光戦隊マスクマンの第39話

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光戦隊マスクマンの第39話 - (2020/03/25 (水) 19:12:05) のソース

#center(){|CENTER:&br()マスクマンは、バラバからの挑戦を受け、&br()対決に向かった。&br()&br()|}


荒野にマスクマン5人が駆けつける。
地底帝国チューブの地帝司令バラバ、雑兵のアングラー兵たち、そして地帝獣マグマドグラーが待ち受ける。

レッド「バラバ!」
バラバ「やれ、マグマドクラー! マスクマンを倒せ!」

戦いが始まる。
マグマドグラーの強烈な攻撃が炸裂し、レッドが吹っ飛ばされる。

レッド「うわぁぁ!」
一同「レッドマスク!」「しっかりしろ!」

さらにマグマドグラーが大岩を投げつける。
そばをバイクで走っていた青年の頭上を、落石が襲う。

バラバ「今だ! マグマドクラー、ヘルバースト!」
一同「うわああぁぁ──っ!」

マグマドクラーの放った強力な火炎弾を受け、マスクマンたちは変身が解除されてしまう。

バラバ「とどめだ、マグマドグラー!」

あわやと思われたとき、突如どこからか投げナイフが飛来し、マグマドグラーに炸裂。

バラバ「むっ、誰だ!?」

バイクで通りかかった先の青年が現れる。

バラバ「構わん、マスクマン諸共、片付けろぉ!」
青年「チェンジパワ──!」

青年の姿がマスクマンに似た緑色のスーツへと包まれる。

「&ruby(エックスワン){X1}マスク!!」


#center(){|BGCOLOR(darkgreen):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){復活&i(){!}&br()謎のX1マスク}}}&br()&br()|}


タケル「X1マスク……!?」
X1「行くぞぉ!」

X1マスクを名乗る謎の戦士が、アングラー兵たちの大群を次々に蹴散らす。
さらに煙幕を放ち、バラバたちの視界を塞ぐ。

X1「さぁ、今のうちに行け!」


タケルたちが、本部の姿長官のもとへ帰還する。

姿「何、X1マスク!?」
タケル「はい、確かにそう名乗りました」
モモコ「私たちの他に、マスクマンがいたんです」
ハルカ「それにしても、何者かしら? いったい」
ケンタ「少なくとも、敵じゃないことは確かだ。彼がいなかったら、俺たちは間違いなくやられていた」
姿「リョオ…… X1マスクの正体は、飛鳥リョオ」
タケル「知ってるんですか、彼のことを!?」
姿「X1マスクは、マスクマンの第1号── 君たちの先輩だ!」
一同「……!?」
姿「君たちをスカウトする前に、私はリョオに出会った。飛鳥リョオは正義感に溢れ、優れた素質を持つ若者だった。リョオは毎日のように、私のもとで厳しい訓練を重ねていた」

かつての訓練を想う姿長官。


姿とリョォが組み手をし、リョォは何度倒されても姿に挑み続ける。

(姿『よし、今日はここまで』)
姿が倒れたリョォに背を向けるも、リョォは倒れたまま姿の足にしがみ付く。
(リョオ『くッ…… まだまだぁ!』)

姿「だがリョオは突然、私の前から姿を消した」
ケンタ「いったい、なぜ?」
姿「わからん」
タケル「飛鳥リョオ……」


地底帝国チューブでも、X1マスクの登場に戦慄が走っている。

ゼーバ「何、6人目のマスクマンだと!?」
バラバ「はっ……」
イガム「バカな、信じられん!」


夜のバー。
客たちが酒や談笑を楽しむ中、リョオは1人で酒を煽っている。
ピアノの音色が流れる。
リョオの視界の中、演奏中のピアニストの姿に、次第に別の女性の姿がだぶる。

リョオ「ユウコ…… やめろぉ!」

リョォがグラスを床に叩きつける。
驚いたピアニストが演奏を止め、客たちの視線が集中し、リョオは我に返る。

リョオ「すまない…… 聞きたくないんだ、その曲は」


バーを出たリョオ。
突然、タケルが挑みかかり。拳と蹴りのぶつかり合いとなる。

タケル「さすがだな。すごい身のこなしだ」
リョオ「貴様……!?」
タケル「タケル。レッドマスクのタケル。昨日の礼が言いたくてね。あんたのおかげで助かった」
リョオ「知らんな……」
タケル「えっ?」
リョオ「何を言ってるのか、さっぱりわからん。人違いだ」
タケル「リョオ?」


