番号 |
名称 |
等級 |
生態 |
分類 |
生息域 |
発見者 |
余談 |
1 |
オトグイ |
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音を主食とする生物。歌姫の大敵とされる。 黒い体色の丸い体と人の様態に似た大きな口を持ち、発達した尾で木にぶら下がって移動する。
樹上の木擦れの音を主食にしているため積極的に人を襲うようなことはないが、 喰われた音が戻ってくることはないので、歌姫が同行する際には注意。 |
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樹上全域 |
記録なし |
気味の悪い見た目はさておき肉を食べると、 口の中で音が踊り面白い食感を楽しめる。 |
2 |
オオグチカブリ |
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巨大な頭部と口部を持つ、狼に似た生物。 飢えている際は非常に凶暴だが、そうでない場合はあまり動かず大人しい。
海嘯の前後に森の浅瀬へよく現れることから、 深森生態系における食物連鎖の下部に位置していると思われる。 |
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外郭深部 |
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非常に肉が臭い。 おすすめしない。 |
3 |
ニジヒキン |
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森辺にて幸運の象徴とされる、小鳥の群れ。 色とりどりだが、調査の結果、群れの一羽一羽は全てが同一の個体だと判明した。
獲物を襲う際は非常に凶暴だが、自らの群れより大きな個体を獲物とするため、 人間が狙われることは稀。 |
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外郭と内郭の間 |
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湿った味がする。 食す際は捕らえてすぐがよい。 |
4 |
ミズノミドリ |
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"水飲み鳥"の形状によく似た、奇妙な生物。頭部と思しき部分は毛の塊にしか見えない。 目についた動くものを捕食する習性があり、 口部らしいものがないのに大概のものは飲み込んでしまう。
捕食行動以外の活動はほぼ記録がなく、どのような生態かは全く不明だが、 少なくとも眼球はないようで、聴覚に頼っているようである。
霧が濃い空間によく群れていることはわかっており、 その鋭い脚部を置時計のように動かしている様子が観察されている。 熟練した白鈴なら討伐が可能とされる対象だが、群れることが多いため"青"とされている。
深部の獣特有の、「意識の外側」を狙って動く傾向が非常に高い。 大きな音響を嫌う傾向があるため、そこを突くと良い。 |
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内郭偽霧噴出口など |
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見かけの体積からは信じられないほどの体液が出る。 血抜きが大変な割に、パサついていて美味くはない。 |
5 |
モリジシ |
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毛色は木肌、たてがみは深緑の色を持った大型の獅子に似る生物。 樹上を飛び回り、その体躯に見合わぬ俊敏な動きと膂力で以て獲物を翻弄する。
人に懐く例があり、飼い馴らしている潜森士が僅かだが存在する。
多く生物の視覚から考えて、彼らが木に擬態した体色を選択する理由が少ないため、 人間を主な獲物としているか、主食とする対象が視覚の発達した生物だと考えられている。 |
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外郭中層以降 |
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それを食べるなんてとんでもない。 幼体は淡い毛色と相まって非常に愛らしい。 |
6 |
ヌマガシラ |
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骸から頭部を剥ぎ取り、仲間に擬態して自身のテリトリーへ引きずり込む昆虫様生物。 使用する死体の鮮度を考慮しておらず、人間から見ればそれだと即座にわかる。
そもそもこの擬態自体、 他の生物を誘引するためのものではないとも考えられているが、詳細は不明。 |
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外郭浅層・湿地帯 |
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乾季に沼辺で干からびた個体がよく見られる |
7 |
トトスズネ |
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非常にありふれた齧歯類に似た生物。森辺の至るところに居る。 多数の亜種が存在しており、その形態もさまざま。
人によく懐くうえ、果実や種子などを主食とするため味も良く、食料にも向いている。 名の由来は、その足音と鈴音のような鳴き声から来ている。
繁殖力が高く、森辺の民が子宝を願う際には彼らに祈りを捧げる信仰がある。 |
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深層を除くどこにでも |
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浅瀬のトトスズネは何の脅威も持たないが、 深部には非常に危険な亜種も存在するという。
当然だが、人間以外からもよく狙われている。 |
8 |
タイグンスズナラシ |
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深部に棲まう、トトスズネの変種。
一体一体は橙鈴程度でも処理できる程度の強さだが、問題はその数。 骨の守りすらも突き抜けるほどの膨大な群れを形成し、 その場にいる生物全てを一瞬にして飲み込んでしまう。
生態には不明な部分が多く、普段どのように過ごしているかもわかっていないが、 突如飢えた群れが大挙として現れ、何もかもを食い尽くした記録が少なくない。 黒鈴や明星の力にて討伐されるべき、森の大いなる危険の一つとして数えられる。
森の奥底で、たくさんの鈴が鳴るような音を聴いたなら、命はないと思ったほうがよい。 |
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内郭深部 (正確な所在は不明) |
