黒服Y 17
「……ん……あれ?」
気がついたら辺りが真っ暗なところに居た
耳を澄ましてみても何も聞こえない
耳を澄ましてみても何も聞こえない
「……あぁ、そうか。確か気絶させられたんだっけ…………弱いな、僕は」
身体ではなく、心が
呟いた声は真っ暗な空間に溶けていく
「スパニッシュフライに操られていたとは言っても、守るために戦って結局……」
ふいに、後ろから誰かが首に腕を回して抱き着いてきた
そして耳元で囁く
そして耳元で囁く
――こわいの? 人をうつのが 人を すのが
「また、君みたいに……」
――それは あなたの運が わるかったのよ
「それでも、また起こるかもと思うと……」
――あなたのちからなら それを起こさないことができるわ
――でも そんなことは どうでもいいのよ あなた さえ 生きていれば
――でも そんなことは どうでもいいのよ あなた さえ 生きていれば
「そうだね、生きてれば、君を」
「君を背負って……君を した罪を背負って……」
――そんな やさしいとこが すきよ
――だから あなたは 死なないように
――
――
――
――
「もう、行かないと」
――ええ 目をさましたほうがいいわ いろいろと
「ごめん……ありがとう」
みんなに迷惑かけてしまった
いつまでも寝てないでもう起きないと
いつまでも寝てないでもう起きないと
「さよなら」
意識が薄くなっていく
聞こえる声が不明瞭になっていくまた逢えるといいな
聞こえる声が不明瞭になっていくまた逢えるといいな
――ここは こころのめいろ
――どこにあるか みんな知ってて みんな知らない
――ここの でぐちはわたし あなた だ け の
――また 来
――どこにあるか みんな知ってて みんな知らない
――ここの でぐちはわたし あなた だ け の
――また 来
もっと居たかったけど時間切れだ
声は徐々に遠のいていき 最後のほうはよく聞き取れなかった
声は徐々に遠のいていき 最後のほうはよく聞き取れなかった