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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 仄暗い魂-21

最終更新:

Retsuya

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「『ギフト・ギフト』ぉ!!」

ドス黒い粘液で出来た蛇がジャガー人間へと向かい、口の中に入り込む
ごぼごぼりとそれを呑みこんだ後、ジャガー人間は痙攣しながら倒れ、光に変わる

「っふぅ、これでお終いっと……日天さん!」

少女――ルート・ライフアイゼンは、血塗れで倒れた少年――栄 日天のもとに駆け寄り、
身を屈めてそっと彼を抱き上げて上着のポケットから取り出した塗り薬を傷口に塗る

「ちょっと痛いけど、我慢しててぇ」
「うぐっ……そ、それは?」
「「河童の妙薬」。少し前に助けた人に貰ったのぉ」

「蝦蟇の油」と同じ薬品系都市伝説である「河童の妙薬」
その効果は確かなもので、日天の身体の傷が見る見る内に治っていく

「……もう、大丈夫みたいだ」
「良かったぁ…でもあんまり無理しちゃダメよぉ、まだ閉じたばかりだかrひゃっ!?///」

ルートの小柄な身体が突如、日天の腕に抱きしめられた
卵を守る親鳥のように優しく、優しく
包まれた卵は、徐々に徐々に熱く、赤くなってゆく

「…有難う。また、助けられたな」
「ひぇ、は、あ、り、りーてぃえ、さ、ぁ…ぁぅぅ………///」
「…あっ、す、すまん、苦しかったか!?」
「っち、違、そ、その………ひゃは///」

誤魔化すように無邪気に笑うルート
そんな彼女の笑顔を見て、日天はふふっ、と笑い、頭を撫でてゆっくり立ち上がった

「…で、状況は分かってるか?」
「うん、エーヴィヒから全部聞いてるぅ
 「マヤの予言」の仕業なんでしょぉ? 迷惑な話だよねぇ…」

日天の問いに、ルートは立ち上がりながら淡々と答えた
感情の切り替えが早いのは、流石元「組織」といったところか

「エーヴィヒ…あぁ、あのネコの都市伝説か
 そういえば見かけないが、何処へ?」
「…あれ? ここに来る途中で逸れちゃったのかなぁ…?」
「悪いね、少し寄り道をしてしまったんだ」

屋根を伝ってちょこちょこと走ってきたのは、白く長めの毛が美しい子猫
その見かけによらず、2つの都市伝説に飲まれた契約猫であり、ルートの相棒――エーヴィヒ

「いたのか、無事で良かった」
「テメェ何処行ってたのぉ? アタシはともかく、日天さんに余計な心配かけさせないでよぉ」
「その彼への優しさの2割でも僕に向けてくれると有り難いんだけどね」

エーヴィヒの言葉に、日天がこっそりと苦笑した
そして、

「さて、隠れていないで出ておいでよ」

何者かに、エーヴィヒが語りかける
咄嗟にルートは身構え、日天もスケッチブックを開いて竜の絵を描き始める

「………「オセ」には何でもお見通し、か」

陰から現れたのは2人の男女だった
冷たい眼の男と、美しい黒髪の女
どちらも物静かで近寄りがたい雰囲気を醸し出していた

「…人間……じゃぁ、ないみたいねぇ?」
「あぁ…都市伝説だ。それも、神話レベルの…」
「「イシュムカネー」と「イシュピヤコック」、で良かったかな?」
「…その通りだ」
「エーヴィヒ、テメェ知ってんのぉ?」
「僕は「オセ」だからね。どんな隠し事も僕の前では無意味だよ」
「…「イシュムカネー」、「イシュピヤコック」……どちらも「ククルカン」と共に人類創造に携わった神の一柱の筈だ
 ローゼさんによれば、「ククルカン」や「フラカン」は「太陽の暦石」を使って人類の破滅を目論んでいた……
 ならお前達はオレ達の敵の筈。どうしてこんなところに、何の殺気も持たずにやってきたんだ?」
「………少し、違う」

髪を揺らして首を振るのはイシュピヤコック
何が違うのかと、そう日天が尋ねようとする前に、イシュムカネーが語り始めた

「…僕達は、本当は神ではない……「太陽の暦石」によって生み出された副産物…」
「副産物ぅ?」
「……「暦石」の、目覚まし時計…」
「意思を持たない「太陽の暦石」の為…人類を滅ぼすか否か判断し……破滅の巫女に相応しい人間を探し出す…」
「つまり……「ククルカン」も「フラカン」も、「太陽の暦石」の意思に従って…いや、則っているだけなのか
 …だが、お前等は……」

イシュムカネーとイシュピヤコックは互いに視線を合わせて頷き、手を繋ぐ
アスファルトが罅割れ、地面から植物が伸び始めた

「…何百年、何千年と…人類を創り…殺してきた…」
「………馬鹿の一つ覚え…」
「この下らない予言(シナリオ)を……終わらせて欲しい」
「……唯一の、希望…」

植物はルート達の元へと伸びて、葉と葉の間に隠されたものを見せた
月光を反射して神秘的な輝きを放つそれは、髑髏の形をした水晶だった

「こ、これって……水晶髑髏?」
「「マヤン・スカル」……本物だね」
「これを持っていけば、人類の滅亡を止められる……本当に、良いのか?」
「…僕達には、これくらいしかできない」
「……無力……」
「…エーヴィヒ…?」
「この2人の言っている事に嘘は無いよ。紛れもない真実だ
 自分達の命を狙われる危険性を冒して、ここまで来たんだよ」
「…ねぇ、えっと……いしゅ…いしゅ……イシュイシュコンビ!」
「ルート、イシュムカネーとイシュピヤコックだ;」
「その願い、受け取ったわぁ!
 テメェ等が出来なかったこと……アタシ達が絶対に成し遂げて見せる!!」

宣誓し、ルートは差し出された「マヤの水晶髑髏」を掴んだ





「ふざけるなぁ!!」





怒号、そして火球

「ルート!!」
「くぅっ!」

日天はルートを抱き寄せて飛び退き、エーヴィヒは豹の姿になってイシュムカネーとイシュピヤコックを突き飛ばした
火球は激しい音と共に着弾し、爆発を起こしながら植物を灰に変えてゆく
ひょう、と空中に飛ばされた「マヤの水晶髑髏」を手にしたのは、翼を生やした赤いダウンコートの男だった



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