老竜と少女 4 1-15様
「……雪、か」
いつの間にか空は厚い雲に覆われひらひらと冬の白い妖精が舞い降りてきていた。
老竜は片方の翼を広げ、少女に雪が掛からないように守った。
この奇妙な共同生活はまだまだ続きそうである。
いつの間にか空は厚い雲に覆われひらひらと冬の白い妖精が舞い降りてきていた。
老竜は片方の翼を広げ、少女に雪が掛からないように守った。
この奇妙な共同生活はまだまだ続きそうである。
「わぁっ、見てください竜さん! 雪です! 雪が降ってます!」
「そうだな」
「ふわぁ……本当に、きれいですねぇ」
「そうか。それは良かったな」
「はいっ! ……ところで竜さん、どうして片っぽの翼だけぴくぴくしてるんですか」
「あ、いや。……癖、みたいなものだ。気にするな」
「え? でもそんなぴくぴくしてるところ、わたし今まで見たことないですよ?」
「あ? あぁー……なんだ、冬になると、な。いつもこうなるんだ、うむ」
「へぇ、そうなんですか」
「そうだな」
「ふわぁ……本当に、きれいですねぇ」
「そうか。それは良かったな」
「はいっ! ……ところで竜さん、どうして片っぽの翼だけぴくぴくしてるんですか」
「あ、いや。……癖、みたいなものだ。気にするな」
「え? でもそんなぴくぴくしてるところ、わたし今まで見たことないですよ?」
「あ? あぁー……なんだ、冬になると、な。いつもこうなるんだ、うむ」
「へぇ、そうなんですか」
一晩中ずっと翼を広げ続けて攣ってしまった、なんて言えない老竜であった。