ウルトラマンタイガの第1話

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ウルトラマンタイガの第1話 - (2020/04/03 (金) 22:27:34) のソース

※ 前日譚は、[[ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズの最終回]]、[[ウルトラマンタイガの第0話]]をご覧ください。


宇宙空間。
ニュージェネレーションヒーローと呼ばれる[[ウルトラマンギンガ>ウルトラマンギンガの最終回]]、[[ウルトラマンビクトリー>ウルトラファイトビクトリーの最終回]]、[[ウルトラマンエックス>ウルトラマンXの最終回]]、[[ウルトラマンオーブ>ウルトラマンオーブの最終回]]、[[ウルトラマンジード>ウルトラマンジードの最終回]]、[[ウルトラマンロッソ、ウルトラマンブル>ウルトラマンR/Bの第1話]]の7人が、悪の使徒[[ウルトラマントレギア>ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズの最終回]]と戦いを繰り広げている。

トレギアが、ギンガとビクトリーの渾身のパンチを受けて、小惑星に叩きつけられる。
ギンガたち7人が、小惑星上に降り立つ。

ギンガ「トレギア! もう諦めろ。お前の野望は、ここで終わりだ!」
トレギア「ふん、そいつはどうかな? ウルトラマンたちよ。では、ごゆっくり」

トレギアが余裕の様子で、姿を消す。

ギンガ「待て、トレギア!」

小惑星上で無数の爆弾が、次々に起動する。

ギンガ「しまった、罠だ!」

ギンガたち7人が、爆発に飲み込まれる。

トレギア「ククク……!」
声「トレギア!」

ウルトラ兄弟の1人、[[ウルトラマンタロウ>http://neoending.web.fc2.com/anime/agyou/EuTAROU.htm]]が現れる。

トレギア「タロウ!?」
タロウ「闇に墜ちた者を、光の国に近づけるわけにはいかん」
トレギア「ふん、宇宙の番人を気取るな! 光が正義だと、誰が決めたぁ!!」


ギンガたちは小惑星上で、爆発のダメージを負っている。
そこへ、3人の新たなウルトラ戦士が降り立つ。
タロウの息子のウルトラマンタイガ。
[[ウルトラマンジョーニアス>http://neoending.web.fc2.com/anime/sagyou/theultra-ed.htm]]と同郷のウルトラマンタイタス。
ルーブ、ロッソ、ブルと同郷のウルトラマンフーマ。

タイガ「先輩! トレギアは、俺たちが止めます!」
ギンガ「油断するな、タイガ! 奴は手強いぞ」
タイガ「任せてください! 最強のチームワークを披露するチャンスだ!」
タイタス・フーマ「あぁ!」
ギンガ「だったら、これを持って行け」

