正義の味方とオペレーター 859 ◆93FwBoL6s.様
地球は、平和になった。
綾子はぼんやりとテレビを眺めながら、欠伸を噛み殺した。ソファーの上には、地球防衛軍の制服が投げたままだ。クリーニングが終わったので回収してきたのだが、それをクローゼットに収納しなくてもいいだろうと思ったからだった。どうせ、明日もまた地球防衛軍に出勤するのだ。着替えることすら億劫になり、帰宅時に着替えたのはジャケットだけだ。だから綾子は、地球防衛軍のマークが胸ポケットに刺繍されたブラウスと、紺色のタイトスカートを着ているままだった。
三年前、突如として地球に飛来した邪悪な意志を持つ金属生命体、デスロニアンに地球は征服されそうになった。あらゆる生命の機械化能力を持つデスロニアンは、地球人や地球生物を機械化させ、地球の平和を脅かしていた。対する地球側も精一杯抵抗したものの、強大な力を持つデスロニアンに全く歯が立たず、されるがままになってしまった。このまま地球は征服されると思われていたところに現れたのが、正義の金属生命体、メタロニアンの精鋭部隊だった。彼らの協力を得たことで、地球防衛軍の軍事力は桁違いに跳ね上がり、デスロニアンにも立ち向かえるようになった。だが、デスロニアンもただやられていたわけではなく、太陽系の惑星全てを機械化させて宇宙を征服しようと企んだ。当然、メタロニアンと地球防衛軍は全力で戦った。苦戦を強いられたが、ぎりぎりのところで踏ん張って勝利を物にした。
そして、太陽系は滅亡の危機を逃れ、地球も平和を取り戻した。その結果、地球防衛軍の仕事内容が大いに変わった。地球が平和になったのは結構だし、綾子はそのために地球防衛軍に入隊したのだが、事後処理ばかりでうんざりしていた。毎週のようにデスロニアンによって様々な都市や遺跡や施設が破壊され、処理が終わる前にまた新たな戦いになった。そのため、始末書や報告書が毎日のように押し寄せてきて、一通り片付けたと思ったその翌日にはまた山になっていた。デスロニアンが滅んだことで始末書が増えることはなくなったが、報告書や各方面への手続きはいくらでも残っている。
それを片付けなければならないと思うと、地球防衛軍に出勤するのも億劫になって、制服を取り出したくなくなっていた。そんなことではいけない、とは思うが、疲れているのは確かだ。こんなことでは、平和を楽しむための休暇すらもらえない。いっそのこと地球防衛軍を辞めてしまおうか、と綾子は連日の事務仕事による疲労が残る肩を回しながら、考えていた。
綾子はぼんやりとテレビを眺めながら、欠伸を噛み殺した。ソファーの上には、地球防衛軍の制服が投げたままだ。クリーニングが終わったので回収してきたのだが、それをクローゼットに収納しなくてもいいだろうと思ったからだった。どうせ、明日もまた地球防衛軍に出勤するのだ。着替えることすら億劫になり、帰宅時に着替えたのはジャケットだけだ。だから綾子は、地球防衛軍のマークが胸ポケットに刺繍されたブラウスと、紺色のタイトスカートを着ているままだった。
三年前、突如として地球に飛来した邪悪な意志を持つ金属生命体、デスロニアンに地球は征服されそうになった。あらゆる生命の機械化能力を持つデスロニアンは、地球人や地球生物を機械化させ、地球の平和を脅かしていた。対する地球側も精一杯抵抗したものの、強大な力を持つデスロニアンに全く歯が立たず、されるがままになってしまった。このまま地球は征服されると思われていたところに現れたのが、正義の金属生命体、メタロニアンの精鋭部隊だった。彼らの協力を得たことで、地球防衛軍の軍事力は桁違いに跳ね上がり、デスロニアンにも立ち向かえるようになった。だが、デスロニアンもただやられていたわけではなく、太陽系の惑星全てを機械化させて宇宙を征服しようと企んだ。当然、メタロニアンと地球防衛軍は全力で戦った。苦戦を強いられたが、ぎりぎりのところで踏ん張って勝利を物にした。
そして、太陽系は滅亡の危機を逃れ、地球も平和を取り戻した。その結果、地球防衛軍の仕事内容が大いに変わった。地球が平和になったのは結構だし、綾子はそのために地球防衛軍に入隊したのだが、事後処理ばかりでうんざりしていた。毎週のようにデスロニアンによって様々な都市や遺跡や施設が破壊され、処理が終わる前にまた新たな戦いになった。そのため、始末書や報告書が毎日のように押し寄せてきて、一通り片付けたと思ったその翌日にはまた山になっていた。デスロニアンが滅んだことで始末書が増えることはなくなったが、報告書や各方面への手続きはいくらでも残っている。
