#center(){|CENTER:&br()マスクマンは、バラバからの挑戦を受け、&br()対決に向かった。&br()&br()|} 荒野にマスクマン5人が駆けつける。 地底帝国チューブの地帝司令バラバ、雑兵のアングラー兵たち、そして地帝獣マグマドグラーが待ち受ける。 レッド「バラバ!」 バラバ「やれ、マグマドクラー! マスクマンを倒せ!」 戦いが始まる。 マグマドグラーの強烈な攻撃が炸裂し、レッドが吹っ飛ばされる。 レッド「うわぁぁ!」 一同「レッドマスク!」「しっかりしろ!」 さらにマグマドグラーが大岩を投げつける。 そばをバイクで走っていた青年の頭上を、落石が襲う。 バラバ「今だ! マグマドクラー、ヘルバースト!」 一同「うわああぁぁ──っ!」 マグマドクラーの放った強力な火炎弾を受け、マスクマンたちは変身が解除されてしまう。 バラバ「とどめだ、マグマドグラー!」 あわやと思われたとき、突如どこからか投げナイフが飛来し、マグマドグラーに炸裂。 バラバ「むっ、誰だ!?」 バイクで通りかかった先の青年が現れる。 バラバ「構わん、マスクマン諸共、片付けろぉ!」 青年「チェンジパワ──!」 青年の姿がマスクマンに似た緑色のスーツへと包まれる。 「&ruby(エックスワン){X1}マスク!!」 #center(){|BGCOLOR(darkgreen):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){復活&i(){!}&br()謎のX1マスク}}}&br()&br()|} タケル「X1マスク……!?」 X1「行くぞぉ!」 X1マスクを名乗る謎の戦士が、アングラー兵たちの大群を次々に蹴散らす。 さらに煙幕を放ち、バラバたちの視界を塞ぐ。 X1「さぁ、今のうちに行け!」 タケルたちが、本部の姿長官のもとへ帰還する。 姿「何、X1マスク!?」 タケル「はい、確かにそう名乗りました」 モモコ「私たちの他に、マスクマンがいたんです」 ハルカ「それにしても、何者かしら? いったい」 ケンタ「少なくとも、敵じゃないことは確かだ。彼がいなかったら、俺たちは間違いなくやられていた」 姿「リョオ…… X1マスクの正体は、飛鳥リョオ」 タケル「知ってるんですか、彼のことを!?」 姿「X1マスクは、マスクマンの第1号── 君たちの先輩だ!」 一同「……!?」 姿「君たちをスカウトする前に、私はリョオに出会った。飛鳥リョオは正義感に溢れ、優れた素質を持つ若者だった。リョオは毎日のように、私のもとで厳しい訓練を重ねていた」 かつての訓練を想う姿長官。 姿とリョォが組み手をし、リョォは何度倒されても姿に挑み続ける。 (姿『よし、今日はここまで』) 姿が倒れたリョォに背を向けるも、リョォは倒れたまま姿の足にしがみ付く。 (リョオ『くッ…… まだまだぁ!』) 姿「だがリョオは突然、私の前から姿を消した」 ケンタ「いったい、なぜ?」 姿「わからん」 タケル「飛鳥リョオ……」 地底帝国チューブでも、X1マスクの登場に戦慄が走っている。 ゼーバ「何、6人目のマスクマンだと!?」 バラバ「はっ……」 イガム「バカな、信じられん!」 夜のバー。 客たちが酒や談笑を楽しむ中、リョオは1人で酒を煽っている。 ピアノの音色が流れる。 リョオの視界の中、演奏中のピアニストの姿に、次第に別の女性の姿がだぶる。 リョオ「ユウコ…… やめろぉ!」 リョォがグラスを床に叩きつける。 驚いたピアニストが演奏を止め、客たちの視線が集中し、リョオは我に返る。 リョオ「すまない…… 聞きたくないんだ、その曲は」 バーを出たリョオ。 突然、タケルが挑みかかり。拳と蹴りのぶつかり合いとなる。 タケル「さすがだな。すごい身のこなしだ」 リョオ「貴様……!?」 