CANAAN(漫画版)の第1話

「CANAAN(漫画版)の第1話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

CANAAN(漫画版)の第1話 - (2018/10/30 (火) 08:09:39) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

飛行機の中。駆け出しカメラマンの大沢マリアが、窓から見える地上の景色に目を見張る。 マリア「あ! 見えた! わぁっ!」 #center(){|BGCOLOR(red):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){&big(){CANAAN}&br()第一話&br()カナン}}}&br()&br()|} 舞台は上海の街。 フリーライターの&ruby(みのりかわ){御法川} &ruby(みのる){実}は、雑誌の取材でここを訪れていた。 御法川「くだらん…… くだらん! くだらん カラオケバーの美女 中国四千年の秘技でニィハオ極楽浄土! 怪奇! 村人が一夜にして消えた村!? くだらん! 見事に下らん!! しかも 同行カメラマンが&ruby(おまえ){マリア}なんて……」 御法川が頭を抱えるそばで、マリアは笑顔でカメラを構えている。 マリア「&bold(){はい!} 素敵な旅になりそうですね!」 お祭りが開催されており、様々な出し物がパレードしてゆく。 マリア「わぁ 見てください &ruby(みの){御法川}さん! すッごーい! スゴ…… &bold(){わ}」 マリアが次々に、人に押される。 マリア「&bold(){わ わ !}」 様々な仮装の人たちが、楽しくパレードしている。マリアは夢中でシャッターを切る。 マリア「すごい すごい! …… みのさん?」 いつの間にか、御法川の姿がない。 この世界には── 誰も見てないものがいっぱいある 見ようと思えばホントは 見えないものなんてないのに わざと目を閉ざしてる この目でそれを見てしまうのは ──…痛すぎるし 辛すぎるから だから閉ざしてる 私は── 見たい 目を閉ざさずに知らない世界を 怖いけど… でも あの子はずっと 見つめ続けているんだから 巨大な龍の出し物が登場し、観衆が大きな歓声を上げる。 マリア「──すごい! すごい!」 龍が口から火を吐くかの如く、赤い水を吹き出し、マリアが頭から水をかぶる。 マリア「きゃあっ すごい! &bold(){すごーい!}」 声「&bold(){スーゴーイ!}」 そばで現地の子供たちが、マリアの口癖を真似ている。 子供たち「&bold(){スーゴーイ}」 マリア「&bold(){すごーい!}」 子供たち「&bold(){スーゴーイ!!}」「&bold(){スーゴーイ!}」「&bold(){あははははは}」 マリア「あはっ」 マリアと子供たちが笑い合う。誰かがマリアにぶつかる。 マリア「あ すみませ…」 仮装行列の一員なのか、頭に被り物を被った2人が走り去っていく。 マリア「……?」 2人「はぁ はぁ はぁ」 龍が口から水を吹き出し、その2人に水が浴びせられる。 勢いで1人の男の被り物が外れ、途端に男が苦しみだす。 男「ぐ あ がぁ &bold(){あ あ あ がぁ あ お あ}」 観衆「ハハハハハ」「あはは」 マリア「?」 観衆は祭りの余興の一つとても思っているのか、その苦しむ男を見ても笑うだけ。 マリアも撮影を再開する。 祭りの風景…… 様々な出し物…… 楽しむ人々…… 痣の浮かんだ腕…… マリア「&bold(){!}」 先ほど苦しんだ男が倒れて動かなくなっている。 腕に、奇妙な痣が浮かび上がっている。目が血走っており、尋常な状態ではない。 マリア「あの…?」 背後にそっと、仮面で顔をかくした2人組が近づく。 次の瞬間、誰かがマリアの腕をつかみ、駆け出す。 声「&bold(){走って!