仮面ライダーアマゾンズ(シーズン2)の最終回

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仮面ライダーアマゾンズ(シーズン2)の最終回 - (2022/09/20 (火) 08:41:32) の1つ前との変更点

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イユは、人間の死体をアマゾンと化す4Cの「シグマタイプ」のアマゾン。 そして&ruby(ちひろ){千翼}の正体は、鷹山仁と七羽の間に生まれたアマゾンだった。 4Cは千翼を処分しようとするが、その最中で千翼は暴走し、4Cを脱走する。 イユは4Cの命令で千翼を追うが、千翼の頑なな想いを受け、失っていた感情をわずかに取り戻し、千翼と共に逃亡の身となる。 橘局長は、イユの廃棄を決定する。 イユの体はネオアマゾンレジスター(腕輪)を付けた腕から、徐々に朽ちてゆく。 その後遺症でイユはついに、生前の記憶を取り戻す。 千翼「イユ…… 腕輪を止めなきゃ。行こう」 裕樹「千翼!?」 黒崎「無駄だ。イユの腕輪は外れねぇし、スイッチは押された。あと数時間で、イユは完全に機能を停止する」 #center(){|BGCOLOR(darkgray):COLOR(black):CENTER:&br()&bold(){&big(){&i(){&i(){Last Episode&br()&big(){Amazonz}}}}}&br()&br()|} 裕樹「おい、おっさん…… 何だ、それ? イユは、元に戻りかけてんだぞ? 止めろよぉ!!」 黒崎「だから無理だっつってんだろうがぁ!!」 千翼「イユは、死なせない……!」 黒崎「もう死んでる。お前も、もう諦めろ」 黒崎が銃を連射する。 千翼がイユを庇いつつ、逃げ去る。 黒崎たちが、札森のもとへ帰還する。 札森「&ruby(や){殺}ったんですか? 千翼とイユ」 黒崎「これがそんなツラかよ? 4Cに戻るぞ。千翼はそこだ」 札森「えっ? 何で?」 黒崎「イユの腕輪を何とかしようと思えば、それぐらいしか思いつかねぇだろ? 本田、4Cに連絡入れとけ」 本田「了解」 黒崎「お前は動ける奴をかき集めろ」 札森「了──解……」 黒崎「くそっ! 感染者がいなけりゃ、今頃終わってたのに……((黒崎たちは前話で千翼を追い詰めたが、隊員の1人が溶原性細胞に感染してアマゾンと化して暴走し、駆除に失敗していた。)) アマゾンなんか、使うべきじゃなかったんだよ、最初から」 黒崎が、悠を見やりつつ、美月(([[シーズン1>仮面ライダーアマゾンズ(シーズン1)の第1話]]で登場した水澤美月。4Cに入隊し、圧裂弾を使いこなすほどのエキスパートとなった。))に言う。 黒崎「こっちが片づいたら、あいつも駆除しなきゃな──、水澤」 裕樹は1人、取り残されている。 (千翼『何で、俺たちは生きてちゃ駄目なんだ!? 何で!?』) 裕樹「そんなもん…… 答えられる奴、いんのかよ?」 千翼はイユと共に、ネオジャングレイダー(バイク)で4Cを目指す。 千翼「イユ……」 (イユ『痛かったのは私! 死んだのは……』) (千翼『やめろぉ!』) 千翼「イユが無くしたのは、記憶じゃなくて…… 自分なんだ。だから痛みも、何も感じない」 (黒崎『あと数時間で、イユは完全に機能を停止する』) 千翼「そんなの、絶対!」 志藤たち駆除班は、林の中でマモル((前作で駆除班と行動を共にしていたモグラアマゾン。前作最終回で人間と決別した後、自分たちアマゾンが人間から狩られる状況を覆すべく、クラゲアマゾンの細胞を人間世界に広め、人間たちをアマゾンに変えていた。))を取り囲んでいる。福田の持つ圧裂弾((アマゾンを一発で撃破できる特殊武器。))の銃に、マモルが気付く。 マモル「圧裂弾、だよね? その銃」 福田「オリジナル((溶原性細胞の感染源であるアマゾン。仁と七羽の息子である千翼と、千翼を身ごもったことで感染した七羽のこと。))はどこだ!?」 マモル「あれは僕の物だよ」 望「マモル! 人間をアマゾンにするなんて、やめろ!」 