松茸大学(Matsutake University)🔯
松茸大学は、クトゥルフ神話TRPGの登場人物の設定として創作された架空の私立大学です。
実在の大学・団体・宗教・研究機関などとは一切関係ありません。
物語の舞台やキャラクターの背景として、現実と虚構の境界を曖昧に楽しむことを目的としています。
【概要】
松茸大学は、日本の山間部にある松茸山キャンパスを中心とする地方私立大学である。設立は昭和中期。地域振興と松茸産業の発展を目的に創立され、いまなお紅葉と霧に包まれた幻想的な環境で知られる。
初代学長・榎本茸吉(えのもと・たけきち)は「教育とは発酵である」と語り、学生に“実験の失敗を腐敗ではなく熟成と捉えよ”と説いた。その精神は現学長の難波霜介(なんば・そうすけ)に受け継がれ、彼は毎年の入学式で「学生も菌も、育てば香る」と訓示する。
松茸大学は、自然との共鳴と知の発酵を掲げる総合大学である。薬学・人文・理学・経済・スポーツの5学部を擁し、小規模ながらも独特の研究文化を誇る。
本部棟は檜造りで、雨の日には松茸の香りが漂う。図書館「胞子館」には学術論文とともに、学生が拾った“何かを封じた瓶”が並んでおり、いくつかは封印指定を受けている。
外部評価では「真面目なのか狂気なのか判断が難しい大学」と評されるが、在学生たちは「それこそが松茸クオリティ」と胸を張る。
“学生も菌も、育てば香る” 松茸大学の精神を象徴する言葉である。
【理念】
「松茸のように稀少で香り高い人材を育てる」̶̶松茸のように、どこにでも生えるわけではなく、環境が整ったときだけ顔を出す。その稀少性と香り高さを人間の知性と品格に重ねた理念である。
創設当初、榎本学長は「松茸が生えぬ土にこそ教育を」と語り、不毛な土地にこそ未来の芽が眠ると説いた。以来、松茸大学では「発酵的成長」という言葉が教育方針の根幹となり、学生の個性を“時間をかけて熟成させる”ことを重んじている。
“教育とは、腐らずに熟すこと” 松茸大学の根幹を成す言葉である。
【松茸大学 初代学長と現学長の言葉】 ― 発酵の哲学 ―
【
榎本茸吉(えのもと・たけきち)/初代学長】
松茸大学の創設者にして、発酵教育の父と呼ばれる人物である。昭和中期、山間の地に大学を設立した際、彼はこう語った。
「教育とは発酵である。急ぐな、腐らせろ。やがて香りが立つ。」
その言葉は建学の理念「松茸のように稀少で香り高い人材を育てる」として、今も学内のあらゆる壁に刻まれている。
榎本の講義は、しばしば授業というよりも“儀式”に近かったという。彼は教壇に松茸を一つ置き、「この菌を見よ、彼は語らずして全てを知る」と言い、一時間ただ沈黙の中で学生に観察させた。
学生たちは最初の十五分で退屈を覚え、三十分で自省し、一時間後には、なぜか涙を流して立ち上がったという。
彼は実験を「腐敗の観察」、論文を「香気の記録」と呼び、失敗を罰することを一度も許さなかった。「失敗とは、世界が違う形で熟したということだ」と語り、学生たちに“結果を愛する目”を教えた。
死の直前、榎本はノートの余白に一文を残している。『真理は発酵する。だが、急ぐ者の手では熟れない。』
そのページは現在も「胞子館」奥の封印指定棚に保管されている。ページの端には、紙に染みるような香りが今も残っているという。
【
難波霜介(なんば・そうすけ)/現学長】
榎本の直弟子にして、松茸大学の第二世代を率いる現学長。発酵経済学の提唱者であり、理念を「社会にも菌を」と拡張した人物でもある。
彼の講義では経済モデルよりも、しばしば“菌の成長過程”が例として用いられる。「市場も菌床も同じだ。温度を急に変えると死ぬ。人もそうだ。」難波は、学生たちを“まだ発酵途中の存在”として扱う。毎年の入学式で語られる彼の訓示「学生も菌も、育てば香る」は、いまや大学の象徴的言葉となっている。
だが彼は決して甘い教師ではない。講義中に居眠りした学生を前にこう言ったという。「菌が眠るのは変化の前触れだ。だが、目を覚ました時に別の形である覚悟はあるか?」
