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ジャック・オ・ランタン×少女 トリック・オア・パンプキン 植物・和姦

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トリック・オア・パンプキン 5-113様

「待ってー!置いてかないでよー!!」
衣装の裾が木の枝に引っかかり、少女は身動きがとれません
しかし無情にも、夜の冒険に心躍っている友人たちは、彼女の声に気付かずに、どんどん先へ行ってしまいます
先頭を歩いてゆくガキ大将が掲げるランタンの明かりが、木々の間をちらつきながら遠ざかって行き、やがて辺りを照らすのは薄い月明かりだけになりました
「・・・だからイヤだって言ったのよぅ・・・。」

今日はハロウィン。しかし、今年は何となくいつもよりもお菓子の量が少なく、みんな不平をこぼしていました
なあ、隣町まで行ってみようぜ!
誰かがそう言うと、皆も賛同し、どうせなら肝試しがてらに森の中を通っていこうぜ、とも言い出しました
確かに、森の中を通っていくのは隣町への一番の近道です
でも、この森はそんなに広くはないものの、脇道や獣道が複雑に交差していて、歩き慣れていないと迷ってしまうような森なのでした
「い、いやよ私。こんな夜中に森に入るなんて、怖いじゃない。危ないわよ。」
「なによ弱虫。」「裏切るのかよ。」「じゃあもう一人で帰ったら?」
そう言われると、全体の和を乱せないのが子供というもので
「・・・わかったわよ。私も行く。」
少女はしぶしぶ、承諾してしまうのでした
「よし行こうぜ!」「オレ先頭な!」「冒険みたいでわくわくするわね!」
しかし、のぼせあがった集団というのは周りが見えなくなりがちなもので、友人を一人、置いてきぼりにしたことに気付くことはありませんでした
「・・・はあ。こんなことなら、もっと引っかからないような衣装にするべきだったわ。・・・黒猫とか。」
枝に引っかかって破れた、魔女の衣装の裾をにらみながら友人を追いかけます
しかし、さっきまで出ていた月も隠れ、森の中はどこまでも真っ暗闇
街の灯りも見えず、黒々とした恐ろしげな木々が、まるで覆い被さってくるように思えるのでした

友人を追いかけているつもりでいた少女は、いつの間にか脇道に入ってしまったようです
通ってきた道も、どこをどう通ってきたかわからなくなってしまいました
「どうしよう。道が分からなくなっちゃったわ・・・。」
泣いてもどうにもならないとわかっていても、どうしても次から次へと涙があふれてくるのでした
心細くなり、その場にうずくまりたくなってしまいます

ふと、林の向こうに明かりが揺れているのを少女は見つけました
「もしかして、みんなが戻ってきてくれたのかしら!?」
ふわん、ふわんと揺れる光に近づいて行くと、なんだかおかしなことに気が付きます

「あら?これはカボチャのランタンじゃない。誰かの忘れ物かしら。」
切り株の上に置かれているのは、丁度少女が抱き抱えられるくらいの大きさの、今日はどこの家でも飾っている橙色のカボチャで出来たジャック・オ・ランタンでした
ちょっぴり曲がった口は、笑みを浮かべています
「さっきはふわふわ浮いているようにみえたのに。不思議ねえ。」
少女がいぶかしんでいると、急に、ランタンの炎が強くなり、ふわっ、と浮き上がりました

「トリック・オア・トリート!」

いきなりジャック・オ・ランタンが喋り出し、びっくりした少女は尻餅をついてしまいました
「きゃあ!?カボチャが喋った?」
「そんなに驚かなくても、ジャック・オ・ランタンぐらい知ってるだろ?」
「そ、そりゃ知ってるわよ。カボチャの蝋燭立てくらい、どこの家でも飾ってるもの。」
「ま、ただの蝋燭立てってだけでもないんだがな・・・。
ところでお前、ハロウィンの夜だってぇのに、お菓子を貰いに行かないのかよ?こんな暗い森ん中でうろちょろと。」
「私、友達と隣町に行く途中で道に迷っちゃったのよ。あなた、帰り道を知らない?」

「トリック・オア・トリート!」
再びカボチャはそう言いました
「お菓子をくれるなら、町まで案内してやるぜ。小さな魔女さんよ。」
「ほんとに!?」
「ああ、勿論。そうだな、そのブラウニーがいいな。一番うまそうだ。」
「うっ、町一番のお菓子づくりの名人、マリーお姉さんのブラウニー、楽しみにしてたのに。
・・・まあいいわ、はいどうぞ・・・って、どうやって食べるの?」
「口の中に入れて、中の炎にくべてくれりゃいい。」
ブラウニーを炎にくべると、ぽわっと炎が明るくなり、カボチャ色の炎が辺りを照らします
「おお、うまいな、このブラウニー!」
「わあ、明るーい。でもこの炎、熱くないのね、不思議だわ。」
「さて行くぞ。ちゃんと付いて来いよ?」