ロッソ、ブル、オーブの放ったブレスレットが、タイガの腕のアイテム・タイガスパークに収まる。

タイガ「光の勇者、タイガ!」

ジードとエックスの放ったブレスレットは、タイタスのもとへ。

タイタス「力の賢者、タイタス!」

ギンガとビクトリーの放ったブレスレットは、フーマのもとへ。

フーマ「風の覇者、フーマ!」

ギンガ「それがお前たちの力になってくれるだろう」
タイガたち「はい!」


タロウとトレギアの激闘が続く。
トレギアがタロウ目がけて放った光線を、タイガたち3人が受け止める。

タロウ「お前たち……」
タイガ「見ててください、父さん!」
3人「俺たちは、トライスクワッドだ!」

タイガたち3人が、トレギア目がけて突進する。

タロウ「よせ! お前たちに敵う相手ではない!」
フーマ「光の速さで、てめぇを倒す!」
タイタス「賢者の拳を受けてみろ!」
タイガ「ストリウムブラスター!」

フーマのスピード戦法とタイタスの怪力のパンチ、そしてタイガの光線がトレギアに決まる。

タイガ「どうだぁ!」

しかしトレギアは、爆炎の中から無傷で現れる。

トレギア「フフフ…… ハァッ!」

トレギアの放った光線を浴び、タイタスが光の粒子と化して、消滅する。

タイタス「ぐおおぉぉ──っっ!!」
タイガ「タイタァ──ス!!」

フーマもまた、トレギアの攻撃の前に消滅する。

フーマ「うわあぁ──っっ!!」
タイガ「フーマぁ──っ!! くっ…… よくも、よくも俺の大切な仲間をぉぉ!! 許さぁん!!」
トレギア「フフフ…… 熱いねぇ」

タイガが激昂して突進するが、トレギアは余裕でタイガの首を捕える。

タイガ「ぐぅっ、離せぇ!!」

タイガがトレギアの攻撃を至近距離でまともに浴び、光の粒子と化して、消滅する。

タイガ「うわあぁあ──っっ!!」
タロウ「タイガぁ──っ!!」
トレギア「フッ…… 良き旅を」
タロウ「うぅおお──っっ!!」

タロウが怒りに燃えて、トレギアと激突する──!


#center(){|CENTER:&br()この地球に&br()宇宙人が密かに暮していることは&br()あまり知られていない。&br()&br()これは、そんな星で出逢った若者たちの&br()奇跡の物語である──&br()&br()|}


#center(){|BGCOLOR(#ff4000):COLOR(black):CENTER:&br()&big(){&bold(){第1話&br()&big(){バディゴー&i(){!}}}}&br()&br()|}


現在の地球上、日本。
民間警備組織&ruby(イージス){E.G.I.S.}の自動車が、道路を行く。
運転手は、新人隊員の青年、工藤ヒロユキ。

謎の声「おい、ヒロユキ! 狙われてるぞ!」
ヒロユキ「え?」

どこからか、声が響く。
隣の助手席にいる先輩隊員の宗谷ホマレは、口を開いていない。
後部座席、今回の依頼人の男性である河津も、大きなカプセル状の荷物を抱えたまま、口を開いていない。

ヒロユキ「誰だ?」
謎の声「前!」
ヒロユキ「えっ?」

目の前に光線が炸裂し、炎が上がる。
ヒロユキは何とかハンドルをきって回避するものの、2撃目が炸裂する。

河津「バレたか……」
ヒロユキ「あれは!?」

目の前に、サングラスとマスクで素顔を隠した男2人がいる。
男2人が銃を構え、光線を放つ。
ヒロユキがなんとか、攻撃を回避する。
背後に爆発が起こり、瓦礫が吹き上がる。


E.G.I.S.では、社長の佐々木カナ、オペレーターの旭川ピリカが待機している。

カナ「何っか、嫌な予感がする……」

通信音が鳴り響く。

カナ「ほら来た!」
ホマレ「こちらホマレ。現在、襲撃を受けています」
ヒロユキ「簡単な護衛だって言ったじゃないですかぁ!?」
カナ「お願い、無事に逃げ切って! その車、ローンで買ったばっかりなんだからぁ!」
ホマレ「ピリカ、迂回ルートを捜してくれ」
ピリカ「あいよっ」

河津「急いでくれ! 3時までに送り届ける契約だぞ!」
ピリカ「はい、そこ左!」
ヒロユキ「了解!」

サングラス男の1人が自動車と同じ速度で疾走し、ヒロユキのそばの窓ガラスの向こうで銃を構える。

ヒロユキ「うわぁ! ホマレ先輩、何なんですか、これは!?」
ホマレ「知るかぁ!」

ホマレの側の窓の向こうでも、もう1人のサングラス男が銃を構える。

ホマレ「ブレーキ!」
ヒロユキ「はい!」

ヒロユキが車を急停止させる。
サングラス男たちはそのまま疾走しつつ互いを撃ち合う形になり、同士撃ちとなる。
倒れた2人の男は、顔が異形の姿に変貌している。

ヒロユキ「宇宙人……ですかね?」
河津「契約はこれまでだ!」

河津がカプセルを抱えたまま車を降り、走り去る。

ヒロユキ「河津さん!?」
ホマレ「ヒロユキ! 撤収だ」
ヒロユキ「……ちょっと待ってください。武器を持った連中に狙われてるんですよ!? ほってけないでしょう!」
ホマレ「依頼人は契約を解除した。その時点で、俺たちとは無関係だ。深入りするべきじゃない」
ヒロユキ「契約なんて、関係ない!」