マモルが三崎を捕え、羽交い絞めにして盾にする。 マモル「だったら! 5年前に僕を撃てば良かったんだ。あのときに僕を撃てば! 遅いよ……」 志藤「あぁ。それは、俺もこいつらもずっと考えてきた。今は特に、福田の方がな」 三崎「福さんの、お袋さんが感染してさ…… 駆除したんだ。福さんが、自分で……」 マモル「……じゃあ、僕を撃ちたいよね?」 福田「違う。復讐に来たんじゃない。俺が悔やんでるのは、お前を撃たなかったことだけじゃない。引き留めもしなかったことだ! 強引にでも……」 三崎「助けたつもりでさ、ただ、ただマモちゃんから手を引いただけだったんだよ。俺たちは……」 志藤「で、楽をした分、誰かにツケが回る…… でかいツケがな」 望「今度はきっちりケリをつける。撃つにしても、撃たないにしても、うちらはマモルのそばにいる!」 志藤「ただ…… オリジナルだけは、どうしても渡してもらう!」 マモル「駄目だよ、僕はもう…… うわああぁぁ──っっ!!」 マモルがモグラアマゾンに変身し、三崎に噛みつく。 志藤「和也ぁぁ!!」 駆除班とモグラアマゾンの戦いとなる。 肩を抉られて倒れる三崎を、望が助け起こす。 望「大丈夫か!?」 三崎「あぁ、大したことねぇよ」 望「マモルぅ!」 戦いから逃れたマモルが、池の水で喉を潤しつつ、先の言葉を思い出す。 (三崎『駆除したんだ。福さんが、自分で……』) 仁は海辺で、七羽の変貌したクラゲアマゾンと、ついに対峙する。 仁「この目で良かったと思ったのは初めてだ。見たくないからなぁ! けど、匂いだけはどうしようもない……((仁はかつての戦いで両目を負傷してほぼ盲目となり、嗅覚と聴覚のみを頼りとしている。))」 &i(){『アルファ』} 仁「&bold(){アァァ──マァァ──ゾォォ──ン!!} うわああぁぁ──っっ!!」 仁が絶叫と共にアマゾンアルファに変身し、クラゲアマゾンに挑む。 (七羽『まったく、馬鹿なんだから……』) (七羽『大丈夫……』) アルファ「何でそんな奴について来たあぁぁ──!?」 (七羽『ずっと、泣いてるのがわかったから……』) クラゲアマゾンが無数の触手を伸ばし、アマゾンアルファの体を抉る。 4Cの社屋で橘局長が見下す中、隊員たちがバリケードを張り、入口を固める。 千翼が次第に近づいてくる。 隊員「来た!」 千翼「イユ、ここにいて。やめさせる。今すぐ!」 千翼がイユを残し、単身、4Cへと突き進む。 橘「完全に駆除を!」 隊員「了解です。構えろ! 撃てぇ!」 隊員たちが一斉に発砲する。 千翼が銃弾を浴び、血しぶきが飛ぶ。 千翼「うぉぉ──っ!! &bold(){アマゾォ──ン!!}」 千翼がアマゾンネオに変身、隊員の中へ突入しようとするが、悠の変身したニューオメガ((悠が新型ベルト・ネオアマゾンズドライバーで変身した新たな姿。))が食い止める。 オメガ「千翼、よせぇ!」 ネオ「離せぇ!!」 オメガ「よせ、千翼!」 アマゾンネオはニューオメガを吹っとばし、隊員たちも蹴散らしつつ、玄関へと突き進む。 黒崎や美月たちが合流する。 黒崎「ここじゃ圧裂弾、使えねぇな」 隊員「黒崎! 絶対に入れるなと、局長からの指示だ!」 黒崎「わかってるよ! 全員、入口をガードしろ」 美月たち「了解!」 アマゾンネオが隊員たちを次々に蹴散らし、美月目がけて刃を振り下ろす。 だがニューオメガがそれを食い止め、再びアマゾンネオとニューオメガの戦いとなる。 ニューオメガが、ネオの首を絞め上げる。 ネオ「うぅおおぉぉ──っっ!!」 ネオの全身から無数の触手が飛び出し、ニューオメガを吹き飛ばす。 さらにネオの体の装甲が砕け、異形の怪人態としての真の姿が露わになってゆく。 ネオアマゾンズドライバーが作動、再びアマゾンネオの姿となって突進する。 激戦の最中に、1台の車が停車する。 黒崎「おい!? こんなとこ入って来んな!」 車内には令華の姿。 黒崎「あんた、確か野座間の」 美月「お母さん!?」 黒崎「何の用だ?」 令華「会長がご覧になりたいと仰るので」 黒崎「会長?」 隣には野座間製薬の、天条会長が同乗している。 黒崎「あんたか」 天条「邪魔はしないから、安心して任務を続けたまえ。