ジャック・オ・ランタンは、ふわん、ふわんと、森の小道を飛んで、少女の足下を照らして行きます
「そこ、根っこが出てるから気をつけろよ。」
「うん、ありが・・・きゃああっ!?」
注意を受けたにも関わらず、少女は根っこに躓いてしまいました
「・・・あら?」
しかし、少女は怪我をするどころか、地面に倒れてもいません
「ったく、世話が焼けるな。」
暗闇の中からかぼちゃの蔓が伸び、少女の体を支えているのでした
少女の体勢を立て直した後、蔓は再びするすると闇に戻っていきます
「あれ、あなたが出したの?」
「まあ、ジャック・オ・ランタンだしな。・・・たぶん。」
「・・・すごーい!ありがとう!・・・えーっと、そういえば、なんて呼べばいいのかな?あなたのこと。」
「ジャック・オ・ランタンに名前なんてあるかよ。俺らはただのさまよえる死者の魂だぞ?
生きてる頃はどんな奴だったのかさえも覚えてねえし。」
「そっか・・・じゃあ、『ジャック』って呼んでいい?」
「・・・!」
少女には、カボチャがなんとなく驚いた顔をしたように見えました。
「・・・どうかした?もしかして、イヤだった?」
「何か今・・・いや、何でもねえ。・・・まあ、好きに呼べばいいけどよ。・・・それにしたって安直すぎねえか?」
「いいじゃない!呼びやすいし!格好いいし!・・・他に思いつかないんだもの。」
「はいはい。・・・さ、行くぞ。もう転ぶなよ?」

やがて、木々の間から町の明かりが見えてきました
「もうここまで来たら大丈夫だろ?」
「うん、ありがとうね、ジャック。・・・ねえ、また会えるかな?」
「はあ!?おいおい、俺はお化けだぞ?そんなのに会いたがるなんて、とんでもない変わり者だな、お前。」
「い、いいじゃない別に!」
「・・・そうだな、また来年のハロウィンになって、まだ俺のことを覚えてたらまた来いよ。」
「来年まで会えないの?」
「ハロウィンなら他の幽霊とかも帰ってきてるし、そういう祭りだから気兼ねも無えよ。
・・・人間とお化けが一緒にいるってのはあんまりいいことじゃねえだろうしな。」
「そっか・・・。じゃあ、また来年のハロウィンの夜、この森に来るね!」
「まあ、覚えてたらな。」
「忘れないわよ。」
「そうかよ。」
少女は、にっこり笑うと、町へと駆けてゆきました。
森から抜けたところで、振り返って大きく手を振ります。
「・・・またね!ジャック!」
手を振り返す代わりなのか、ゆら、ゆら、と、炎が揺らめき、やがて森の中に消えて行きました。

暫く経って森の中から、隣町に行っていた友人たちが帰ってきました
隣町でもらってきた沢山のお菓子がバスケットに詰め込まれています
「あ、いたいた!」
「もう帰っちゃったのかと思ってたんだ。ごめん。」
「ごめんね、置いてっちゃって・・・。」
「悪かったな。オレのお菓子、半分やるからさ。」
「ううん、もういいのよ。怒ってないし。」
「・・・何かいいことでもあったの?」
「えへへ。・・・ちょっとね。」

そして、一年が過ぎ、再びハロウィンの夜がやってきました
少女はバスケットに沢山のお菓子を詰め込んで、真っ黒な猫の耳としっぽの衣装をゆらしながら、真っ暗な森へと走って行きます
今年は割と沢山のお菓子がもらえたので、友人たちは早々に家に帰ってしまいました
「ジャックー!!」
「おう。なんだ、本当に覚えてたのか。」
「なによ。覚えてない方がよかったっていうの?」
「好き好んでお化けに会いに来るような、変な性格は直ってた方がよかったかもな?黒い子猫ちゃん。」
けらけらと、くるくるまわりながらジャックが笑う
「サリーよ。私の名前。去年言いそびれちゃったわ。」
「へえ、案外かわいい名前じゃねえかよ?黒い子猫ちゃん。」
「んもー!ちゃんと名前呼んでよ!」
「へっ、やーなこった。」
くるくる回りながら、ジャックは再び笑います
そして、お化けに名を教えるだけでなく、あまつさえ名を呼ばれたがるなんて、そんな危なっかしくて縁起の悪いことを望むこの少女は、ほんとうに馬鹿な奴だと思いました
それでも、それがなんとなく嬉しくて、くるくる回っているのでした