それを片付けなければならないと思うと、地球防衛軍に出勤するのも億劫になって、制服を取り出したくなくなっていた。そんなことではいけない、とは思うが、疲れているのは確かだ。こんなことでは、平和を楽しむための休暇すらもらえない。いっそのこと地球防衛軍を辞めてしまおうか、と綾子は連日の事務仕事による疲労が残る肩を回しながら、考えていた。
「はーい、今出まーす」
宅配便だろうか、それとも勧誘か公共料金か。
綾子はそんなことを考えながら扉を開けた瞬間、予想が全て外れていたことを悟った。
綾子はそんなことを考えながら扉を開けた瞬間、予想が全て外れていたことを悟った。
「やあ、綾子君!」
玄関先に立っていたのは、人間大の大きさに体格を縮めたメタロニアン、ブライトウィングだった。
「ブライトウィング隊長…」
思い掛けない来客に綾子が目を丸めると、ブライトウィングはその名の通りの純白の手を差し伸べてきた。
「司令室に問い合わせたら、君は自宅に待機していると聞いたのでね」
「どうして私の家に来たんですか? 用件があるのでしたら、私ではなく本部に直接申し上げて下さい」
「どうして私の家に来たんですか? 用件があるのでしたら、私ではなく本部に直接申し上げて下さい」
綾子が困惑していると、ブライトウィングはいきなり綾子の両手を取った。
「君に用があるんだ、綾子君」
「だから、なんですか」
「だから、なんですか」
両手をしっかり握り締められた綾子は、その手の冷たさに身動いだ。メタロニアンは生命体であるが、金属で出来ている。メタロニアンは生まれながらの戦士であり、金属細胞を伸縮させることも可能で、十数メートル大から人間大まで自由自在だ。もちろん、変形も可能なら合体も可能で、メタロニアン部隊のリーダーであるブライトウィングは合体形態では中核を成す。地球防衛軍での地位も高く、オペレーターチームの一員である綾子との接点はない。あったとしても、それは戦闘中ぐらいだ。そんな彼が、なぜいきなり綾子の自宅を尋ねてくるのだろう。住所は、地球防衛軍の職員名簿を見れば簡単に解ることだが。
「綾子君! 私と合体してくれないか!」
ブライトウィングは綾子に詰め寄り、言い切った。
「…はい?」
それは、どういう意味での合体だ。綾子はしばらく呆然としていたが、ひとまずブライトウィングを自宅へ引っ張り込んだ。このまま通路に立っていられては邪魔だし、何より目立つ。それでなくても、メタロニアンは地球を救ったヒーローなのだ。そんな輩が、女の一人暮らしのマンションの玄関前で変な宣言をしたことを誰かに知られては、面倒なことになってしまう。それでなくても、目立つ外見の持ち主だ。もう少し常識を弁えてくれ、と思いながら、綾子は純白の翼を持つ戦士を見上げた。
地球の救世主は、爽やかな笑顔を浮かべていた。
地球の救世主は、爽やかな笑顔を浮かべていた。
そして、綾子は地球の救世主から愛を告白された。
綾子に引っ張られる形でリビングに通されたブライトウィングは、いきなり綾子の両肩を掴んで向かい合うと熱っぽく語った。あの戦いを切り抜けられたのは地球防衛軍のおかげであり、引いては的確なオペレートを行ってくれた綾子のおかげであると。激しい戦いの最中であろうとも、通信に入る綾子の声を聞くと力が湧き上がり、事務的であろうとも励まされると戦意が高ぶった。地球と太陽系を守り抜いたのも、他でもない綾子のためであると。一気に並べ立てられてしまい、綾子はぽかんと口を開けた。
綾子に引っ張られる形でリビングに通されたブライトウィングは、いきなり綾子の両肩を掴んで向かい合うと熱っぽく語った。あの戦いを切り抜けられたのは地球防衛軍のおかげであり、引いては的確なオペレートを行ってくれた綾子のおかげであると。激しい戦いの最中であろうとも、通信に入る綾子の声を聞くと力が湧き上がり、事務的であろうとも励まされると戦意が高ぶった。地球と太陽系を守り抜いたのも、他でもない綾子のためであると。一気に並べ立てられてしまい、綾子はぽかんと口を開けた。
