
クローガンの種の繁栄のみを願った族長
クローガンのクラン(部族)であるアードノットの族長、レックスは、リーパー戦争が終わるまでずっと種族クローガンの繁栄のためだけに生きてきた。
ラクナイ戦争がCE1年に始まり、それを収束させたクローガン達はシタデル評議会から報酬をもらい、その為に爆発的な人口増加を遂げたが、CE700年、惑星ルーシア(アテナ星系)を占領しようとしてアサリ艦隊と戦闘になりシタデル評議会と対立。クローガンの反乱はその後数十年続いた。
レックスの父であるシャーロッドは、シタデル評議会をひどく恨んだ。そして彼は部族達に、再び反乱を起こすことを呼びかけた。しかしこの当時のトゥチャンカの状況はジェノフェージ散布によって地上は荒廃が進んでいたため、殆どの部族は戦う力を失っていた。
ホロウズ墓地に集まったシャーロッドに従うクローガンは僅かだったが、レックスを罠でおびき寄せて戦った。シャーロッドは、息子であるレックスと一騎討をしたが、レックスに剣で刺されて命を落とす。それからアードノットの部族長になったレックスは、ジェノフェージの効果がなくなるまでの間、部族クローガン存続のためにクローガン達が生きる道を模索した。
シュラウドは大半がジェノフェージの散布を停止していたが、核戦争の影響以上にトゥチャンカの荒廃化は止まらなかったため、数億いたクローガンのうち、クローガン艦を所持する者たちのみが惑星を出て、定住可能な他の星系に向けてて旅立った。レックスは長くトゥチャンカにいたが、鉱物資源の採取のため、一時的にトゥチャンカを出た。
レックスにとって、トゥチャンカを出ることは未来を切り開くことになるとは思っていなかったが、シタデルでの傭兵の日々はクローガン部族の未来に光を当てるものになるとは、本人も予想しなかったことだった。
ここでは、シタデルで傭兵として過ごすレックスのエピソードについて、Mass Effect: Foundationから抜粋。これはマヤ ブルックスのストーリーと一緒になっているので、併用して紹介する。
Mass Effect: Foundation
シャドウブローカーを裏切ったフィスト
CE2183年、シャドウブローカーのエージェント、フィストは、クォリアンのタリゾラをサレン アルティリウスに売ろうとしたことが仲間のヴォルスにバレてしまった。このため、タリゾラはドクター・ミッシェル、及びシェパード少佐の助けで助かったが、フィストはシャドウブローカーを裏切ったことで命を狙われるはめになった。
シャドウブローカーは、ヴォルスのクリン ラヴォンに、フィストを暗殺するように命じた。するとクリン ラヴォンは、メイトリアーク アシータに聞くと、いい男を紹介するといって、傭兵のアードノット レックスを紹介した。
クリン ラヴォン「お前は強いのか?」
レックス「ああ、いままで一騎討で負けたことは一度もない。父親にもな」と言って、持っているML-77ミサイルランチャーとM-27 シミターを見せた。
レックス「ああ、いままで一騎討で負けたことは一度もない。父親にもな」と言って、持っているML-77ミサイルランチャーとM-27 シミターを見せた。
クリン ラヴォン「よし、ではお前に頼みがある。この男を密かに消して欲しい。報酬は仲間のヴォルスが払う」
レックスは、ヴォルス銀行に何度も通ったのでバルラ ヴォンについては知っていた。
レックスは、ヴォルス銀行に何度も通ったのでバルラ ヴォンについては知っていた。
レックスは、パッドにあったその男をコラズ・デンで見張って、彼の尾行を始めた。パッドには、この時、報酬は1.5万クレジットとあった。
ラサ(マヤ ブルックス)への命令
サーベラスのエージェントであるラサ(マヤ ブルックス)は、イルーシヴマンから命令を受けていた。それは、サーベラスの因縁の敵でもあるシャドウブローカーのエージェントを数人の命を奪うことだった。しかしラサは、かつて自分が殴って大怪我をさせたブルックス(彼女はシャドウブローカーのエージェントだった)のように人を消すことはせず、逆に自分の仲間にしようと考えた。