「トリック・オア・トリート!」
「はい、今年も町一番のお菓子づくりの名人、マリーお姉さんのお菓子をあげるわ。今年はトリュフだって。」
「ああ、去年のブラウニーはうまかった。」
「まさかマリーお姉さんも、お化けに誉められてるなんて思ってもないでしょうね。」
「ちげえねえな。」
切り株に腰掛けて、笑いあったり、町での出来事を話したり
なんのことはない、他愛のない会話が楽しくて、気が付いたらすっかり夜は更けていました
「おい、そろそろ帰らないと親御さん心配するだろ。・・・また、来年な。」
「・・・うん。また来年、ね。」

それからまた一年、また一年と歳月は過ぎ、少女は毎年、ジャックとハロウィンの夜を過ごすのでした

やがて少女は、ジャックと別れた後にはもう、来年のハロウィンが待ち遠しくて待ち遠しくて、どうしようもなくなっている自分に気がつきます
しかし、少女が子供としてハロウィンを楽しむ時期は、もう終わりを告げようとしているのでした

「・・・そろそろ、潮時なのかもな・・・。」
夕暮れの、少女がまだ訪れていない森の中で、ジャックは苦しげに、ぽつりと呟きました

「ジャック!ジャックー!?・・・どうしちゃったのかしら・・・。」
真っ暗な森の中で少女は呼び続けましたが、カボチャ色の炎は現れてはくれませんでした

いつもは、ジャックが居てくれると思えばこそ、この真っ暗な森も怖くなかったのに、ジャックがいないとなると、急に心細くなってしまいます

やがて、遠くの方に炎が揺らいでいるのを見つけた少女は、ぱっと駆け出しました
どことなくいつもよりも炎の色が違うような気がしましたが、そんなことを考えている余裕はありません
「もう!ジャック、居るんだったら返事くらいしなさいよ!」
しかし、追いかける少女に気づいていないのか、はたまた気づいていながら逃げているのか。
一向にその炎に追いつけないのです

「ジャック、待ってよ!一体どうしちゃったっていうの・・・っ!?きゃぁああああ!!??」
気が付いた時にはもう遅く、少女は足下にいきなり現れた崖に滑り落ちていきました

しかし幸いにも、それほど大きな崖でもなく、底には乾いた落ち葉が堆積する深い窪地のような地形だったため
怪我はしていないようですが、上まで戻るのはちょっと難しそうです
外からはちょうど死角になるので、誰かに見つけてもらえそうにもありません

けたけたけたけたけたけたけたけた
崖の上を飛んでいるジャック・オ・ランタンが、奇妙な笑い声をあげています
「・・・ジャックじゃ、なかったの・・・!?」

げらげらげらげらげらげらげらげら
気味の悪い笑い声をあげ、ランタンの炎の色が、橙色から青白い、気味の悪い色に変わります
「・・・なんなのよ、あんた。ジャックの知り合い?だったら、ジャックを知らない?さっきから探してるんだけど・・・」
げたげたげたげたげたげたげたげた
しかし、青い炎のジャック・オ・ランタンは、ただ周りを飛び回り、少女をあざ笑うだけあざ笑うと、崖の上へと飛んでいきました

ぼこ ん

いきなり、なにかが割れるような鈍い音が響いた後、ぼろぼろと砕け散った橙色のカボチャのかけらが降ってきて
暫くすると、見慣れた、あたたかそうなカボチャ色の炎を灯すジャック・オ・ランタンが少女の前に降りてきました
「・・・ジャック!!」
「なーにやってんだよ。ばーか。」
「馬鹿とはなによ!・・・ずっとあなたを探してたのよ?ジャック。」
いつもよりうっすら仄暗い炎を灯したジャック・オ・ランタンは不機嫌そうにふわふわゆれていました
「・・・ジャック・オ・ランタンには2種類いるって、知らねえのかよ。
あいつは人を迷わせて、沼地とかに沈めて殺そうとする奴だ。
この辺にはこんなちんけな崖しかなくて、命拾いしたな。」
「・・・ジャックがもっと早く来てくれてたら騙されなかったわよ。」
「・・・ふん。」
「・・・ジャックは、いいジャック・オ・ランタンよね?」
「さあ、どうだかな?・・・もしかしたら仲良くするふりをして油断させた後、突き落とすのかも知れねえぞ。」
「そんなこと・・・!」
ジャックは、少女の目の高さで停止し、こう言いました
「ほら、お化けなんぞと居ても、ろくなことなんかねえだろう?・・・もうここには来るな。」
それはまるで、ジャックが自分自身に言い聞かせているようにも聞こえました
「もう・・・潮時だ。お前の友達も、お菓子を貰い歩くのをやめて、みんなでパーティーにでも行くようになった年頃だろ?・・・お前もそうしろ。」
「いやよ。」
「何だと?」
「いやよ、って言ったの。・・・ジャック、私、ジャックのことが好き。大好きよ、誰よりも。」
ランタンの炎が、一際大きく明るく、燃え上がりました
「・・・はっ!お化けのことが好きだなんて、お前、本当に馬ッ鹿じゃねえか!?」
「馬鹿でもなんでも、何を言われようと私はジャックが好きなの!・・・ねえ、ジャックは私のこと・・・嫌い?」