それにしても──」 天条が局内の、橘を見上げる。 天条「意に沿わぬ命を慌てふためいて潰そうとは、相変らず見苦しい。一体、何を恐れる? ある命がある命を脅かすのは、自然の摂理。脅かされない命は弱い」 黒崎「ほぅ~。本当に言えますかねぇ?」 黒崎がフロントガラスに手を突く。 真っ赤な血が、べっとりとガラスを濡らす。 黒崎「自分が食われても」 天条「ふん、願ってもないことだ」 裕樹も4Cに駆けつける。 裕樹「イユ! 千翼……!」 アマゾンアルファとクラゲアマゾンとの戦いに、モグラアマゾンが割って入る。 アルファ「お前……!」 アマゾンアルファとモグラアマゾンの戦いとなる。 志藤たち駆除班も駆けつける。 志藤「鷹山……!」 三崎「で、あれがオリジナルってこと?」 志藤「福、圧裂弾使うチャンスを狙え。俺たちは鷹山の援護だ」 望「了解」 4Cでは、アマゾンネオとニューオメガの戦いが続いている。 激戦の末、渾身の刃が互いの体を抉り、血が飛び散る。 オメガ「千翼ぉぉ!!」 イユがついに、立っている力も失い、ガックリと膝をつく。 裕樹「イユ!? おい、イユ!!」 ネオ「イユ……!?」 アマゾンネオの隙を突き、ニューオメガがさらに一撃を見舞う。 だがニューオメガも深手を負い、ふらふらと倒れる。 黒崎「撃てぇ!!」 隊員たちの銃撃が次々に、アマゾンネオに炸裂する。 ネオ「うぅっ…… イユ!!」 ついに変身が解除される。 生身で無防備の千翼に、容赦なく弾丸が突き刺さる。 千翼「イユ!!」 千翼は地面を這い、必死にイユのもとへと近づこうとする。 イユがその姿を目の当たりにして、倒れそうな足取りで、千翼へと歩み寄る。 裕樹「おい!?」 イユがフラフラと千翼に歩み寄り、そっと顔に手を触れる。 黒崎「撃てぇ!!」 隊員たちがなおも発砲する。 とっさに千翼がイユを抱きしめ、自らの体を盾にする。 無防備な千翼の体に、次々に弾丸が撃ち込まれる。 千翼が血まみれになって、弾丸を浴び続ける。 発砲し続けていた隊員たちが、その凄惨な光景に、次第に銃を下ろす。 黒崎「撃て…… 撃てぇぇ──!!」 誰も発砲する隊員はいない。 黒崎が銃を構えるが、裕樹が飛びかかってそれを食い止める。 裕樹「やめろぉぉ!!」 黒崎「どけ、クソガキぃ!」 裕樹「もう、いいだろ!? もう…… 頼むってぇ!!」 裕樹が大の字になって千翼を庇う。 なおも黒崎が銃を構えるが、裕樹が黒崎に飛びかかる。 裕樹「クソがぁ!!」 千翼「イユ、行こう」 裕樹「千翼、逃げろぉぉ!!」 イユ「千翼…… 痛い?」 千翼「痛いよ。でも、イユは……」 千翼に触れるイユの手は、廃棄システムにより、すでにボロボロに朽ちている。 千翼「こんなになってまで……」 (イユ『痛かったのは私! 死んだのは……』) 千翼「こうなったのも、結局は……」 千翼がネオジャングレイダーにイユを乗せ、共に走り去る。 令華「悠!!」 令華が呼び止めるも、悠は令華を一瞥しつつ、ジャングレイダーで走り去る。 令華「美月! 悠も撃つつもりなら、やめなさい」 美月「……」 令華「待ちなさい! あなたは知らないわ。悠がどれだけ優秀な──」 美月「お母さん! 自分の手でアマゾンを殺したこと、ある?」 令華「……!?」 美月「私は悠とちゃんと向き合うために、4Cに入った。この銃はそのためにあるの」 言葉を失う令華を残し、美月が立ち去る。 令華「美月……」 海辺での戦い。 クラゲアマゾンの触手が駆除班をも襲い、志藤たちは接近すらおぼつかない。 志藤「福、構えろぉ!!」 望「福さぁん!」 福田が必死に銃を構える。 志藤たちが深手を負いつつも、這うように福田のもとへ集まり、彼の体を支える。 アマゾンアルファの手刀が、クラゲアマゾンの体を貫く。 志藤「福ぅ!!」 圧裂弾が放たれる。 とっさにモグラアマゾンが飛び出し、自分の体を盾にする。 モグラアマゾンの体が、圧裂弾の銃撃により大きくえぐられる。 三崎「マモちゃぁん!?」 志藤たちが目を見張る中、変身の解けたマモルの体が、消滅してゆく。 アマゾンアルファに貫かれたクラゲアマゾン。 光があふれる中、その姿が七羽に戻り、仁と対峙する。 