「なんで、私なんですか?」
「綾子君だからだ!」
「綾子君だからだ!」
ブライトウィングは綾子を抱き締めようとしたが、綾子は慌てて彼の胸を押して抗った。
「でっ、でも、私は三十手前ですよ!? それに、顔だって地味だし、体型だって大したことないし、司令室でも空気って言うか!」
「私に好かれては困るのか?」
「私に好かれては困るのか?」
ブライトウィングは金属の指で綾子の頬に触れ、目線を合わせてきた。その冷たさと距離の近さに、綾子は動転した。
「そうじゃないですけど、でも、私は」
「私は君を愛している。それで良いではないか、綾子君」
「でも…」
「私は君を愛している。それで良いではないか、綾子君」
「でも…」
ストレートな物言いに綾子が赤面すると、ブライトウィングはぐっと綾子の腰を引き寄せ、距離を一気に埋めてしまった。急に体に押し付けられた滑らかな装甲の感触に、綾子は驚いて声を上げそうになったが、銀色の唇で塞がれて出せなかった。頬に触れていた手は後頭部を支え、腰に回されていた手は背中を支えてくる。唇を割って、柔らかな金属の舌が入り込む。
「ん、ふ」
ブライトウィングの舌は、容赦なく綾子の舌に絡んできた。空気を求めて口を開けば更に深め、唇も噛んでくるほどだった。今までに経験したキスとは、比べ物にならないほど情熱的だ。目を閉じているせいか、相手が異星体であることを忘れそうになる。こんなことをするのは、何年ぶりだろう。久し振りに感じる感覚に綾子は膝の力が抜けそうになり、思わず彼の装甲に縋っていた。
「綾子君」
綾子の唇を解放したブライトウィングは、息苦しさで頬が上気した綾子を見下ろしてきた。
「地球での戦いで、私は己の正義を見失いかけた。数千万年の間、仲間だと信じていた部下に裏切られただけでなく、デスロニアンに戻ったナイトブレードを殺す以外の選択肢を見つけることが出来なかった。他にも、良い手段があったはずだと今でも思う。だが、彼を殺さなければ、基地が襲撃されていたのだ。その時に真っ先に考えたのが、ナイトブレードに対する戸惑いでもなければ地球防衛軍に対する不安でもなく、君を失う恐怖だった。地球防衛軍と共に戦い始めた時から、君は私を見守ってくれていた。それが、どれほど私の力になっただろう。君がいなければ、私はきっと戦い抜くことは出来なかっただろう」
「そんな、大袈裟な」
「君は君自身の魅力に気付いていないだけだ。それに最初に気付くことが出来た私は、宇宙で最も幸福だ」
「そんな、大袈裟な」
「君は君自身の魅力に気付いていないだけだ。それに最初に気付くことが出来た私は、宇宙で最も幸福だ」
「う…」
歯の浮きまくった文句に綾子がますます赤面すると、ブライトウィングは綾子を横抱きに持ち上げた。
「綾子君の存在は、常に私の心を満たしてくれた。だから、今度は私が綾子君を満たしてやりたいのだ」
「え、え、ええええっ!?」
ブライトウィングが寝室へ向けて歩き出したので、綾子はぎょっとした。
「満たすって、やっぱり合体ってのはそういう意味だったの!? ていうかなんでうちの間取り知ってんのよ!?」
「君を知るために、君に関する情報を全て収集したからな。私が知らないことは何もない」
「さらっととんでもないこと言ってるしー!」
「君を知るために、君に関する情報を全て収集したからな。私が知らないことは何もない」
「さらっととんでもないこと言ってるしー!」
綾子は敬語を使うことも忘れて喚き、彼の手中から逃れようと身を捩ったが、メタロニアンの腕力に敵うはずもなかった。そのまま寝室に連れ込まれた綾子は、ベッドの上に投げ出された。ブライトウィングはカーテンを引いてから、近付いてきた。下手に抵抗しない方が身のためかもしれない。そう思いながら、綾子はベッドの上に膝を付いて乗ってきた戦士を見上げた。意外なことに、スプリングは悲鳴を上げなかった。体格は変化させられても、彼自身の質量はほとんど変わらないはずなのだが。体が妙に軽くなっているので、重力を操って比重を軽くしているのだろう。メタロニアンにとっては、それぐらい簡単な芸当だ。そうでもしなければ、こんなシングルベッドなど一発で壊れているはずだ。ブライトウィングなりに気を遣ってくれているらしい。