エージェントというものは、敵であっても仲間が多いほど有利になると分かっていたラサ。地球連合の情報部にいるローランド ジャセン中佐も、そのせいでサーベラスからの情報を得て連合の勝利へとシェパード少佐を導いたのだ。ラサは、結局誰ともつながって、情報を得て有利になろうと考えていた。
ただ、ラサにとって最も厄介なのは、シタデル評議会の召使のようなスペクターであり、辣腕スペクターでアサリのテラ ヴァシールだった。この時は、まだ顔しか知らなかったが、彼女は神出鬼没に現れて襲い掛かる恐ろしいアサリなので、十分気を付けていたが、今回のイルーシヴマンの命令もきっと邪魔されるに違いない、とそう思っていた。
ラサは、イルーシヴマンから、シャドウブローカーのエージェントだったフィストに会って、クォリアンであるタリゾラの情報を得ろと命じられていたが、フィストを尾行する際、赤いアーマーを着たクローガンが彼を暗殺しようとしているとは思ってもいなかった。
ラサの頼み
ヴォルスのクリン ラヴォンの依頼を実行しようとしていたレックスだったが、彼はフィストの尾行を続けていると、彼を見失ってしまった。
フィストは尾行に気付いて、変装してアパートの部屋からそさくさ歩いて出てしまっていた。
フィストは尾行に気付いて、変装してアパートの部屋からそさくさ歩いて出てしまっていた。
レックス「奴はどこへ消えたんだ?」と、彼は武器を片手にうろついていると、一人の女性が現れた。
ラサ「待って、なぜフィストを追っているのか聞かせて?」とアパートの通路にいる彼女は聞いた。
レックス「フィストの居場所を知っているのか?」と、彼のアパートの傍にいるのにそんな質問をした。
ラサ「さっき、男がそのアパートから出て言ったでしょ? そいつがフィストよ」ちょうどフィストはレックスの死角にいたので見ていなかった。
レックス「フィストの居場所を知っているのか?」と、彼のアパートの傍にいるのにそんな質問をした。
ラサ「さっき、男がそのアパートから出て言ったでしょ? そいつがフィストよ」ちょうどフィストはレックスの死角にいたので見ていなかった。
レックス「そうか!」と言ってアパートの反対方向へ向かおうとしたら、ラサが彼の腕をつかんで言った。
ラサ「私の話を聞いてくれたら、いい情報をあげるわ」
ラサ「私の話を聞いてくれたら、いい情報をあげるわ」
レックスは、「情報」という言葉につられて立ち止まった。「いいだろう、話を聞かせてくれ。もしつまらない情報だったら、奴のアパートで待つ」と彼は言った。
ラサはレックスをフィストのアパートに連れて行って、空っぽだと証明した。
レックス「ここは何もないな、ちっ」とがっかりした。ここでは奴を待って隠れられない。
レックス「ここは何もないな、ちっ」とがっかりした。ここでは奴を待って隠れられない。
ラサ「情報というのは、これよ」と言ってパッドを見せた。
レックスは、パッドを見ると、フィストが元シャドウブローカーのエージェントだと分かった。そして、彼がタリゾラをサレン アルティリウスに売ろうとしていたことも書いてあった。
クォリアンの名前には聞き覚えはなかったが、サレン アルティリウスは、レックスが乗っていた艦を破壊したトゥーリアンだったのを思い出すと、怒りがこみ上げ、仕返しをしようと考えた。
レックス「俺に何をさせようとしているんだ?」
ラサ「そのタリゾラってクォリアンを探しているの。手伝ってくれない?」
ラサ「そのタリゾラってクォリアンを探しているの。手伝ってくれない?」
レックスは顔をしかめた。だが、ラサには返事をした。「いいだろう。あのフィストがシャドウブローカーだったことは分かった。だが、フィストの暗殺を中止すればどうなる?」
ラサ「私があなたの依頼人を説得して、あなたに私が報酬を出す。どう?」
レックス「そのクォリアンのタリゾラとやらは、ちょっと前に行政区で見たぞ?」
