09 点火
日が大分西に傾いた学校町の東区
高校近くの路地、電柱の影に隠れるようにして彼女は佇んでいた
高校近くの路地、電柱の影に隠れるようにして彼女は佇んでいた
東区高校のセーラー服を着た彼女は携帯に目を落とす
つい先程同じクラスの友人から彼女宛に送信されたメッセージだ
つい先程同じクラスの友人から彼女宛に送信されたメッセージだ
『 ありすごめーん(。・ε・。)
あと5分くらいで終わるから待ってて(人ゝω・)
スマン八(-_-;) 』
あと5分くらいで終わるから待ってて(人ゝω・)
スマン八(-_-;) 』
今日はこの友人と一緒に級友のバイト先へ遊びに行く積りだったのだが
肝心の友人は何かの仕事を少し残しているらしい、HRの前にそういう話を聞いた
肝心の友人は何かの仕事を少し残しているらしい、HRの前にそういう話を聞いた
仕方ない、待つか。彼女はメッセージを読んで嘆息する
とはいえ友人を待つ彼女は急いでいるわけでもない
今日は図書室も休みだし、時間はある
とはいえ友人を待つ彼女は急いでいるわけでもない
今日は図書室も休みだし、時間はある
彼女のもとへ一人の警察官が近づいてきたのはそのときだった
少女は顔を上げる前より彼の存在を察していた
少女は顔を上げる前より彼の存在を察していた
「すいません、こんにちは」
少女は眼鏡越しに、目の前に立つ警察官を見詰めた
警察官の顔は不気味なほどに無表情だ
警察官の顔は不気味なほどに無表情だ
「少し調査にご協力頂きたいのですが」
「その前にいいですか?」
「その前にいいですか?」
肩ほどまでの髪を揺らして彼女は警察官の手元を観察する
彼の手は腰に吊られた拳銃のホルスターに置かれていた
彼の手は腰に吊られた拳銃のホルスターに置かれていた
「最近、不審者が増えてるみたいなんですけど」
「ええ。ですから私達も東区を警邏していまして、その調査を」
「その不審者というのは、お巡りさんの格好をしているらしいんです」
「ええ。ですから私達も東区を警邏していまして、その調査を」
「その不審者というのは、お巡りさんの格好をしているらしいんです」
警察官の言葉を遮るように話すと、彼は無表情のまま押し黙った
「学校側からも通達が出てるんですけど
お巡りさんは最近、必ず 二人で パトロールするようになったらしいんですよ」
お巡りさんは最近、必ず 二人で パトロールするようになったらしいんですよ」
眼前の男の瞼が小さく震えた
「申し訳ないんですけど。お巡りさんの警察手帳を見せてもらえません?」
一瞬の沈黙の後
警察官の手が銃把に掛かった
警察官の手が銃把に掛かった
だが
警察官を装った男が、銃を抜き取るよりも速く
警察官を装った男が、銃を抜き取るよりも速く
「 」
彼女は何かを小さく呟いていた
その瞬間
警察官は雷に打たれたように硬直
警察官は雷に打たれたように硬直
「んんんっ♥ んんん゙ん゙ん゙っ♥」
そのままアスファルトへ倒れ伏してしまった
「きっ♥ ぎも゙ぢい゙い゙ぃ゙ぃ゙っ♥」
男の口から低く唸るような譫言が漏れ出る
その内容が何やら変質者めいていた点はひとまず措こう
その内容が何やら変質者めいていた点はひとまず措こう
「はぁ……、『偽警官』、これで四人目ね」
少女は忌々しげにかぶりを振ると倒れた「偽警官」を眼鏡越しに睨みつける
そして嘆息しながら独り言のように呟いた
そして嘆息しながら独り言のように呟いた
「何やってるのかしらね、『組織』は」
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