「えっと、本当にやるんですか?」
「様々な情報を得て検証した結果、出来ないことはないという結論に至ったのだ。だから、私は君と一つになれる」
「ですけど、それって私の方がとんでもなく痛いんじゃ…」
「様々な情報を得て検証した結果、出来ないことはないという結論に至ったのだ。だから、私は君と一つになれる」
「ですけど、それって私の方がとんでもなく痛いんじゃ…」
綾子は、タイトスカートの下で太股を閉じた。メタロニアンが合体に使うジョイントは、角張っていて尖っているものばかりだ。あんなものを入れられたら、間違いなく死ぬ。綾子が身を硬くすると、ブライトウィングは柔らかな手付きで綾子を撫でてきた。
「大丈夫だ。私を信じてくれ」
綾子は目を上げ、真正面から彼と向かい合った。ブライトウィングは滑らかな白銀の顔を、珍しく緊張で強張らせていた。どれほど難しい作戦であろうと、過酷な戦闘であろうと、不利な状況であろうと、決して表情を崩さなかった戦士だというのに。サファイヤブルーの光を放つ瞳も、どことなく不安げだった。綾子に触れている手も、出来る限り力を抜いているようだった。それに気付くと、なんだか可笑しくなってきた。綾子が小さく吹き出すと、ブライトウィングは気恥ずかしげに顔を逸らした。
「なぜ笑うんだ、綾子君」
「いいえ、別に」
「いいえ、別に」
綾子は笑みを抑えて、ブライトウィングを真下から見上げた。白亜の戦士を至近距離で目にするのは、初めてかもしれない。背中には流線形の翼が一対生え、銀色のブースターが両脚部と腕に備わり、胸部には戦闘機の機首が収納されている。頭部の両脇には翼を思わせる平べったいアンテナが伸びていて、女性的に思えるほど整った銀色の美しい顔を挟んでいた。改めて眺めると、戦うために生まれた生命体にしては洗練されすぎている外見だ。腕も足も、他の戦士達に比べれば華奢だ。それなのに、誰よりも強い。デスロニアンのリーダーであり最強の金属生命体、サルドニュクスを追い詰め、倒したのだから。だが、今、その手は綾子に怖々と触れている。戦闘時の勇ましさと今の気弱さのギャップに、綾子は心が動かされてしまった。ブライトウィングのことを、可愛いと思ってしまった。格好良いと思ったことはあったが、そんなことを思ったのは初めてだった。
「合体、してもいいですよ。でも、痛くしないで下さいね」
綾子が照れながら返すと、ブライトウィングは至極真面目に頷いた。
「メタロニアンの誇りに掛けて」
それはこんなことに掛ける誇りじゃないだろう。綾子はそう突っ込みたかったが、彼の決心をへし折るのは憚られた。なので、体の力を抜き、閉めていた太股も緩めた。実のところ、綾子も長らく御無沙汰だったので、したい気分になっていた。過去に付き合っていた男はいたが、あまり長続きしなかった。地球防衛軍に入隊してからは、尚更男っ気がなくなった。自分で処理するのは楽だが、刺激が足りなくて結局欲求は溜まっていく。だが、それを受け止めてくれる相手などいなかった。戸惑いはまだ消えていなかったが、好都合と言えば好都合だった。この際、彼が異星体であることなど気にしていられない。
「失礼する」
ブライトウィングは綾子のブラウスのボタンを丁寧に外し、前を開いた。白いブラジャーに包まれた乳房が、さらけ出された。大きすぎず小さすぎず、標準的なサイズだ。ブライトウィングは食い入るように見つめるので、綾子は無性に恥ずかしくなった。他人に肌を見られるのは初めてではないが、そこまで凝視されたことはないので、少年を相手にしているような気分になる。実際、似たようなものかもしれない。数千万年もデスロニアンと戦い続けてきたメタロニアンは、戦うこと以外知らない種族だ。だから、彼が異性に好意を抱くのも、体を求めるのも初めてのことに違いない。そう思うと、ますます彼が微笑ましくなってきた。
「んっ」
