金田一少年の事件簿(FILEシリーズ)の最終回

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金田一少年の事件簿(FILEシリーズ)の最終回 - (2018/06/02 (土) 23:15:22) の1つ前との変更点

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怪人、『道化人形』として玲夏の誘拐にかこつけ、マネージャーの安岡を殺した犯人は 安岡の妻である真奈美だった。 彼女は安岡に復讐する為に今回の事件を計画したのだった。 ・・・いや、本当に事件を計画した人物は他に居た。 そしてその人物は、自らの失言から金田一に犯行を暴かれた真奈美を見限り――― ?(出来の悪い人形に―――ふさわしき死を―――!!) その事を知らないでいる真奈美は、鏑木社長に最後が近いことを告げ、笑い続けていた。 #center(){|&big(){&bold(){金田一少年の事件簿 速水玲夏誘拐殺人事件⑨}}|} 金田一「・・・・・・」 鏑木「あ・・・あたしの最後が近いって・・・!?どういうこと!?真奈美!」 真奈美「3か月前、あたしと安岡はあんたの主治医にこう言われたのよ!あんたは末期ガンであと半年ももたないだろうって!!自分でも前から体調がおかしかったのは気づいていたでしょ?あんたはもうすぐ死ぬのよ!!」 鏑木「う・・・嘘よ!そんなこと・・・!!」 真奈美「嘘なもんですか!だから安岡もこの計画にホイホイ乗ってきたのよ!!あんたには歌手の頃からさんざん屈辱的な「仕事」をやらされてきたものね!いい気味だわ!!」 真奈美は砂糖つぼから砂糖を入れてから、置かれていた紅茶を飲んだが――― 真奈美「うぐっ!!」 紅茶を飲むなり、真奈美が血を吐いた。 金田一「真奈美さん!?」 剣持「しまった!毒か!!自殺を図ったんだ!」 金田一「救急車を!早く!!」 真奈美(ち・・・違うわッ・・・!あたしじゃない!!自殺なんかじゃ・・・ど・・・毒なんて・・・誰が―――!?) 「しっかりしろ!」 ?「・・・・フッ」 真奈美(!!、あ・・・あいつ・・・!?) 「あ・・・・」 金田一「!?、真奈美さん?」 真奈美の動きが止まった。 剣持「――――ダメか・・・!「道化人形」―――安岡真奈美は最後の幕を自分の手で下しちまったんだ!!」 金田一「・・・・・・」 それからしばらく経って、金田一と美雪は玲香達の出演するドラマの撮影スタジオに来ていた。 逆井「―――あれからというもの、鏑木社長はほとんど腑抜け状態よ・・・業界一のゴーツク女社長もガンには勝てなかったってワケ!」 金田一「あの人がね~~~」 美雪「なんかちょっと気の毒ね!」 逆井「最近は秘書の小渕沢さんも会社に来ないし・・・鏑木プロももうダメね!玲香ちゃんんも事務所替わんなきゃ・・・」 金田一「だろーな・・・」 AD「じゃあ本番いきます!」 「―――3、2、2、1、スタート!!」 三田村「しなた!まだそんなとこりにおったのか!早うこの屋敷から出てゆけ!!」 玲香「イ・・・イヤでございます!」 逆井「何か今日は気合い入ってるわね~~~三田村さん」 金田一「・・・・」 美雪「・・・ホント迫力~~~!」 三田村「え~~~い!強情な!!出てゆけと言っておるのじゃ!!」 三田村が腕を振り上げ、玲香が目をつむった。 玲香「・・・・?」 三田村「わかっておくれ・・・・そなたにもしものことがあったら―――・・・母は・・母は・・・・」 三田村が涙をこぼした。 侍女「大変でございます!敵の軍勢がすぐそこに・・・」 三田村「・・・もう時間がばいのじゃ!早く行け!そなただけでも生き延びておくれ・・・・」 玲香「・・・・は・・・母上・・・」 三田村が玲香を抱きしめた。 その様に、撮影スタッフは一時、静まり返った。 AD「・・・はい!オーケー!!」 三田村「・・・・」 玲香「!?、あの・・・!――――三田村さん?」 三田村「―――今日の演技はまあまあだったわ!これからもこの調子でお願いね!」 AD「いやー、三田村さんよかったスよ特にあの台本にないセリフと涙は・・・・!」 