの技ってもしかして」
「清太ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 大丈夫かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ぞくりと背筋に寒気が走ったのも束の間、彼は目の前に現れた少女に骨が悲鳴を上げる程強く抱きしめられた
ショートパンツを穿いた、短めで赤みのある茶髪の少女
清太のクラスメイトであり、「嘘から出た実」の契約者――空出 実

「うぎゃあああああああああああああああお前の所為で大丈夫じゃないいいいいいいいいいいいいい!?」
「助けに来たぞ清太ぁ!!安心して結婚しよう!!」
「バカバカバカバカバカ放せ放せ放せ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅ!?」
「何をやっちょるんじゃァ!! 下らんもんは後にせェ!!」

そしてもう一人
可愛らしいフロントツインテールだが、目つきが恐ろしく鋭い少女
「ミノア噴火」の契約者にして、空出 実の姉―――空出 火音

「っちょ、火音姉ちゃんまで!?」
「ふん、ワシにとったら貴様がここにおることが不思議で敵わんがのォ?」
「姉者! 清太だって一生懸命戦ってたんだ! そんな言い方は―――――――」
「実!後ろ!!」

清太の声に、彼を抱きしめたまま振り向いた
近付いてくる「シェコトヴァッチ」に咄嗟の反応もできる筈も無く、茫然と立ち尽くした――――

「そうは問屋が卸しやしませんときたもんで」

ぴしゃんっ!!と甲高くも鈍い打撃音が響き、次にぼぐっ、という鈍くしかない打撃音
我に返れば、清太と実の前にいた「シェコトヴァッチ」は彼方へと飛ばされており、
その代わりに2つの人影が映った
内の一つを、清太は見覚えがあった

「も、もしかして、アクセラレーター!?」
「……久しぶりだな」

無愛想にそう答えたのは、男とも女ともとれる顔立ちの人物
あらゆるものを跳ね返す事が出来るその能力から清太に『アクセラレーター』と呼ばれている、天沢 翔騎
その時、翔騎の隣に立っていた、場違いな袴姿の高校生くらいの少年が鉄扇を広げて大袈裟な声を出した

「おやおやこれは驚いた、お前さんにもご友人さんがいらっしゃったとはねぇ
 無口なもんですからてっきりココロちゃんとしか交流がないかと思ってたんですが、へぇ、不思議なこともあるもんで」
「黙れ」
「いやそう硬い事を言わずにどういう経緯で出会ったかくらい話してくれても」
「…兄ちゃん誰だ?」
「おっと良くぞ聞いてくれました、知らざあ言って聞かせやしょう
 あたしゃね、姓は扇ヶ野原宮崎(オウギガノハラミヤザキ)ってんですよ、長いでしょう?
 名はもっと長いんですよ、耳かっ穿ってよぉく聞いといて下さいね?
 寿限無寿限無五劫之擦切海砂利水魚之水行末雲来末風来末食寝処住処藪小路之藪柑子拝歩拝歩拝歩之朱鈴願朱鈴願之紅鈴代紅鈴代之本矛飛之本矛奈之長久命之長助
 全部繋げて名乗りますと、扇ヶ野原宮崎 寿限無寿限無五劫之擦切海砂利水魚之水行末雲来末風来末食寝処住処藪小路之藪柑子拝歩拝歩拝歩之朱鈴願朱鈴願之紅鈴代紅鈴代之本矛飛之本矛奈之長久命之長助ってんですよ
 どうだい、覚えられたかい坊っちゃん?」

清太はぽかーんとしていた
一緒に聞いていた実もやはりぽかーんとしていた

「“Reflector”! “Reader”! 何処ほっつき歩いとったんじゃァ!?」
「おぉっと“Range”ちゃん、それは無いんじゃないですかい?
 あたし達もこのサファリゾーンとなった町をめぐって観光してた訳じゃぁないんですよ
 それに幾ら契約者と言えどあたしだって人間、漫画のスーパーマンのようには―――」
「もういい。喋るな」

呆れたように翔騎が言い放つと、どっと風が押し寄せる
激しい羽音と共に、猛禽がやってくる

「くそっ、しぶとい鳥だな…!」
「よし!行くぞ清太ぁ!!」
「え、何処へッって、おわっ!?」

実に左腕を引かれ、清太は「シェコトヴァッチ」の前に出た
ちらと実に目をやると、左手を掴んだ彼女の右手が何やら燃えている
ハァ、と呆れた様子で溜息を吐いた彼は、何かを理解したようだった