綾子はブライトウィングを引き寄せると、荒っぽく唇を重ねた。思わぬことに動揺したのか、背部で白い翼が立ち上がった。綾子の唾液がまだ残っている彼の舌を吸い、舐め、唇を噛む。銀色の首筋や頬にもキスを落とし、抱き寄せて隙間を埋める。ブライトウィングの胸部装甲に圧迫され、乳房が潰れる。ブライトウィングは肩を強張らせていたが、綾子に腕を回してきた。冷ややかな手が腰に回され、太股に降りていく。人間よりも一回り大きく、硬い手は、タイトスカートの中に滑り込んできた。しばらく太股を撫で回していたが、タイトスカートを引き摺り上げた。ストッキングに包まれた足と、その下の下着が露わになる。ブラジャーと揃いの、白のレースだった。ブライトウィングは息を荒げる綾子から顔を離すと、ストッキング越しに股間をなぞった。だが、やはり手付きは頼りなかった。ある程度知識はあるようだったが、実戦経験がないので力加減が解らないのだろう。
「隊長」
綾子が声を掛けると、ブライトウィングは手を止めた。
「すまない、何かしくじったか」
「いえ、そうじゃありません。よろしければ、オペレートしますけど?」
「だが、それは」
「失敗されて痛い目を見るのは嫌ですし、隊長としても良いのではないでしょうか」
「そう…だな」
「いえ、そうじゃありません。よろしければ、オペレートしますけど?」
「だが、それは」
「失敗されて痛い目を見るのは嫌ですし、隊長としても良いのではないでしょうか」
「そう…だな」
ブライトウィングは若干言葉を濁したが、承諾した。
「では、続きをお願いしますね。指示は私から出しますので」
「了解した」
「了解した」
ブライトウィングは綾子の股間に指を伸ばしたが、勢い余ってストッキングの内股に伝線が走ってしまった。
「あ…」
綾子がそれを見下ろすと、ブライトウィングは気まずげに身を引いた。
「すまない」
「いいですよ、これ、安物ですし。なんだったら、裂いちゃってもいいですけど」
「だ、だが、それでは、なんというか、その」
「エロ過ぎるとでも?」
「まあ…そういうことだ」
「いいですよ、これ、安物ですし。なんだったら、裂いちゃってもいいですけど」
「だ、だが、それでは、なんというか、その」
「エロ過ぎるとでも?」
「まあ…そういうことだ」
口籠もったブライトウィングに、綾子は笑みを零し、ストッキングの内股に爪を立てて引き裂いた。
「じゃ、これならどうでしょう」
「うおおっ!?」
「うおおっ!?」
綾子の行動に戸惑ったブライトウィングは変な声を上げて仰け反ったので、綾子は股の部分だけを引き裂き、穴を開けた。
「そんなにアブノーマルでもないと思いますけどね、これぐらい」
「いや、だが、しかし…」
「なんだったら、御自分でやってみます?」
「いや、だが、しかし…」
「なんだったら、御自分でやってみます?」
綾子は腰を上げてタイトスカートのホックとファスナーを外し、腰から脱いだ。そして、それをベッドの脇に投げ捨てた。
「だが…」
躊躇いを見せるブライトウィングに、綾子は苦笑した。
「自分から私のことを押し倒しておいたくせに、今更照れることもないと思いますけど」
「まあ、それはそうなのだが」
「ストッキングは消耗品なので、気にしないでもいいですよ。パンツは裂かれたら困りますけどね。結構高かったので」
「では、いいのだな?」
「だから、最初からそう言っているじゃないですか」
「ならば、遠慮なく行かせてもらおう」
「まあ、それはそうなのだが」
「ストッキングは消耗品なので、気にしないでもいいですよ。パンツは裂かれたら困りますけどね。結構高かったので」
「では、いいのだな?」
「だから、最初からそう言っているじゃないですか」
「ならば、遠慮なく行かせてもらおう」
ブライトウィングはいやに真面目な顔をして、綾子が股の部分だけを裂いたストッキングの切れ目を引っ張り、引き裂いた。びちびちと繊維が千切れていき、楕円形の穴が大きく広がると、濃いベージュの生地の間から色白で柔らかな肌が現れた。ブライトウィングは指先で綾子の素肌に触れ、確かめるように揉んでいたが、するりと手を上げてふくよかな尻を掴んできた。
「こちらも良いのだな?」
「だから、良いって言ってるじゃないですか」
「だから、良いって言ってるじゃないですか」
綾子は彼の初々しさが微笑ましくて、自分の方が年上のように錯覚した。実年齢は、彼の方が何百倍も上なのだが。
「そっちだけじゃなくて、胸の方もお願いします。私、下よりも上を触られた方がいいんですよ」
「そうか、解った」
「そうか、解った」