暫し悩んだ後、ジャックは答えました
「俺だって、お前のことは好きだ。」
「だったら何で・・・!」
「・・・だからこそだ。」

ジャック・オ・ランタンは死者の魂。邪悪な魂は旅人を惑わせ、底なし沼へと誘う

「俺自身、こうなる前にどんな奴だったのかさえ覚えてねえんだ。
覚えてないだけで、もしかしたら悪人だったかも知れねえ。
毎年毎年、お前に会う度に、お前に惹かれていく度に、不安は大きくなってった・・・
いつか何かの拍子に、生前の未練や憎悪にかられて、さっきの奴みたいにお前を酷い目に遭わせるかも知れねえってな・・・。
死者の国に、お前を引きずり込むかも知れねえんだぞ?」
「・・・それでも、私はジャックと一緒にいたいの!」
「まだ分かんねえのか!?・・・俺は、お前を傷つけたくなんか、ねえんだよ!」
「・・・だから、解らないのよ・・・この気持ちを、どうしていいのか!!
・・・毎年必ず会えるって分かってたから、一年に一回だけしか会えなくても我慢できたわ・・・。
でも、ジャックとこのまま、もう二度と会えないくらいなら、死んだ方がマシなんだもの!」
少女の瞳から、ぼろぼろと涙が溢れ出します

「・・・っ!!馬鹿が!」

暗闇からしゅるしゅるとカボチャの蔓が伸び、少女の体に絡みついて動きを封じてしまいました
「トリック、オア、トリート!・・・さあ、もう家に帰ると言え。
・・・帰らないってんなら・・・もう来たくなくなるようにしてやるぞ。」
本気だ、とでもいうように、蔓は少女の首にも巻き付きました

「私、帰らないわ!そんなこと言うジャックにお菓子なんか・・・痛っ!?」
蔓の呪縛から逃れようと身をよじるうちに、少女は木の枝で指を傷つけてしまいました
「・・・っ?!おい、大丈夫か!?」
その一瞬、蔓がゆるんだ隙をついて束縛を抜け出した少女は、ジャックに飛びつき、強く抱きしめました
「ジャック・・・もう会えないなんて・・・そんなの、イヤ・・・。」
カボチャの表皮に少女の頬の温かさと、涙の冷たさが染み込みます
抱きしめられるやわらかな感触と、少女の指先から流れた血

カボチャ色の炎が、風に吹かれる蝋燭の火のように激しくゆらめきました

「・・・ジャック?どうしたの?」
少女は驚いて、思わずジャックの顔をのぞき込み、訊ねます
「・・・っくくくく。」
はーっはっはっはっは!!!
突然、ジャックが高らかに笑いだしました
「まったく。なーにが死霊だ。なにが邪悪だ、悪人だ。っくはははは。」
「ど、どうしたの?ジャック。」
「・・・色々とな、思い出したんだよ。・・・おい、指に傷跡は残ってねえか?」
「え?さっきの傷なら、もう血は止まってるけど・・・」
「そっちじゃねえよ。ほら、親指の付け根辺りだ。・・・その傷が出来たときの記憶はあるか?」
確かにそこには、うっすらと皮膚の色が違う古い傷跡がありました
「・・・ある。けど、なんで知ってるの?いつの傷だったかなんて、私、覚えて無いわよ?」
「そりゃあよ、俺は、今も昔も『ジャック』だったからさ。
・・・俺はな、10年前にお前が作った、ジャック・オ・ランタンだったんだよ。」
「え?ええ!?」

「お前、俺を作ってるときに手を切っちまったんだよ。ほら、この口の曲がったとこだ。」
「・・・あ・・・!」

手をざっくりと切ってしまって、大泣きした記憶
包帯を巻いて、泣きながら、頑張ってジャック・オ・ランタンを完成させた記憶
『このこのなまえは「ジャック」よ!』

手の傷と、ジャックのちょっと歪んだ口を見比べると、色々な記憶が少女の脳裏に、鮮明に蘇ってきました
「・・・なんで気が付かなかったのかしら。」
「ああ、まったく。俺は人間ですらなかったんじゃねえか、馬ッ鹿馬鹿しい。・・・俺は今も昔も、ただのカボチャだったんだ。」
自嘲じみた独り言を言いながら、ジャックはゆらゆら揺れています