玲香「・・・・・」 三田村「ふーっ」 金田一「迫真の演技でしたね!三田村さん」 三田村「金田一君・・・!」 金田一「まるで本当の親子みたいでしたよ!」 三田村「・・・そう、ありがとう・・・・」 金田一「実は俺、三田村さんに聞きたかったことがあるんです」 三田村「―――なあに?」 金田一「三田村さんは玲香ちゃんたちの身代金―――1億なんて大金、どうして出す気になったんですか?撮影ではいつもぶつかってて、仲がいいとは思えなかったのに・・・」 三田村「―――そうね・・・鏑木社長のあまりのガメツさにムッとした・・・・かな?」 金田一「―――それに・・・あの三田村さんが作ってくれたおにぎりの差し入れ。俺・・・スゲー違和感あったんですよ!大女優の三田村さんがわざわざ山梨の病院まで来て、よりによって手作りのおにぎりを俺たちになんて・・・そこらで買った果物とかならともかくね。 ―――でも・・・それもこう考えれば納得がいくんです・・」 「あの手作りのおにぎり―――本当は自分の娘のために作ってきたんじゃないですか?誘拐され、ボロボロになって病室で寝ていた「娘」のために、本当の母であるあなたが!」 三田村「・・・・」 金田一「安岡とあなたが密かに会っていたのも、このことに気づいた安岡があなたをユスろうとして―――」 三田村「アハハハハ」 金田一「!!、へっ?」 三田村「オモシロイこと言うわね、名探偵君!でもザンネンながら今の推理は大はずれよ!」 金田一「三田村さ・・・」 三田村「金田一君!あたしは女優と言う仕事が好き・・・!女優であるために今までいろんなものを犠牲にしてきたわ・・・―――だから後悔なんてしてない、いくら後悔しても過去には戻れないんだもの―――これがあたしの選んだ道だもの・・・」 「このことであなたがどう考えようと自由よ。―――でもそんな話、マスコミがかぎつけたら、アイドルとして売ってるあの子にはつらいことになるわ・―――わかってくれるわね?金田一君・・・―――じゃあね」 三田村が去った所に、玲香が来た。 玲香「あ!いたいた!金田一く~~~ん」 金田一「!!、玲香ちゃん」 玲香「三田村さんと何話してたの?」 金田一「いや・・!さっきの三田村さんの演技、凄かったからさ!」 玲香「―――そうね!やっぱり大女優は格が違うわ!あたしもつい引き込まれちゃって、本当のお母さんかと思っちゃた!」 金田一「・・・・・玲香ちゃんは目にお母さんってどんなカンジかって俺に聞いたよね?」 玲香「え?ええ・・・」 金田一「例かちゃんはお母さんってどんな人だと思う?想像でいいからさ!」 玲香「そうね~~~~優しい方がいいけどあんまりベッタリされるのはイヤかな?叱る時はちゃんと叱ってくれて、それでいてあたしのこといつも大切に見も待ってくれる人―――――――なーんて!ちょっと都合良すぎね!」 金田一「いや・・・俺も思うよ・・・そういうのが‘母親‘なんだろうって・・・」 金田一と美雪は駅にいた。 美雪「―――よかったわね!玲香ちゃんも元気になって!」 金田一「ああ・・・」 美雪「でも真奈美さんもなんだかかわいそうだわ・・・何も自殺なんてすることなかったのに・・・」 金田一「美雪・・・!実はそのことなんだが・・・どうも引っかかるんだ!!」 美雪「え!?引っかかるって?」 金田一「真奈美さんは毒入り紅茶を飲む前に砂糖を入れてたりろ?だが警察の調べでは砂糖つぼから毒は検出されなかった・・・つまり毒は最初から紅茶の中に入ってたんだ―――妙だと思わないか?これから死のうって人間が紅茶の味を調えるため砂糖を入れるなんて・・・ひょっとして真奈美さんは自殺じゃなく―――」 ここで、電話が鳴り出した。 金田一「!?、な・・・何だ?」 美雪「!!、はじめちゃん!あれ――――!」 電話の音は、ベンチに置かれていた小包から聞こえていた。 金田一「・・・お・・・俺宛!?こ・・・これは!!ピエロのマリオネット!?」 小包の中には、『道化人形』のマリオネットと携帯電話が入っていた。 金田一「・・・・―――もしもし?」 ?「―――やあ金田一君!私のプレゼントは気に入ってもらえたかな?」 金田一「―――あんたいったい誰だよ!?」 ?「鏑木プロの小渕沢ですよ!