ラサ「私があなたの依頼人を説得して、あなたに私が報酬を出す。どう?」
レックス「そのクォリアンのタリゾラとやらは、ちょっと前に行政区で見たぞ?」
ラサ「ええ、私もそのクォリアンを見たけど、それが・・・」とうつむいた。
レックス「それが?」ラサの顔を覗きこむ。
ラサ「連合のシェパード少佐と一緒だったのよ、彼は強いわ。とても歯が立たない」と言って腕組をした。
レックス「それが?」ラサの顔を覗きこむ。
ラサ「連合のシェパード少佐と一緒だったのよ、彼は強いわ。とても歯が立たない」と言って腕組をした。
レックス「シェパード少佐? それは人間だろ?」と言って、彼はM-27 シミターを抱えてガチャガチャ言わせた。
ラサ「あなたが強いことは知ってるわ。でもシェパード少佐には絶対に勝てない」と言って縦に顔をうなずかせた。
ラサ「あなたが強いことは知ってるわ。でもシェパード少佐には絶対に勝てない」と言って縦に顔をうなずかせた。
「絶対に勝てない」と言われてはクローガン随一の剛腕レックスの血が騒ぐ。
レックスは顔をしかめた。「で、クォリアンに会うために、シェパード少佐の仲間になれと?」
ラサ「ええ、そうよ。お願いできる? 信頼できる間柄でないと彼女のデータはもらえないから」
ラサ「ええ、そうよ。お願いできる? 信頼できる間柄でないと彼女のデータはもらえないから」
レックス「ああ、いいだろう。その代わり、報酬は2倍だ!2倍!」
ラサ「ええ、2倍ね!」と笑顔で手を打つ。そしてレックスが商業エリアを去るのを見送った。
ラサ「ええ、2倍ね!」と笑顔で手を打つ。そしてレックスが商業エリアを去るのを見送った。
その二人を陰からテラ ヴァシールが見ていた。テラ ヴァシールは、サーベラスのエージェントがクォリアンから情報を得てどうしたいのか疑問に思った。しかし、テラ ヴァシールもゲスとクォリアンの情報について知っておきたいし、ラサというエージェントがフィストを暗殺しない理由も気になった。たしか通信を傍受した時に、ラサには暗殺指令が出ていたはずなのに。
テラ ヴァシールはシタデル評議会にもシャドウブローカーにもいい顔をしているし、スペクターでもある。自分の判断で処理もしても一切構わない。ラサの行動次第では、彼女を消すことも容易ではあった。
スペクターになったシェパード少佐
アードノット レックスは、ラサの言う通り、C-SECの近くでシェパード少佐を待っていた。すると、シェパード少佐は快くチームに入れてくれたので、彼と行動を共にできることになった。すると、シェパード少佐は大使館に立ち寄って、数分会話すると、すぐにシタデルタワーへ向かった。ラサは近くから見ている。
レックスは初めてシタデルタワーへ入ったが、シタデル評議会の評議員を見たのがこれが初めてだった。評議員達はシェパード少佐と話をしていた。話の内容を聞いていると、画面にサレン アルティリウスの顔が映った。内容よりも、サレンの顔が気になった。
レックスは、艦を破壊したサレンの顔を目に焼き付けた。そして評議員達の顔を見て、シェパード少佐を見ると、突然拍手が沸き起こった。
どうやら、シェパード少佐はスペクターになったようだった。クローガン族長である自分の目の前で。
どうやら、シェパード少佐はスペクターになったようだった。クローガン族長である自分の目の前で。
サレンのことはすっと忘れて、今は天下のスペクターの仲間になって、地球連合のクルーとして行動を共にすることになったので、ちょっと動転した。
そしてラサの依頼をどうするか考えていると、シェパード少佐はまた歩き出したのでついていった。
そしてラサの依頼をどうするか考えていると、シェパード少佐はまた歩き出したのでついていった。
レックス「さっきオムニツールから公開していた音声記録を、このOSDに入れて欲しんだ。いいか?」
タリゾラ「お安い御用よ。もう評議会に聞かせたから、これに用はないわ」そう言って、彼女はあのゲスから入手したデータを丸ごとOSDに入れてレックスに渡した。