「・・・ねえ、ジャックは、なにか未練があってこの世に留まってたんじゃない?
ジャックの未練って、何なの?思い出したんでしょ?」
「チッ、まーたお前は変なこと聞きやがる。」
「お願い。教えてよ。」
「・・・俺の未練は・・・あの後、お前が無事にハロウィンを楽しんだかどうか、だ。
結構ざっくり切ってて、包帯まで巻いてただろ?・・・出かける寸前までずっとベソかいてたし、カボチャなりに、なんとなく責任感じちまってよ。・・・で、どうだ?ハロウィンは楽しかったか?」
「・・・ええ、痛さも忘れるほど、とっても楽しかったわよ?
・・・家に帰って、ジャックがパイに変わってるのを見るまでは、だけどね。」
「お前が出かけてすぐに、俺は、せっかちなお前の親御さんにパンプキンパイにされっちまったからな。」
「・・・思い出したわ、大泣きしちゃって、結局パンプキンパイを食べずに泣きつかれて眠っちゃった事。」
「へえ、そりゃ残念だな。きっと美味しくできてたとおもうぜ?」
「もう、ジャックったら!」
いつもように、二人で笑い合います

しかし、ジャックはこう言うのでした
「・・・なあ、これでお前も愛想が尽きたろ?俺は、パンプキンパイになった、ただのカボチャだったんだよ。
・・・お前がハロウィンを楽しんだってんなら、この世にもう未練はねえんだ。だから、もう俺は・・・」
「・・・本当に、もう未練はないの?」

少女がそう問いかけると、ジャックは黙り込んでしまいました
「ジャックは、私のことが好きだって言ってくれたじゃない。人間の、私のことを。
・・・私もジャックが好きよ。ジャックがただのカボチャでも、それは変わらないわ。」
少女はもう一度、愛しいジャック・オ・ランタンを抱きしめます
「・・・私は、ジャックと、ずっと一緒に居たいの・・・。」
「・・・ああ、まったく。大した変わり者だよ、お前は!よりにもよってカボチャが好きだなんてな!」
「ええ、違いないわね。人間が好きな、大した変わり者のカボチャさん?」
再び二人は、心の底から笑いました

「さて、悪戯か、お菓子か。・・・確か悪戯をお望みだったよな?」
ジャックが意地の悪い笑みを浮かべ、再び少女の体にカボチャの蔓が、今度はゆるりと、抱き寄せるように絡まってゆきました
「・・・俺を拒絶するなら、今のうちだぞ?」
「・・・え、い、『悪戯』って、そういう・・・えーと、その・・・ここで・・・?あ、でも別に、イヤって訳じゃ・・・。」
もじもじと、言葉を濁らせ、顔を赤らめる少女

「・・・ねえ?・・・『ただの』悪戯、なの?」

真っ赤な顔でうつむいて、上目遣いでそう訊ねる少女
ジャックは、さも愉快そうに炎を揺らめかせます

「・・・解った。・・・『本気で』悪戯してやるよ。」

カボチャの葉が、白い太股をふわっと撫でました
「ひゃんっ・・・!ジャ、ジャックのえっち!」
「・・・嫌か?」
まるで首を傾げるように、ジャックは傾きます
「イ・・・イヤじゃ・・・ない、けど・・・。」
初めて聞いた自分の嬌声に、少女は戸惑いを隠せません
「・・・じゃ、続けるぞ。」
「・・・うん・・・。」

蔓の先が、少女の素肌を晒さんがために、服のボタンを器用にぷちぷち外しはじめました
「ねえ・・・服くらい自分で脱ぐわよ?」
「やーなこった。脱がさせろ!」
「・・・ジャックのエロカボチャ!」
「何とでも言え!」
ジャックはゆっくりと、じらすように、少女の服を脱がしてゆきます
衣擦れの音が静寂のなかでやたらと大きく聞こえ、少女はさらに顔を火照らせました
カーディガン、ブラウス、スカート そして

「ふーん、上下揃った下着、な?」

上下揃いの、細かなレースがあしらわれた下着
その、ちょっと背伸びをしてみたい年頃の女の子が好みそうなデザインは、少女によく似合っていました
「べっ、別に、ジャックのために、こういうのを期待して着てきた訳じゃ無いんだからね!?
お、おしゃれよ!?おしゃれの一環よ!?見えないおしゃれってやつなのよ!?勝負下着なんかじゃ無いんだからねっ!?」
「あー、うん。・・・俺は別に、聞いてねえぞ?」
「あぅ・・・!?」
思いっ切り墓穴を掘った少女は、これ以上無いくらい顔を真っ赤にしてあわあわと慌てますが、ジャックは嬉しそうに揺れています
「それにしたって・・・」
鮮やかな緑。決して似合わない訳ではないが、この年頃の少女なら、もう少し淡くてかわいい色を選ぶのではないか?
ジャックは少し疑問に思いましたが、上を脱がそうと蔓を伸ばし、あることに気がつきます

・・・同じ色・・・?