七羽「仁…… ごめんね」 仁「……何で?」 七羽「最期に我がままを、聞いてもらった」 七羽が幼い千翼を育てていた廃屋には、七羽の描いた天使の絵が遺されていた── 仁「そうか…… あれは七羽さんでもあったってことか。やられたな、フフ……」 七羽「仁。千翼は、仁にそっくり。いいお父さん。本当に……」 仁「七羽さん……」 七羽「仁……」 突如、七羽が仁を突き飛ばす。 仁を庇いつつ、クラゲアマゾンが圧裂弾の余波を浴びて大爆発── 千翼とイユは、かつてイユの思い出の場所、閉鎖された動物園・ふれあい動物パークに佇んでいる。 イユは生前の、父の誕生パーティの記憶を脳裏によぎらせつつ、土をケーキの形に盛り上げ、石を並べている。 千翼がその土のケーキを覗き込み、ふと、顔を上げて気づく。 千翼「イユ…… 今、笑ってる!」 土のケーキを作りながら、イユは楽しそうな笑顔を、初めて千翼に見せている。 千翼「笑ってるよ!」 もはや歩く力すら失ったイユを、千翼がおぶって歩きつつ、千翼が好きだった童謡を口ずさむ。 イユの脳裏には、幼い自分が父に背負われつつ、童謡を口ずさんでいた記憶が甦っている。 イユ「千翼……」 千翼「ん?」 イユ「私…… 楽しい……」 千翼「……うん」 そう言い遺し、イユは静かに目を閉じる。 そこに悠、そして仁が現れる。 千翼「どうしても?」 悠「溶原性細胞は危険すぎる。君自身にもコントロールできないぐらいに」 千翼「……そうだね。イユがこうなった原因は、俺だ。他の人も、それに、母さんも」 仁「違う。……俺だ。だからな、俺が送ってやるよ。母さんのところへ」 千翼「わかった。でも…… 俺は、最後まで生きるよ!」 仁「やっぱり、七羽さんそっくりだ……」 千翼は、動かなくなったイユを地面に下す。 仁「&bold(){アマゾン……}」 悠「&bold(){アマゾン!!}」 千翼「&bold(){アマゾォン!!}」 仁がアマゾンアルファ、悠がニューオメガ、千翼がアマゾンネオに変身する。 アマゾンネオ「イユ……」 イユにそっと触れると、2人に向き直る。3人のアマゾンが激突する── 3人「&bold(){&big(){うぅおおぉぉ──っっ!!}}」 海辺での戦いの後。 圧裂弾でできた巨大なクレーターに、マモルが仲間の証として作った5円玉のネックレスがある。 三崎「マモちゃん…… 作ってた……」 福田「戻って来たんだ…… 俺たちのところに!」 駆除班一同が涙ぐみつつ、それを見つめる。 4Cでの激戦跡。 天条「行こう。人に、アマゾンは早すぎたようだ」 令華が天条と共に、車で走り去る。 黒崎「札森。おめぇ、死にたくねぇって思ったこと、あんだろ?」 札森「当──然。毎日ですよ」 黒崎「生きたいって思ったこと、あるか?」 札森「へっ? 同じでしょ?」 黒崎「……」 黒崎が愛銃を地面に置いたまま、どこかへ去ってゆく。 変身を解いた悠が、全身に返り血を浴びた姿で歩いている。 目の前に、美月が立ち尽くしており、その手には、圧裂弾の銃がある。 悠「終ったよ。あとは──」 美月の銃を悠がつかみ、その銃口を自分の胸に当てる。 悠「これだけ」 しばしの沈黙の後、美月が銃を下ろす。 美月「生きて……」 町外れのトンネルを、仁がフラフラと歩いている。 仁「はぁ、はぁ…… 俺は連れて行かないとか、キツイのも相変らずだなぁ…… 七羽さぁぁ──ん!! ハハハハ……」 裕樹は学園生活に戻り、大勢の生徒たちと共に登校している。 スマートフォンを見て微笑む。 千翼とイユを写したプリクラが、血まみれのまま貼られている。 七羽が千翼を育てていた廃屋。 天使の絵の下。 イユのストールの上に、千翼とイユの物と思しき2つのネオアマゾンズレジスターが、寄り添うように置かれている。 エンディングテーマとスタッフロールの後、4Cの施設に橘局長が新たな決断を下した。 橘「アマゾンの残党は1匹残らず、たとえ子供であろうと絶対に残してはならない。5年前の事件はまだ続いている。完全なる終結まで脅威は去らない! そのためにも、新しいシグマプロジェクトを!!」 そして、物語はそれから2年後を描く劇場版『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』へと続いていく…。 #center(){&big(){(終)}}