研究室には「発酵経済地図」と呼ばれる手描きの図がある。それは世界の経済を菌糸網のように可視化したもので、彼はそれを指しながら学生に問いかける。「金が流れるのは、人が信じる方向だ。だが、信仰の発酵速度は測れるだろうか?」
難波の哲学は“観測と変化の同一性”にある。観測者は世界を変え、変わった世界がまた観測者を作る。この循環の中に「教育」と「社会」を重ねることで、彼は松茸大学を単なる学術機関ではなく、“思考する菌床”へと育て上げた。
在学生たちは彼を「静かな発酵炉」と呼ぶ。怒号も称賛もなく、ただ穏やかに温度を保つ人物。その沈黙の中に、榎本の理念が確かに息づいている。
「知は静かに腐り、やがて香りへと変わる。」
――松茸大学 学長 難波霜介
学部紹介
― 「治療とは、命と菌のあいだで行う取引である。」
松茸など薬用キノコを中心に、人と菌の関係を医療・伝承の両面から探究。教授陣の信念は「す
べての薬は胞子から始まる」。
学科:薬学科(きのこ薬学コース/伝承医薬コース/臨床薬学コース)
― 「語り継ぐことは、世界を延命させること。」
人間の信仰と文化を実証的に分析する“祈りの学問”。学生は神社・山村などでフィールド調査
を行い、帰還率はおおむね良好。
学科:民俗宗教学科(呪術伝承コース/宗教メディア文化コース/宗教心理実験コース)
― 「鍛えよ身体、祓えよ魂。」
運動・睡眠・意識変容を科学的に統合し、人間性能の極限を探る。実験で“発光現象”が観測さ
れた記録があり、現在も再現研究が進行中。
学科:運動生命学科(身体運動科学コース/コンディショニング科学コース)
睡眠運動学科(睡眠健康学コース/夢・行動科学コース)
― 「貨幣は信仰の最古の形だ。」
経済経営学部は、社会における「交換」「循環」「腐敗」を人間関係と菌類の活動に重ね合わせて研究する学部である。
学生たちは通貨の動きと微生物の繁殖を同一モデルで解析し、教授陣の間では「発酵とインフレは紙一重」という言葉が合言葉になっている。
実験教室では、なぜか株価チャートの横に酵母の生育曲線が貼られている。
学科:経済理論学科(応用経済分析コース/地域経済循環コース)
経営実践学科(組織行動マネジメントコース/経営心理戦略コース)
― 「すべての実験は、世界が自分を確かめようとする仕組みである。」
自然の構造と意識の関係を科学的に探究する学部。六方向対称性を持つ自然現象や、菌糸の量子
振動などの観測を通じ、“世界は思考する生物である”という仮説を検証している。
学科:自然構造学科(自然数理構造コース/幾何生命科学コース)
量子菌糸学科(量子共鳴理論コース/情報生体理論コース)
教授紹介
榊原 麦造(さかきばら・むぎぞう)教授
専門:発酵薬理学・菌糸情報伝達
難波 壮介(なんば・そうすけ)教授
専門:生体発酵哲学・微生物倫理
榎本 静(えのもと・しずか)教授
専門:言語呪術学・民俗詩構造論
香月 幸太郎(かづき・こうたろう)教授
専門:宗教心理学・儀礼構造分析
荒井 祓雄(あらい・はらお)教授
専門:精神身体運動学・筋肉儀礼論
古賀 清実(こが・きよみ)教授
専門:睡眠行動学・夢反応解析
富永 琴葉(とみなが・ことは)教授
専門:行動経済心理・感情資本論
佐渡原 圭(さどはら・けい)教授
専門:財政社会学・偶然市場論
白石 幾久(しらいし・いくひさ)教授
専門:数理構造論・幾何生命基礎
霧島 沙月(きりしま・さつき)教授
専門:量子共鳴生物学・情報菌体理論
入試要項
【募集学部・学部】
【試験区分】
一般入試/共鳴推薦入試/夜間観測入試/AO入試
一般入試
筆記(国語・理科・菌糸論)および個人共鳴面接を実施。
面接官の一人は毎年、学内のキノコ群落からランダムに選出される。
共鳴推薦入試
教授陣の夢に出現した学生を対象とする。応募の必要はなく、夢の中で正しい敬語を使えた場合、自動的に合格通知が届く。
夜間観測入試
指定日時に灯を持たず松茸山キャンパスへ辿り着いた者を合格とする。