タリゾラ「お安い御用よ。もう評議会に聞かせたから、これに用はないわ」そう言って、彼女はあのゲスから入手したデータを丸ごとOSDに入れてレックスに渡した。
レックスは、ニヤっとしてOSDを懐に入れる。陰からテラ ヴァシールが見ていた。彼女もゲスの情報を手に入れたかった。
テラ ヴァシール「なんとかならないかしら」とつぶやく。シャドウブローカーもあのタリゾラのデータがあれば、今の状況を打開できるかもしれないと考えた。ゲスの動きを察知できるかもしれないと。この時は、カーリー サンダースがAI研究所にいた時の情報はまだテラ ヴァシールも知らなかったので、エダン ハダ博士がソヴリンのゲスを分解して、再び同型ゲスを作っていたことは知らなかった。
レックスを尾行するテラ ヴァシール
シェパード少佐は、すぐに大使館へ寄って、アンダーソンとウディナと話をしていた。その間、レックスは顔をきょろきょろしていると、ラサが「こっちこっち」と言ってくるので近寄って話しかけた。
ラサ「どう? クォリアンから情報はもらえた?」
レックスはさっきタリゾラからもらったOSDをラサに渡した。すると、ラサは代わりに、レックスに5万クレジットを渡す。
レックスはさっきタリゾラからもらったOSDをラサに渡した。すると、ラサは代わりに、レックスに5万クレジットを渡す。
レックス「いいのか? こんなに?」と喜んだ。1.5万とあったはずが増えている。
ラサ「ありがとう。こっちも助かるわ」と言ってほっと一安心して、これですぐにサーベラス・ステーションに帰れると思っていた。実は、サーベラスはゲスの情報をリーパーの研究に使うためだった。実際には、ゲスを倒すのに重要な情報が入っていたので、シェパード少佐の役には立ったのは、彼がサーベラスに加入した後のことだった。
ところが、レックスと別れたラサは、大使館を出て歩いていると、数人のアサリ達に囲まれて、狭い部屋に連れていかれた。
ラサは目隠しをされて、椅子に縛ら付けられた。そして、テラ ヴァシールから何度も殴られて尋問された。
彼女のOSDを開こうとしたがセキュリティの暗号キーがかかっていてアクセスできなかった。暗号キーは1万桁もあるのでオムニツールで計算しても数年はかかる。
彼女のOSDを開こうとしたがセキュリティの暗号キーがかかっていてアクセスできなかった。暗号キーは1万桁もあるのでオムニツールで計算しても数年はかかる。
テラ ヴァシール「レックスからもらったOSDの暗号キーを教えなさい!」と、OSDを開くための暗号キーをラサに聞く。
ラサは血を吐くが、そう簡単には答えない。
ラサは血を吐くが、そう簡単には答えない。
ラサ「へ、言うもんですか!」と彼女はしぶとく、バイオテックを使われても必死で耐えていた。
テラ ヴァシール「ゲスの情報があったかどうか知りたいのよ。教えてくれない?」
ラサは、確かにOSDを開いた時、ゲスに関する情報があったが、データはほぼ座標ばかりでよくわかっていなかった。
ただ、中に非常に重要なことが書いてあった気がするが・・・思い出せない・・・。
ラサは、確かにOSDを開いた時、ゲスに関する情報があったが、データはほぼ座標ばかりでよくわかっていなかった。
ただ、中に非常に重要なことが書いてあった気がするが・・・思い出せない・・・。
たしか、「ゲス分離派」とか「ヘレティック ステーション」とか見た気がする。しかし、ラサの知識ではまだ理解できなかった。ゲスのことは知っていたが、まだ情報を集めている段階なので知らなかったので、尋問されても何が重要か分からなかった。
ラサは、何でもいいから言ってみようと思った。
ラサ「ゲスがペルセウス星域にいる、これしか知らないわ」と言ってみた。
テラ ヴァシールは、それは彼女でも知っている。でも、1時間殴っても彼女は暗号キーを答えなかったので、結局飽きて尋問をやめた。どうやらラサはあまりゲスについては知らないようだった。ということはサーベラスでもまだ調査中と判断した。イルーシヴマンの通信を傍受しても分からなかったので断念した。