イユは、人間の死体をアマゾンと化す4Cの「シグマタイプ」のアマゾン。 そして&ruby(ちひろ){千翼}の正体は、鷹山仁と七羽の間に生まれたアマゾンだった。 4Cは千翼を処分しようとするが、その最中で千翼は暴走し、4Cを脱走する。 イユは4Cの命令で千翼を追うが、千翼の頑なな想いを受け、失っていた感情をわずかに取り戻し、千翼と共に逃亡の身となる。 橘局長は、イユの廃棄を決定する。 イユの体はネオアマゾンレジスター(腕輪)を付けた腕から、徐々に朽ちてゆく。 その後遺症でイユはついに、生前の記憶を取り戻す。 千翼「イユ…… 腕輪を止めなきゃ。行こう」 裕樹「千翼!?」 黒崎「無駄だ。イユの腕輪は外れねぇし、スイッチは押された。あと数時間で、イユは完全に機能を停止する」 #center(){|BGCOLOR(darkgray):COLOR(black):CENTER:&br()&bold(){&big(){&i(){&i(){Last Episode&br()&big(){Amazonz}}}}}&br()&br()|} 裕樹「おい、おっさん…… 何だ、それ? イユは、元に戻りかけてんだぞ? 止めろよぉ!!」 黒崎「だから無理だっつってんだろうがぁ!!」 千翼「イユは、死なせない……!」 黒崎「もう死んでる。お前も、もう諦めろ」 黒崎が銃を連射する。 千翼がイユを庇いつつ、逃げ去る。 黒崎たちが、札森のもとへ帰還する。 札森「&ruby(や){殺}ったんですか? 千翼とイユ」 黒崎「これがそんなツラかよ? 4Cに戻るぞ。千翼はそこだ」 札森「えっ? 何で?」 黒崎「イユの腕輪を何とかしようと思えば、それぐらいしか思いつかねぇだろ? 本田、4Cに連絡入れとけ」 本田「了解」 黒崎「お前は動ける奴をかき集めろ」 札森「了──解……」 黒崎「くそっ! 感染者がいなけりゃ、今頃終わってたのに……((黒崎たちは前話で千翼を追い詰めたが、隊員の1人が溶原性細胞に感染してアマゾンと化して暴走し、駆除に失敗していた。)) アマゾンなんか、使うべきじゃなかったんだよ、最初から」 黒崎が、悠を見やりつつ、美月(([[シーズン1>仮面ライダーアマゾンズ(シーズン1)の第1話]]で登場した水澤美月。4Cに入隊し、圧裂弾を使いこなすほどのエキスパートとなった。))に言う。 黒崎「こっちが片づいたら、あいつも駆除しなきゃな──、水澤」 裕樹は1人、取り残されている。 (千翼『何で、俺たちは生きてちゃ駄目なんだ!? 何で!?』) 裕樹「そんなもん…… 答えられる奴、いんのかよ?」 千翼はイユと共に、ネオジャングレイダー(バイク)で4Cを目指す。 千翼「イユ……」 (イユ『痛かったのは私! 死んだのは……』) (千翼『やめろぉ!』) 千翼「イユが無くしたのは、記憶じゃなくて…… 自分なんだ。だから痛みも、何も感じない」 (黒崎『あと数時間で、イユは完全に機能を停止する』) 千翼「そんなの、絶対!」 志藤たち駆除班は、林の中でマモル((前作で駆除班と行動を共にしていたモグラアマゾン。前作最終回で人間と決別した後、自分たちアマゾンが人間から狩られる状況を覆すべく、クラゲアマゾンの細胞を人間世界に広め、人間たちをアマゾンに変えていた。))を取り囲んでいる。福田の持つ圧裂弾((アマゾンを一発で撃破できる特殊武器。))の銃に、マモルが気付く。 マモル「圧裂弾、だよね? その銃」 福田「オリジナル((溶原性細胞の感染源であるアマゾン。仁と七羽の息子である千翼と、千翼を身ごもったことで感染した七羽のこと。))はどこだ!?」 マモル「あれは僕の物だよ」 望「マモル! 人間をアマゾンにするなんて、やめろ!」 マモルが三崎を捕え、羽交い絞めにして盾にする。 マモル「だったら! 5年前に僕を撃てば良かったんだ。あのときに僕を撃てば! 遅いよ……」 志藤「あぁ。それは、俺もこいつらもずっと考えてきた。今は特に、福田の方がな」 三崎「福さんの、お袋さんが感染してさ…… 駆除したんだ。