ヒロユキが河津を追い、駆け出す。

ホマレ「おい!?」

カナ「契約解除!? まぁ、でも…… お金は先に貰ってるから、いいか。で、ヒロユキは?」


ヒロユキは、街角でうずくまっている河津を見つける。

河津「うぅっ……」
ヒロユキ「大丈夫ですか!?」

あのカプセルは、宇宙人・[[マグマ星人>http://neoending.web.fc2.com/animeop/agyou/op-ultraleo.htm]]に奪われている。

マグマ「あ~あ、どうやって開けるんだ、こりゃ?」
ヒロユキ「そいつを返せぇ!」
マグマ「邪魔をするなぁ!」

ヒロユキが、マグマ星人と格闘となる。
地面に置かれたままのカプセルが、煙を吹いて開く。
怪獣ザンドリアスの雛、ベビーザンドリアスが、産声を上げる。

ヒロユキ「え……?」

マグマ星人がヒロユキを突き飛ばし、ベビーザンドリアスを奪って逃げ去る。

ヒロユキ「待てぇ!」
マグマ「いただきぃ!」
河津「せっかくあの子を、取り戻したのに……!」


カナたちのもとに、ヒロユキからの通信が入る。

ヒロユキ「ヒロユキです! 金髪の宇宙人の行方を追ってください!」
カナ「金髪の……!? まさか!」
ピリカ「いた! そこから南西に800メートル。工事中のビルだよ」
ヒロユキ「了解!」


ヒロユキと河津は、そのビル内へとやって来る。

ヒロユキ「あの子を、怪獣の餌に?」
河津「あの種は乱獲され、今や絶滅寸前だ。私はそんな生き物たちを保護し、生まれ故郷の星に帰す活動をしている」
ヒロユキ「……河津さんて、宇宙人だっ──」
謎の声「ヒロユキ、後ろ!」
ヒロユキ「え!?」

再びの謎の声に導かれ、ヒロユキが背後に電磁警棒を突きつける。
そこには、あのサングラス男。

ヒロユキ「あ、ごめんなさい」

サングラス男が電撃を浴びて、倒れる。
河津も、もう1人のサングラス男に襲われるが、ヒロユキが電磁警棒で仕留める。

ヒロユキ「大丈夫ですか!?」
河津「あと少しで、仲間の宇宙船が迎えにくる…… それを逃したら、私はこの星に取り残され、あの子も助けられない!」
ヒロユキ「僕が絶対に間に合せます!」
河津「……なぜ、そこまでする? 私は地球人ではないのに」
ヒロユキ「困っている人がいたら助けるのは、当たり前です! それが誰であっても、どこの星の人であっても」

ベビーザンドリアスの声が響く。
ヒロユキたちはその声を追って、ビルの上階へ辿り着く。
ベビーザンドリアスを手にしたマグマ星人がいる。

ヒロユキ「その子を返せ!!」
マグマ「ありがちな台詞を言わせてもらおう。動くんじゃねぇ!」

マグマ星人が、ベビーザンドリアスにサーベルを突きつける。
ヒロユキたちは、迂闊に手出しをすることができない。

マグマ「イッツ・ショータ──イム!」

大地を裂き、巨大な怪獣、時空破壊神ゼガンが出現する。

ヒロユキ「今度は怪獣!?」

ゼガンがビル群を破壊し、街の人々が逃げ惑う。
謎の青年・霧崎が、風船を携え、群衆の中で、平然と佇んでいる。

ゼガンが、ベビーザンドリアスの声を聞きつける。

マグマ「あ、見っかっちゃった…… ほらほら、もっと鳴けぇ! 鳴き叫べえ!」

ゼガンの咆哮に加えて、もう1体、何者かの咆哮が響く。

マグマ「フン、来たぞ」

空から、怪獣ザンドリアスが飛来して、地上に降り立る。
ベビーザンドリアスの母、ヤングマザーザンドリアスである。

河津「やはり、母親が来てしまったのか!」
ヒロユキ「あの子の、お母さん!?」
マグマ「ゼガンよ、そいつをブッ倒せえ!! デモンストレーションは派手なほど、高値がつくからなぁ」
ヒロユキ「どういうことだ!?」