タケル「タケル。レッドマスクのタケル。昨日の礼が言いたくてね。あんたのおかげで助かった」 リョオ「知らんな……」 タケル「えっ?」 リョオ「何を言ってるのか、さっぱりわからん。人違いだ」 タケル「リョオ?」 ビリヤード場。 リョオはキューを手にして、狙いを定める。 タケルが割り込み、球を見事にポケットに入れてみせる。 タケル「どうしても知りたいんだ。なぜあんたが、長官の前から姿を消したのか。一体、何があったのか」 リョオ「これ以上、俺に付きまとうな! ケガをしたくなかったらな」 スロット場。 リョオの目の前のスロットを、割り込んだタケルが操作。 数字が並び、コインがあふれ出す。 リョオ「しつこいヤツだな!」 リョオのバイクが、海岸の道路を走る。 タケルのバイクが、隣に並ぶ。 リョオ「クラッシュゲームというのを知ってるか!?」 タケル「えっ?」 リョオ「お互い、真正面からバイクを走らせ、先にブレーキをかけたり避けたりしたほうが負けだ」 タケル「面白そうだな!」 リョオ「約束しろ。俺が勝ったら、二度と俺には付きまとうな!」 タケル「俺が勝ったら?」 リョオ「安心しろ。俺は負けんさ!」 地底帝国チューブでは、博識の地奇地奇獣アナグマスにより、マグマドグラーの強化が行なわれている。 バラバ「できたぞ……」 アナグマス「うむ。これでマグマドグラーは、より強力なヘルバーストを放つことができる」 タケルとリョオのバイクが、海岸の道路で対峙する。 リョオ「行くぞぉ! ゴー!」 2台が同時に発車し、距離がどんどん狭まる。 タケルはリョオに衝突するかのように、まったく動じない。 リョオ「こいつ…… 死ぬ気か!?」 衝突寸前、リョオのバイクが避ける。 タケルがバイクを停めて振り向くと、無人のバイクが倒れている。 眼下の海から、びしょ濡れのリョオが這い上がってくる。 リョオ「クラッシュゲームで、俺が負けたのは初めてだ。ムチャなヤツだな」 タケル「あんただって、相当なもんだよ」 リョオが胸のペンダントを開く。中には女性の写真。 タケル「きれいな人だな。恋人かい?」 リョオ「ピアノのうまい子だった…… 将来はピアニストになるんだと、俺たちは幸せだった。あの日までは……」 かつての回想。 リョオが恋人ユウコと、夜の街を行く。 突如、アングラー兵たちが、2人を取り囲む。 (姿長官のMプロジェクトを知ったチューブは、 俺を襲った) ユウコ「いやぁ!」 リョオがアングラー兵を次々に蹴散らしてゆく。 ユウコ「助けて、リョオ! いやあっ!」 兵たちが一掃される。 しかし、ユウコは地中へと飲み込まれてゆく。 ユウコ「助けてぇぇ──っ!」 リョオ「ユウコ!?」 ユウコ「リョオ! リョオ──っ!」 リョオ「ユウコぉぉ──っ!」| タケル (同じだ…… 俺と) タケルの脳裏に、恋人・美緒を失ったときの光景が甦る。 リョオ「ユウコは、俺のせいで死んだ。俺がマスクマンであったために…… そして、俺はマスクマンを捨てた。1人の女を守れなかった俺が、地球の平和を守れるはずがない! 話はそれだけだ」 タケル「……違う」 リョオ「何?」 タケル「じゃあ、なぜあのとき、俺たちを助けたんだ?」 リョオ「降りかかる火の粉を払っただけさ」 タケル「ウソだ! 俺にはわかる。姿長官との誓い、正義の誓いを、あんたみたいな人が忘れるはずがない」 リョオの心中をよぎる、かつての特訓の日々── (姿『立て、リョオ! 地球の平和は、地球の未来はお前の手にかかっている!』) タケル「いつまで過去に縛られているんだ? リョオ。どうして現在を、未来を見ようとしないんだ!?」 そこへ、バラバと地底忍オヨブーとマグマドグラー、アングラー兵たちが現れる。 バラバ「今日こそ逃さんぞ! マグマドグラーの餌食となれ!」 