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トトスズネに酷似してはいるが、二回りほど大きい。 こちらは雑食であるため、おそらく味は悪い。 |
9 |
モリゾウリ |
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「森」の中にならばどこにでも居る、大ぶりの昆虫。10~15cmほど。 木や植物の葉に似た平たい体をしており、 石の下や自分の姿と変わらない落ち葉の中に群れて潜んでいる。足は遅く、鈍重。
亜種が多く、未知の木や植物のそれに擬態している未発見種が多く存在すると言われている。 最近、一部の地域では何らかの理由で数を減らしているという。 |
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どこにでも |
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乾いた土の味がする。 揚げて味付けされた物が流通している。 |
10 |
ノボリダ |
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"上昇する雨"が発生した際に、雨に混じって空へと上昇していく謎の生物。 ヘビと名付けられてはいるが、目は退化しており、環形動物のような姿をしている。
雨が降り切った後にも落ちてくることはなく、その後どうなるかを知る者は未だ居ない。 危険性は持たないが、限定的な生息域を持つため希少ではある。 |
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"上昇する雨"が発生する領域 |
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謎の浮力を持つため、捕獲は非常に困難。 捕まえて数十分もすると弱り、干からびる。 |
11 |
ズツツキ |
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他の動物の頭部に取り付き、高速でつついて穴を開け脳髄を啜る鳥類。頭啄鳥。 多くの種は群れず、単独で活動する。
足の握力が強く、また刺突力も高いため、一部の四足獣は襲われるとそのまま餌食になる事が多い。 当然人間も獲物の範疇であるため、注意が必要。 骨は脆いので、捕まえてさえしまえれば対処に困るものでもない。 |
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外郭深部~内郭にかけて |
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肉が臭く、食用向きではない。 |
12 |
ウサギ |
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「森」の中において極稀に現れる小さな白い獣。
決して追ってはならず、その後をついて行ってはいけないという伝承が遥か昔からあり、 自制心のない潜森士や森辺の民、幼い子供などが戯れにその後を追い、行方不明になることが少なくない。 姿形は判然とせず、白い光体のような有り様だけが語られる、凶兆のしるし。
近代、記録が始まってから誰も捕まえたことがなく、その姿を視認するのがせいぜいであり、 時折飼い馴らしたという話なども出回るが、真実だったことはないとされる。 |
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どこにでも |
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別世界に、これに よく似た生物がいるという逸話がある。 |
13 |
コボネヒキ |
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「森」内に点在する、小骨に寄りつく昆虫と獣の間のような生物。 綺麗に削られた石のような体躯の側面からいくつかの触腕が生えており、それらで骨にへばりつく。 人間を含めた他の生物を襲うことはない。
骨が朽ちるか、歌が捧げられ活性化した際には弾かれたように逃げ出す。 それもあって、主食や生態を含めたほとんどのことがわかっていない。 |
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外郭浅層~内郭に点在する小骨 |
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乾いて粉っぽい石片の味。 |
14 |
ツルシイト |
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中空から垂れ下がる有機質で縄状のもの。 根元の位置もどこから下りてきているのかもわからず、正確には生物なのかさえわかっていない。 人の皮膚のような色合い、質感、体温を有しており、血管のようなものも確認できる。
大小問わず様々な生物の骸を吊るした状態で発見され、 触れた瞬間に途中から断ち切られたように地へ落下する。 |
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外郭浅層 |
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極めて筋っぽい。 不味くはないが、人を選ぶ。 |
15 |
カレエダアルキ |
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枯れ木めいた足を持つ、節足動物の足だけが連なったような巨大な生物。 胴にあたる部分が見当たらず、足だけで構成されたような形状をしており臓腑もそこに内包している。 小型のものでさえ数十メートル(閲覧言語に準拠する単位)に達する。
森の中を闊歩し木々を踏み潰しながら、森の上部に住まう生物を足の隙間の口部から喰らう。 一度動きを止めるとしばらく静止するため、その体の節々を住まいとする獣も少なくない。 人間を襲うことはないが、移動時に近付くのは危険。 |
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外郭浅層 |
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食い出はあるが、かなり淡白。 幼生はよく洗えば生でも行ける。 |
16 |
タイボクカジツ |
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蜘蛛の体の上部に更に足を増やしたような構造を持つ、数メートルに及ぶ大型の生物。 一個体ずつであれば白鈴程度の実力でも対処は可能。