衛星軌道上では、宇宙犯罪組織ヴィラン・ギルドの円盤が浮かんでおり、宇宙商人のマーキンド星人がオークションを開催している。

マーキンド「では、オークションを始めましょう。トップは、時空破壊神ゼガン! 惑星侵略にはもってこいの目玉商品です! それでは全宇宙の皆様、入札スタート~!」


ゼガンとザンドリアスの戦いが続く。
ザンドリアスが、次第に押されてゆく。

マグマ「頑張らないと、こいつがゼガンに食われちまうぞぉ!!」
ヒロユキ「……命をもて遊ぶなぁ!!」


霧崎「では、私からも贈り物を── ヘルベロス」

頭上の空間が裂け、巨大な尾が伸び、ゼガンを刺し貫く。
ゼガンが大爆発を遂げる。
そしてその尾の主、怪獣ヘルベロスが降り立つ。

マグマ「誰だ!? あんなの呼んで来やがったのはぁ!! せっかくのショーがブチ壊しじゃねぇかぁ!!」

ザンドリアスがヘルベロスに吹き飛ばされて、ヒロユキたちのビルの方へ吹っ飛んで来る。

マグマ「おいおいおい、中止、中止ぃ!!」

マグマ星人がベビーザンドリアスを放り、姿を消す。
激しい衝撃で、ヒロユキたちの頭上に、瓦礫が降り注ぐ。

河津「わ、わぁぁっ!!」
ヒロユキ「河津さぁん!?」
河津「私に構わず、その子をぉ!!」
謎の声「伏せろ、ヒロユキ!!」

次の瞬間、河津はホマレに救われ、ビル外にいる。

ホマレ「大丈夫ですか?」
河津「あ、あの状況で…… ま、まさか、君も!?」
カナ「ホマレぇ──っ!」

カナとピリカが、ホマレに合流する。

ホマレ「社長!」
カナ「あれ、ヒロユキは?」

ヒロユキは依然、崩壊しかけたビル内にいる。

ヒロユキ「河津さん? ……河津さぁん!!」

瓦礫の降り積もった中で、ベビーザンドリアスが弱々しい声を上げている。

ヒロユキ「いた……! 待ってろよ、すぐに助けてやるからな」

ヒロユキが瓦礫の隙間に、必死に手を伸ばす。
ヘルベロスの攻撃。とっさに母のザンドリアスが自らを盾とし、ビルを守る。
ビルが激しく揺れ、破損した電気系統から、火花が飛び散る。
そのそばには「火気厳禁」と書かれたタンクが見える。