ラサは結局、解放されてボロボロになった体で、発着パッドへ向かおうとしたが、途中で倒れて意識を失った。
そして誰かが通りかかって、彼女を助けた。
そして誰かが通りかかって、彼女を助けた。
セイン クリオス
ラサは、商業区にあるアパートの部屋に横たわっていた。近くには、知らない男の影が見える。ラサは、あれは誰だろう?と思った。
彼が振り返ると、それはドレルだと分かった。
彼が振り返ると、それはドレルだと分かった。
セイン「さあ、これを飲んで」と水をラサに渡す。
ラサは、まだ傷だらけだが、このドレルが治療をしてくれて包帯を巻いてくれたようだった。
ラサは、まだ傷だらけだが、このドレルが治療をしてくれて包帯を巻いてくれたようだった。
ラサ「ありがとう」と言って水を飲んで、「あなたは誰?」と聞いた。
セイン「私はセイン クリオス。ハナー艦隊のアサシンをしている」と言ってラサの隣に座る。
ラサは、彼をじっと見ると、非常に落ち着ているので、なんかだ穏やかな気分になった。
ラサは、彼をじっと見ると、非常に落ち着ているので、なんかだ穏やかな気分になった。
ラサ「どうして助けてくれたの?」と言うが、まだ喉が痛い。
セイン「テラ ヴァシールに尋問されていたな?」と聞く。
ラサ「ええ、何か喋ったみたいだけど、終わったことはもういいわ」と、口の中が痛くてひりひりしていた。
セイン「テラ ヴァシールに尋問されていたな?」と聞く。
ラサ「ええ、何か喋ったみたいだけど、終わったことはもういいわ」と、口の中が痛くてひりひりしていた。
セイン「あんたは、サーベラスだろう? そのせいだよ。よく殺されなかったな」
ラサ「そうね、彼女も私がサーベラスと知ってるけど、私だって彼女がスペクターでシャドウブローカーってことも知ってるわ。だから持ちつ持たれつよ」
ラサ「そうね、彼女も私がサーベラスと知ってるけど、私だって彼女がスペクターでシャドウブローカーってことも知ってるわ。だから持ちつ持たれつよ」
セイン「シェパード少佐とは知り合いか?」
ラサ「いいえ、まだよ。ただ、彼のチームにいるクローガンに会いたかっただけ」
ラサ「いいえ、まだよ。ただ、彼のチームにいるクローガンに会いたかっただけ」
セイン「何か成果はあったか?」
ラサ「ええ、あったわ。ただ、ひどい目にあったけどね」と言ってニヤっとした。
ラサ「ええ、あったわ。ただ、ひどい目にあったけどね」と言ってニヤっとした。
セイン「サーベラスは抜けたほうがいいな。でないともっとひどい目に会うぞ?」
ラサ「ええ、そうね、そんな気がするわ。教えてくれてありがとう」
ラサ「ええ、そうね、そんな気がするわ。教えてくれてありがとう」
セイン「しばらくここで休め。じゃあな」と言って、彼はアパートの部屋を出た。
ラサは、セインの後ろ姿を見て「変な人」とつぶやいた。
ラサは、セインの後ろ姿を見て「変な人」とつぶやいた。
ラサは、こんな優しいドレルがいたと思って、後で報告書に書いた。すると、イルーシヴマンは彼はシタデル評議会お抱えのアサシンだとラサに伝えたので、結局は特攻任務のリスト入りとなった。ラサは、そんなに強いドレルだったのなら、テラ ヴァシールもやっつけてくれればよかったのに、と少し思った。スペクターであってはどうにもならない。ま、結局はシェパード少佐がテラ ヴァシールの息の根を止めることになったのだが。
故郷への思い
レックスは、SSVノルマンディーに乗船することになった。そして下層デッキに居座ることになって、そこには、ほかのクルーもいた。
人間の連合士官でアシュリー ウィリアムズ、彼女はファーストコンタクト戦争で唯一トゥーリアンに投降したウィリアムズ大佐の娘でもあった。
そしてギャレス ヴァカリアン、こちらは将来アークエンジェルと呼ばれるようになる正義のトゥーリアン。
