『運び屋マキちゃん』(訳注:ビデオパッケージのタイトルは『運び屋』だが、本編では『はこびや』表記。本稿では前者を用いる)は、帝京大学アニメーションクラブ(TAC)が1995年に制作した約40分の短編アニメーション映画である。
概要
第二次大戦下の国々を舞台に、飛行機で荷物を配達する「運び屋」の少女、マキが活躍する物語。後にアニメーター・脚本家・監督として多くのアニメ作品に携わる佐伯昭志が中心となって制作された。1995年6月18日、第29回アニメーション研究会連合(通称「アニ研連」)上映会にて初公開。上映から2年後の1997年7月27日に開催された同人イベント「コミティア41」でVHS(訳注:及び同人誌『運び屋マキちゃん製作記録全集』)を販売した。本作は当時のアニメファン・批評家から高い評価を受け、自主制作アニメの傑作の一つとされている。
制作過程
(訳注:以下、漢字表記が不明の人物についてはカタカナで表記)
本作は当初、前作『運び屋ミカちゃん』の続編として企画されていた。しかし、制作を開始した1993年にTAC内で分裂騒動が起こり、数名のメンバーが脱退。当時4年生だった佐伯が制作を主導していたため、「4年生がそんなことをしたら、自分たちのやりたいことができない」という不満がメンバーから噴出したためである。この事態を受け、佐伯は5月中に『ミカちゃん2』の制作を中止し、企画も『運び屋マキちゃん』に変更。同年秋までに複数回プレゼンテーションを行って制作メンバーを募り、他の作品を制作したいメンバーのための予算も確保した。
メンバーを集めることに成功した佐伯は1994年に制作を開始。作画は3~6月にかけて進められ、試験期間である7月には作画工程の簡略化を学び、8月からは制作終了まで週10カットのペースで制作が進められた。 9月には騒動で退部していたコバヤシマサヒコが復帰、さらに研修期間を終えたカワカミタカミも復帰し、制作はより加速した。11月の帝京大学の学園祭期間中もメンバーは精力的に制作を続け、11月第1週には作画、25日には彩色を終了。背景美術は12月~翌1995年3月中旬にかけて制作された。大学は2月3日から春休みに入ったため、メンバーは以降自宅で作業している。
2月26日には神奈川県川崎市の舞台音響会社「サウンド・キャラウェイ」の事務所で音声収録が行われた。撮影は同年4月頃から東京都板橋区のビデオ制作会社「サトムラ・プランニング・ファクトリー」の協力を得て行い、完成したのは上映4日前の6月14日だった。
本作は当初、前作『運び屋ミカちゃん』の続編として企画されていた。しかし、制作を開始した1993年にTAC内で分裂騒動が起こり、数名のメンバーが脱退。当時4年生だった佐伯が制作を主導していたため、「4年生がそんなことをしたら、自分たちのやりたいことができない」という不満がメンバーから噴出したためである。この事態を受け、佐伯は5月中に『ミカちゃん2』の制作を中止し、企画も『運び屋マキちゃん』に変更。同年秋までに複数回プレゼンテーションを行って制作メンバーを募り、他の作品を制作したいメンバーのための予算も確保した。
メンバーを集めることに成功した佐伯は1994年に制作を開始。作画は3~6月にかけて進められ、試験期間である7月には作画工程の簡略化を学び、8月からは制作終了まで週10カットのペースで制作が進められた。 9月には騒動で退部していたコバヤシマサヒコが復帰、さらに研修期間を終えたカワカミタカミも復帰し、制作はより加速した。11月の帝京大学の学園祭期間中もメンバーは精力的に制作を続け、11月第1週には作画、25日には彩色を終了。背景美術は12月~翌1995年3月中旬にかけて制作された。大学は2月3日から春休みに入ったため、メンバーは以降自宅で作業している。
2月26日には神奈川県川崎市の舞台音響会社「サウンド・キャラウェイ」の事務所で音声収録が行われた。撮影は同年4月頃から東京都板橋区のビデオ制作会社「サトムラ・プランニング・ファクトリー」の協力を得て行い、完成したのは上映4日前の6月14日だった。
キャスト・スタッフ
●キャスト
マキ - サトウケイコ
キャプテン(タイチョー) - 河野智之
クレア - 小谷朋子(現:こたにともこ)
ハンス - 熊谷正行
