名称:〈食闘士〉
呼称:《フードファイター》
大分類:ロール系
◆解説
〈食闘士〉は「食」に関する専門家の
サブ職業である。といっても、
〈料理人〉のように料理を作ることはできず、もっぱら「食べる」方が専門である。もちろんただ食べるだけではサブ職として機能していないも同然であり、〈食闘士〉には「料理
アイテムの効果上昇」「食材系アイテムのドロップ率およびレア入手率上昇」「戦闘中でも素早くたくさんの料理や水薬などを飲み食いできる」などといった、一応実用的な能力がある。
〈エルダー・テイル〉の
世界観や設定とは無関係に、大手回転寿司チェーンとのタイアップ企画「みんなで寿司を食べて冒険しよう!(通称ミンスシ)」において、大量の寿司アイテムとともに実装されたサブ職業である。
当初は
ヤマトサーバー限定のローカルサブ職業だった〈食闘士〉だが、後にタイアップ先の回転寿司チェーンの世界進出に伴い、
海外サーバーでも同様のタイアップ企画が実施され、寿司アイテムとともに世界各地で追加実装されていった。
◆〈セルデシア〉における〈食闘士〉
〈食闘士〉は
〈セルデシア〉の産業や経済とは無関係な職であるため、
〈大地人〉にはほとんどいない。料理系の
クエストなどに登場する美食家や食道楽の貴族や商人がわずかに存在する程度である。
そもそも多くの
〈大地人〉にとっては、毎日の食に困らないだけでもすでに贅沢であり、ましてや「食べることを生業とし、食の愉しみや可能性を追求する」などといった行為は非現実的な道楽なのだ。
しかし、そうした状況も
アキバの街を発端とする手料理の発明が〈大地人〉の間にも普及していくことで、じょじょに変わりつつあるようだ。
◆ゲーム時代の〈食闘士〉
元々ゲーム時代の料理は一時的にちょっとした能力上昇効果が得られる程度で、さほど強力な
アイテムではなかった。「食」に関する様々な能力を得られるというのが〈食闘士〉の売りだが、元々の料理系アイテムの効果が小さいため、その能力はさほど強くはない。また、料理を積極的に活用するのであれば、自分で料理を作れる
〈料理人〉になった方が良いということもあり、〈食闘士〉はあまり有用なサブ職業ではないという評価が一般的である。
実装当初こそ「料理(特に寿司)を食べるとパワーアップする」能力があったため転職する者もそれなりにいたが、タイアップ企画終了とともに下方修正されてしまったため、人口は決して多くない。ごく一部の趣味人が、ロールプレイやキャラ作りのために使うサブ職業といった程度の需要があるのみだ。
転職条件は「一定時間以内に寿司を100皿食べる」
クエストの達成である。タイアップ企画ということもあり、低レベルプレイヤーでも作成や購入が容易な安価な寿司も多く、それだけの数のアイテムを入手して消費する手間と多少の資金があれば簡単に転職できた。
◆〈大災害〉後の〈食闘士〉
〈大災害〉後は「あらゆる料理を美味しく食べることができる」という〈食闘士〉の設定テキストが現実化したことが発見された。
たとえメニュー作成による味の無い料理であっても、〈食闘士〉のレベルに応じて美味しく食べられるようになるのである。ささやかな能力だが、これもれっきとした
口伝の一種であり、後に
〈神の舌〉と命名された。
また、この能力は〈食闘士〉が料理を手に取って、他人に食べさせてあげても効果があることも発見されている。
〈大災害〉直後に
ナカスの街の初心者女子高生〈食闘士〉が偶然発見したこの口伝は、ナカスの
〈冒険者〉たちの間では
〈女神の手〉と呼称されている。
〈冒険者〉の中には、味のある料理を食べられるようになることを理由に転職しようとした者がいたようだが、〈大災害〉後は寿司を100皿食べるクエストの達成が著しく困難になっていたため、実際に転職できた者はほぼ皆無のようだ。
転職のハードルの高さに加えて、元々の職人口の少なさもあり、〈料理人〉の手料理のように〈食闘士〉が革命を起こすことはなかった。
最終更新:2022年12月23日 17:36