氷の悪魔やら、「教会」…というよりもエイブラハムの子飼いの契約者達が暴れまわっている、学校町
日が沈み切り、暗くなったその街で
日が沈み切り、暗くなったその街で
「………」
何とか、安全圏を探してさまよう少女
…人間では、ない
空野 暦と言う、とある異常を抱え、しかも契約者である少女が描いた自画像から生まれてしまった…ドッペルゲンガー
モデルである本人とは違い(失礼)ある程度の常識を兼ね備えている彼女
学校町のこの惨状に、それでも異常事態に気づかずに通常生活を営んでいる人々に半ば頭痛すら覚える
…人間では、ない
空野 暦と言う、とある異常を抱え、しかも契約者である少女が描いた自画像から生まれてしまった…ドッペルゲンガー
モデルである本人とは違い(失礼)ある程度の常識を兼ね備えている彼女
学校町のこの惨状に、それでも異常事態に気づかずに通常生活を営んでいる人々に半ば頭痛すら覚える
「…とにかく、安全な場所よ、安全な場所…」
そっと、物陰から顔を出す
…よし、誰もない
そう考え、駆けだしたのだが
…よし、誰もない
そう考え、駆けだしたのだが
「----っ!!」
感じた悪寒
背後から、氷の彫像のような悪魔達が、迫ってくる…!
背後から、氷の彫像のような悪魔達が、迫ってくる…!
「あぁ、もう!」
とにかく、逃げるしかない
駆けだした彼女を、悪魔達は追ってくる
ばさり、翼を広げて低空飛行してくる悪魔達の方が、早い
このままでは、追いつかれて…
駆けだした彼女を、悪魔達は追ってくる
ばさり、翼を広げて低空飛行してくる悪魔達の方が、早い
このままでは、追いつかれて…
「…伏せろっ!!」
誰かから、そう声をかけられ
それに、答えたつもりではなかったのだが…足を雪にとられ、彼女は転んだ
その、彼女の頭上を…投擲された何かが、通り過ぎて行って
それに、答えたつもりではなかったのだが…足を雪にとられ、彼女は転んだ
その、彼女の頭上を…投擲された何かが、通り過ぎて行って
どぉおん!!!と
爆発音が、響き渡る
爆発音が、響き渡る
「っひ……!?」
飛んできた衝撃に、思わず身を固くする
凍れる悪魔達は爆発に巻き込まれ、氷のかけらとなってキラキラと月明かりを反射しながら、辺りに散らばっていった
ころん、と
やや大きめの塊が、転がって
ぐしゃ!!と
誰かが、それを踏みつぶす
凍れる悪魔達は爆発に巻き込まれ、氷のかけらとなってキラキラと月明かりを反射しながら、辺りに散らばっていった
ころん、と
やや大きめの塊が、転がって
ぐしゃ!!と
誰かが、それを踏みつぶす
「えっと、兄さん。確か、こういうちょっと大きな結晶を踏みつぶしたら復活してこなくなったよね?」
「…そうだな」
「…そうだな」
…聞こえてきた声
それに、聞き覚えがある事に、彼女は気づいた
正確には、彼女のモデルとなった空野 暦と言う少女の記憶の中に、その声がある
……恐る恐る、顔を上げる
そこにいたのは、二人の青年
一卵性の双子なのだろう、顔立ちはそっくりだ
一方は、メガネをかけ、髪をうなじの辺りで括っていて、白衣を着ている…ついでに、くわえ煙草をしている
もう一方はにこにことした笑顔を浮かべていて、髪を三つ編みのようにして結んでいて…手に、コーラのペットボトルを持っている
それに、聞き覚えがある事に、彼女は気づいた
正確には、彼女のモデルとなった空野 暦と言う少女の記憶の中に、その声がある
……恐る恐る、顔を上げる
そこにいたのは、二人の青年
一卵性の双子なのだろう、顔立ちはそっくりだ
一方は、メガネをかけ、髪をうなじの辺りで括っていて、白衣を着ている…ついでに、くわえ煙草をしている
もう一方はにこにことした笑顔を浮かべていて、髪を三つ編みのようにして結んでいて…手に、コーラのペットボトルを持っている
中央高校化学教師 荒神 秀
その双子の弟であり……「組織」所属の契約者 荒神 涼
その双子の弟であり……「組織」所属の契約者 荒神 涼
涼が「組織」所属契約者である事は暦の記憶にもない為、彼女が知らない事実ではあるが
…彼女の勘が告げていた
…彼女の勘が告げていた
こいつらに関わったら、ヤバイ
特に、弟の方に関わったら、ヤバイ
特に、弟の方に関わったら、ヤバイ
逃げ出そうとした彼女
が
が
「……待て」
がしり
秀に、首根っこを掴まれた
見た目によらず握力も腕力もあるようで、逃れられない
秀に、首根っこを掴まれた
見た目によらず握力も腕力もあるようで、逃れられない
「な、何でしょう、荒神先生?」
急いで、空野 暦本人のふりをしようとする彼女
が、とっさの事で、うまくできなかった
しまった、彼女はこんな喋り方じゃない
やはり、異質さに気づかれたのだろうか
秀がかすかに眉を歪める
が、とっさの事で、うまくできなかった
しまった、彼女はこんな喋り方じゃない
やはり、異質さに気づかれたのだろうか
秀がかすかに眉を歪める
「……お前、空野 暦じゃないな?」
「まぁ、本人だとしても、こんな夜遅くに学生さんが一人であるいちゃダメだよね」
「まぁ、本人だとしても、こんな夜遅くに学生さんが一人であるいちゃダメだよね」
にこにこ、涼が笑ってくる
何だろう、なんで、よくも知らないのに「こいつはヤンデレだ」ってわかるのだろう、怖い
何だろう、なんで、よくも知らないのに「こいつはヤンデレだ」ってわかるのだろう、怖い
「………話は、別の場所でじっくり聞かせてもらおうか」
「あぁ、尋問ルートっ!?」
「拷問ルートじゃないからいいよね、別に」
「さわやかな笑顔を張り付けて口走るセリフじゃないっ!?」
「あぁ、尋問ルートっ!?」
「拷問ルートじゃないからいいよね、別に」
「さわやかな笑顔を張り付けて口走るセリフじゃないっ!?」
…いや、待て
いっそ、この二人に確保された方が、まだ安全か?
悩みつつも、彼女は引きずられていったのだった
いっそ、この二人に確保された方が、まだ安全か?
悩みつつも、彼女は引きずられていったのだった
to be … ?