ブライトウィングは素直に尻から手を外すと綾子のブラジャーをずり上げ、二つの丸い膨らみを曝した。そして、両手で掴んできた。これもまた怖々と触れていたが、揉みしだくうちに遠慮がなくなってきて、綾子の乳房が変形するほど強く握り締めるようになった。刺激に反応して強張った乳首を指先で弾き、押し、ねぶる。愛撫していると言うよりも、好奇心のままに遊んでいる感じだった。それでも、綾子にとっては悪くなかった。最初はそれほど感じていなかったが、乳房を弄ばれるうちに体の芯が徐々に熱してきた。そのうち、声が出てしまった。首筋に顔を埋めるブライトウィングに腕を回した綾子は、込み上がる甘い感覚に煽られて喘いだ。
「あぁん」
「これが良いのか、綾子君?」
「はい。でも、下もいじってもらわないと、入れられないと思います」
「解った」
「これが良いのか、綾子君?」
「はい。でも、下もいじってもらわないと、入れられないと思います」
「解った」
ブライトウィングの手が乳房から外れ、股間に向かった。破れたストッキングの隙間から、薄いレース生地をついっと撫でた。徹底した胸への愛撫のおかげか、綾子の陰部は湿り気を帯びていた。硬くなりつつあった肉芽が金属の指に押され、潰された。
「ひゃうあっ」
「地球人女性の肉体の中でも、この部分が特に鋭敏だという情報は正しかったようだな」
「はい、そう、ですぅ。だからぁ、もっとぉっ」
「解った。綾子君が良いのなら、このまま続けよう」
「んあぁあっ」
「地球人女性の肉体の中でも、この部分が特に鋭敏だという情報は正しかったようだな」
「はい、そう、ですぅ。だからぁ、もっとぉっ」
「解った。綾子君が良いのなら、このまま続けよう」
「んあぁあっ」
人間の指よりも硬い指は、綾子の尖ったクリトリスを容赦なく責め立ててきた。胸も弱いが、ここを責められるともっと弱い。自分で処理する時も、中に挿入するよりもこちらだけで済ませてしまう場合が多い。いつのまにか、股間の布地が変色していた。ブライトウィングはそれに気付き、布地を横にずらした。火照った陰部は愛液に潤っており、一筋、とろりとシーツに零れた。
「あ…」
こんなに濡れるのは久々だ。溜まりすぎていたのかもしれない。綾子が恥じらうと、ブライトウィングは愛液を指になすり付けた。そして、それをずぶりと陰部に押し込んできた。綾子の体温ですっかり温まっていた硬い指は、水音を立てながら飲み込まれる。
「あ、あっ、あぁ、ああ!」
そのまま、奥まで差し込まれた。高ぶりすぎて痛覚が鈍ってしまったのか、思ったほど痛みは感じなかった。
「これで、良かったのだな」
ブライトウィングは綾子に顔を寄せ、囁いた。綾子は息を弾ませながら、頷いた。
「は、い」
ずちゅ、と指が引き抜かれ、愛液の雫が落ちた。綾子はそれを少し残念に思ったが、これはまだ慣らしの段階なのだ。本番に至る前に達してしまうのは、あまり好ましくない。綾子はブライトウィングと唇を重ねてから、彼の体に手を滑らせた。滑らかな装甲を伝った手が辿り着いた先は、股関節だった。ブライトウィングは慌てたが、抵抗せずに綾子を受け入れた。
綾子はブライトウィングの股関節を覆う装甲の間に指を滑り込ませ、若干閉じ気味だった股を開かせてから、手を進めた。ブライトウィングは腰を落とし、唇を引き締めた。綾子は人間の男に対することと同じように、その角張った股間を撫で上げた。
綾子はブライトウィングの股関節を覆う装甲の間に指を滑り込ませ、若干閉じ気味だった股を開かせてから、手を進めた。ブライトウィングは腰を落とし、唇を引き締めた。綾子は人間の男に対することと同じように、その角張った股間を撫で上げた。
「う、く…」
ブライトウィングが声を殺したので、綾子は目を丸めた。
「ちゃんと感じるんですか? てっきり、何も感じないのかと」
「少し、手を加えたのだ。君を満たすためには、私もそれなりのことをしなければならないからな」
「でも、メタロニアンは男女間での繁殖を行わない種族じゃありませんでしたっけ?」
「そうだ。だからこそ、私はあらゆる情報を集め、多少の改造を施したのだ。綾子君と合体するために」
「…何もそこまでしなくても」
「私もそう思ったのだが、抑えきれなくなったのだ。だが、改造を施したのは戦いを終えた後だ。安心してくれ」
「そうでなかったら困りますよ、色んな意味で」