マネージャー(店長) - カマノリュウタ
キャプテン(タイチョー) - 河野智之
クレア - 小谷朋子(現:こたにともこ)
ハンス - 熊谷正行
マネージャー(店長) - カマノリュウタ
●スタッフ
脚本 - 佐伯昭志
ストーリーボード - 佐伯昭志
レイアウト - 佐伯昭志
キャラクターデザイン - 佐伯昭志
制作アシスタント - タカオカサチコ
原画 - クズオタケシ、スズキカズヒロ、ナカジママサキ、タカシマヒトシ
トレース - タカオカサチコ、コバヤシマサヒコ、カワカミタカミ、ムラカミタカキ、スズキヒロミ、クズオタケシ、カワノサトシ、タカシマヒトシ
彩色 - ムラカミタカキ、ノガミセイシ、タカオカサチコ、オオタニキョウタ、スズキヒロミ、他
最終チェック - ムラカミタカキ、ノガミセイシ、スズキヒロミ、コバヤシマサヒコ、カワカミタカミ
背景 - 佐伯昭志、コバヤシマサヒコ
撮影 - 佐伯昭志、コバヤシマサヒコ、ムラカミタカキ、オオタニキョウタ、スズキヒロミ、他
録音 - 佐伯昭志、コバヤシマサヒコ
撮影協力 - サトムラ・プランニング・ファクトリー
レコーディング協力 - サウンド・キャラウェイ
スペシャルサンクス - シダリョウタロウ
ストーリーボード - 佐伯昭志
レイアウト - 佐伯昭志
キャラクターデザイン - 佐伯昭志
制作アシスタント - タカオカサチコ
原画 - クズオタケシ、スズキカズヒロ、ナカジママサキ、タカシマヒトシ
トレース - タカオカサチコ、コバヤシマサヒコ、カワカミタカミ、ムラカミタカキ、スズキヒロミ、クズオタケシ、カワノサトシ、タカシマヒトシ
彩色 - ムラカミタカキ、ノガミセイシ、タカオカサチコ、オオタニキョウタ、スズキヒロミ、他
最終チェック - ムラカミタカキ、ノガミセイシ、スズキヒロミ、コバヤシマサヒコ、カワカミタカミ
背景 - 佐伯昭志、コバヤシマサヒコ
撮影 - 佐伯昭志、コバヤシマサヒコ、ムラカミタカキ、オオタニキョウタ、スズキヒロミ、他
録音 - 佐伯昭志、コバヤシマサヒコ
撮影協力 - サトムラ・プランニング・ファクトリー
レコーディング協力 - サウンド・キャラウェイ
スペシャルサンクス - シダリョウタロウ
訳注:発見状況
本作はコミティアでのVHS販売を最後に一切の再上映・ソフト化・配信が行われていない。
作品についての情報も少なく、唯一の公式資料である『運び屋マキちゃん製作記録全集』も絶版のため入手困難。
映像自体は現存するようで、2019年には漫画家のあさりよしとおがTwitterに数枚のキャプチャ画像をアップした。この他、帝京大学アニメーションクラブやアニメーターの荒井和人が当時のVHSを所有している(参考1・参考2) が、再生可能かは不明。
現状で確認できるのは断片的な画像と関係者の証言、上映当時のネットの書き込みだけである。
作品についての情報も少なく、唯一の公式資料である『運び屋マキちゃん製作記録全集』も絶版のため入手困難。
映像自体は現存するようで、2019年には漫画家のあさりよしとおがTwitterに数枚のキャプチャ画像をアップした。この他、帝京大学アニメーションクラブやアニメーターの荒井和人が当時のVHSを所有している(参考1・参考2) が、再生可能かは不明。
現状で確認できるのは断片的な画像と関係者の証言、上映当時のネットの書き込みだけである。
メディアギャラリー
- スクリーンショット





- VHS

参考書籍・リンク
- 佐伯昭志『運び屋マキちゃん製作記録全集』(帝京アニメーションクラブ,1995年)
- The Lost Media Wiki:Hakobiya Maki-chan [lost independent short anime film; 1995] 元記事
- AAA on WWW:第29回アニ研連上映会 当時のパソコン通信の書き込み
- COMITIA:ティアズマガジン41 Push&Review全コメント 『マキちゃん』を含む頒布作品へのコメント
- ホビーに萌える魂:運び屋マキちゃん
- WEBアニメスタイル:ガイナックス若手アニメーター紹介(3) 佐伯昭志のインタビュー記事(一番下)。本作についての言及あり。
- あさりよしとおのツイート