黒服Hと呪われた歌の契約者 01
「はい……はい。了解。ちょうど、学校の傍だ。どうにかなりそうだよ」
「…やれやれ、本当に多いな」
ため息をつく黒服の男に、「夢の国の黒服」が群がっていく
その長い手が、黒服の男に伸ばされて…
その長い手が、黒服の男に伸ばされて…
……しゅるんっ、と
その手に、何かが絡みつく
それは、長い髪の毛
漆黒の、髪の毛
何時の間にか…黒服の男の髪の毛が、まるで何十年も切っていなかったかのように、伸びていた
その手に、何かが絡みつく
それは、長い髪の毛
漆黒の、髪の毛
何時の間にか…黒服の男の髪の毛が、まるで何十年も切っていなかったかのように、伸びていた
「お仕置きが必要だなっ!!」
しゅるるるるるん!!
触手のように伸びる髪の毛
それは、「夢の国の黒服」たちを、次々と捕縛した
ぽい
ぽいぽいぽぽい
捕まえた相手を、次から次へと、すぐ傍の体育館まで放り込む
触手のように伸びる髪の毛
それは、「夢の国の黒服」たちを、次々と捕縛した
ぽい
ぽいぽいぽぽい
捕まえた相手を、次から次へと、すぐ傍の体育館まで放り込む
「…相手が女性だったらなぁ」
ぼそり、彼が呟いた言葉は、誰の耳にも聞き取られない
「…彼女は大丈夫かねぇ。様子を見に行けないからな…」
自分の担当している契約者の無事を祈りながら
黒服の男は、次から次へと、「夢の国の黒服」たちを、その伸びた髪で捕まえては、体育館に放り込み続けるのだった
黒服の男は、次から次へと、「夢の国の黒服」たちを、その伸びた髪で捕まえては、体育館に放り込み続けるのだった
*
「~~♪~~~~~~~~~♪」
…彼女は歌っていた
静かに、悲しげに、恐ろしげに、どこか、憎々しげに
彼女は、囲まれていた
明るいオレンジ色の熱帯魚を模した着ぐるみ率いるパレードに
しかし、彼女は気にせず歌い続ける
静かに、悲しげに、恐ろしげに、どこか、憎々しげに
彼女は、囲まれていた
明るいオレンジ色の熱帯魚を模した着ぐるみ率いるパレードに
しかし、彼女は気にせず歌い続ける
その、呪われた歌を
パレードが、苦しんで消えていく
熱帯魚の着ぐるみも、苦しみもがいていた
パレードはすぐに補充されるが、それらもまた、苦しみ、すぐに消えていく
熱帯魚の着ぐるみも、苦しみもがいていた
パレードはすぐに補充されるが、それらもまた、苦しみ、すぐに消えていく
歌いながら彼女は願う
どうか、誰もここに来ないで
敵以外は、誰も来ないで
そして、私の歌を聴かないで
どうか、誰もここに来ないで
敵以外は、誰も来ないで
そして、私の歌を聴かないで
…私の歌は、相手を選ぶ事が出来ないから
この無差別攻撃の範囲内に…どうか、入ってこないで
この無差別攻撃の範囲内に…どうか、入ってこないで