―――そして、もうひつの名は・・・・・」 「「地獄の傀儡師」―――と言いましてね!」 道化人形(お前は目印としてバラの花束を持ってくるんダ!―――ソウ!『血ノヨウニ紅い薔薇』を――――) 美雪「はじめちゃん!どうしたの?」 金田一「・・・そうか!だから俺に身代金を・・・―――あんたが真奈美さんをそそのかした張本人だったのか!彼女の紅茶に毒を入れたのみ――――!!」 ?「―――いやあ、「道化人形」はまったく出来の悪いマリオネットでした―――だがカン違いしないでくださいよ!」 金田一「?」 ?「トリックを見破ったからといって、君が勝ったわけじゃない―――私の作った犯罪計画はあくまで完璧だった。不出来なマリオネットのヘマに助けられなければ君は―――」 金田一「ふざけんな!!勝ち負けなんて関係あるか!どこに隠れてやがる!」 ?「隠れる?いったい誰が隠れてるっていうんです?」 金田一(え!?) アナウンス「まもなく急行が通過――――」 金田一「・・・・」 金田一が顔を上げると、線路を挟んだ向こう側に1人の男が立っていた。 彼こそは、かって金田一が遭遇した「魔術列車殺人事件」の真犯人で、 金田一に犯行を暴かれ逮捕されるも、脱獄し行方を眩ませていた―――― 金田一(「地獄の傀儡師」――――!!高遠遙一、―――――!!!) 「・・・・・」 高遠(―――僕は人を欺くことに‘快感‘を覚え・・・君はそれを見抜くことに‘使命感‘を感じている――――・・・) 高遠「――――またいつかどこかで会いましょう!」 列車が通り過ぎた後、高遠は姿を消していた。 !? 金田一「・・・!!」 高遠「GoodLuck!名探偵君!!」 金田一「くっ・・・くそっ!!」 金田一が携帯を叩き付けた。 美雪「は・・・・はじめちゃん・・・」 金田一「・・・・許さねえ・・・不満や憎しみを利用して、人を人形のように操り――――自分の作った犯罪劇のシナリオを演じさせて楽しんでやがる・・・!!あいつだけは絶対許さねえ!「地獄の傀儡師」!キサマは必ずこの手で捕まえてやる!!ジッチャンの名にかけて!!」 #center(){&bold(){&big(){金田一少年の事件簿 FILEシリーズ 完 CASEシリーズに続く・・・}}}
怪人、『道化人形』として玲夏の誘拐にかこつけ、マネージャーの安岡を殺した犯人は 安岡の妻である真奈美だった。 彼女は安岡に復讐する為に今回の事件を計画したのだった。 ―――いや、本当に事件を計画した人物は他に居た。 そしてその人物は、自らの失言から金田一に犯行を暴かれた真奈美を見限り――― ?(出来の悪い人形に―――ふさわしき死を―――!!) その事を知らないでいる真奈美は、鏑木社長に最後が近いことを告げ、笑い続けていた。 #center(){|&big(){&bold(){金田一少年の事件簿 速水玲夏誘拐殺人事件⑨}}|} 金田一「・・・・・・」 鏑木「あ・・・あたしの最後が近いって・・・!?どういうこと!?真奈美!」 真奈美「3か月前、あたしと安岡はあんたの主治医にこう言われたのよ!あんたは末期ガンであと半年ももたないだろうって!!自分でも前から体調がおかしかったのは気づいていたでしょ?あんたはもうすぐ死ぬのよ!!」 鏑木「う・・・嘘よ!そんなこと・・・!!」 真奈美「嘘なもんですか!だから安岡もこの計画にホイホイ乗ってきたのよ!!あんたには歌手の頃からさんざん屈辱的な「仕事」をやらされてきたものね!いい気味だわ!!」 真奈美は砂糖つぼから砂糖を入れてから、置かれていた紅茶を飲んだが――― 真奈美「うぐっ!!」 紅茶を飲むなり、真奈美が血を吐いた。 金田一「真奈美さん!?」 剣持「しまった!毒か!!自殺を図ったんだ!」 金田一「救急車を!早く!!」 真奈美(ち・・・違うわッ・・・!あたしじゃない!!自殺なんかじゃ・・・ど・・・毒なんて・・・誰が―――!?) 「しっかりしろ!」 ?「・・・・フッ」 真奈美(!!、あ・・・あいつ・・・!?) 「あ・・・・」 金田一「!?、真奈美さん?」 真奈美の動きが止まった。 剣持「――――ダメか・・・!「道化人形」―――安岡真奈美は最後の幕を自分の手で下しちまったんだ!!」 