リスキーダイス ◆r39666tJr2
「うーん。移動したいけど、難しいよね。イシドロを運ぶのも大変だろうし」
「そうだね」
「そうだね」
タバサは僕の問いかけに考え込むような動作をする。
僕たちは塔を出て進むか、留まって休息をとるかの選択を迫られていた。
僕たちは塔を出て進むか、留まって休息をとるかの選択を迫られていた。
タバサは、まだ悩んでいるみたいだ。
もし進むなら、急がないと完全に日が暮れてしまう。森を歩くのは、ただでさえ視界が悪くなる。
夜にそんな場所を移動するのは危険だ。
僕としては、ここで休んで欲しいと言うのが本音だったりする。
タバサは先程の戦闘で、僕よりも酷いダメージを受けて、ボロボロ。動くのも大変なんじゃないかと思う。
それでも平然としていられるのは、タバサが前の冒険で怪我などに慣れているからだろう。
魔王を倒す旅がどのくらい大変なのかは分からないけど、僕は改めてタバサの強さに感嘆した。
もし進むなら、急がないと完全に日が暮れてしまう。森を歩くのは、ただでさえ視界が悪くなる。
夜にそんな場所を移動するのは危険だ。
僕としては、ここで休んで欲しいと言うのが本音だったりする。
タバサは先程の戦闘で、僕よりも酷いダメージを受けて、ボロボロ。動くのも大変なんじゃないかと思う。
それでも平然としていられるのは、タバサが前の冒険で怪我などに慣れているからだろう。
魔王を倒す旅がどのくらい大変なのかは分からないけど、僕は改めてタバサの強さに感嘆した。
「でも、まだ夜まで時間もあるし、休むのはもったいないなぁ」
「そ……、そうかな?」
「そ……、そうかな?」
思わず同意しそうになるが、それではダメだ。
タバサには、旅をしたことない僕には分からないこだわりがある。そのひとつがこれだ。
【もったいない】
どうせ宿屋に泊まるなら、MPを使い果たしてから泊まろう、というのに似た気分らしい。
よく分からない。
タバサには、旅をしたことない僕には分からないこだわりがある。そのひとつがこれだ。
【もったいない】
どうせ宿屋に泊まるなら、MPを使い果たしてから泊まろう、というのに似た気分らしい。
よく分からない。
僕がちょっと困惑していると、タバサは立ち上がって窓に近寄った。窓の外には、緑色の景色が広がる。
タバサ?僕はその後ろ姿に声をかけた。
タバサが、何を思って行動しているのか知りたい。タバサを理解したい。
今までにない感情を、僕は持ち始めていた。これが【仲間】ということかもしれない。
タバサが、何を思って行動しているのか知りたい。タバサを理解したい。
今までにない感情を、僕は持ち始めていた。これが【仲間】ということかもしれない。
「何をしているの?」
「戦力を増やしたいな、と思ったんだけど…、誰もいないね。少なくともここからじゃ、何も見えない」
「戦力を増やしたいな、と思ったんだけど…、誰もいないね。少なくともここからじゃ、何も見えない」
どういうこと?と聞くとタバサは説明してくれた。
それを完全に理解できない事が悔しい。僕の世界の常識が通じないのだから、仕方がないのかもしれないけど
。
タバサの世界では、4人パーティーで戦うことが普通だという。だから今の状態は落ち着かない。
それに、前の戦闘で敵を逃がしたことが、タバサには無視できない問題として残っているという。
こっちは4人で戦ったのに、倒せなかった。この先、あいつら以上の敵に出会ってしまったら、大変なことになる。
それを完全に理解できない事が悔しい。僕の世界の常識が通じないのだから、仕方がないのかもしれないけど
。
タバサの世界では、4人パーティーで戦うことが普通だという。だから今の状態は落ち着かない。
それに、前の戦闘で敵を逃がしたことが、タバサには無視できない問題として残っているという。
こっちは4人で戦ったのに、倒せなかった。この先、あいつら以上の敵に出会ってしまったら、大変なことになる。
戦力を増やしたいと思うのは、タバサにとって必然だった。
「おにいちゃんと会えれば、イシドロも生き返るから丁度いいんだけど……どこにいるんだろう」