遭難者のうち7割は「山に選ばれた」として入学するため、合格率は高い。
AO入試(自己発酵評価型)
志望者は「発酵自己紹介レポート」を提出し、教授陣の前で3分間、自身の熟成過程を語る。
審査項目は「香りの立ち上がり」「思考の粘度」「発酵中断リスク」の3つ。
面接中に泡立った場合は再試験となる。
最終選考では教授が応募者の“
香気残留曲線”を観測し、山が一瞬だけ静まり返った場合は満場一致で合格となる。
【試験内容】
筆記試験では、空気湿度・香気濃度・地中菌糸の振動数によって設問が変化する。
答案は筆跡ではなく体温分布で採点されるため、文字の正確さは問われない。
受験者が紙に向かって呼吸を整える姿勢が評価の大部分を占める。
【提出書類】
志望理由書(自身の発酵過程および研究目的を明記)
身体検査票(胞子検査・香気耐性試験を含む)
共鳴誓約書(入学時点で大学と呼吸を共有する旨の同意書)
※AO入試のみ「自己培養記録(自由形式)」を添付。発酵済みのものはビンごと提出可。
【備考】
合格発表は、大学裏山の風向きと香気強度により告知される。
「風が西から甘く香る日は受かった」と言われているが、香りを感じられなかった者はすでに入学している可能性がある。
松茸大学の入試は、学力ではなく“どれだけ腐らずに熟せるか”で決まる。
あなたの中の発酵が、まだ終わっていないことを願っている。
施設紹介
【学生食堂 菌糸停】
松茸大学の学生食堂。看板メニュー「松茸うどん」は有名だが、実際に松茸が入ってるかはわからない。
「香りを学ぶ教育の一環」という説明が掲げられており、学生たちは納得したふりをして食べている。
カレー・丼もの・謎の発酵メニューなど、品数は多いが味の再現性が低く、同じメニューを頼んでも日によって別の味になる。
食後にアンケートを提出すると、「味覚に関する貴重なサンプルとして研究に使用される場合があります」と注意書きがある。
昼時は混雑するため、キノコ研究室の学生が“菌糸の伸び具合”で混み具合を予測するアプリを開発中だという。
【図書館 胞子館】
松茸大学の中央に位置する図書館。外観は古い石造りで、内部は常に一定の湿度が保たれている。
学生の間では「本が呼吸しやすい環境」と言われ、司書たちは毎朝「今日も棚が元気です」と挨拶する。
地下の“分類中資料室”では、紙の代わりに菌糸ネットワークが情報を記録しており、時折、本棚の隙間から白い糸が覗く。
また、入口付近の棚には“学生が研究の途中で拾ったもの”を保存した瓶が並ぶ。瓶の中身は植物の欠片や古い空気など様々で、
「研究記録として封じること」自体が単位になることもある。教授曰く、「観察対象への愛情が密閉されていれば充分」だという。
【松茸山】
大学の裏手に広がる自然林で、研究と散策の両方に使われる。
毎年秋の「松茸狩り実習」では、学生が松茸を見つけるたびに拍手が起こるが、採ったものの半分は“自己申告で松茸”という曖昧な基準で提出される。
採取報告書には「見た目は松茸、意思は不明」などの欄があり、チェック担当の教授が一番困っている。
昨年は、提出された松茸のひとつが数日後に講義室の椅子の上で発見され、以後「放し飼い禁止」の注意書きが追加された。
学生たちは「山に選ばれた者だけが、まともな松茸を見つけられる」と語るが、選ばれた者の顔ぶれは毎年だいたい同じである。
松茸大学では“学問”と“発見”の違いを誰も定義できない。だからこそ、瓶も論文も同じ棚に並ぶ。
年間行事
【春】
入学式「胞子撒き式」では、教授陣が自ら培養した胞子を風に放ち、学生たちはその香気を胸いっ
ぱいに吸い込むことで「学徒としての受粉」を終える。新入生歓迎祭「胞子舞(ほうしまい)」で
は、音楽・祈祷・研究発表が一体となり、春の山全体がひとつの実験体となる。薬学部では薬草市
場の再現実習が行われ、文学部では朗読劇「声の芽吹き」が開かれる。読んだ者が涙するのではな
く、“読まれた言葉が芽吹く”という
詳細
【夏】
薬草採取実習・夜間フィールドワークでは、学生たちは灯を持たず森に入る。理学部の光共鳴実験