金田一「・・・・・・」 それからしばらく経って、金田一と美雪は玲香達の出演するドラマの撮影スタジオに来ていた。 逆井「―――あれからというもの、鏑木社長はほとんど腑抜け状態よ・・・業界一のゴーツク女社長もガンには勝てなかったってワケ!」 金田一「あの人がね~~~」 美雪「なんかちょっと気の毒ね!」 逆井「最近は秘書の小渕沢さんも会社に来ないし・・・鏑木プロももうダメね!玲香ちゃんんも事務所替わんなきゃ・・・」 金田一「だろーな・・・」 AD「じゃあ本番いきます!」 「―――3、2、2、1、スタート!!」 三田村「しなた!まだそんなとこりにおったのか!早うこの屋敷から出てゆけ!!」 玲香「イ・・・イヤでございます!」 逆井「何か今日は気合い入ってるわね~~~三田村さん」 金田一「・・・・」 美雪「・・・ホント迫力~~~!」 三田村「え~~~い!強情な!!出てゆけと言っておるのじゃ!!」 三田村が腕を振り上げ、玲香が目をつむった。 玲香「・・・・?」 三田村「わかっておくれ・・・・そなたにもしものことがあったら―――・・・母は・・母は・・・・」 三田村が涙をこぼした。 侍女「大変でございます!敵の軍勢がすぐそこに・・・」 三田村「・・・もう時間がばいのじゃ!早く行け!そなただけでも生き延びておくれ・・・・」 玲香「・・・・は・・・母上・・・」 三田村が玲香を抱きしめた。 その様に、撮影スタッフは一時、静まり返った。 AD「・・・はい!オーケー!!」 三田村「・・・・」 玲香「!?、あの・・・!――――三田村さん?」 三田村「―――今日の演技はまあまあだったわ!これからもこの調子でお願いね!」 AD「いやー、三田村さんよかったスよ特にあの台本にないセリフと涙は・・・・!」 玲香「・・・・・」 三田村「ふーっ」 金田一「迫真の演技でしたね!三田村さん」 三田村「金田一君・・・!」 金田一「まるで本当の親子みたいでしたよ!」 三田村「・・・そう、ありがとう・・・・」 金田一「実は俺、三田村さんに聞きたかったことがあるんです」 三田村「―――なあに?」 金田一「三田村さんは玲香ちゃんたちの身代金―――1億なんて大金、どうして出す気になったんですか?撮影ではいつもぶつかってて、仲がいいとは思えなかったのに・・・」 三田村「―――そうね・・・鏑木社長のあまりのガメツさにムッとした・・・・かな?」 金田一「―――それに・・・あの三田村さんが作ってくれたおにぎりの差し入れ。俺・・・スゲー違和感あったんですよ!大女優の三田村さんがわざわざ山梨の病院まで来て、よりによって手作りのおにぎりを俺たちになんて・・・そこらで買った果物とかならともかくね。 ―――でも・・・それもこう考えれば納得がいくんです・・」 「あの手作りのおにぎり―――本当は自分の娘のために作ってきたんじゃないですか?誘拐され、ボロボロになって病室で寝ていた「娘」のために、本当の母であるあなたが!」 三田村「・・・・」 金田一「安岡とあなたが密かに会っていたのも、このことに気づいた安岡があなたをユスろうとして―――」 三田村「アハハハハ」 金田一「!!、へっ?」 三田村「オモシロイこと言うわね、名探偵君!でもザンネンながら今の推理は大はずれよ!」 金田一「三田村さ・・・」 三田村「金田一君!あたしは女優と言う仕事が好き・・・!女優であるために今までいろんなものを犠牲にしてきたわ・・・―――だから後悔なんてしてない、いくら後悔しても過去には戻れないんだもの―――これがあたしの選んだ道だもの・・・」 「このことであなたがどう考えようと自由よ。―――でもそんな話、マスコミがかぎつけたら、アイドルとして売ってるあの子にはつらいことになるわ・―――わかってくれるわね?金田一君・・・―――じゃあね」 三田村が去った所に、玲香が来た。 玲香「あ!いたいた!金田一く~~~ん」 金田一「!!、玲香ちゃん」 玲香「三田村さんと何話してたの?」 金田一「いや・・!さっきの三田村さんの演技、凄かったからさ!」 玲香「―――そうね!やっぱり大女優は格が違うわ!あたしもつい引き込まれちゃって、本当のお母さんかと思っちゃた!」 