前衛タイプと後衛タイプが、バランス良く仲間になるのに。タバサはそう言葉を続けた。
「お兄さんが眠っているなら、夢を繋げることができるんだけど…、」
「おにいちゃん、こんな早くに寝てないと思うよ」
「……一回目の放送も終わってないしね」
「おにいちゃん、こんな早くに寝てないと思うよ」
「……一回目の放送も終わってないしね」
僕はため息をつく。
レックスの居場所の手かがりを掴めそうなのは、僕の力だけなのに、相手も眠っていないと使えないのは不便だ。
相手がいつ眠るかなんて分からないのに。もうちょっとこの力も、融通が効けばいいのになぁ。
レックスの居場所の手かがりを掴めそうなのは、僕の力だけなのに、相手も眠っていないと使えないのは不便だ。
相手がいつ眠るかなんて分からないのに。もうちょっとこの力も、融通が効けばいいのになぁ。
不満を呟きながら、僕が再び窓に目を向けると、タバサは窓の外から視線を外してこちらを見ていた。
じぃ、と青い瞳に僕の顔が映っている。
先に言葉を発したのはタバサだった。
じぃ、と青い瞳に僕の顔が映っている。
先に言葉を発したのはタバサだった。
「蒼星石、ありがとう」
「え?」
「え?」
その言葉に、僕は驚いてしまう。
「い、いきなりどうしたの?」
「急に言いたくなったの。蒼星石が仲間でよかったなって思ったから」
「そんな、それは僕だって同じだ」
「本当?」
「本当だよ!」
「急に言いたくなったの。蒼星石が仲間でよかったなって思ったから」
「そんな、それは僕だって同じだ」
「本当?」
「本当だよ!」
僕とタバサは、お互いに笑い会う。タバサの言葉が純粋に嬉しい.
僕は最初からタバサという仲間に出会えた。それがどれだけ心強かったか。
僕は最初からタバサという仲間に出会えた。それがどれだけ心強かったか。
殺し合いをさせられているという事実を忘れてしまいそうな、穏やかな時間がこの一室には流れていた。
「じゃあ、行ってくるね。蒼星石はここで待ってて」
しばらく外を眺めていたタバサは、突然こんな事を言い出した。
じゃあ、って話の繋がりが分からない。
じゃあ、って話の繋がりが分からない。
「行くってどこに?」
「仲間になってくれるモンスターを探しに行くの。またあいつらが襲ってきた時のために、戦力を増やした方がいいと思うし。あんまり遠くまで探せないけど、今ならまだ動いても大丈夫そうだから」
「仲間になってくれるモンスターを探しに行くの。またあいつらが襲ってきた時のために、戦力を増やした方がいいと思うし。あんまり遠くまで探せないけど、今ならまだ動いても大丈夫そうだから」
言い終わるとタバサは、テキパキと準備を始める。疲れなど微塵も表に出さない。
タバサは、疲れているはずなのに。
タバサは、疲れているはずなのに。
言葉が、僕の意識に関係なく口から零れ落ちた。
「だったら僕が行くよ!タバサは少しでも体を休めた方がいい」
「え…?でも、危ないよ」
「え…?でも、危ないよ」
力が入ってしまったせいなのか、普段のそれより幾分か大きくなってしまった声にタバサは目を丸くする。
タバサは声の大きさより、内容に驚いたみたいだった。
タバサは声の大きさより、内容に驚いたみたいだった。
「タバサだって、その怪我じゃ危ない」
「…蒼星石は、モンスターを仲間にできないでしょ?」
「…蒼星石は、モンスターを仲間にできないでしょ?」
タバサの言葉に僕は頷く。僕には確かに、タバサが持っているというモンスターの言葉を理解したり、仲間にする能力は持っていない。
だけど、タバサにもしものことがあったら……。
僕はそれを想像するだけで怖くてたまらない。タバサとレックスは、この恐ろしいゲームの唯一の希望なんだから!
本当は僕だって休みたいけど、タバサはこうでもしないと自分が行くと譲らないだろう。
だったら、タバサよりも動ける僕が行った方がいい。僕は、天空の勇者たちの従者になると決めたんだからこれぐらいできる。
だけど、タバサにもしものことがあったら……。
僕はそれを想像するだけで怖くてたまらない。タバサとレックスは、この恐ろしいゲームの唯一の希望なんだから!
