しんしんと雪が降り続ける学校町を、チェリーはロリスを担いだまま歩き続ける
エイブラハム達が管理して、学校町に潜入させた子飼い達と遭遇するわけにはいかない
早く、安全を確保しなければ…
エイブラハム達が管理して、学校町に潜入させた子飼い達と遭遇するわけにはいかない
早く、安全を確保しなければ…
「…どうしよう、ヘンリーさんに、繋がらない…っ」
携帯を確認し、焦った声を出すチェリー
…ロリスの友人であり、現在は学校町にいるはずのヘンリーと連絡を取ろうとしたのだが
あちらも、何らかの事態に巻き込まれているのだろうか
一向に、連絡がつかないのだ
同じく、学校町にいるはずのカインと連絡を取ろうかとも考えたが……確か、彼は携帯電話の類は所持していなかったはず
むしろ、使い方がわからないはず
……ヘンリー以上に、連絡を取るのは絶望的だ
…ロリスの友人であり、現在は学校町にいるはずのヘンリーと連絡を取ろうとしたのだが
あちらも、何らかの事態に巻き込まれているのだろうか
一向に、連絡がつかないのだ
同じく、学校町にいるはずのカインと連絡を取ろうかとも考えたが……確か、彼は携帯電話の類は所持していなかったはず
むしろ、使い方がわからないはず
……ヘンリー以上に、連絡を取るのは絶望的だ
せめて、あの二人と連絡を取ることができれば、安全を確保しやすかったのだが
………本部に、連絡を取るしかないか
チェリーが、意を決しようとした、その時
………本部に、連絡を取るしかないか
チェリーが、意を決しようとした、その時
「……チェ、リー」
「っまだ、喋っては駄目です。体に負担が…」
「…一定、の……距離を保って………誰か、ついてきて、いる」
「っまだ、喋っては駄目です。体に負担が…」
「…一定、の……距離を保って………誰か、ついてきて、いる」
びくり
ロリスの言葉に、チェリーは思わず、足を止めた
ロリスの言葉に、チェリーは思わず、足を止めた
もう追手が来ている?
町中で拾った閃光弾は、もう使ってしまった
一応、チェリーは身を守る結界くらいははれる
けれど、対して強い結界でもないし……ロリスまで護りきれるかどうか、わからない
チェリーが焦っている間に、ロリスがその気配を探る
痛みで鈍る思考の中、それでも、二つの気配の内、一つの気配の正体に気付く
町中で拾った閃光弾は、もう使ってしまった
一応、チェリーは身を守る結界くらいははれる
けれど、対して強い結界でもないし……ロリスまで護りきれるかどうか、わからない
チェリーが焦っている間に、ロリスがその気配を探る
痛みで鈍る思考の中、それでも、二つの気配の内、一つの気配の正体に気付く
「…R-No.0…………ローゼ…ライン、ハルト、か…」
「あら、気づかれてしまいましたのね」
「あら、気づかれてしまいましたのね」
ひょこり
姿を現した、赤い髪の可愛らしい少女の姿に、チェリーはあら、と声を上げた
ロリスが口にした通り、彼女は「組織」上層部であるR-No0なのだろう
ただ、「組織」について詳しく知らないチェリーにとっては、上層部の人間がこんな幼い少女の姿をしていたのは、予想外だったようだ
姿を現した、赤い髪の可愛らしい少女の姿に、チェリーはあら、と声を上げた
ロリスが口にした通り、彼女は「組織」上層部であるR-No0なのだろう
ただ、「組織」について詳しく知らないチェリーにとっては、上層部の人間がこんな幼い少女の姿をしていたのは、予想外だったようだ
「そ、「組織」の方、ですか…?」
「えぇ、そうですわ」
「えぇ、そうですわ」
警戒心を解こうとしているのだろう
微笑んで答えるローゼ
ロリスは、途切れ途切れの声で尋ねる
微笑んで答えるローゼ
ロリスは、途切れ途切れの声で尋ねる
「…な、ぜ……後を、つけてきた」
「あぁ、ご無理はなさらず……どうやら、あなたが狙われているようですので、ちょっと護衛させていただきましたの」
「あぁ、ご無理はなさらず……どうやら、あなたが狙われているようですので、ちょっと護衛させていただきましたの」
……通常ならば、まだ、警戒を解かないだろう
しかし、任務に就く経験の少ないチェリーは、これでもう、警戒を解いてしまった
しかし、任務に就く経験の少ないチェリーは、これでもう、警戒を解いてしまった
「あ、あの………!「組織」の方なら、お願いです……っ私達を、助けてください…!」
「あなたは?」
「あなたは?」
だからこそ、ローゼのその問いにも、彼女は素直に答えた
「私は……チェリー。チェリー・ハーヴィー………「教会」上層部のガブリエル様の、部下です」
to be … ?