ジャックの伸ばす蔓についている葉。それとほぼ同じ色を、少女は纏っているのでした
「・・・同じ色・・・だよな?」
ジャックの言葉に、少女はびくりと反応し、ふいっと顔を背け、真っ赤な顔のまま、ぽつりと呟きます
「やっぱり・・・似合わなかった・・・かな?」

成る程。図星か
こいつはたまに、とんでもなくかわいいことをしやがるから困る。本当に困る
困って困って、なにも気の利いた言葉が思いつかず、ただ蔓で頭をわしわしと撫でる
「いや・・・よく似合ってる。・・・で、勝負下着ってことでいいんだよな?」
「う・・・もういいわよぅ、それで。」

「・・・そういえば今更だけど、ジャックの蔓って普通のカボチャの蔓と違うわよね。
なんか、しなやかっていうか、ごつごつトゲトゲしてないし。痛くないし。」
「まあ、その辺は俺の裁量次第ってとこだな。なんだ?もっとごつごつした蔓のほうがイイのか?」
「・・・そ、そんな趣味ないわよ!もう、ジャックの変態!」

「さて。下着のままあれこれすんのもイイけどよ、後で困るだろ?・・・脱がすぞ。」
やがて少女の、大人と呼ぶにはまだ少しだけ未成熟な裸体が、カボチャ色の炎に照らされます
もっとも、見られたら恥ずかしい部分は手で隠したままでしたが
「ねえジャック、もうちょっとその炎、暗くならない?」
「暗くしたら見えねえだろが!」
「見えちゃうから言ってるの!」
「安心しろ。俺以外には絶対見せねえ。」
「そ、そういうことじゃなくてっ!・・・もう!ジャックの意地悪!」
「『悪戯』なんだから、意地悪するに決まってんだろ!」
「・・・変態エロカボチャ。」
「褒め言葉として受け取っとくぜ。」

蔓が少女の両手に絡み、隠していた胸をさらけ出させます
11月も目前の、ややひんやりとした外気に触れた胸の先端が起立し、より一層淫美さを際立たせました
少女の形のよい、まだ少々控えめな双丘に蔓が巻き付き、柔らかな白い肌を撫で回し、揉み、こねあげます
「ん・・・っ。なんか、くすぐった・・・っひゃん!?」
先端を蔓がくすぐり、葉っぱが撫でてゆく度に、少女は嬌声をあげ、身体をぴくりとふるわせます
「っんあ、く、・・・っは、う・・・ゃんっ!」
「結構、胸弱いのか?・・・声、もっと聞かせろ。」
「やっ・・・は、恥ずかしいわよ・・・馬鹿・・・っああ!」
誰もいない森の中とはいえ、いや、静かな森だからこそ、恥ずかしい声が辺りに響き渡り、余計に恥ずかしくなるのでした

「まあ、いつまでも胸ばっかりってのもよくねえな?」
胸をまさぐる蔓をそのままに、新たな蔓を何本か暗闇から伸ばし、腹部と、脇を撫で回します
くすぐったいということは、その場所は敏感で、性感帯になりうるわけで
「ひゃ、あんっ!そんなとこ・・・っ、んんっ、くすぐらないでぇ・・・っあ!もお、ジャックのエロカボチャ!変態!」
「なんだよ。どこを撫でてもいい反応、いい声じゃねえか。エロいのはどっちだよ?」
「だって・・・っ、ジャックだから・・・っ。ジャックが触ってるか、らあっ・・・っあん!」
まったく、こっ恥ずかしい事を言ってくれる
それほどまで求められているってんなら、応えてやろうじゃねえか

「じゃ、もっと感じてもらうとするか。」
闇から伸びる蔓がさらに増え、耳や首筋、背筋をくすぐってゆきます
少女はその愛撫に敏感に反応し、背筋を仰け反らせ悶えました
「っふ・・・ん・・・はぁっ、んん・・・っ!」
さらに、今まで一度も触れていない少女の秘部へと蔓が伸び、秘裂を擦りあげてゆきます
「・・・もうすっかりビショビショだな。」
少女の性器はすっかり蜜にまみれ、炎の明かりを反射してテラテラと濡れ光っています
蔓は、わざと淫らな音を立てて秘所の表面を這い回り、少女を辱めました
「あああっ、んんっ!ひあっ、駄目えっ、もう、立ってられな・・・っ。」
今までは蔓に掴まり、なんとか身体を支えていましたが、もう膝に力が入りません
がくん、と少女が膝をついてしまいそうになった次の瞬間
ふわっと少女の身体蔓に持ち上げられ、空中でゆったりと腰掛けているような姿勢になっていました