「少し、手を加えたのだ。君を満たすためには、私もそれなりのことをしなければならないからな」
「でも、メタロニアンは男女間での繁殖を行わない種族じゃありませんでしたっけ?」
「そうだ。だからこそ、私はあらゆる情報を集め、多少の改造を施したのだ。綾子君と合体するために」
「…何もそこまでしなくても」
「私もそう思ったのだが、抑えきれなくなったのだ。だが、改造を施したのは戦いを終えた後だ。安心してくれ」
「そうでなかったら困りますよ、色んな意味で」
綾子は身を起こすと、ブライトウィングの股間に顔を近寄せた。
「あっ、綾子君!」
「大丈夫ですって。これぐらいのこと、慣れていますから」
「良いんだが良くないというか、なんというか」
「あ、でも、ここってどうやって開けるんです? このままじゃ、やろうにもやれませんよ?」
「大丈夫ですって。これぐらいのこと、慣れていますから」
「良いんだが良くないというか、なんというか」
「あ、でも、ここってどうやって開けるんです? このままじゃ、やろうにもやれませんよ?」
綾子がこんこんと股間を覆う装甲を小突くと、ブライトウィングは弱りながらも腰を下ろし、腰と股間の装甲を解除した。
「外からは開けられないようにしている。そうでもしなければ、メンテナンスの際に見つかってしまうからな」
「でしょうね」
「でしょうね」
綾子は、ブライトウィングの股間から現れた見慣れぬ装備を見つめた。人間のそれとは違った、真っ直ぐな円筒形だった。先端は丸く、尿道に似た穴も開いている。手触りは顔の部分のように金属だが柔らかく、これなら突かれても痛くないだろう。きっと、そこまで考えて彼は造ったのだ。同時に、こんなものを内職しているブライトウィングの姿を考えると可笑しくなってきた。だが、笑ってしまうと今までのムードが台無しなので我慢した。綾子は丁寧に純白の性器をさすり、根本から舌を這わせた。人間並みにまともに感じるらしく、ブライトウィングは震えるほど懸命に声を殺し、殺しすぎたせいで背中の翼が上がっていた。やはり、反応は童貞だ。綾子は上目にブライトウィングを見ていたが、一気に口に含んで締め付けてやると、反応が増した。
「ぐぁっ!」
ブライトウィングが呻いた直後、綾子の喉の奥に熱い液体が爆ぜた。味はないので、冷却水だったらしい。
「すまん…」
呆気なく達してしまった自分が情けなくなり、ブライトウィングは項垂れた。綾子は顔を上げると、唾に汚れた口元を拭った。
「気にしないで下さい。出しても硬いままなんですから、大丈夫ですよ。私の方が乾かないうちに、次に行きましょう」
「あ、ああ」
「あ、ああ」
ブライトウィングは気を取り直し、綾子を横たわらせた。まだ情けない顔をしていたので、綾子はブライトウィングを抱き寄せた。その際に腰に足を巻き付けて、綾子の唾液がまとわりついた彼の性器に陰部を押し当て、ぬるぬると前後させて擦り合わせた。それを続けながら、またキスをした。すると、性欲が情けなさに勝ったらしく、ブライトウィングの方から急にのし掛かってきた。腰に絡んでいた綾子の足を外すと広げさせ、濡れた下着をずらして性器の先端を陰部にあてがい、そのまま一気に押し込んできた。
「そんなぁ、たい、ちょおっ」
いきなり奥まで届いた異物の重みに、綾子は胸を反らした。ブライトウィングは綾子の腰を掴み、前後に激しく動かした。
「現状を報告してくれ、綾子君!」
「隊長のぉ、太くて硬いのがぁ、私の奥に届いてますぅ!」
「もっと、もっとだ! 私は君の声が聞きたいんだ!」
「が、合体、してますぅ! ジョイントに異常なし、テンション安定、出力増大ぃ、エネルギー値臨界点んんん!」
「そのまま突破してしまえ! 命令だ!」
「されなくたって、しちゃいますぅ! だって、こんなに責められちゃったら、私、私ぃ」
「愛しているぞ、綾子君!」
「隊長のぉ、太くて硬いのがぁ、私の奥に届いてますぅ!」
「もっと、もっとだ! 私は君の声が聞きたいんだ!」
「が、合体、してますぅ! ジョイントに異常なし、テンション安定、出力増大ぃ、エネルギー値臨界点んんん!」
「そのまま突破してしまえ! 命令だ!」
「されなくたって、しちゃいますぅ! だって、こんなに責められちゃったら、私、私ぃ」