福さんが、自分で……」 マモル「……じゃあ、僕を撃ちたいよね?」 福田「違う。復讐に来たんじゃない。俺が悔やんでるのは、お前を撃たなかったことだけじゃない。引き留めもしなかったことだ! 強引にでも……」 三崎「助けたつもりでさ、ただ、ただマモちゃんから手を引いただけだったんだよ。俺たちは……」 志藤「で、楽をした分、誰かにツケが回る…… でかいツケがな」 望「今度はきっちりケリをつける。撃つにしても、撃たないにしても、うちらはマモルのそばにいる!」 志藤「ただ…… オリジナルだけは、どうしても渡してもらう!」 マモル「駄目だよ、僕はもう…… うわああぁぁ──っっ!!」 マモルがモグラアマゾンに変身し、三崎に噛みつく。 志藤「和也ぁぁ!!」 駆除班とモグラアマゾンの戦いとなる。 肩を抉られて倒れる三崎を、望が助け起こす。 望「大丈夫か!?」 三崎「あぁ、大したことねぇよ」 望「マモルぅ!」 戦いから逃れたマモルが、池の水で喉を潤しつつ、先の言葉を思い出す。 (三崎『駆除したんだ。福さんが、自分で……』) 仁は海辺で、七羽の変貌したクラゲアマゾンと、ついに対峙する。 仁「この目で良かったと思ったのは初めてだ。見たくないからなぁ! けど、匂いだけはどうしようもない……((仁はかつての戦いで両目を負傷してほぼ盲目となり、嗅覚と聴覚のみを頼りとしている。))」 音声&i(){『アルファ』} 仁「&bold(){アァァ──マァァ──ゾォォ──ン!!} うわああぁぁ──っっ!!」 仁が絶叫と共にアマゾンアルファに変身し、クラゲアマゾンに挑む。 (七羽『まったく、馬鹿なんだから……』) (七羽『大丈夫……』) アルファ「何でそんな奴について来たあぁぁ──!?」 (七羽『ずっと、泣いてるのがわかったから……』) クラゲアマゾンが無数の触手を伸ばし、アマゾンアルファの体を抉る。 4Cの社屋で橘局長が見下す中、隊員たちがバリケードを張り、入口を固める。 千翼が次第に近づいてくる。 隊員「来た!」 千翼「イユ、ここにいて。やめさせる。今すぐ!」 千翼がイユを残し、単身、4Cへと突き進む。 橘「完全に駆除を!」 隊員「了解です。構えろ! 撃てぇ!」 隊員たちが一斉に発砲する。 千翼が銃弾を浴び、血しぶきが飛ぶ。 千翼「うぉぉ──っ!! &bold(){アマゾォ──ン!!}」 千翼がアマゾンネオに変身、隊員の中へ突入しようとするが、悠の変身したニューオメガ((悠が新型ベルト・ネオアマゾンズドライバーで変身した新たな姿。))が食い止める。 オメガ「千翼、よせぇ!」 ネオ「離せぇ!!」 オメガ「よせ、千翼!」 アマゾンネオはニューオメガを吹っとばし、隊員たちも蹴散らしつつ、玄関へと突き進む。 黒崎や美月たちが合流する。 黒崎「ここじゃ圧裂弾、使えねぇな」 隊員「黒崎! 絶対に入れるなと、局長からの指示だ!」 黒崎「わかってるよ! 全員、入口をガードしろ」 美月たち「了解!」 アマゾンネオが隊員たちを次々に蹴散らし、美月目がけて刃を振り下ろす。 だがニューオメガがそれを食い止め、再びアマゾンネオとニューオメガの戦いとなる。 ニューオメガが、ネオの首を絞め上げる。 ネオ「うぅおおぉぉ──っっ!!」 ネオの全身から無数の触手が飛び出し、ニューオメガを吹き飛ばす。 さらにネオの体の装甲が砕け、異形の怪人態としての真の姿が露わになってゆく。 ネオアマゾンズドライバーが作動、再びアマゾンネオの姿となって突進する。 激戦の最中に、1台の車が停車する。 黒崎「おい!? こんなとこ入って来んな!」 車内には令華の姿。 黒崎「あんた、確か野座間の」 美月「お母さん!?」 黒崎「何の用だ?」 令華「会長がご覧になりたいと仰るので」 黒崎「会長?」 隣には野座間製薬の、天条会長が同乗している。 黒崎「あんたか」 天条「邪魔はしないから、安心して任務を続けたまえ。それにしても──」 天条が局内の、橘を見上げる。 天条「意に沿わぬ命を慌てふためいて潰そうとは、相変らず見苦しい。一体、何を恐れる? ある命がある命を脅かすのは、自然の摂理。脅かされない命は弱い」 黒崎「ほぅ~。本当に言えますかねぇ?」 