ビリヤード場。
リョオはキューを手にして、狙いを定める。
タケルが割り込み、球を見事にポケットに入れてみせる。

タケル「どうしても知りたいんだ。なぜあんたが、長官の前から姿を消したのか。一体、何があったのか」
リョオ「これ以上、俺に付きまとうな! ケガをしたくなかったらな」


スロット場。
リョオの目の前のスロットを、割り込んだタケルが操作。
数字が並び、コインがあふれ出す。

リョオ「しつこいヤツだな!」


リョオのバイクが、海岸の道路を走る。
タケルのバイクが、隣に並ぶ。

リョオ「クラッシュゲームというのを知ってるか!?」
タケル「えっ?」
リョオ「お互い、真正面からバイクを走らせ、先にブレーキをかけたり避けたりしたほうが負けだ」
タケル「面白そうだな!」
リョオ「約束しろ。俺が勝ったら、二度と俺には付きまとうな!」
タケル「俺が勝ったら?」
リョオ「安心しろ。俺は負けんさ!」


地底帝国チューブでは、博識の地奇地奇獣アナグマスにより、マグマドグラーの強化が行なわれている。

バラバ「できたぞ……」
アナグマス「うむ。これでマグマドグラーは、より強力なヘルバーストを放つことができる」


タケルとリョオのバイクが、海岸の道路で対峙する。

リョオ「行くぞぉ! ゴー!」

2台が同時に発車し、距離がどんどん狭まる。
タケルはリョオに衝突するかのように、まったく動じない。

リョオ「こいつ…… 死ぬ気か!?」

衝突寸前、リョオのバイクが避ける。
タケルがバイクを停めて振り向くと、無人のバイクが倒れている。
眼下の海から、びしょ濡れのリョオが這い上がってくる。

リョオ「クラッシュゲームで、俺が負けたのは初めてだ。ムチャなヤツだな」
タケル「あんただって、相当なもんだよ」

リョオが胸のペンダントを開く。中には女性の写真。

タケル「きれいな人だな。恋人かい?」
リョオ「ピアノのうまい子だった…… 将来はピアニストになるんだと、俺たちは幸せだった。あの日までは……」

 かつての回想。
 リョオが恋人ユウコと、夜の街を行く。
 突如、アングラー兵たちが、2人を取り囲む。
 
 (姿長官のMプロジェクトを知ったチューブは、
  俺を襲った)
 
 ユウコ「いやぁ!」
 
 リョオがアングラー兵を次々に蹴散らしてゆく。
 
 ユウコ「助けて、リョオ! いやあっ!」
 
 兵たちが一掃される。
 しかし、ユウコは地中へと飲み込まれてゆく。
 
 ユウコ「助けてぇぇ──っ!」
 リョオ「ユウコ!?」
 ユウコ「リョオ! リョオ──っ!」
 リョオ「ユウコぉぉ──っ!」|

タケル (同じだ…… 俺と)

タケルの脳裏に、恋人・美緒を失ったときの光景が甦る。

リョオ「ユウコは、俺のせいで死んだ。俺がマスクマンであったために…… そして、俺はマスクマンを捨てた。1人の女を守れなかった俺が、地球の平和を守れるはずがない! 話はそれだけだ」
タケル「……違う」
リョオ「何?」
タケル「じゃあ、なぜあのとき、俺たちを助けたんだ?」
リョオ「降りかかる火の粉を払っただけさ」
タケル「ウソだ! 俺にはわかる。姿長官との誓い、正義の誓いを、あんたみたいな人が忘れるはずがない」

リョオの心中をよぎる、かつての特訓の日々──

(姿『立て、リョオ! 地球の平和は、地球の未来はお前の手にかかっている!』)