「愛しているぞ、綾子君!」
ブライトウィングの力強い宣言と同時に、一際深く突かれ、綾子は快感の奔流に貫かれた。
「私も愛しちゃいますぅっ!」
綾子は大きく仰け反り、両足をぴんと突っ張った。結合部分からは白濁した愛液と共に、熱い冷却水が流れ出してきた。全身を上気させた綾子が息を荒げていると、ブライトウィングもまた肩を上下させていて、関節から勢い良く蒸気を噴出させた。勢い余って言ってしまったセリフを少しばかり後悔しつつも、綾子は甘ったるい疲労に身を委ね、女の悦びに打ち震えていた。ブライトウィングは綾子の胎内から性器を引き抜くと、愛液の糸が弓形に伸び、途切れた。シーツには、また新たな雫が落ちた。
「綾子君…」
ブライトウィングは綾子の乱れた髪を撫で付け、満足げに頬を緩めた。
「結婚しよう」
「え…?」
「え…?」
達した余韻が抜けないまま、綾子が目を上げると、ブライトウィングは綾子の両手を握ってきた。
「私は君を愛している。ならば、書類の上でも合体しなくては」
「え、でも、隊長は異星体じゃないですか。戸籍もありませんし、それ以前にメタロニアンはまだ兵器扱いで…」
「私達メタロニアンは地球の平和を守り抜いたのだ、出来ないことはない」
「もしかして、地球の救世主の立場を利用して国連を揺さぶったんですか? でもって、かなり無茶な法案を通させたんですか?」
「そうとも言うな」
「なんてことしてんですか、あなたは」
「それも君を愛するが故だ、綾子君。いや、綾子」
「あなたって人は…」
「え、でも、隊長は異星体じゃないですか。戸籍もありませんし、それ以前にメタロニアンはまだ兵器扱いで…」
「私達メタロニアンは地球の平和を守り抜いたのだ、出来ないことはない」
「もしかして、地球の救世主の立場を利用して国連を揺さぶったんですか? でもって、かなり無茶な法案を通させたんですか?」
「そうとも言うな」
「なんてことしてんですか、あなたは」
「それも君を愛するが故だ、綾子君。いや、綾子」
「あなたって人は…」
ブライトウィングの隊長らしからぬ職権乱用ぶりに綾子が呆れるも、彼は笑みを崩さなかった。
「ブライトと呼びたまえ」
「いきなり調子に乗りすぎなんですけど。五分前まであんなに初々しかったのに、なんですかこの変貌ぶりは」
「それぐらいの状況適応能力がなければ、リーダーなど務まらないからだ」
「筋が通っているようで全く通っていないんですけど」
「愛さえあれば、どんなことでも出来る。私にそれを教えてくれたのは、他でもない綾子ではないか」
「そういえば、最終決戦の時にそんなことを言ったような気がしますけど、でもあれは物の弾みというやつで」
「いきなり調子に乗りすぎなんですけど。五分前まであんなに初々しかったのに、なんですかこの変貌ぶりは」
「それぐらいの状況適応能力がなければ、リーダーなど務まらないからだ」
「筋が通っているようで全く通っていないんですけど」
「愛さえあれば、どんなことでも出来る。私にそれを教えてくれたのは、他でもない綾子ではないか」
「そういえば、最終決戦の時にそんなことを言ったような気がしますけど、でもあれは物の弾みというやつで」
綾子は更に言い返そうとしたが、ブライトウィングの得意げな笑みを見、口を閉じた。これでは、言い返すだけ無駄だろう。どんな切っ掛けでブライトウィングに気に入られたのかは解らないが、そこまで徹底されてしまってはやり返しようがない。綾子はブラウスの前を掻き合わせ、身を起こした。ブライトウィングをとりあえず一発小突いてから、肩装甲に頭を預けた。ブライトウィングの腕が肩に回され、抱き寄せられる。綾子はブライトウィングの冷たさと、その奥のエンジンの熱を肌に感じた。セックスの余韻とは違った高ぶりもまた、感じていた。面と向かって好きだと言われてしまったら、彼を意識しないわけがない。結婚するか否かは答えられないが、とりあえず付き合ってみよう。どんなことがあっても、綾子を守ってくれるのは間違いない。
誰よりも強い、戦士なのだから。
誰よりも強い、戦士なのだから。
- イイネ! -- (ななしん) 2016-01-05 22:48:11
- これだ!これを求めていたんですよ私は!! -- (名無しさん) 2016-06-18 21:20:27