本当は僕だって休みたいけど、タバサはこうでもしないと自分が行くと譲らないだろう。
だったら、タバサよりも動ける僕が行った方がいい。僕は、天空の勇者たちの従者になると決めたんだからこれぐらいできる。
「何かを見つけたら、すぐにタバサを呼ぶ。だからその間、タバサには少しでも休んでいて欲しい。これなら問題はないでしょう?
もし、タバサに無理をさせちゃったらお兄さんにあわせる顔がないよ」
「蒼星石……」
もし、タバサに無理をさせちゃったらお兄さんにあわせる顔がないよ」
「蒼星石……」
呆然とタバサは僕を見据える。
視線が重なった。
そのまましばし見つめ合う。
視線が重なった。
そのまましばし見つめ合う。
「……分かった。でも、気をつけてね」
少しの沈黙の後―――折れたのはタバサの方だった。
どす、とタバサはそのまま床に座り込む。表情には、今まで見せなかった疲労の色が覗く。
タバサは、僕に任せることにしてくれたらしい。
本当に、僕はタバサの仲間として認められたのかもしれない。そう思うと、自然に頬が緩んだ。
どす、とタバサはそのまま床に座り込む。表情には、今まで見せなかった疲労の色が覗く。
タバサは、僕に任せることにしてくれたらしい。
本当に、僕はタバサの仲間として認められたのかもしれない。そう思うと、自然に頬が緩んだ。
「タバサも気をつけてね。外よりは安全だと思うけど、何があるか分からないから」
「うん。放送までには戻ってきてね」
「分かってる」
「うん。放送までには戻ってきてね」
「分かってる」
それだけ言葉を交わして、僕はついさっき通った道を辿る。
また外に出ることになるとは思わなかった。だけど、タバサが必要だと言うなら仕方がない。
外は変わらず薄暗い。
森が不気味に僕を迎える。18時の放送まで、そう時間はないだろう。
友好的な参加者だけではないのは分かっている。だからこそ、僕は行かなくちゃいけないんだ。
僕だけじゃ、タバサを守るのに充分だとは言い辛い。仲間が欲しいのは確かだ。
また外に出ることになるとは思わなかった。だけど、タバサが必要だと言うなら仕方がない。
外は変わらず薄暗い。
森が不気味に僕を迎える。18時の放送まで、そう時間はないだろう。
友好的な参加者だけではないのは分かっている。だからこそ、僕は行かなくちゃいけないんだ。
僕だけじゃ、タバサを守るのに充分だとは言い辛い。仲間が欲しいのは確かだ。
もし、好戦的な参加者に会ったとしても、この薄暗さと森を使えば撒くことぐらいはできるはず。
ついバイオリンの弓を握る手に力が入る。大丈夫。僕は出来る。
ついバイオリンの弓を握る手に力が入る。大丈夫。僕は出来る。
―――まずは、塔の周りから探してみようか?
【C-3/森(塔の近く)/一日目/夕方(ほぼ夜)】
【蒼星石@ローゼンメイデン】
[状態]全身打撲(行動には余り支障なし)疲労(中)
[装備]バイオリンの弓@ローゼンメイデン、こぶたのしない@FF4、戦輪×9@忍たま乱太郎
[道具]支給品一式、ジッポ、板チョコ@DEATHNOTE、金糸雀のバイオリン@ローゼンメイデン
[思考]早く戻りたいけど……、タバサの役に立ちたいな。
基本行動方針:タバサとレックスをどんなことをしてでも守る
第一行動方針:C-3を中心にC-2、C-4、B-3、D-3辺りに仲間になってくれそうな参加者がいないか探す。危険そうな人を見つけたら逃げる。放送前には戻りたいけど……?
第二行動方針:レックスを最優先で探す。姉妹たちは後回し。
第二行動方針:タバサの『夢』に入ってレックスと接触する?
[備考]タバサに強い感情(忠誠心?)を寄せています。
【蒼星石@ローゼンメイデン】
[状態]全身打撲(行動には余り支障なし)疲労(中)
[装備]バイオリンの弓@ローゼンメイデン、こぶたのしない@FF4、戦輪×9@忍たま乱太郎
[道具]支給品一式、ジッポ、板チョコ@DEATHNOTE、金糸雀のバイオリン@ローゼンメイデン
[思考]早く戻りたいけど……、タバサの役に立ちたいな。
基本行動方針:タバサとレックスをどんなことをしてでも守る
第一行動方針:C-3を中心にC-2、C-4、B-3、D-3辺りに仲間になってくれそうな参加者がいないか探す。危険そうな人を見つけたら逃げる。放送前には戻りたいけど……?
