エンジェルさん 08
秋祭り……いや、契約者にとっては夢の国と対決してから少したってからのこと……。
「夢の国消滅に伴い、妹を探しに行こうと思います」
「ああ、そういえばそのために俺と契約したんだしな」
「ああ、そういえばそのために俺と契約したんだしな」
そう、妹を探すためだけにこのおっさんと契約をしたのだ。……いや、この生活も悪くないとは思ってるけどな。
「ということでおっさん、『妹はどこにいますか』」
『東**丁目**家』
「東区……実家か」
東区には俺の実家がある。妹が向かうとすればそこしかないだろう。……俺のところに来ないかとか期待したわけじゃないんだからねっ!!
「まあそれほど遠くないし、いくか」
ひとまず会うことが先決だ。
*
「よし、行くぞ」
実家の呼び鈴を鳴らす。そういえば帰ってきたのも久しぶりだ。それほど遠くない位置に住んでいるけど。
そんなことを考えていると、家の扉が開いた。
そんなことを考えていると、家の扉が開いた。
「妹!! 大丈夫だったか?!」
いつもと変わらない顔がそこにあった。怪我などは見えるところには無い。
「兄上……ですか?」
「……は?」
「……は?」
……見た目は変わらなかった。だが、こんな話し方はしていなかったはず。
「お前誰だ?」
「申し遅れました。私、妹殿と契約させていただきました、『鏡の国』でございます。以後、お見知りおきを」
「『鏡の国』……? 夢の国の類似品か?」
「俺が説明してやろう。『鏡の国』とは、『鏡に映った人物と鏡の中の人物が入れ替わり、最終的に世界全体が鏡の国と入れ替わってしまう』と言う都市伝説だ」
「おいおっさん、お前何キャラなの? 解説キャラなの?」
「申し遅れました。私、妹殿と契約させていただきました、『鏡の国』でございます。以後、お見知りおきを」
「『鏡の国』……? 夢の国の類似品か?」
「俺が説明してやろう。『鏡の国』とは、『鏡に映った人物と鏡の中の人物が入れ替わり、最終的に世界全体が鏡の国と入れ替わってしまう』と言う都市伝説だ」
「おいおっさん、お前何キャラなの? 解説キャラなの?」
いきなりおっさんがしゃしゃり出てきやがった。頬を挟んでやったら手のひらにひげが刺さった。ちょっと痛い。
「で、その鏡の国が何? 妹に手出ししたら容赦しねえぞ?」
「いえ、私は……」
「兄ちゃん?! 鏡ちゃんに何やってんの?!」
「いえ、私は……」
「兄ちゃん?! 鏡ちゃんに何やってんの?!」
家の中から妹が飛び出してきた。……正確には俺にとび蹴りをかましてきた。この感触は、本物だ。
「鏡ちゃんは私の恩人なんだから!!」
「わわわわ分かったって……」
「わわわわ分かったって……」
妹は俺の上に馬乗りになり、襟首をつかんで激しく揺らしてくる。うん、わかったから離してくれないか?
「あの、妹殿、その辺で……」
鏡の国の一言で俺は解放される。ありがとう、この恩は忘れない。
「取りあえず入ってよ。居間で詳しく話すから」
*
居間に入り、適当に座る。しばらく誰もいなかったせいか、いたるところに埃がたまっている。
ふーんで済ますなよ妹。もっとなんかあるだろ服装とか服装とか。
「で、お前どうやって夢の国から逃げたんだ? あれはかなり強力なはずだろ?」
「ああ、それね。えっとね……」
「ああ、それね。えっとね……」
*
少女は走っていた。どこを目指すわけでもなく、後ろから迫りくる異形のものから逃げるために走り続けた。
「っ……」
目に付いたミラーハウスに逃げ込む。
「何なのあれっ!! なんでこんな目にあわなきゃいけないの?!」
異形のもの達に感づかれないように小さく毒づく。
しかし、異形のもの達は着実に少女に迫っていた。
しかし、異形のもの達は着実に少女に迫っていた。
「来ないで……誰か、助けてっ!!」
『ならば、こちらへ……』
「え……」
『ならば、こちらへ……』
「え……」
異形のものが少女の場所にたどり着いたときには、そこにはすでに少女の姿は無かった。
「大丈夫ですか?」
「え、は……い?」
「え、は……い?」
少女の目の前には自分とまったく同じ顔をした人物が座っていた。
「え、ええええっ?!」
「驚かせてしまって申し訳ございません。私、『鏡の国』と言う都市伝説でございます」
「驚かせてしまって申し訳ございません。私、『鏡の国』と言う都市伝説でございます」
礼儀正しく頭を下げる。
「都市伝説って……あの、噂話みたいに伝わってるやつ?」
「まあそんな感じです」
「で、その都市伝説がどうしたの?」
「まあそんな感じです」
「で、その都市伝説がどうしたの?」
別段違和感を持つことも無く受け入れる少女。異形のものに追いかけられた時点で、受け入れる体制が出来てしまったのかもしれない。
「私と、契約して欲しいのです」
「契約?」
「契約?」
少女が小さく首を傾げる。
「私達都市伝説は、人間と契約することによって大きな力を発揮します。このままでは、あなたもあの者らに取り込まれてしまいます」
「あいつらに取り込まれる? そんなの嫌よ!」
「ならば、契約を」
「あいつらに取り込まれる? そんなの嫌よ!」
「ならば、契約を」
鏡の国が手を差し出し、少女もその手を取る。そのとき、まばゆい光が二人を包み込んだ。
「契約、完了です」
「で、どうすればここから逃げられるの?」
「残念ながら、私の力ではここから逃げられる自信はありません。……待ちましょう、あの者らを鎮めてくれるものを」
「……そうね、私もあいつらには近づきたくないし」
「で、どうすればここから逃げられるの?」
「残念ながら、私の力ではここから逃げられる自信はありません。……待ちましょう、あの者らを鎮めてくれるものを」
「……そうね、私もあいつらには近づきたくないし」
少女らは、そのまま時を過ごした。
*
「と、言うわけなの」
「えっとつまり、妹は鏡さんと一緒に鏡の中で夢の国が倒されるのを待ってた、っつーことか?」
「そういうこと」
「えっとつまり、妹は鏡さんと一緒に鏡の中で夢の国が倒されるのを待ってた、っつーことか?」
「そういうこと」
しかも妹がいなくなった日って事は、契約者としては俺より先輩……?
「鏡さんは鏡に入ったり出たり出来るんだろ? この家の鏡から出ることは出来なかったのか?」
「残念ながら、私は入った鏡からしか出ることが出来ないのです。移動は道を歩くしか方法は無かったのです」
「そうか……」
「残念ながら、私は入った鏡からしか出ることが出来ないのです。移動は道を歩くしか方法は無かったのです」
「そうか……」
便利そうに見えるが割と不便だな。
「私が出来ることは、『鏡の中に人を招く』『鏡から私本人が出る』のみなのです。あまり、お役に立てる能力ではないのですが……」
「……まあ、妹と契約したって事は妹も狙われる可能性があるんだろ? 妹をよろしく頼むよ」
「……まあ、妹と契約したって事は妹も狙われる可能性があるんだろ? 妹をよろしく頼むよ」
仲は悪くなさそうだし礼儀正しいし、任せても大丈夫だろう。
「じゃあ、俺は帰るよ」
「うん、じゃあね」
「うん、じゃあね」
……別に『帰らないでよー』とか言って欲しかったわけじゃないんだからねっ!