巨大な木々に身体上部の副腕を用いぶら下がり、獲物が下を通るのを待ち受ける。 群れることが多く、一つが落下してくると同時に他の個体も一気に襲いかかってくる。 軽い麻痺毒を有し、単独行において噛まれることは非常に危険。
どのような理屈でそれを可能にしているかは不明だが、 擬態時のパッと見は小さな果実にしか見えないのに、落下と同時に本来の大きさを露わにする。 |
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内郭の至るところ |
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17 |
ノゾキミ |
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一つの眼球と一つの足を持つ、2メートルほどの柱に似た生物。 街灯のように獣道や切り拓かれた森の通りなどによく立っており、 見かけた生物や人間を凝視しながら体を跳ねさせて追跡してくる。
ただただ観察することだけを目的にしているのか、 人間を含めた他の生物に危害を加えることはない。
しかし、単純にその視線は不快で、周囲でどのような自体が発生しても 距離を詰めようとし続けてくるため、あらゆる行為においてその邪魔にしかならず、 多くの潜森士はこの生物の存在を疎んでいる。 |
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内閣深部以外 |
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危害を加えると、 即刻乾燥し始めカラカラになり死ぬ。 |
18 |
ヒバシリ |
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正確にはヒバシリハムシ。闇の中で炸裂するように赤熱した光を放ち、 パチパチと鋭く緩急を伴いながら一定の方向に炎のような明かりを撒き散らす。 メスへの求愛行為とされているが、雌雄ともに発光器官を持つことがわかっている。
危険性はないが、その多くは「森」の深部へと招くような動きを取るため、 その後を追って子供などが深くへ分け入ってしまうことがある。 |
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外郭浅層 |
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噛むと口の中で光る。 強い熱を持つ種も存在する。 |
19 |
ドラナラシ |
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非常に大きな銅鑼のような音を出し、獲物を撹乱する巨大な四足獣とされている存在。 単純にその大きさが脅威な上に不可視の姿を持ち、 加えて銅鑼の音が鳴る位置を操作して居場所の特定を妨げる狡猾な権能を持つ。
本来の色彩を確認できたことはないが、悪天候の際に雨などでそのシルエットが浮かび、 形状だけは伝聞されている。また、その生態もあって様々な配色図が描かれている生物でもある。 |
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目に見えないその肉を、 食べたがる好事家は多く存在する。 |
20 |
コダチ |
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モリジシの近縁種とされる四足獣。小柄。暗褐色の被毛を持つ。 夜闇に紛れ、虫を含めた自分の体長くらいまでの生物を捕食する生態を持つ。 月のない夜に最も活発になり、人を襲うこともある。
家畜化し小型になった種が森辺で飼育されており、人気が高い。 野生種を飼育している道楽家も存在している。 |
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あまり味は良くない。 |
21 |
ブェブ |
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小型の豚と鹿の間の子のような獣。潜望鏡じみた奇妙な鼻がついており、 そこから「ブェー」と表されるけたたましい鳴き声を発する。
大きさもそれほどではなく、森辺ではよく狩猟の対象となっている。 また、養殖と小型化が進んでおり、ペットとして飼育している者も居る。 |
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外郭浅層 |
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味よし。毎日でも食べたい。 |
22 |
ワリコダマ |
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背部に有した吸気で膨らむ器官を用い、森内を漂う昆虫様生物。 繁殖期になるとその膨らみを破裂させ、中の体液の臭気でメスを誘引する。
この体液は香料の原材料になり、種によって様々な香りを有している。 虫や獣避け、香水、儀式的用途など、用途は多い。 また、この背部器官を持たないモドキの存在も確認されている。 |
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外郭浅層 |
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23 |
ナガシ |
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硬い毛を持った小さな猿のような生き物。 全身を覆う毛は小枝に似て、容易に抜けるそれを使用して川に巣を作る。
巨大な川を完全にせき止め、ダムの上に集落となる構造物を形成する群れも存在する。 水源を完全に埋めてしまい、もろとも潜森士によって駆除されたことも。 |
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外郭浅層 |
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24 |
ツチゴシウオ |
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デイギョとも。少しでも湿った地面に容易に滑り込み、土の中を泳ぐ痩躯の魚。 危険性自体はそこまででもないが、少ない栄養分を耕すように食い散らかし、 農地などに入り込んでそこを不毛の地に変えてしまう。
繁殖力も強く、積極的な駆除対象。森辺の民の大敵。
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外郭深層~ |
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まずく痩せた身。 |
25 |
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