「…………あぁ、分かったよ! 今日だけだからな!」
「有難う清太!じゃあ、せーのぉっ!」
「「俺達のこの手が真っ赤に燃えるぅ!!」」

互いに手を繋いだまま、実の右手は激しく燃え上がり、清太の左手は静かに冷気が下りる

「しあわs「希望を掴めと轟き叫ぶぅ!!」」

熱気と冷気が混じる繋いだ手を差し出し、

「「爆熱!ゴッド・フィンガァァァァァァァァァァ………!」」

互いの手で作り上げるは、真円
…否、実はハートの片割れのようで、清太は半月のようだった

「ききゅあああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「石!」
「破!」
「ラァb「クリスタル!天驚けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!」」

2人の手から冷熱双方の属性を持った巨大な光弾が「シェコトヴァッチ」に直撃
炎上そして氷結、相反する現象が同時に猛禽を襲い、墜落し、
弱々しくもけたたましい断末魔をあげ、「シェコトヴァッチ」は夜闇に消えた

「っはぁ、よ、よし、倒した………ん、どうした実?」
「…何で一緒に言ってくれないの?」

潤んだ目でそう言われ、清太は一瞬たじろいだ
同時に顔が真っ赤になったが首を左右に振り、怒ったり謝ったりを繰り返した

「ほーぉ、坊っちゃん達もなかなかやるようで
 これはぼさっとしてると早い内に抜かれてしまうかもねぇ、おぉ怖い怖い」
「何を下らん事言うちょる、終わった訳じゃァないけんのォ!!」
「…“Range”の言う通りだ」

木々の軋む音
屋根伝いに人型の、空からは翼の生えた猛獣達が現れる

「っげ、まだいるのか!?」
「んー……ジャガー共とかけまして、10月の稲と解きます」
「…その心は」
身乗り(実り)だして集り(田狩り)始めます。御後が宜しいようで」
「貴様等帰れ!! 何ならワシがあの化物諸共溶岩の海に沈めてくれようかァ!!」
「姉者落ち着け!」

そうこうしている内にジャガー達が一斉に距離を詰めた
唯一清太が戦闘態勢を取ったが、

「「「ババリバ―――――――――リッシュ!?」」」
「……ッ!?」

目の前で、それらは何かに弾き飛ばされた
その何かがようやく人間であることが分かると、ジャガー達は空から降ってきた氷柱に串刺しにされて息絶えた

「………2.64秒……それがお前達の絶望へのタイムだ」
「みんなー、おーまーたーせー」

ストップウォッチを片手に持った青年と、何故か彼に背負われている肩まで髪を伸ばした女性
「タキオン」の契約者――未央 超(ミオウ コユル)と、「つらら女」の契約者――(ヒイラギ ヒサメ){柊 氷雨}

「悪い、遅くなった」
「…問題無い」
「無い訳が無かろうが馬鹿が!」
「お、“Rapidity”の旦那さんと“Refrigerator”の奥さんじゃないですか」
「まだ婚約していないし、するつもりは毛頭ない」
「もー、超くんってば照れ屋さーん」
「降りろ」

渋々超の背から降りる氷雨
その一連でようやく自分を取り戻した清太は、改めて「すげぇ」とだけ呟いた
なんせ、彼は契約者としては半人前であり経験も浅い
師匠である裂邪やその弟、従兄弟、友人以外の契約者と関わったことが無い為、強く目に焼きついた
だが感心している場合でないことを言い聞かせて周囲を見回す
未だにジャガー達がぞろぞろと集まり始めている

「よし……こいつらの邪気をぶっ殺せば、この場は何とか…!」
「清太! 一緒に戦うぞ!!」
「言われなくてもッ…いや一緒ってのは……くそっ、良いよ分かったよ!」

右腕を水晶に変え、戦闘の構えをとる
無論、態勢を整えたのは彼だけではない

「R-No.所属契約者集団『Rangers』が一人、“Rapidity”……“光速”の超、任務を開始する」
「同じく“Refrigerator”、“冷却”の氷雨、いっくよー」
「ふん、“Range”…“火竈”の火音が貴様等を消し済みにしちゃるけェのォ!」
「…“Reflector”、“鏡”の翔騎……出る」
「さてさて、それでは暫しあたしこと“Reader”、“語り手”の寿限無寿限無五劫之擦切海砂利水魚之水行末雲来末風来末食寝処住処藪小路之藪柑子拝歩拝歩拝歩之朱鈴願朱鈴願之紅鈴代紅鈴代之本矛飛之本矛奈之長久命之長助にお付き合い下さいなっと」

7人の戦士によって、戦いの火蓋は切って落とされる
今宵はまだ、終わらない



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