金田一「・・・・・玲香ちゃんは目にお母さんってどんなカンジかって俺に聞いたよね?」 玲香「え?ええ・・・」 金田一「例かちゃんはお母さんってどんな人だと思う?想像でいいからさ!」 玲香「そうね~~~~優しい方がいいけどあんまりベッタリされるのはイヤかな?叱る時はちゃんと叱ってくれて、それでいてあたしのこといつも大切に見も待ってくれる人―――――――なーんて!ちょっと都合良すぎね!」 金田一「いや・・・俺も思うよ・・・そういうのが‘母親‘なんだろうって・・・」 金田一と美雪は駅にいた。 美雪「―――よかったわね!玲香ちゃんも元気になって!」 金田一「ああ・・・」 美雪「でも真奈美さんもなんだかかわいそうだわ・・・何も自殺なんてすることなかったのに・・・」 金田一「美雪・・・!実はそのことなんだが・・・どうも引っかかるんだ!!」 美雪「え!?引っかかるって?」 金田一「真奈美さんは毒入り紅茶を飲む前に砂糖を入れてたりろ?だが警察の調べでは砂糖つぼから毒は検出されなかった・・・つまり毒は最初から紅茶の中に入ってたんだ―――妙だと思わないか?これから死のうって人間が紅茶の味を調えるため砂糖を入れるなんて・・・ひょっとして真奈美さんは自殺じゃなく―――」 ここで、電話が鳴り出した。 金田一「!?、な・・・何だ?」 美雪「!!、はじめちゃん!あれ――――!」 電話の音は、ベンチに置かれていた小包から聞こえていた。 金田一「・・・お・・・俺宛!?こ・・・これは!!ピエロのマリオネット!?」 小包の中には、『道化人形』のマリオネットと携帯電話が入っていた。 金田一「・・・・―――もしもし?」 ?「―――やあ金田一君!私のプレゼントは気に入ってもらえたかな?」 金田一「―――あんたいったい誰だよ!?」 ?「鏑木プロの小渕沢ですよ!―――そして、もうひつの名は・・・・・」 「「地獄の傀儡師」―――と言いましてね!」 道化人形(お前は目印としてバラの花束を持ってくるんダ!―――ソウ!『血ノヨウニ紅い薔薇』を――――) 美雪「はじめちゃん!どうしたの?」 金田一「・・・そうか!だから俺に身代金を・・・―――あんたが真奈美さんをそそのかした張本人だったのか!彼女の紅茶に毒を入れたのみ――――!!」 ?「―――いやあ、「道化人形」はまったく出来の悪いマリオネットでした―――だがカン違いしないでくださいよ!」 金田一「?」 ?「トリックを見破ったからといって、君が勝ったわけじゃない―――私の作った犯罪計画はあくまで完璧だった。不出来なマリオネットのヘマに助けられなければ君は―――」 金田一「ふざけんな!!勝ち負けなんて関係あるか!どこに隠れてやがる!」 ?「隠れる?いったい誰が隠れてるっていうんです?」 金田一(え!?) アナウンス「まもなく急行が通過――――」 金田一「・・・・」 金田一が顔を上げると、線路を挟んだ向こう側に1人の男が立っていた。 彼こそは、かって金田一が遭遇した「魔術列車殺人事件」の真犯人で、 金田一に犯行を暴かれ逮捕されるも、脱獄し行方を眩ませていた―――― 金田一(「地獄の傀儡師」――――!!高遠遙一、―――――!!!) 「・・・・・」 高遠(―――僕は人を欺くことに‘快感‘を覚え・・・君はそれを見抜くことに‘使命感‘を感じている――――・・・) 高遠「――――またいつかどこかで会いましょう!」 列車が通り過ぎた後、高遠は姿を消していた。 !? 金田一「・・・!!」 高遠「GoodLuck!名探偵君!!」 金田一「くっ・・・くそっ!!」 金田一が携帯を叩き付けた。 美雪「は・・・・はじめちゃん・・・」 金田一「・・・・許さねえ・・・不満や憎しみを利用して、人を人形のように操り――――自分の作った犯罪劇のシナリオを演じさせて楽しんでやがる・・・!!あいつだけは絶対許さねえ!「地獄の傀儡師」!キサマは必ずこの手で捕まえてやる!!ジッチャンの名にかけて!!」 #center(){&bold(){&big(){金田一少年の事件簿 FILEシリーズ 完 CASEシリーズに続く・・・}}}

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