そしてギャレス ヴァカリアン、こちらは将来アークエンジェルと呼ばれるようになる正義のトゥーリアン。
そして機関部の連合士官だ。
さらにリアクターのそばの機関部には機関主任アダムスと、さっきのクォリアンであるタリゾラがいた。
さらにリアクターのそばの機関部には機関主任アダムスと、さっきのクォリアンであるタリゾラがいた。
タリゾラは、さっきレックスがシタデルで人間の女性と会話しているのを見ていたので、レックスに話しかけた。
まさか、その見た女性が、自分を将来特攻任務のリストに入れるサーベラスのエージェントだとは思ってもみない。
まさか、その見た女性が、自分を将来特攻任務のリストに入れるサーベラスのエージェントだとは思ってもみない。
タリゾラ「レックス、あなたに人間の知り合いがいるの?」と、レックスにかなり近づいて話す。ヘルメットごしだとここは暗くてよく見えない。
レックス「俺の依頼人だった。さっきまでな」と言ってニヤっとした。5万クレジットもらったとは言わなかった。
レックス「俺の依頼人だった。さっきまでな」と言ってニヤっとした。5万クレジットもらったとは言わなかった。
タリゾラは、これまでクローガンとは敵として会うことが多かったので、レックスを見て初めて友達になれそうだと思った。
レックス「クォリアンがゲスを作ったのだろう?」と興味本位で質問した。
タリゾラ「ええ、そうね300年くらい前に」
レックス「クォリアンがゲスを作ったのだろう?」と興味本位で質問した。
タリゾラ「ええ、そうね300年くらい前に」
レックスは、部族クローガンがどうすればトゥチャンカで生き延びられるのかだけ考えていたので、クォリアンのようにゲスのような人工生命体を作れれば、荒廃したトゥチャンカでも農業をさせられるかもしれない、と思った。今のトゥチャンカではそれができない。ヴァレンの肉ばかり食うのはもう飽きたと思っていたレックス。
レックス「クォリアンはどんな惑星に住んでいるんだ?」
タリゾラ「今は岩だらけね。でも海もあるし山も森もあるわ」と故郷であるラノックを思い出す。
タリゾラ「今は岩だらけね。でも海もあるし山も森もあるわ」と故郷であるラノックを思い出す。
レックス「クォリアンが故郷には戻らないのはなぜだ?」
タリゾラ「住めないからよ。汚染されてて」
タリゾラ「住めないからよ。汚染されてて」
レックスは「汚染?」
タリゾラ「そう。まだゲスが占領してるの。汚染されたからクォリアンはラノックを出たの」
タリゾラ「そう。まだゲスが占領してるの。汚染されたからクォリアンはラノックを出たの」
レックスは、トゥチャンカに似ていると思った。クォリアンがジェノフェージのような汚染を除去する方法を知っていれば聞こうと思ったが、まずはゲスを追い出す方法を見つける方が先だと分かったので、シェパード少佐と共に任務を優先せざるを得ないと感じた。
故郷のトゥチャンカは、まだジェノフェージで荒廃したままだ。あのようになった原因はアテナ星系の惑星ルーシアを占領しようとしたことだった。しかし今のクローガンには、他の惑星を占領するほどの力はない。よって、レックスがこのシェパード少佐と銀河系の為に役に立って、サレン アルティリウスを倒してシタデル評議会に貢献すれば、ジェノフェージを排除して、再び部族クローガンが蘇るかもしれない、とそんな風に思うと希望が湧いてきた。
タリゾラ「私は、まだ儀式の旅の最中なのよ。私も父のようにならなきゃ」と言って去った。
レックスは、武器のML-77ミサイルランチャーとM-27 シミターを手入れしながら、トゥチャンカの惑星を思い浮かべながら、来るべきゲスとの戦闘に心湧きたつのだった。
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BioWare™ © 2022 Electronic Arts Inc.
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