――――気がついたら俺は近所の高校近くの森の中にいた。
体は金縛りにあったかのように動かせず、とりあえず周囲を確認する。
目の前には狂ったように笑う女が一人、そして周囲には森の木々を隠してしまうほどに溢れかえる死体死体死体。
どうやら何らかの都市伝説に捕まってしまったようだ。
「意識を取り戻せたのはやっぱり場数を踏んでいるからなのかな~」
おお、声が出せる。などとぼんやりと呟く間にも周りにある死体が動き出して俺の体にとりついてくる。
死体の顔を見てみると最近自殺したとTVで報じられていた人間の顔がちらほらうかがえる。
自殺に引き込むタイプの都市伝説かな。っとあたりをつけつつ、
「おねえさ~ん、ここらで止めにしない?」
笑っている女に声をかけてみるが相手さんは聞く気はないようだ。無視って傷つくんだぞ、こんちくしょー
「あっはははははははは!!」
女は笑ったまま腕を上げた。死体たちがその動きにうなずいて俺の首に縄をかけていく感触がある。……臭い
体は金縛りにあったかのように動かせず、とりあえず周囲を確認する。
目の前には狂ったように笑う女が一人、そして周囲には森の木々を隠してしまうほどに溢れかえる死体死体死体。
どうやら何らかの都市伝説に捕まってしまったようだ。
「意識を取り戻せたのはやっぱり場数を踏んでいるからなのかな~」
おお、声が出せる。などとぼんやりと呟く間にも周りにある死体が動き出して俺の体にとりついてくる。
死体の顔を見てみると最近自殺したとTVで報じられていた人間の顔がちらほらうかがえる。
自殺に引き込むタイプの都市伝説かな。っとあたりをつけつつ、
「おねえさ~ん、ここらで止めにしない?」
笑っている女に声をかけてみるが相手さんは聞く気はないようだ。無視って傷つくんだぞ、こんちくしょー
「あっはははははははは!!」
女は笑ったまま腕を上げた。死体たちがその動きにうなずいて俺の首に縄をかけていく感触がある。……臭い
「『富士の樹海の自殺者の幽霊が、人間を引き込んで自殺させる』……か」
いよいよ俺の体が木につるされようかというところで男の声がした。
「珍しくて楽しい玩具を手に入れてうれしいのは分かるが、そこまでにしておけ、
この町であまり暴れると組織におまえさんごと処分されるぞ」
いきなり現れた男はそう言うと、
俺を吊るそうとしていた死体たちを一瞬で吹き飛ばし、地面に落ちた俺に片手を伸ばした。
「なんなのよあんたはあああああああああああああ!!」
女が絶叫すると視界いっぱいに死体が押し寄せてきた。
いよいよ俺の体が木につるされようかというところで男の声がした。
「珍しくて楽しい玩具を手に入れてうれしいのは分かるが、そこまでにしておけ、
この町であまり暴れると組織におまえさんごと処分されるぞ」
いきなり現れた男はそう言うと、
俺を吊るそうとしていた死体たちを一瞬で吹き飛ばし、地面に落ちた俺に片手を伸ばした。
「なんなのよあんたはあああああああああああああ!!」
女が絶叫すると視界いっぱいに死体が押し寄せてきた。
津波のようなそれを見て俺は流石に焦る。
「おい、やばいぞ!」
「問題ない」
男はそう言うと一歩前にでて片手を突き出し、
「 破ぁ!! 」と叫んだ。
その瞬間、男から光があふれ、瞬く間に眼前の死者共は消滅した。
「あああああああああああああああああああああ!!!」
女が絶叫を上げる。その女に向って男はつかつかと歩いて行き、平手をぶち込んだ。
「なんでこんな馬鹿な契約をしたんだ!」
男がそう言うと女は打たれた頬をおさえて絶叫。
「だって楽しい事なんて何にもない灰色の人生が嫌だったのよ!!」
「だからってあんなモノ引き連れて殺人かよ」
アイツは女にさらに近付き、手を差し出した。「? なによ?」
女はキョトンとした顔で問いかけてくる。
「そんなに灰色が嫌なら少し人生に彩りを添えてやろうと思ってな」
強引に女の腕を掴んで起き上がらせるとアイツは俺に顔を向けて、
「まずは酒盛りでもするか」
などとのたまった。
「おい、やばいぞ!」
「問題ない」
男はそう言うと一歩前にでて片手を突き出し、
「 破ぁ!! 」と叫んだ。
その瞬間、男から光があふれ、瞬く間に眼前の死者共は消滅した。
「あああああああああああああああああああああ!!!」
女が絶叫を上げる。その女に向って男はつかつかと歩いて行き、平手をぶち込んだ。
「なんでこんな馬鹿な契約をしたんだ!」
男がそう言うと女は打たれた頬をおさえて絶叫。
「だって楽しい事なんて何にもない灰色の人生が嫌だったのよ!!」
「だからってあんなモノ引き連れて殺人かよ」
アイツは女にさらに近付き、手を差し出した。「? なによ?」
女はキョトンとした顔で問いかけてくる。
「そんなに灰色が嫌なら少し人生に彩りを添えてやろうと思ってな」
強引に女の腕を掴んで起き上がらせるとアイツは俺に顔を向けて、
「まずは酒盛りでもするか」
などとのたまった。
アイツが手を振るとどこからともなく現れる瓶と缶がぶつかる音がするコンビニのビニール袋。 どこから取り出しやがったこの野郎。
「おっと、その前に」
アイツはそう言うと両の手を合わせてお経のようなものを唱え始めた。するとアイツの体が光り始め、それと同時に周りに漂っていた腐敗臭が一掃された。
「来世ではこんな死に方するなよ」
そう呟くアイツに俺は問いかける。
「どうやってこの場所を突き止めたんだ?」
周囲は森、ふつうは発見されずらい場所のはずだ。
「ああ、勘だよ、勘」
そう言うと、身を翻し、アイツは言った。
「さあ、今宵は一人の女性が道を正した記念日だ。盛大に行こう」
颯爽と歩いて行くその肩にはあの女がいつの間にか背負われていた。
「え、ちょ、きゃ!」
何か初初しい反応をする女を見ながら、俺は寺生まれは(いろんな意味で)スゴイ!と改めて思った。
「おっと、その前に」
アイツはそう言うと両の手を合わせてお経のようなものを唱え始めた。するとアイツの体が光り始め、それと同時に周りに漂っていた腐敗臭が一掃された。
「来世ではこんな死に方するなよ」
そう呟くアイツに俺は問いかける。
「どうやってこの場所を突き止めたんだ?」
周囲は森、ふつうは発見されずらい場所のはずだ。
「ああ、勘だよ、勘」
そう言うと、身を翻し、アイツは言った。
「さあ、今宵は一人の女性が道を正した記念日だ。盛大に行こう」
颯爽と歩いて行くその肩にはあの女がいつの間にか背負われていた。
「え、ちょ、きゃ!」
何か初初しい反応をする女を見ながら、俺は寺生まれは(いろんな意味で)スゴイ!と改めて思った。
俺が契約したのは『寺生まれで霊感の強いTさん』
目についた人に仇為す都市伝説を浄化する存在だ。
目についた人に仇為す都市伝説を浄化する存在だ。