三面鏡の少女 09
秋祭りも一段落し、のんびりとした空気を漂わせる北区の一角
小さな民家を改築した診療所の二階で、少女はぐったりとベッドに横たわっていた
「変な夢見たなー、ホント……先生に迷惑掛けちゃった」
将門公からの招待状(という名の悪夢)のお陰で深夜に悲鳴を上げて飛び起き、傷は痛むわパニックは起こすわで大変な目に遭っていたのだ
「招待って言ってたけど、勝手に行っちゃっていいのかなー? 組織と首塚ってあんまり仲が良いって話聞かないけど」
「早々に退院するつもりになっているようだがね、割と重傷だったんだよ君は」
病室とは名ばかりの客間に、昼食のお膳を持って現れるドクター
「強力な都市伝説と契約してると、そちらに引っ張られて回復が早くなったりもするものなんだが。君はそうでもないようだな」
「あたしの都市伝説、家に一人でいて寂しい時の賑やかしぐらいにしか使えませんから。ちゃんと戦えたりするのだったら良かったんだけど」
「まあ人によって得手不得手はあるものだよ。ボクだって戦いとかはからっきしだ」
ドクターはお膳をテーブルに置き、少女のベッドに腰を下ろす
「君はまだ若い。これから出来る事は色々見つかるだろうから、慌てる必要はないさ」
少女の頭をくしゃくしゃと撫でて、微笑みかけるドクター
「……先生って、バイトさんの言ってたイメージと全然違う人ですね」
「はっはっは、何を言われてたか大体想像はつくが、ボクはもっと紳士的でTPOというものは弁えているつもりだよ?」
ドクターはそう言って、ついと少女の頬を指先で撫でる
「というわけで、傷がある程度回復したら治療費代わりにデートでも」
「化けの皮が剥がれたー!?」
「いやいや、君が先刻言っていただろう。首塚とやらの招待があったと。保護者がてらボクが参加できないものかとね」
まだこの町に訪れて日が浅い自分が、都市伝説やその契約者と関わるまたとない機会
特に一組織の長が招待するイベントともなれば尚更だ
「ボクとして首塚とやらの面々に挨拶ぐらいはしておきたいものだし、君も夜道には気をつけてもらいたいしな」
その言葉に、少女の身体が僅かに震える
この診療所には、まだ『夢の結末』の少年が倒された事は知らされてはいない
「とりあえず、組織の人に相談してみます。あたしだけで決めるのも難ですし」
「ああ、無理には推さなくていいからね。あくまで可能ならばで構わない」
そう言ってドクターは晴れやかな笑顔を浮かべる
「その場合は、デートはまた別の機会にという事で」
「しっかり許可貰うか、治療費はお支払いしますー!」
小さな民家を改築した診療所の二階で、少女はぐったりとベッドに横たわっていた
「変な夢見たなー、ホント……先生に迷惑掛けちゃった」
将門公からの招待状(という名の悪夢)のお陰で深夜に悲鳴を上げて飛び起き、傷は痛むわパニックは起こすわで大変な目に遭っていたのだ
「招待って言ってたけど、勝手に行っちゃっていいのかなー? 組織と首塚ってあんまり仲が良いって話聞かないけど」
「早々に退院するつもりになっているようだがね、割と重傷だったんだよ君は」
病室とは名ばかりの客間に、昼食のお膳を持って現れるドクター
「強力な都市伝説と契約してると、そちらに引っ張られて回復が早くなったりもするものなんだが。君はそうでもないようだな」
「あたしの都市伝説、家に一人でいて寂しい時の賑やかしぐらいにしか使えませんから。ちゃんと戦えたりするのだったら良かったんだけど」
「まあ人によって得手不得手はあるものだよ。ボクだって戦いとかはからっきしだ」
ドクターはお膳をテーブルに置き、少女のベッドに腰を下ろす
「君はまだ若い。これから出来る事は色々見つかるだろうから、慌てる必要はないさ」
少女の頭をくしゃくしゃと撫でて、微笑みかけるドクター
「……先生って、バイトさんの言ってたイメージと全然違う人ですね」
「はっはっは、何を言われてたか大体想像はつくが、ボクはもっと紳士的でTPOというものは弁えているつもりだよ?」
ドクターはそう言って、ついと少女の頬を指先で撫でる
「というわけで、傷がある程度回復したら治療費代わりにデートでも」
「化けの皮が剥がれたー!?」
「いやいや、君が先刻言っていただろう。首塚とやらの招待があったと。保護者がてらボクが参加できないものかとね」
まだこの町に訪れて日が浅い自分が、都市伝説やその契約者と関わるまたとない機会
特に一組織の長が招待するイベントともなれば尚更だ
「ボクとして首塚とやらの面々に挨拶ぐらいはしておきたいものだし、君も夜道には気をつけてもらいたいしな」
その言葉に、少女の身体が僅かに震える
この診療所には、まだ『夢の結末』の少年が倒された事は知らされてはいない
「とりあえず、組織の人に相談してみます。あたしだけで決めるのも難ですし」
「ああ、無理には推さなくていいからね。あくまで可能ならばで構わない」
そう言ってドクターは晴れやかな笑顔を浮かべる
「その場合は、デートはまた別の機会にという事で」
「しっかり許可貰うか、治療費はお支払いしますー!」