「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 赤マントと赤いはんてん-12

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だれでも歓迎! 編集
 ぽっぽっぽっぽっ
 「組織」の黒服に赤い斑点が浮かぶ
 どさり
 それは、全身赤い斑点だらけになって倒れて…息を引き取る

 「!赤マント!」
 「っく!」

 ひらりっ
 マントを翻す赤マント
 直後、2人が居た場所に、サブマシンガンの弾が打ち込まれた
 サブマシンガンを構える黒服の背後に移動した2人
 そのまま、走って逃げ去る

「全く…まさか、「組織」のアジト内だったとはな」
「あぅぅ…「組織」は嫌いなのです!「夢の国」の次に嫌いなのです!」
「うむ、私も嫌いだ」

 …自分たちを管理しようとしてくる「組織」は嫌いだ
 しかし、一番嫌いなのは、やはり「夢の国」だ
 …赤いはんてんがかつて契約していた人間の、友人を殺した「夢の国」
 赤いはんてんの契約者は、その仇を取ろうとして……死んだ
 赤いはんてんの契約者の友人たちは、一人を残して皆、「夢の国」に殺されてしまった
 だから、二人は「夢の国」が嫌いだ
 寿命をまっとうして欲しかった人々を殺した…「夢の国」が、大嫌いだ

「…に、しても、赤いはんてんよ」
「あぅ?」
「ここの基地に並ぶオブジェは、何とも悪趣味だと思わんかね?」
「あぅ!悪趣味なのです!!」

 …そうだ
 これを、悪趣味と言わずして、何という
 それは、無数のカプセル
 そして、その中に浮かぶ人型の物体
 これは、一体何なのか?
 2人にとって、理解に苦しむものだ

「…「鮫島事件」発動の為に必要なもの、なんだってよ」
「!」

 背後から、聞こえてきた声
 警戒するように、赤マントは振り返った

 …そこに、いたのは
 スカイフィッシュと呼ばれる都市伝説の上に乗った、20代後半と見られる男性と…その男性に横抱きにされた
 専門用語で言う所の、お姫様抱っこをされた少女の姿があった
 少女は、ほんのりと頬を赤らめている

「…ふむ、なるほど」
「?何を納得しているんだ?」
「あぁ、いや、気にしないでくれたまえ」

 少女が頬を赤らめている理由を瞬間的に理解し
 赤マントは、一人勝手に頷いた

「…ところで。鮫島事件、って何なのですか??」

 かっくん
 赤マントに担がれたままの赤いはんてんが、首をかしげる
 …赤いはんてんの素朴な疑問に、青年はやや、表情を暗くしながら、説明してくれた
 ……何と
 そんな計画が、進んでいたとは…

「…まったく、「組織」はいつの時代も、誰かが暴走して厄介な事をするのだな」
「あぅあぅ!「組織」増長するな!なのです!」
「…あんたたちも、「組織」が嫌いなの?」

 少女の言葉に、特に赤いはんてんが激しく頷く
 …「鮫島事件」
 そんな物の力で、心を失ってなど、たまるか

 自分達が抱えている、大切な思い出
 それすら壊されると言うのなら、容赦などしない

「…つまり、このカプセルの中にいる憐れな人型を、どうにかすれば、少しは何とかなるかもしれんのだね?」
「あぁ」

 赤マントの言葉に、青年は頷いてくる
 じ、と赤マントは、赤いはんてんに視線をやった
 やや、申し訳無さそうな表情を浮かべる赤マントに、赤いはんてんは笑う

「そんな顔、するなですよ」
「だが…」
「あぅぅ…カプセルの中に入っている連中も、こんな目的の為だけに生み出されたのでは可哀想なのです。せめて、楽にしてやるのです。だから、ちょっと私を下ろせなのですよ、赤マント」

 …そっと
 赤マントは、赤いはんてんを下ろした
 ぐるり、赤いはんてんは、周囲のカプセルを見渡す

「…身勝手な思いで生み出された、憐れな者共よ…今、楽にしてあげましょう」

 すぅ、と
 赤いはんてんは、静かに両手を広げた

「赤いはんてん、欲しいですか?」

 …その、言葉を合図に
 彼等の周囲のカプセルの中の人型に…赤い斑点が浮かびだした
 その真っ赤な斑点は、急激なスピードで人型を覆っていって…

 その全身が、覆われた瞬間
 人型たちは、静かに生命の灯火を消していくのだった


 to be …?







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