}」 2人組が銃を放つ。 マリア「え…… &bold(){カ カナン!?}」 マリアを連れて駆け去ったのは、マリアの旧友で中東の工作員の少女、物語の主人公・カナン。 走る2人を、銃撃が襲う。 マリア「きゃ わっ」 カナン「なんで&ruby(ここ){上海}にいるの!?」 マリア「こっちのセリフだよ ずっと会いたかったのにっ 連絡くれなくてっ ──また 悪い人と戦ってるの?」 カナン「愚かな人、かな」 マリア「&bold(){わかんないよッ}」 ふと、カナンが足を止める。路上で1人の少女が射的の屋台を営んでいる。 少女「はーい いらっしゃーい 楽しい射的よー やってく?」 カナン「──コレ 私が取った」 射的の的の一つのぬいぐるみに、銃撃の穴があいている。 少女「お客さーん 営業妨害なら…」 カナンが鞄を開いて見せる。中に拳銃があるのを見て、少女の顔色が変わる。 少女「お… &bold(){おーあたりー!!}」 少女が銅鑼を鳴らすと、カナンがぬいぐるみを取って駆け出す。 次の瞬間、無数の銃撃が炸裂して、的が次々に撃ちぬかれる。泣きながら銅鑼を鳴らす少女。 少女「お おーあたり~ おーあたり~」 カナンたちは銃撃から逃れ、路地裏に身をひそめる。 マリア「カナン…」 カナン「シッ」 銃撃戦の最中というのに、カナンの手にはしっかりと、ぬいぐるみが抱かれている。 マリア「ぬいぐるみ… 好きなんだ?」 カナン「…なんとなく 何の色もしないから ここから動かないで」 マリア「いや いやだよ 動きたいよ だって お祭だよ…?」 カナン「…あれ 持ってきてる?」 マリア「あれ? …… あ」 マリアが鞄から、あやとりの糸を出す。かつてカナンと知り合ったときに遊んだものである。 マリア「これのこと?」 カナン「持ってきてたんだ」 マリア「もちろん これがあったからカナンと友達になれたんだもん」 カナン「手 後ろにして」 マリア「え うん?」 カナンはその糸を使い、マリアの手を、後ろ手に縛る。 カナン「よし」 マリア「?」 カナン「これで動けないよね」 マリア「&bold(){え゛} ただの毛糸だもん… ひっぱれば簡単に切れ…」 カナン「切っちゃうんだ」 マリア「え?」 カナン「これがあったから 友達になれたのに」 マリア「あ…」 カナンが笑い、マリアを置いて走り出す。 マリア「&bold(){い いじわる カナン──!}」 一方、マリアとはぐれた御法川。 御法川「大沢はどーこ行きやがったんだ? まったく…」 観衆がざわめく。建物の屋根の上をカナンが走り、彼女目がけて銃撃の雨が降り注いでいる。 御法川「派手なパフォーマンスだなぁ…」 銃撃が屋根を砕き、飛び散った破片の一つが御法川の額をかすめる。 御法川「ッ 痛ッ」 額を拭うと、血が滲んでいる。 御法川「! お おい こりゃ遊びなんかじゃ…」 周囲の群集はカナンを見て、盛んに歓声を送っている。 御法川「…… こいつら… 祭りの余興だと思って…?」 御法川がカメラを構える。そこへマリアが、後ろ手を縛られたまま駆けて来る。 マリア「カナーン! あ みのさん! これほどいてください!」 御法川「&bold(){何やってんだ お前は!?}」 カナンと追っ手たちとの銃撃戦が続く。 屋根の陰に身をひそめて一息ついたカナンが、狙いを定めて一気に飛び出し、銃撃。 一瞬にして追っ手たち数人が一掃される。 カナンが屋根の上を駆け去る。 マリア「!」 御法川「おい 行っちまうぞ 早くおいかけ…」 カナンは… 生きてる その命は 激しく輝いて 目で直接見つめるには 眩しすぎて 少し怖いけど… 触れてみたい その輝きに──… どこかの街角で、カナンが携帯電話をかけている。 カナン「『アンブルーム』に生存者はいなかったよ とりあえず『蛇』の追っ手は片付けておいた」 通話相手『ええ すでに処理に向かわせています』 カナン「早いね」 通話相手『あれだけ派手にやればどこにいても情報は入ってきます』 カナン「…じゃあ これは知ってる? 私が ──宝物をみつけたこと」 #center(){&big(){(続く)}}