第二行動方針:レックスを最優先で探す。姉妹たちは後回し。
第二行動方針:タバサの『夢』に入ってレックスと接触する?
[備考]タバサに強い感情(忠誠心?)を寄せています。
【C-3/塔の中の一室/一日目/夕方(ほぼ夜)】
【タバサ@ドラゴンクエスト5】
[状態]全身に大ダメージ、MP消費(大)バリアジャケット解除(普段の服装に戻りました)
[装備]バルディッシュ・アサルト@魔法少女リリカルなのは(カートリッジ残数2)(待機形態)(破損あり)イシドロの死体In棺桶
[道具]支給品一式×2(イシドロの服の食料も回収済み)、手榴弾×2、ヴェルグ・アヴェスター@Fate/hollow ataraxia
[思考]蒼星石、大丈夫かな?
基本行動方針:「どんな手段を使ってでも」レックスを捜し出し、仲間と共に脱出する。
第一行動方針:蒼星石の帰りを待ちながら、体を休ませる。
第二行動方針:自分と仲間の身は「何としても」も守る。
第三行動方針:信頼できる仲間を捜す。
第四行動方針:イシドロを「復活」させる手段を考える。
[備考]「ドラゴンクエスト5」内でタバサが覚えている魔法は全て習得しています。
ミッドチルダ式魔法について、バルディッシュからある程度説明をうけました。
いずれイシドロは「復活」させるつもりです。
(最悪、全ての戦いが終わった後にでも)
白レンのことを見限りました。もう味方だと思っていません。
バルディッシュ・アサルトはダメージを受け、自己修復中です。受けたダメージは相当なものですが、少なくとも、手足が動かなかったり欠損したりはしていません。
(具体的な怪我については、後の書き手さんに委ねます)
[備考]C-3に立つ塔の外壁に、大きな穴が一箇所開いています。
塔の周囲の木々が、バルディッシュ・ザンバーの攻撃の余波で何本か倒れています。
【タバサ@ドラゴンクエスト5】
[状態]全身に大ダメージ、MP消費(大)バリアジャケット解除(普段の服装に戻りました)
[装備]バルディッシュ・アサルト@魔法少女リリカルなのは(カートリッジ残数2)(待機形態)(破損あり)イシドロの死体In棺桶
[道具]支給品一式×2(イシドロの服の食料も回収済み)、手榴弾×2、ヴェルグ・アヴェスター@Fate/hollow ataraxia
[思考]蒼星石、大丈夫かな?
基本行動方針:「どんな手段を使ってでも」レックスを捜し出し、仲間と共に脱出する。
第一行動方針:蒼星石の帰りを待ちながら、体を休ませる。
第二行動方針:自分と仲間の身は「何としても」も守る。
第三行動方針:信頼できる仲間を捜す。
第四行動方針:イシドロを「復活」させる手段を考える。
[備考]「ドラゴンクエスト5」内でタバサが覚えている魔法は全て習得しています。
ミッドチルダ式魔法について、バルディッシュからある程度説明をうけました。
いずれイシドロは「復活」させるつもりです。
(最悪、全ての戦いが終わった後にでも)
白レンのことを見限りました。もう味方だと思っていません。
バルディッシュ・アサルトはダメージを受け、自己修復中です。受けたダメージは相当なものですが、少なくとも、手足が動かなかったり欠損したりはしていません。
(具体的な怪我については、後の書き手さんに委ねます)
[備考]C-3に立つ塔の外壁に、大きな穴が一箇所開いています。
塔の周囲の木々が、バルディッシュ・ザンバーの攻撃の余波で何本か倒れています。
≪174:みんなそう呼ぶから(前編) | 時系列順に読む | 175:第一回定時放送≫ |
≪189:幸福な夢 | 投下順に読む | 191:遥かなるワイミーズハウス(前編)≫ |
≪165:信じるものは -all or nothing- | 蒼星石の登場SSを読む | 175:第一回定時放送≫ 198:プロパガンダも楽じゃない≫ |
タバサの登場SSを読む | 175:第一回定時放送≫ 209:キアリクは効きますか?≫ |