―第2章 女神覚醒―
「ったく、煩わしいな!」走りながら俺は思わずそう悪態をついた。
今回の相手はそう、誰もが知ってるあの有名な都市伝説「口裂け女」だったからだ。
契約して身体能力が向上したからといって、全速力で逃げても離れない、むしろ近づいてくる。
ひとまず俺は繁華街の近くまで逃げることにした。
ここは繁華街の中心部にある更地となった場所。元々はビルが建っていたみたいだ。
近くにある看板を見る限り新しくビルが建つんだろう。そんな事はどうでもいい。
俺は奴が来るのを待っていた。その時、追いついてきた。口裂け女、かわいそうな女性だ。
とはいえ、今の彼女は狂気に取り憑かれ、目は虚ろ、というか白目をむいている。
俺は落ち着いて彼女と対峙する。幸い、繁華街に更地を見つけてよかった。
ここでなら十分に力を発揮できる。
「よし、出て来い!」
そう言うと、おなじみの三人組が現れた。
「どこからともなく現れた、この俺仮面nぐはぁっ!」
「そういう口上は止めて下さいといってるじゃないですか!殴りますよ?」
「もう殴ってる…」
「おーいお前ら、茶番はいいから早くってオイ!」
いきなり包丁を投げつけられた。
「お取り込み中にいきなり攻撃してくる奴が何処にいる!?ちったぁ空気読め!!とにかく天照、『結界』を頼む!」
「分かりました!」
そういうと、すぐに世界が反転した。流石天照、仕事が早い。
「展開完了です!」
最初の雰囲気はどこへやら、全員臨戦態勢をとった。
「いくぞ、建速!」
「了解!」
建速は刀に変化した。正面切って突破しようとすると…
突然、「何もない空間」から無数の包丁が俺めがけて飛んできた。
「おいおい、嘘だろ?」
高速で迫ってくる包丁を、俺は刀で弾き飛ばした。が、しかし2~3本俺の肩を掠めていった。
肩から鮮血がにじんでくる。
「っつぅ…そんなの都市伝説ってレベルじゃねーぞ!どうにかならないか、あれ?」
「私ならなんとかなるかも!」
「本当か?なら天照、頼んだぞ!」
「はい!」
そう言うと天照は、結界を操作し始めた。その間にも「何もない空間」からは無数の包丁や鎌が湧いて出てくる。
瞬間、俺に向かって包丁が飛んできた!避けようとするが間に合わず終わりを感じたその瞬間、
なんと、目の前に迫っていた包丁が突然姿を消したのだ!眼前には、無数の包丁に襲われる口裂け女がそこにいた。
何がどうなったのかわからない俺に天照が
「この空間を操作して、貴方に向かってくる刃物の類全てをあの女に『転移』させました。」
彼女曰く、結界の応用で転移させることも可能になったんだとか。
「刃物に襲われてる彼女に刃物でとどめをさすのもちょっとな…月読、止めを。」
「…はい」
月読は弓に姿を変えていた。そして俺はその弓を引き絞る。
「せめて苦しまずに行くといい…」
包丁で苦しんでる彼女に言うのに少し皮肉を感じながら彼女の心臓めがけて矢を放った。
矢は命中し、彼女は光になって消えた。
消える瞬間、彼女の顔には、狂気は消え、安らぎが見てとれた。
「排除完了…天照、結界の解除を」
結界は解除され、街に元の色が戻った。ここで何が起こったか知らないまま。
―今回は少し苦戦したが、天照のおかげで撃退することに成功した。でも、これ以上の都市伝説、或いは俺達以外の「契約者」が現れるかもしれない。
いつの日か別れが来るかもしれないと、そう感じながらその場を後にするのだった。
「ったく、煩わしいな!」走りながら俺は思わずそう悪態をついた。
今回の相手はそう、誰もが知ってるあの有名な都市伝説「口裂け女」だったからだ。
契約して身体能力が向上したからといって、全速力で逃げても離れない、むしろ近づいてくる。
ひとまず俺は繁華街の近くまで逃げることにした。
ここは繁華街の中心部にある更地となった場所。元々はビルが建っていたみたいだ。
近くにある看板を見る限り新しくビルが建つんだろう。そんな事はどうでもいい。
俺は奴が来るのを待っていた。その時、追いついてきた。口裂け女、かわいそうな女性だ。
とはいえ、今の彼女は狂気に取り憑かれ、目は虚ろ、というか白目をむいている。
俺は落ち着いて彼女と対峙する。幸い、繁華街に更地を見つけてよかった。
ここでなら十分に力を発揮できる。
「よし、出て来い!」
そう言うと、おなじみの三人組が現れた。
「どこからともなく現れた、この俺仮面nぐはぁっ!」
「そういう口上は止めて下さいといってるじゃないですか!殴りますよ?」
「もう殴ってる…」
「おーいお前ら、茶番はいいから早くってオイ!」
いきなり包丁を投げつけられた。
「お取り込み中にいきなり攻撃してくる奴が何処にいる!?ちったぁ空気読め!!とにかく天照、『結界』を頼む!」
「分かりました!」
そういうと、すぐに世界が反転した。流石天照、仕事が早い。
「展開完了です!」
最初の雰囲気はどこへやら、全員臨戦態勢をとった。
「いくぞ、建速!」
「了解!」
建速は刀に変化した。正面切って突破しようとすると…
突然、「何もない空間」から無数の包丁が俺めがけて飛んできた。
「おいおい、嘘だろ?」
高速で迫ってくる包丁を、俺は刀で弾き飛ばした。が、しかし2~3本俺の肩を掠めていった。
肩から鮮血がにじんでくる。
「っつぅ…そんなの都市伝説ってレベルじゃねーぞ!どうにかならないか、あれ?」
「私ならなんとかなるかも!」
「本当か?なら天照、頼んだぞ!」
「はい!」
そう言うと天照は、結界を操作し始めた。その間にも「何もない空間」からは無数の包丁や鎌が湧いて出てくる。
瞬間、俺に向かって包丁が飛んできた!避けようとするが間に合わず終わりを感じたその瞬間、
なんと、目の前に迫っていた包丁が突然姿を消したのだ!眼前には、無数の包丁に襲われる口裂け女がそこにいた。
何がどうなったのかわからない俺に天照が
「この空間を操作して、貴方に向かってくる刃物の類全てをあの女に『転移』させました。」
彼女曰く、結界の応用で転移させることも可能になったんだとか。
「刃物に襲われてる彼女に刃物でとどめをさすのもちょっとな…月読、止めを。」
「…はい」
月読は弓に姿を変えていた。そして俺はその弓を引き絞る。
「せめて苦しまずに行くといい…」
包丁で苦しんでる彼女に言うのに少し皮肉を感じながら彼女の心臓めがけて矢を放った。
矢は命中し、彼女は光になって消えた。
消える瞬間、彼女の顔には、狂気は消え、安らぎが見てとれた。
「排除完了…天照、結界の解除を」
結界は解除され、街に元の色が戻った。ここで何が起こったか知らないまま。
―今回は少し苦戦したが、天照のおかげで撃退することに成功した。でも、これ以上の都市伝説、或いは俺達以外の「契約者」が現れるかもしれない。
いつの日か別れが来るかもしれないと、そう感じながらその場を後にするのだった。