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「マスコット風情が私に刃向うか」
老人がマスコットを見て嘲笑う。
「なんで?」
≪夢の国≫の契約者もなぜ彼だけが老人に従わずに自分を庇うのか疑問のようだ。そんな中マスコットは首のないその背でただ態度だけを示す。
護ると。
「何かの毒にでも中てられたか? 一度粉々にして甦らせてみようか」
老人がパレードを差し向けてくる。
マスコットは己の背後の≪夢の国≫の契約者の少女を護るために迫り来るパレードへ、かつての同胞へと向かって駆ける。
床に落ちていた先程≪夢の国≫の契約者が使用していた鉈を取り上げ、先頭の奇形に一撃。首を落とされたソレの体を蹴りつけ、次の住人に一撃を入れる。すぐに再生する彼等をやはり蹴りつけてパレードに叩き込む。おそらくは中で共食いでもして再生するまで多少は時間を稼げるだろう。以前その一部だった彼はそう思いつつ次の狙いを定める。
次の住人に一撃を――それは子供だった、おそらくは自分たちが攫い、内臓をあの老人のために抜かれた――入れる。蹴りつける。次の住人に一撃を送ろうとしたところでパレードの本体に周囲を囲まれた。
左腕を何らかの奇形に食いちぎられる感触がする。が、気にしている暇はない。腰を落として鉈ごと全力で一回転。周囲の住人達は足を斬られバランスを崩し、行動を一瞬止める。
そこで態勢を中腰にまで起こして更に一回転、完全に立ち上がってもう一回転鉈ごと体を振りまわす。
腰と首の付近で切断された彼等を蹴倒し次のマスコットを、潰す。
次を狙おうとする。が、足に強烈な違和感。
首が無い彼はしかしその鋭敏な感覚で全てを感じ取る。足が食われた。
下手人の気配を辿ると、先程切断した奇形がそれでもまだ動いて足に喰らいついていた。
倒れる体。痛覚は感じない。首を斬られた時に遮断した。
彼は鉈を握った片手で身を起こし、残った方の足で上半身のみになっていた住人を踏みつぶす。
「流石はマスコットだが、もう終わりだな」
老人の言葉の通り、死なないパレードがやってくる。彼を粉々にし、取り戻した心をも再び砕くために。
「だ、だめっ!」
わけも分からず、ただ自分を心配してくれている契約者の声を聞いてマスコットは思う。自分は砕かれたら今度は老人の下で彼女の敵として復活させられてしまうのだろうかと。それは嫌だと思う。だが、彼に力は残されていない。
目の前には自分を喰らおうとする貪欲なパレードの姿が――
老人がマスコットを見て嘲笑う。
「なんで?」
≪夢の国≫の契約者もなぜ彼だけが老人に従わずに自分を庇うのか疑問のようだ。そんな中マスコットは首のないその背でただ態度だけを示す。
護ると。
「何かの毒にでも中てられたか? 一度粉々にして甦らせてみようか」
老人がパレードを差し向けてくる。
マスコットは己の背後の≪夢の国≫の契約者の少女を護るために迫り来るパレードへ、かつての同胞へと向かって駆ける。
床に落ちていた先程≪夢の国≫の契約者が使用していた鉈を取り上げ、先頭の奇形に一撃。首を落とされたソレの体を蹴りつけ、次の住人に一撃を入れる。すぐに再生する彼等をやはり蹴りつけてパレードに叩き込む。おそらくは中で共食いでもして再生するまで多少は時間を稼げるだろう。以前その一部だった彼はそう思いつつ次の狙いを定める。
次の住人に一撃を――それは子供だった、おそらくは自分たちが攫い、内臓をあの老人のために抜かれた――入れる。蹴りつける。次の住人に一撃を送ろうとしたところでパレードの本体に周囲を囲まれた。
左腕を何らかの奇形に食いちぎられる感触がする。が、気にしている暇はない。腰を落として鉈ごと全力で一回転。周囲の住人達は足を斬られバランスを崩し、行動を一瞬止める。
そこで態勢を中腰にまで起こして更に一回転、完全に立ち上がってもう一回転鉈ごと体を振りまわす。
腰と首の付近で切断された彼等を蹴倒し次のマスコットを、潰す。
次を狙おうとする。が、足に強烈な違和感。
首が無い彼はしかしその鋭敏な感覚で全てを感じ取る。足が食われた。
下手人の気配を辿ると、先程切断した奇形がそれでもまだ動いて足に喰らいついていた。
倒れる体。痛覚は感じない。首を斬られた時に遮断した。
彼は鉈を握った片手で身を起こし、残った方の足で上半身のみになっていた住人を踏みつぶす。
「流石はマスコットだが、もう終わりだな」
老人の言葉の通り、死なないパレードがやってくる。彼を粉々にし、取り戻した心をも再び砕くために。
「だ、だめっ!」
わけも分からず、ただ自分を心配してくれている契約者の声を聞いてマスコットは思う。自分は砕かれたら今度は老人の下で彼女の敵として復活させられてしまうのだろうかと。それは嫌だと思う。だが、彼に力は残されていない。
目の前には自分を喰らおうとする貪欲なパレードの姿が――