は、光ではなく「記憶の残光」を測定することで知られ、失敗した班の記録は翌年の教材となる。
夏の名物「精神発酵週間(Meditative Week)」では、学生全員が沈黙の状態で互いの思考を観察し
合う。脳波の同期率が一定値を超えると自動的に単位が与えられるが、本人に通知されることはな
い。
詳細
【秋】
学園祭「
マツフェス」は一般公開される唯一の行事であり、香気審査会では“香りを数値化する”
試みが続いている。経済経営学部主催の“祈りの経済シンポジウム”では、通貨と供物の等価性が
議論され、民俗宗教学科による落葉祈願・菌糸観察会では、落ち葉の形状が翌年の入試傾向を示す
とされる。
詳細
【冬】
発酵休暇(長期閉鎖期)は、大学全体が外界との通信を遮断し、各研究室が内部で自己発酵を続け
る期間である。黙祷演習(Silent Seminar)では、学生が言葉を使わずに研究成果を心で伝え合う。
さらに冬期限定で行われる“夢内講義”は、教授が学生の夢に直接現れる形式の補講であり、出席
率は100%を記録している(ただし本人の記憶には残らない)。
冬期末には卒業式が行われる。学生たちは入学時に吸い込んだ香気を最後の呼吸として吐き出し、
その音が山に還るとき、一年の輪が静かに閉じる。
詳細
【通年行事】
現象的休日は、校内の菌糸活動が活発な日のみに発生し、時報ではなく“匂い”でその訪れが告げ
られる。
無響日は、大学全体で発声を禁ずる特定の日であり、音が封じられた瞬間に思考が最も明瞭になる
と伝えられている。
【備考】
行事は天候、霧の濃度、山の気配などにより変更される場合がある。また、大学広報に掲載されて
いない行事の存在も複数確認されており、そのうちのいくつかは、未だに翌年の予定表に“継続中
”として残っている。
― 一年とは、胞子が再び巡るまでの呼吸である。
その間に学び、腐り、また芽吹く。
卒業後の進路と就職実績
【概要】
松茸大学の卒業生は、各学部の専門性を携え、社会のあらゆる層に静かに浸透している。
薬学部や理学部の出身者は発酵医薬や環境再生、食品研究の現場で活動し、文学部・民俗宗教学科の卒業生は記録・教育・出版の領域で“文化の分解者”として知られる。
一方で、卒業後に「所在不明」となる学生も少なくなく、大学はこれを「自然回帰」と定義し、独立項目として統計に含めている。
彼らの多くは山中での研究や瞑想に没入したまま消息を絶ち、後年、植物標本として名簿に再掲されることもあるという。
【進路別データ(過去5年間平均)】
- 民間企業:42%
- 公務員・研究機関:18%
- 自営業・起業:9%
- 海外留学・継続研究:11%
- 自然回帰(行方不明・消息不明を含む):20%
※「自然回帰」には自発的帰山・胞子同化・霧散的消失を含む。
【主な就職先実績】
「この大学で学んだ“観察と発酵”の姿勢が、今の自分を形づくっています。」
― 2017年度卒・フローラル・バイオ研究職
「会社員として働いていたはずが、気づけば山の中で胞子を観測していました。後悔はありません。」
― 2020年度卒・自然回帰(未確認)
「卒業後も教授と通信しています。夢の中で。」
― 2021年度卒・文学部出身
― 卒業とは、胞子が社会に散る音を指す。
それを就職と呼んでいるだけだ。
学生寮(詳細)
【概要】
松茸山の斜面に点在する本学学生寮は、「静けさの共有」と「自己管理された発酵」を理念に運営される共同生活施設である。徒歩圏で講義棟・図書施設(胞子館)へアクセス可能。夜間は巡回の“見回りキノコ係”が消灯と安全確認を行う。
寮の種類
松庵(しょうあん)〈本寮・男女別棟〉
最も標準的な寮。2〜4階建て・各階共同キッチン。門限は23:00(満月のみ23:30)。期末週は自習室を24時まで開放。
向いている学生:講義中心、規則正しい生活をしたい人。
祓塾(はらいじゅく)〈スポ健特別寮〉
トレ室・簡易祈祷スペース併設。朝はラジオ体操+黙祷のハイブリッド。プロテインの共同購入制度あり。