黒崎がフロントガラスに手を突く。 真っ赤な血が、べっとりとガラスを濡らす。 黒崎「自分が食われても」 天条「ふん、願ってもないことだ」 裕樹も4Cに駆けつける。 裕樹「イユ! 千翼……!」 アマゾンアルファとクラゲアマゾンとの戦いに、モグラアマゾンが割って入る。 アルファ「お前……!」 アマゾンアルファとモグラアマゾンの戦いとなる。 志藤たち駆除班も駆けつける。 志藤「鷹山……!」 三崎「で、あれがオリジナルってこと?」 志藤「福、圧裂弾使うチャンスを狙え。俺たちは鷹山の援護だ」 望「了解」 4Cでは、アマゾンネオとニューオメガの戦いが続いている。 激戦の末、渾身の刃が互いの体を抉り、血が飛び散る。 オメガ「千翼ぉぉ!!」 イユがついに、立っている力も失い、ガックリと膝をつく。 裕樹「イユ!? おい、イユ!!」 ネオ「イユ……!?」 アマゾンネオの隙を突き、ニューオメガがさらに一撃を見舞う。 だがニューオメガも深手を負い、ふらふらと倒れる。 黒崎「撃てぇ!!」 隊員たちの銃撃が次々に、アマゾンネオに炸裂する。 ネオ「うぅっ…… イユ!!」 ついに変身が解除される。 生身で無防備の千翼に、容赦なく弾丸が突き刺さる。 千翼「イユ!!」 千翼は地面を這い、必死にイユのもとへと近づこうとする。 イユがその姿を目の当たりにして、倒れそうな足取りで、千翼へと歩み寄る。 裕樹「おい!?」 イユがフラフラと千翼に歩み寄り、そっと顔に手を触れる。 黒崎「撃てぇ!!」 隊員たちがなおも発砲する。 とっさに千翼がイユを抱きしめ、自らの体を盾にする。 無防備な千翼の体に、次々に弾丸が撃ち込まれる。 千翼が血まみれになって、弾丸を浴び続ける。 発砲し続けていた隊員たちが、その凄惨な光景に、次第に銃を下ろす。 黒崎「撃て…… 撃てぇぇ──!!」 誰も発砲する隊員はいない。 黒崎が銃を構えるが、裕樹が飛びかかってそれを食い止める。 裕樹「やめろぉぉ!!」 黒崎「どけ、クソガキぃ!」 裕樹「もう、いいだろ!? もう…… 頼むってぇ!!」 裕樹が大の字になって千翼を庇う。 なおも黒崎が銃を構えるが、裕樹が黒崎に飛びかかる。 裕樹「クソがぁ!!」 千翼「イユ、行こう」 裕樹「千翼、逃げろぉぉ!!」 イユ「千翼…… 痛い?」 千翼「痛いよ。でも、イユは……」 千翼に触れるイユの手は、廃棄システムにより、すでにボロボロに朽ちている。 千翼「こんなになってまで……」 (イユ『痛かったのは私! 死んだのは……』) 千翼「こうなったのも、結局は……」 千翼がネオジャングレイダーにイユを乗せ、共に走り去る。 令華「悠!!」 令華が呼び止めるも、悠は令華を一瞥しつつ、ジャングレイダーで走り去る。 令華「美月! 悠も撃つつもりなら、やめなさい」 美月「……」 令華「待ちなさい! あなたは知らないわ。悠がどれだけ優秀な──」 美月「お母さん! 自分の手でアマゾンを殺したこと、ある?」 令華「……!?」 美月「私は悠とちゃんと向き合うために、4Cに入った。この銃はそのためにあるの」 言葉を失う令華を残し、美月が立ち去る。 令華「美月……」 海辺での戦い。 クラゲアマゾンの触手が駆除班をも襲い、志藤たちは接近すらおぼつかない。 志藤「福、構えろぉ!!」 望「福さぁん!」 福田が必死に銃を構える。 志藤たちが深手を負いつつも、這うように福田のもとへ集まり、彼の体を支える。 アマゾンアルファの手刀が、クラゲアマゾンの体を貫く。 志藤「福ぅ!!」 圧裂弾が放たれる。 とっさにモグラアマゾンが飛び出し、自分の体を盾にする。 モグラアマゾンの体が、圧裂弾の銃撃により大きくえぐられる。 三崎「マモちゃぁん!?」 志藤たちが目を見張る中、変身の解けたマモルの体が、消滅してゆく。 アマゾンアルファに貫かれたクラゲアマゾン。 光があふれる中、その姿が七羽に戻り、仁と対峙する。 七羽「仁…… ごめんね」 仁「……何で?」 七羽「最期に我がままを、聞いてもらった」 七羽が幼い千翼を育てていた廃屋には、七羽の描いた天使の絵が遺されていた── 仁「そうか…… あれは七羽さんでもあったってことか。やられたな、フフ……」 七羽「仁。