飛行機の中。駆け出しカメラマンの大沢マリアが、窓から見える地上の景色に目を見張る。 マリア「あ! 見えた! わぁっ!」 #center(){|BGCOLOR(red):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){&big(){CANAAN}&br()第一話&br()カナン}}}&br()&br()|} 舞台は上海の街。 フリーライターの&ruby(みのりかわ){御法川} &ruby(みのる){実}は、雑誌の取材でここを訪れていた。 御法川「くだらん…… くだらん! くだらん カラオケバーの美女 中国四千年の秘技でニィハオ極楽浄土! 怪奇! 村人が一夜にして消えた村!? くだらん! 見事に下らん!! しかも 同行カメラマンが&ruby(おまえ){マリア}なんて……」 御法川が頭を抱えるそばで、マリアは笑顔でカメラを構えている。 マリア「&bold(){はい!} 素敵な旅になりそうですね!」 お祭りが開催されており、様々な出し物がパレードしてゆく。 マリア「わぁ 見てください &ruby(みの){御法川}さん! すッごーい! スゴ…… &bold(){わ}」 マリアが次々に、人に押される。 マリア「&bold(){わ わ !}」 様々な仮装の人たちが、楽しくパレードしている。 マリアは夢中で、シャッターを切る。 マリア「すごい すごい! …… みのさん?」 いつの間にか、御法川の姿がない。 この世界には── 誰も見てないものがいっぱいある 見ようと思えばホントは 見えないものなんてないのに わざと目を閉ざしてる この目でそれを見てしまうのは ──…痛すぎるし 辛すぎるから だから閉ざしてる 私は── 見たい 目を閉ざさずに知らない世界を 怖いけど… でも あの子はずっと 見つめ続けているんだから 巨大な龍の出し物が登場し、観衆が大きな歓声を上げる。 マリア「──すごい! すごい!」 龍が口から火を吐くかの如く、赤い水を吹き出し、マリアが頭から水をかぶる。 マリア「きゃあっ すごい! &bold(){すごーい!}」 声「&bold(){スーゴーイ!}」 そばで現地の子供たちが、マリアの口癖を真似ている。 子供たち「&bold(){スーゴーイ}」 マリア「&bold(){すごーい!}」 子供たち「&bold(){スーゴーイ!!}」「&bold(){スーゴーイ!}」「&bold(){あははははは}」 マリア「あはっ」 マリアと子供たちが笑い合う。 誰かが、マリアにぶつかる。 マリア「あ すみませ…」 仮装行列の一員なのか、頭に被り物を被った2人が走り去っていく。 マリア「……?」 2人「はぁ はぁ はぁ」 龍が口から水を吹き出し、その2人に水が浴びせられる。 勢いで1人の男の被り物が外れ、途端に男が苦しみだす。 男「ぐ あ がぁ &bold(){あ あ あ がぁ あ お あ}」 観衆「ハハハハハ」「あはは」 マリア「?」 観衆は祭りの余興の一つとても思っているのか、その苦しむ男を見ても笑うだけ。 マリアも撮影を再開する。 祭りの風景…… 様々な出し物…… 楽しむ人々…… 痣の浮かんだ腕…… マリア「&bold(){!}」 先ほど苦しんだ男が倒れて動かなくなっている。 腕に、奇妙な痣が浮かび上がっている。 目が血走っており、尋常な状態ではない。 マリア「あの…?」 背後にそっと、仮面で顔をかくした2人組が近づく。 次の瞬間、誰かがマリアの腕をつかみ、駆け出す。 声「&bold(){走って!}」 2人組が銃を放つ。 マリア「え…… &bold(){カ カナン!?}」 マリアを連れて駆け去ったのは、マリアの旧友で中東の工作員の少女、物語の主人公・カナン。 走る2人を、銃撃が襲う。 マリア「きゃ わっ」 カナン「なんで&ruby(ここ){上海}にいるの!?」 