「落ち葉の上じゃ汚れるだろ。」
「だ、だからってこれじゃ・・・ひゃうっ!」
相変わらず前進への愛撫は継続されていて、少女の身体にはさらに本数を増やした蔓が絡み付いています
蔓に持ち上げられていても、ある程度自由に手足は動かせますが、肝心の部分を手で隠そうとすると、あるいは足を閉じようとすると、それ以上手足は動かせなくなるのでした
抗議するような少女の目線は、見なかったことにしました

蔓の先端が、少女の秘裂に入り込み、ごく浅い所を何往復もかき回すします
「あ、うっ、はああんっ!もぉ・・・っんやぁっ!」
「・・・これだけ濡れてりゃもう十分だな。」

するるっと、新たな蔓が伸びる
その蔓には他の蔓とは違い、あるものが付いていました

「・・・えーと、ジャック。それ、って・・・。アレ、よね?」
「・・・あー、まあ、気分だ、気分。お茶目な悪戯心ってやつだ。」

その辺のカボチャ畑に行けばよく見られる、カボチャの『雄花』の蕾

「やっぱり変態ー。ジャックの変態ー。」
「うっせえ!カボチャの生殖器官つったらコレしかねえんだから別にいいだろがよ。」
「そりゃ、そうだけど・・・。」
「大体、コレでナニすんのかがわかってる時点で、お前だってアレじゃねえか。」
「そ、そんなことないもん!変態なのはジャックだけよ!」
「どうだかな?」
「もー!」

「・・・もう一度だけ聞くぞ。・・・嫌、か?やめてほしいか?」
「・・・嫌じゃないわよ。・・・変態なジャックもエロカボチャなジャックも。・・・好き。」
「俺もお前が好きだ、サリー。・・・挿れるぞ?」
「うん・・・来て、ジャック。」

ゆっくりと、黄色みを帯びた蕾が、少女の膣内へと進入していきます
「ん・・・っ、なんか、変な感じ。」
少し奥に進むと、なにかに引っ掛かるような感覚がある。多分これが処女膜なのだろう
「・・・痛むぞ。耐えろ?」
「うん・・・っう!・・・痛・・・っ!」
「大丈夫か?・・・無理すんな。」
「ん・・・、平気よ。・・・って言いたいけど、やっぱり痛い。」
「じゃ、ゆっくり慣らしてくぞ。」
破れた処女膜を刺激しないよう気を配りつつ、蕾をさらに奥へと進め、最奥まで到達しました
初めはゆっくりと。次第に速度を上げ、かき混ぜるように少女の中を刺激してゆきます
卑猥な水音が大きく響き、羞恥は少女の快楽をますます引き出しました
「ひあああっ、ん、っあ、やあ、あぁん!うあっ!」
「たいした乱れようだな?サリー。」
全身の愛撫もさらに激しいものへとかわり、少女を責め苛みます
「ね、え・・・っ、ジャックは、私に・・・っあん、こういうことシテて・・・気持ちよく、ないの・・・?」
「あー、まあ、人間とは構造が違うしな。肉体的な快楽とかは無えよ。
・・・けどな、お前のそういう反応を見るのはこの上なく楽しいし、心地いい。
お前に触れるのが嬉しいんだ。なんたって俺を『受け入れて』くれてるしな。」
これ以上の幸福を望むなんぞ、無理ってもんだ
「そう、なの?・・・んっ・・・じゃあ、もっと激しくしても、いいよ・・・?」
「いや、あんまり無茶させてもお互い楽しくねえし、程々にな。じっくり慣れてきゃいいんだ。」
淫核と、その裏側にあたる部分を重点的に責め、ジャックは少女を絶頂へと導いてゆきます
「んあああっ・・・はぅう・・・も・・・っ、気持ち・・・いっあ、ああん・・・なんか、腰が変な、感じ・・・ぃ。」
「イきそうか?」
「よく、わかんな、い・・・っ!はぁん、っ!なんか、ふわふわして、変なっ・・・んはぁあああっ!あっ、ああああああ!!!!」

真っ白に染まりつつある視界の中、愛しいジャック・オ・ランタンを求めて少女は腕を伸ばします
抱き寄せた愛しいカボチャには体温が無く、ひんやりとしていましたが、それでも少女は満足でした

びくんびくんと体をひくつかせる少女を蔓で抱きしめながら、ジャックはこう思うのでした
暖めることの出来ない、熱を持たないカボチャの身体。それでも、それを少女が求めてくれるなら、不満はない。と

行為が終わり、少女の膣内に挿れていた蔓を、ゆっくり抜き取ってゆきます
「・・・っ?・・・な、なんか中がぞわぞわってするんだけど!?」
「まあ、そりゃそうだろな。」

蔓についていた蕾はすっかり花開いた状態で、少女の蜜と破瓜の血を纏って引き出されました
「う・・・やっぱりなんか変態チックなんだけど。」
「でも、好きなんだろ?」
「・・・ばか。」
惚れた弱みというべきか。少女はそれ以上、何も言えませんでした