千翼は、仁にそっくり。いいお父さん。本当に……」 仁「七羽さん……」 七羽「仁……」 突如、七羽が仁を突き飛ばす。 仁を庇いつつ、クラゲアマゾンが圧裂弾の余波を浴びて大爆発── 千翼とイユは、かつてイユの思い出の場所、閉鎖された動物園・ふれあい動物パークに佇んでいる。 イユは生前の、父の誕生パーティの記憶を脳裏によぎらせつつ、土をケーキの形に盛り上げ、石を並べている。 千翼がその土のケーキを覗き込み、ふと、顔を上げて気づく。 千翼「イユ…… 今、笑ってる!」 土のケーキを作りながら、イユは楽しそうな笑顔を、初めて千翼に見せている。 千翼「笑ってるよ!」 もはや歩く力すら失ったイユを、千翼がおぶって歩きつつ、千翼が好きだった童謡を口ずさむ。 イユの脳裏には、幼い自分が父に背負われつつ、童謡を口ずさんでいた記憶が甦っている。 イユ「千翼……」 千翼「ん?」 イユ「私…… 楽しい……」 千翼「……うん」 そう言い遺し、イユは静かに目を閉じる。 そこに悠、そして仁が現れる。 千翼「どうしても?」 悠「溶原性細胞は危険すぎる。君自身にもコントロールできないぐらいに」 千翼「……そうだね。イユがこうなった原因は、俺だ。他の人も、それに、母さんも」 仁「違う。……俺だ。だからな、俺が送ってやるよ。母さんのところへ」 千翼「わかった。でも…… 俺は、最後まで生きるよ!」 仁「やっぱり、七羽さんそっくりだ……」 千翼は、動かなくなったイユを地面に下す。 仁「&bold(){アマゾン……}」 悠「&bold(){アマゾン!!}」 千翼「&bold(){アマゾォン!!}」 仁がアマゾンアルファ、悠がニューオメガ、千翼がアマゾンネオに変身する。 アマゾンネオ「イユ……」 イユにそっと触れると、2人に向き直る。3人のアマゾンが激突する── 3人「&bold(){&big(){うぅおおぉぉ──っっ!!}}」 海辺での戦いの後。 圧裂弾でできた巨大なクレーターに、マモルが仲間の証として作った5円玉のネックレスがある。 三崎「マモちゃん…… 作ってた……」 福田「戻って来たんだ…… 俺たちのところに!」 駆除班一同が涙ぐみつつ、それを見つめる。 4Cでの激戦跡。 天条「行こう。人に、アマゾンは早すぎたようだ」 令華が天条と共に、車で走り去る。 黒崎「札森。おめぇ、死にたくねぇって思ったこと、あんだろ?」 札森「当──然。毎日ですよ」 黒崎「生きたいって思ったこと、あるか?」 札森「へっ? 同じでしょ?」 黒崎「……」 黒崎が愛銃を地面に置いたまま、どこかへ去ってゆく。 変身を解いた悠が、全身に返り血を浴びた姿で歩いている。 目の前に、美月が立ち尽くしており、その手には、圧裂弾の銃がある。 悠「終ったよ。あとは──」 美月の銃を悠がつかみ、その銃口を自分の胸に当てる。 悠「これだけ」 しばしの沈黙の後、美月が銃を下ろす。 美月「生きて……」 町外れのトンネルを、仁がフラフラと歩いている。 仁「はぁ、はぁ…… 俺は連れて行かないとか、キツイのも相変らずだなぁ…… 七羽さぁぁ──ん!! ハハハハ……」 裕樹は学園生活に戻り、大勢の生徒たちと共に登校している。 スマートフォンを見て微笑む。 千翼とイユを写したプリクラが、血まみれのまま貼られている。 七羽が千翼を育てていた廃屋。 天使の絵の下。 イユのストールの上に、千翼とイユの物と思しき2つのネオアマゾンズレジスターが、寄り添うように置かれている。 エンディングテーマとスタッフロールの後、4Cの施設に橘局長が新たな決断を下した。 橘「アマゾンの残党は1匹残らず、たとえ子供であろうと絶対に残してはならない。5年前の事件はまだ続いている。完全なる終結まで脅威は去らない! そのためにも、新しいシグマプロジェクトを!!」 そして、物語はそれから2年後を描く劇場版『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』へと続いていく…。 #center(){&big(){(終)}}

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