マリア「こっちのセリフだよ ずっと会いたかったのにっ 連絡くれなくてっ ──また 悪い人と戦ってるの?」 カナン「愚かな人、かな」 マリア「&bold(){わかんないよッ}」 ふと、カナンが足を止める。 路上で1人の少女が射的の屋台を営んでいる。 少女「はーい いらっしゃーい 楽しい射的よー やってく?」 カナン「──コレ 私が取った」 射的の的の一つのぬいぐるみに、銃撃の穴があいている。 少女「お客さーん 営業妨害なら…」 カナンが鞄を開いて見せる。 中に拳銃があるのを見て、少女の顔色が変わる。 少女「お… &bold(){おーあたりー!!}」 少女が銅鑼を鳴らすと、カナンがぬいぐるみを取って駆け出す。 次の瞬間、無数の銃撃が炸裂して、的が次々に撃ちぬかれる。 少女が泣きながら、銅鑼を鳴らす。 少女「お おーあたり~ おーあたり~」 カナンたちは銃撃から逃れ、路地裏に身をひそめる。 マリア「カナン…」 カナン「シッ」 銃撃戦の最中というのに、カナンの手にはしっかりと、ぬいぐるみが抱かれている。 マリア「ぬいぐるみ… 好きなんだ?」 カナン「…なんとなく 何の色もしないから ここから動かないで」 マリア「いや いやだよ 動きたいよ だって お祭だよ…?」 カナン「…あれ 持ってきてる?」 マリア「あれ? …… あ」 マリアが鞄から、あやとりの糸を出す。 かつて、カナンと知り合ったときに遊んだものである。 マリア「これのこと?」 カナン「持ってきてたんだ」 マリア「もちろん これがあったからカナンと友達になれたんだもん」 カナン「手 後ろにして」 マリア「え うん?」 カナンはその糸を使い、マリアの手を、後ろ手に縛る。 カナン「よし」 マリア「?」 カナン「これで動けないよね」 マリア「&bold(){え゛} ただの毛糸だもん… ひっぱれば簡単に切れ…」 カナン「切っちゃうんだ」 マリア「え?」 カナン「これがあったから 友達になれたのに」 マリア「あ…」 カナンが笑い、マリアを置いて走り出す。 マリア「&bold(){い いじわる カナン──!}」 一方、マリアとはぐれた御法川。 御法川「大沢はどーこ行きやがったんだ? まったく…」 観衆がざわめく。 建物の屋根の上をカナンが走り、彼女目がけて銃撃の雨が降り注いでいる。 御法川「派手なパフォーマンスだなぁ…」 銃撃が屋根を砕き、飛び散った破片の一つが御法川の額をかすめる。 御法川「ッ 痛ッ」 額を拭うと、血が滲んでいる。 御法川「! お おい こりゃ遊びなんかじゃ…」 周囲の群集はカナンを見て、盛んに歓声を送っている。 御法川「…… こいつら… 祭りの余興だと思って…?」 御法川がカメラを構える。 そこへマリアが、後ろ手を縛られたまま駆けて来る。 マリア「カナーン! あ みのさん! これほどいてください!」 御法川「&bold(){何やってんだ お前は!?}」 カナンと追っ手たちとの銃撃戦が続く。 屋根の陰に身をひそめて一息ついたカナンが、狙いを定めて一気に飛び出し、銃撃。 一瞬にして追っ手たち数人が一掃される。 カナンが屋根の上を駆け去る。 マリア「!」 御法川「おい 行っちまうぞ 早くおいかけ…」 カナンは… 生きてる その命は 激しく輝いて 目で直接見つめるには 眩しすぎて 少し怖いけど… 触れてみたい その輝きに──… どこかの街角で、カナンが携帯電話をかけている。 カナン「『アンブルーム』に生存者はいなかったよ とりあえず『蛇』の追っ手は片付けておいた」 通話相手『ええ すでに処理に向かわせています』 カナン「早いね」 通話相手『あれだけ派手にやればどこにいても情報は入ってきます』 カナン「…じゃあ これは知ってる? 私が ──宝物をみつけたこと」 #center(){&big(){(続く)}}

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: