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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 戦星術師-01

最終更新:

Retsuya

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だれでも歓迎! 編集
「ひゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

住宅街で女の子のような情けない声で叫んでいるのは僕だ
僕は逃げている、恐ろしい出来事から
迫りつつある恐怖から

「こらこら坊や、足はいらんかねぇ~?」

遠くから僕を呼んでいるのはお婆さんだ
でもただのお婆さんじゃない
背負った風呂敷には溢れんばかりの足が包まれている
聞いた事があった
『足はいらないか』と聞かれて、『いらない』と答えたら足を奪われ、
『いる』と答えると無理矢理3本目の足を付けられる――「足売り婆」の話
でも、そんなの都市伝説でしかない、噂の範疇だと思ってたのに

「逃げ足の速い坊やだねぇ、そんな足いらんだろう? あたしにおくれよ~」

見てしまった
あのお婆さんが、誰かの足を引き千切っている光景を
だから僕は逃げ出した
次は僕があぁなる番だと脳が警鐘を鳴らしたから

(答えちゃ、だめだ…………答えちゃ……………!!)

そう自分に言い聞かせて振り返る
大分引き離しているけど、意外にもお婆さんは、「足売り婆」は足が速かった
追いつかれないようにスピードを上げたかった
息が苦しい
もうどのくらい走ったんだろうか
段々足の感覚が無くなってきた
走ってるのかどうかすら分からない
このまま、どうなっちゃうんだろう

「―――――――ほぎゃっ」

お尻に衝撃が走った
どうやら尻餅をついてしまったようだ
立ち上がろうにも、足が思うように動かず起き上がれない
早く、逃げないと―――

「少年、どうかしたかね?」

低めの男の人の声
ふっと顔を上げると、目に入ったのは火のような真っ赤な瞳だった

「うわっ!?」
「おっと、これは失礼、驚かせてしまったね」

顔を寄せていたらしいその男の人は、そう言って立ち直った
すらりとした身長と、長い真っ赤なマフラーに金色の髪
こんな状況なのに、僕は思わず「かっこいい」と呟いてしまった

「え、あ、ご、ごめん、なさっ………あ、あのっ! 助けて下さい!!」
「…む?」
「おやおや増えているじゃないか。まぁいい、足はいらんかね?」

ゾッとした
いつの間にか追いつかれてる
「足売り婆」はにたにたと笑いながら僕を見つめている
足が動かないけど、何とか逃げようと腕を使って後退る

「……なるほど、そういうことか……少年」
「は、はい?」
「助かりたいかね?」

そう言われた瞬間、急に何も聞こえなくなった
いや、聞こえないのは「足売り婆」の笑い声、家庭の雑音、犬の遠吠え、烏の声
唯一耳に入ったのは僕の心臓が脈打つ音と、男の人の声だけだった
男の人は僕に目線を合わせるように身を屈めて、話を続けた

「生憎、俺が直接助ける事は出来ないんだ…けど、君に手を貸す事、力を与える事は出来る」
「ち…力?」
「そう。あの化物と戦う力
 いや、あれだけじゃない。この町にはあんな化物が他にも沢山いるんだ
 そんな化物達と戦って、これから先も生きていく為の力
 ただしそれを手に入れれば、君が今まで送っていた平穏な日常は二度と戻ってこない
 それでも良いのなら手を貸そう……どうする?」

頭の中が真っ白になった
難しい話ではないけど、答えを決めるのが難しい
だけどこの状況で悩んでる暇は無い
答えは一つだ

「それでも良い! 僕に……力を下さい!」
「…分かった。では契約だ」
「ケイヤク?」

「契約って何?」―――――――そう聞こうとした瞬間だった
燃えるような赤い瞳がグッと近づく
温かい
口の中から頭全体へ、そして頭から全身へ向けて、優しい温かさが広がってゆく
次に伝わってきたのは、熱
身体中が焼けてしまうような、血という血が沸騰してしまっているような熱さが全身を廻る
どろどろにとろけてしまいそうな感覚に襲われて、ふと「気持ち良い」という言葉が思いついた
直後、赤い眼が徐々に離れ、つつつ、と糸を引いて僕の口の中から彼の舌が引きずり出される
僕のファーストキスは、こうして迎えられた

「ふえ………あ、あの………」
「終わったよ。立ってご覧」
「え…?」

訳も分からず立ち上がると、まず立ち上がれた事に驚いた
そして、その小さな感動に浸る前に

「……なっ、何これえええええええええええええ!?」

軽いショックに陥った
さっきまで極普通の服装だった僕は、酷く悪趣味な格好になっていたんだ
可愛らしい髪飾り、フリルのついたハーフパンツとヘソ出しルック
そして腰には、プラネタリウムの装置のような、ダンベルのような形の何かがぶら下がっている
一言に表すと
どうみても、『まどマギ』や『おジャ魔女』のような、俗に言う『魔法少女』と呼ばれるものの衣装だった

「むっふふふふ、なかなか似合っているよ」
「い、いや、こここ、これ、これは、は、は………」

涙が出てきた
僕は男の子だ
何が悲しくてこんな格好をしなければならないんだろう

「…うわぁ、最近の坊やの考えてることは分からんのぅ」

「足売り婆」にも馬鹿にされた
死にたい

「だけど綺麗な足だねぇ、やっぱり私におくれよ!!」
「きゃっ!?」

複雑な事を言ってきて、「足売り婆」が駆け寄ってくる
力を貰ったらしいけど、だからってどうすれば…

「少年、腰の『プラネステッキ』を使いたまえ」
「こ、これ? というか、名前あったんですか?」
「今考えたんだ。格好良いだろう」

何なんだこの人は
言われた通りに『プラネステッキ』と言うらしいダンベル型の何かを構えた

「よし、十二星座を思い浮かべるんだ、好きなもので良い」
「え、えっと、十二星座……」

今朝見た星座占いで、牡牛座が1位だったのを思い出した
とその時、『プラネステッキ』が光を放って、空中に牡牛座が映し出されて、
それは泥で出来た牛になって、襲いかかってきた「足売り婆」を弾き返した
その後、泥の牛はぼろぼろと崩れて消えてしまった

「ふがっ!? な、何なんだい今のはぁ!?」
「す……すごい、これ……」
「感心してる場合じゃないよ。今の調子で、牡羊座と双子座をイメージするんだ!」
「は、はい!」

言う通りにイメージすると、また『プラネステッキ』が光り始めて、今度は牡羊座と双子座を浮かび上がらせ、
炎で出来た羊と、風を纏う双子の天使が現れる
羊は激しく燃え上がって「足売り婆」に体当たりした

「うぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」

思わず耳を塞いだ
炎の中で苦しげに叫ぶ「足売り婆」に、双子の天使が追い打ちをかけるように風を起こし、
燃え上がる炎がさらに激しさを増してごうごうと唸り始めた
もう完全に「足売り婆」の声が聞こえなくなった時に炎は止み、天使も消える
この場に立っていたのは僕と、僕に力をくれた男の人だけ
その時初めて、「勝った」ということを自覚した

「………い、生きて、る…………良かったぁ……」

嬉しさのあまりに泣きだしそうになったけど、
それより先にやるべき事があったのを思い出した

「ッ! ね、ねぇ、元に戻してよ!」
「言われなくてもそうするつもりさ」
「…え?」
「その状態でいると、君の命が危険な状態になってしまうからね
 常にその姿でいることはできないんだ」
「そうじゃなくてもずっとこんな姿でいたいなんて思わないよ!
 いいから早く戻して!!」
「それじゃ、またキスするけど、良いね?」
「うっ…………」

…僕は男の子だ
もう一度言うけど、僕は男の子だ
だから男の人とキスするなんて嬉しくないし、もう一度したいだなんて思わない
でもこれは仕方ないんだ
仕方ないんだ
仕方ないんだ
これから、必要になるんだから
しなきゃいけないことになるんだから

「…………して……………さい」
「ん?」
「……キス…して、ください!!」
「むっふふふふ……可愛らしい子だ、昔のカラミティ卿を思い出すよ」

また口の中が熱くなる
2回目だからか、さっきよりも短く感じた
口が離れた瞬間に、僕は服が元に戻ってる事を確認した

「……はぁ……良かった」
「そんなにキスが良かったのかね?」
「っち、違っ、違うよ! その、えっと………うぅ///」
「むふふふ、まぁこれから永い付き合いになる。宜しく頼むよ」
「は、はぁ…えっと、お名前は?」
「そうだったね、俺は「アミー」だ」
「アミーさん、だね。僕は天川―――――――」
「―――――――北斗?」

ドキッとして、僕は咄嗟に振り返った
女の子が、口元を手で覆って立っていた
僕と瓜二つの、女の子が

「あ゙………華南……」
「おや…もしかして、双子かな?」
「…北斗、その人と今……」
「あの、違う、これは、その」
「キス、してたよね?」
「あーーーーーーーあーーーーーーーーー何も聞こえなーーーーーーーーーーい!!」

よりにもよって華南に見られるなんて…
頭痛と腹痛が同時に僕に降りかかる

「あぁ、華南ちゃんと言ったね? 俺は―――」
「うっはぁ萌えるわぁ♪ 超萌えるマジ萌えるぅ♪
 まさか北斗がこんなカッコいい人とそんな関係になっちゃったなんて♪」
「だから違うってば!これは――――」
「北斗ナイスマジナイス!
 あー素晴らしい弟を持ったわぁえへへへへへへへ♪」

華南、鼻血がぽたぽた落ちてるよ
そんなことを教えてあげる気力もなくなり、僕の目の前は真っ暗になった










拝啓、天国のお父さん、お母さん
桜の蕾が膨らみ始めた今日この頃、如何お過ごしでしょうか
僕―――――天川 北斗は、日常を捨てました



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