タケルが、アングラー兵たちに立ち向かう。 だがリョオは兵たちを数人蹴散らしただけで、バイクにまたがる。 タケル「リョオ!?」 リョオ「言ったはずだ! 俺にはかかわりのないことだ!」 タケル「リョオ!」 リョオがタケルを置いて走り去る。 バラバ「フン! いい仲間を持ったな、レッドマスク!」 リョオの脳裏に響く、タケルの言葉。 (タケル『あんたは今でもマスクマンだ…… なぜ、未来を見ようとしないんだ』) 孤軍奮闘で苦戦するタケルに、マグマドグラーの攻撃が迫る。 そこへリョオがバイクで駆けつけ、体当たりを見舞う。 タケル「リョオ!」 リョオ「タケル、大丈夫か!?」 タケル「きっと帰って来ると思ったぜ、リョオ!」 リョオ「タケル、お前はマスクマンのリーダーにふさわしい男だ。死んではならん男だ!」 他のマスクマン4人も駆けつける。 バラバ「X1マスク!?」 タケル「そうだ! 俺たちの仲間だ! オーラマスク!」 リョオ「チェンジパワー!」 タケルがレッドマスクに、リョオがX1マスクに変身する。 レッド「レッドマスク!」 X1「X1マスク!」 一同「光戦隊マスクマン!!」 バラバ「おのれぇ、やれぇ!」 アングラー兵たちが襲い来る。 X1マスクも含め、6人のマスクマンが次々に兵を叩きのめす。 バラバ「そこまでだ、マスクマン! 忘れたか、ヘルバーストの力を! やれ、マグマドグラー!」 ブルー「やられる、このままでは!」 マグマドグラーが火球を撃ち出す。 とっさにX1マスクが、空中の火球目がけて大ジャンプ。 レッド「リョオ!?」 X1マスクが火球を捕え、そのままマグマドグラー目がけて突撃する。 バラバとオヨブーは逃げ、火球がマグマドグラーもろとも大爆発する。 X1「うわああぁぁ──っ!」 X1マスクもまた変身が解け、頭から血を吹いたリョオが地面に叩きつけられる。 レッド「リョオ!? ジェットカノン!」「クロスターゲット! メディテーション! ──発射ぁ!!」 必殺武器のジェットカノンの一撃が決まり、マグマドグラーが大爆発。 バラバ「オケランパー!」 オケランパー「ケラケラケラ! オケランパー!」 エネルギー獣オケランパーが登場、マグマドグラーを蘇生させ、巨大化させる。 オケランパー「ふぅ、やれやれ……」 レッド「ターボランジャー、発進!」 巨大母艦ターボランジャーが発進。 レッド「ランドギャラクシー発進!」「ギャラクシーチェンジ!」 巨大トレーラー・ランドギャラクシーが発進、ギャラクシーロボに変形し、巨大マグマドグラーに立ち向かう。 レッド「ダブルバルカン!」 ギャラクシーロボの砲撃が、マグマドグラーに決まる。 レッド「ギャラクシーチェンジ!」「オーラロードスパート!」「鉄拳オーラギャラクシー!!」 ギャラクシーロボの必殺拳でマグマドグラーが真っ二つになり、大爆発──。 リョオとタケルたちの、別れのときがやって来た。 リョオは頭に、痛々しく包帯を巻いている。 アキラ「本当に行っちゃうんですか?」 リョオ「あぁ。爆発のショックで、俺は変身能力を失った。でも、これで良かったんだ」 タケル「リョオ……」 リョオ「だが、俺は戦士だ。これからは、子供たちに拳法と正義を教えていく。それが俺の戦いさ」 タケル「忘れないぜ、俺たち…… あんたの気持ちを!」 タケルの差し出した手を、リョオは力強く握り返す。 リョオは一同の笑顔に見送られつつ、バイクで走り去る。 #center(){|CENTER:&br()X1マスクはもういない。&br()だが、リョオとタケルたちの心は、&br()正義の糸で繋がっている。&br()そして、それは決して消えることのない絆なのだ!&br()&br()|} #center(){&big(){&bold(){つづく}}}