タケル「いつまで過去に縛られているんだ? リョオ。どうして現在を、未来を見ようとしないんだ!?」

そこへ、バラバと地底忍オヨブーとマグマドグラー、アングラー兵たちが現れる。

バラバ「今日こそ逃さんぞ! マグマドグラーの餌食となれ!」

タケルが、アングラー兵たちに立ち向かう。
だがリョオは兵たちを数人蹴散らしただけで、バイクにまたがる。

タケル「リョオ!?」
リョオ「言ったはずだ! 俺にはかかわりのないことだ!」
タケル「リョオ!」

リョオがタケルを置いて走り去る。

バラバ「フン! いい仲間を持ったな、レッドマスク!」

リョオの脳裏に響く、タケルの言葉。

(タケル『あんたは今でもマスクマンだ…… なぜ、未来を見ようとしないんだ』)

孤軍奮闘で苦戦するタケルに、マグマドグラーの攻撃が迫る。
そこへリョオがバイクで駆けつけ、体当たりを見舞う。

タケル「リョオ!」
リョオ「タケル、大丈夫か!?」
タケル「きっと帰って来ると思ったぜ、リョオ!」
リョオ「タケル、お前はマスクマンのリーダーにふさわしい男だ。死んではならん男だ!」

他のマスクマン4人も駆けつける。

バラバ「X1マスク!?」
タケル「そうだ! 俺たちの仲間だ! オーラマスク!」
リョオ「チェンジパワー!」

タケルがレッドマスクに、リョオがX1マスクに変身する。

レッド「レッドマスク!」
X1「X1マスク!」
一同「光戦隊マスクマン!!」

バラバ「おのれぇ、やれぇ!」

アングラー兵たちが襲い来る。
X1マスクも含め、6人のマスクマンが次々に兵を叩きのめす。

バラバ「そこまでだ、マスクマン! 忘れたか、ヘルバーストの力を! やれ、マグマドグラー!」
ブルー「やられる、このままでは!」

マグマドグラーが火球を撃ち出す。
とっさにX1マスクが、空中の火球目がけて大ジャンプ。

レッド「リョオ!?」

X1マスクが火球を捕え、そのままマグマドグラー目がけて突撃する。
バラバとオヨブーは逃げ、火球がマグマドグラーもろとも大爆発する。

X1「うわああぁぁ──っ!」

X1マスクもまた変身が解け、頭から血を吹いたリョオが地面に叩きつけられる。

レッド「リョオ!? ジェットカノン!」「クロスターゲット! メディテーション! ──発射ぁ!!」

必殺武器のジェットカノンの一撃が決まり、マグマドグラーが大爆発。

バラバ「オケランパー!」
オケランパー「ケラケラケラ! オケランパー!」

エネルギー獣オケランパーが登場、マグマドグラーを蘇生させ、巨大化させる。

オケランパー「ふぅ、やれやれ……」
レッド「ターボランジャー、発進!」

巨大母艦ターボランジャーが発進。

レッド「ランドギャラクシー発進!」「ギャラクシーチェンジ!」

巨大トレーラー・ランドギャラクシーが発進、ギャラクシーロボに変形し、巨大マグマドグラーに立ち向かう。

レッド「ダブルバルカン!」

ギャラクシーロボの砲撃が、マグマドグラーに決まる。

レッド「ギャラクシーチェンジ!」「オーラロードスパート!」「鉄拳オーラギャラクシー!!」

ギャラクシーロボの必殺拳でマグマドグラーが真っ二つになり、大爆発──。


リョオとタケルたちの、別れのときがやって来た。
リョオは頭に、痛々しく包帯を巻いている。

アキラ「本当に行っちゃうんですか?」
リョオ「あぁ。爆発のショックで、俺は変身能力を失った。でも、これで良かったんだ」
タケル「リョオ……」
リョオ「だが、俺は戦士だ。これからは、子供たちに拳法と正義を教えていく。それが俺の戦いさ」
タケル「忘れないぜ、俺たち…… あんたの気持ちを!」

タケルの差し出した手を、リョオは力強く握り返す。
リョオは一同の笑顔に見送られつつ、バイクで走り去る。


#center(){|CENTER:&br()X1マスクはもういない。&br()だが、リョオとタケルたちの心は、&br()正義の糸で繋がっている。&br()そして、それは決して消えることのない絆なのだ!&br()&br()|}


#center(){&big(){&bold(){つづく}}}