腰の違和感でうまく服が着られず、ジャックに手伝ってもらってようやく着終わったところで、ジャックが訊ねました
「・・・ところでよ、今日も一応、菓子は持ってきてんだろ?そのバスケットの中。」
「う・・・。うん、まあ、一応。・・・マリーお姉さん、この間隣町にお嫁に行っちゃってね、その前にお菓子づくりを習って、私が・・・作ったんだけど。・・・やっぱり駄目!あげられないわ!」
「なんだよ。別に不味くても文句は言わねえぞ!?」
「違うのよ!・・・だって・・・。」

それは、とてもおいしそうな『パンプキンパイ』でした

「・・・これしか習えなかったの。・・・ごめん。」
「うめえうめえ!今まで食った中で一番うめえ!」
「ちょ、ちょっとジャック!人が悩んでたのに勝手に食べないでよ!?」
「へっ、別にパンプキンパイだからどうってこたねえさ。お前が作ったモンなら共食いだろうがなんだろうが・・・!」
「ちょっと!・・・無理して食べなくたっていいのよ!?」
「いや、本当にうまいぞ?店が開けるくらいにな。」
「もう・・・!でも、喜んでくれたなら、まあいいわ。」
少女は呆れたように、でもにっこりと、笑いました

乾いた落ち葉の上に腰掛け、一心地ついたところで、今度は少女が訊ねました
「でも、なんでジャックはジャック・オ・ランタンになったの?ただのカボチャだったんでしょ?
カボチャが化けてでるなんて聞いたことないわよ。」
「さあな。『作られた』頃にゃあもう自我があったけどよ、知恵付いたのは『こう』なってからだし・・・
よくわかんねえけど、偶然なんかの拍子に魂が宿っちまったんじゃねえか?
・・・考えられる要素っつったら、おまえの血とかかもな?」
「血?」
「さっき昔を思い出したのも、お前の血が付いてからだし・・・案外お前は、そういう魔女の血筋なのかもしれねえな?」
そう言ってジャックは笑いましたが、少女の眼差しは真剣そのものです
「・・・もし、そうなら、大丈夫よね?」
「何がだ?」
「私が魔女なら、ジャックとずっと一緒にいたって、なんの問題もないわよね!だって魔女とお化けなんですもの!」
カボチャは、しばらくぽかーんとしていましたが、やがて大きく笑い出しました
「っはははは!そうだな!魔女ならしょうがねえ!喜んで尻に敷かれてやろうじゃねえか!」
「ふふふっ、覚悟しなさいよ!」

暗い暗い森の中で、二人には、明るい明るいこれからを語り合うのでした

それから幾ばくかの年月が流れ
ある町のはずれ、ある森のほとりに、一人の『魔女』と呼ばれる女性が住んでいました

しかしこの魔女は、魔法や怪しい呪いをすることからそう呼ばれるのではなく
彼女の育てるカボチャが、まるで魔法がかかったようにすばらしく
本来あまり美味しくないはずの鑑賞用のカボチャでさえ、彼女がパンプキンパイにすれば
まるで魔法でつくったように美味しくなることから、いつしかそう呼ばれるようになったのでした

カボチャの季節になると、彼女は庭で小さなカボチャ料理のお店を開きます
そのお店のパンプキンパイは、わざわざ遠い街から来る常連さんがいる程で
隣町で一番のお菓子作りの名人、マリーおばさんでもかなわないほどのおいしさなのでした

町の人々はそんな彼女を『カボチャの魔女』と呼び、彼女のつくるカボチャを毎年心待ちにしていました

カボチャの品評会で何度も優勝を勝ち取る彼女に、人々はその秘訣を訊ねましたが、その度に彼女はいつも決まって、同じ答えを返します

「・・・でね、私、言ってやったのよ『カボチャのことは、カボチャに聞くのが一番よ』ってね。」
「へっ、ちげえねえや!」

その答えを聞いた人々は『きっと、カボチャにかける愛情が違うのだろうな』と、納得するのでした

「よいしょっと!・・・さて、今日の収穫はこのへんで終わりね。」
「じゃあ次は、こっちの方を収穫させてもらおうか。」
「っやぁん!・・・もう、ジャックったら!」
「カボチャに聞くんだろ?身体に教えてやるぜ!」
「ジャックの変態エロカボチャ!」
「ハッハッハー!最高の褒め言葉だな!」

ジャック・オ・ランタンは死者の魂。善良な魂は迷いし者を、正しい道へと導く

ある町のはずれ、ある森のほとり
いつだってカボチャ色の明かりが灯る家で、魔女とカボチャは
いつまでもいつまでも、幸せに暮らしましたとさ


おしまい





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