向いている学生:早寝早起き、筋肉と精神の調和を重んじる人。
量子ロッジ〈理学部研究寮〉
実験ログ共有ラウンジ、夜間観測デッキあり。消灯は“観測停止”の合図とみなす。Wi-Fi強めだが、たまに菌糸ネットワークが勝つ。
向いている学生:静かに長時間考えたい人、夜型研究者。
松茸大学 部活動・サークル紹介
――発酵と信仰の青春――
松茸大学の学生たちは、授業と同じ熱量で“意味のわからない情熱”を注ぎ込んでいる。
ここでは、公認・非公認を問わず、特に個性の強い団体を紹介する。
どのサークルも、活動報告書の最後に「よく発酵しました」と書かれているのが共通点である。
発酵研究会(通称:はっけん)
最古参の文化系サークル。
表向きは「食品発酵の基礎研究」を目的とするが、実態は“菌と語り合う会”。
部室では毎週金曜に「菌の声を聴く静聴会」が行われ、部員は瓶を前に黙祷する。
過去には味噌が「自我を持った」と報告され、現在も封印中。
名言:「これは腐敗ではない。意見の相違である。」
筋肉祓道部(きんにくはらいどうぶ)
スポーツ健康学部の学生中心。
ウォームアップ前に神前礼を行い、筋肉を“祓い清める”儀式を日課とする。
部則第1条「筋肉痛は神の試練」。第2条「怠けは呪い」。
筋トレ中に突然「除霊!」と叫ぶが、本人たちは大真面目。
名言:「筋肉も呪いも信仰である」
松茸大学広報サークル(通称:胞報部)
大学公式広報を担当しているが、記事の8割が“学内怪異の取材”。
毎月発行される『松茸大学広報部通信』は、一面に「図書館で発見された未知の瓶」「筋肉が祓われすぎた学生」などの見出しが並ぶ。
教授陣も苦笑しつつ協力的で、取材許可は比較的通りやすい。
学園祭では模擬新聞『胞報エクストラ』を発行し、発酵研究会と共同で“紙の熟成実験”を行う。
名言:「報道は発酵する。」
呪文考証会(文学部系)
呪術伝承コースの学生が中心。
古代呪文の再現と音韻分析を目的に発足したが、毎回笑って失敗する。
特に人気の企画「期末祈祷会」では、単位取得祈願を行うが、過去に本当に教授のパソコンがフリーズした事件があり、以降“効きすぎ注意”扱いに。
名言:「笑う門には単位が来る。」
松茸山探究会
松茸山の自然・信仰・地形をフィールドワークする学際サークル。
入部条件は「迷っても泣かないこと」。
毎年数名が山に籠もり、“研究を続けている”と報告されるが、詳細不明。
探究会発行の年報には必ず「見つかったのはきのこと真実の一部」と記される。
名言:「研究とは迷うこと。」
胞子館自習会(非公認)
図書館“胞子館”の地下でひっそり活動している。
主な活動内容は、レポートを音読して発酵させる「黙読供養」。
メンバー曰く、「知識は空気に触れると変質する」。
年度末には「読みすぎて夢に出た本選手権」を開催。
名言:「本は読むな、育てろ。」
夢行動観測部(スポ健系)
睡眠運動学科の学生による“夢の記録実験”サークル。
毎月、「夢の中で運動できたか」を自己申告で集計している。
部誌『スリープログ』には“寝ながらマラソン成功率”などのデータが掲載される。
年度末に開催される「睡眠耐久レース」は、観客全員が寝落ちするため毎回中止。
名言:「目覚めは敗北。」
松茸大学心霊写真研究会(通称:現像部)
カメラ技術とオカルト研究を融合させた異色の団体。
毎週キャンパスの各所で“写ってはいけないもの”を探す。
活動記録はなぜかピントが合っておらず、現像中に時々「もう一人の自分が写る」と報告される。
名言:「ブレているのは写真か、私か。」
発表会未定同好会
年中、発表の準備だけをしている謎の集団。
ポスター、台本、照明案、衣装が完璧に整うのに、なぜか本番がない。
顧問曰く「練習の完成度が高すぎて発表が怖い」とのこと。
名言:「完成は終わりの呪い。」
彼らは今日も、何かを信じ、何かを発酵させ、何かを忘れて帰る。
それが青春だと、松茸大学では本気で教えている。
最終更新:2025年11月04日 14:01