ヒロユキ「まずい、急がないと!」

ヒロユキが懸命に、ベビーザンドリアスに手を伸ばす。

ヒロユキ「くっ……! 届けぇ──っ!!」

ヘルベロスの攻撃が続き、さらにビルが激しく揺れる。

謎の声「どうする?」
ヒロユキ「え……?」
謎の声「お前だけなら、逃げられるぞ」
ヒロユキ「……うるさい! 僕は助けたいんだ! 今逃げ出したら、ここに!」

ヒロユキが自分の胸を指す。

ヒロユキ「自分の気持ちに、心に嘘をつくことになる! だから僕は、絶対に助ける!!」

ヘルベロスの一際激しい攻撃で、ビル内に炎が上がる。

ヒロユキ「うぅおおぉぉ──っっ!!」

炎に包まれる中、ヒロユキの胸が光り、その中から金色に輝くキーホルダーが出現する。

謎の声「お前の覚悟、受け取ったぁ!!」


霧崎「良き旅の終わり。そして── 始まり」


あの謎の声が、キーホルダーから響く。

謎の声「ヒロユキ! 怪獣の親子を、故郷に帰すぞ!」
ヒロユキ「誰だか知らないけど、力を貸してくれるのか?」
謎の声「あぁ!」

ヒロユキの右腕に、ウルトラマンタロウを模したブレスレット・タロウレットが現れ、それが変身アイテム・タイガスパークに変化する。

謎の声「俺はお前で、お前は俺だ! その手で俺を掴むんだ!」
ヒロユキ「わかった!」

音声&i(){『カモン!』}

ヒロユキ「光の勇者、タイガ!」

ヒロユキがキーホルダーを手にする。

謎の声「叫べ、ヒロユキ! 『バディゴー』!」

ヒロユキ「&bold(){バディ──・ゴーッ!!}」

音声&i(){『ウルトラマンタイガ!!』}

ヒロユキがウルトラマンタイガに巨大変身する。
タイガがその手に守っていたベビーザンドリアスを、倒れているザンドリアスのもとに返し、自らはヘルベロスに立ち向かう。

カナ「あれは……?」
河津「ウルトラマンタイガ! 銀河に平和をもたらす、光の巨人!」
カナ「ウルトラマン……」
ホマレ「タイガ!」
ピリカ「格好いいじゃん!」
河津「まさか…… この地球に来ていたとは!」

ヘルベロスが無数のエネルギー波を放つ。

タイガ「スワローバレット!!」

タイガが光線を連射し、そのエネルギー波を撃ち落とす。
タイガとヘルベロス、巨体同士の戦いが続く。
タイガの胸のカラータイマーが点滅を始める。

カナ「あれは…… 何かの警告?」
河津「ウルトラマンは、地球上では3分間しか活動できない」

タイガ「&bold(){ストリウムブラスタ──っ!!}」

タイガの必殺光線がヘルベロスに直撃する。
しかし、致命傷には至らない。

タイガ「ヒロユキ、オーブレットを使うんだ!」
ヒロユキ「わかった!」

&i(){『カモン!』『オーブレット・コネクト・オン!』}

ウルトラマンオーブに託されたブレスレット・オーブレットが、ヒロユキの左腕に現れる。

タイガ「&big(){&bold(){スプリームブラスタ──っ!!}}」

オーブの力を得たタイガの必殺光線が、ヘルベロスに炸裂──!!
ヘルベロスが大爆発し、最期を遂げる。

爆炎の中から光が飛び出して、タイガの中に入り込む。
内部のヒロユキのもとには、ヘルベロスを模した指輪が現れる。

ヒロユキ「これは?」
タイガ「ウルトラマンの力を感じる……?」

霧崎が怪しげに、ほほ笑んでいる。
地面に伸びた彼の影が、異形のシルエットを形作っている──


ホマレ「ウルトラマンタイガ……!」
カナ「我が社のイメージキャラクターにしたいわねぇ~!」
ピリカ「それ、いいかも! ……あれ、河津さんは?」

河津は、いつの間にかいない。

カナ「無事に乗れたかなぁ~?」
ピリカ「え?」
ホマレ「……社長は知ってたんですよね?」
カナ「えっ?」
ホマレ「荷物の中身とか、諸々」
カナ「どうかしらねぇ? でもこの街では、色々と起こるもんよ」


変身を解いたヒロユキが、ビル内に降り立つ。

タイガ「どうだ、俺の力は!」
ヒロユキ「僕が…… 君になったのか?」
タイガ「やっぱ地球は、俺がいなきゃ駄目だなぁ」
ヒロユキ「あのさぁ、誰だか知らないけど、君、少し偉そうだよね」
タイガ「はぁ? 誰が偉そうだって?」

ヒロユキのそばに、光に包まれたタイガの姿が見える。

ヒロユキ「わ、わぁっ!?」
タイガ「何、驚いてんだよ? さっきまでお前がこの姿だったんだろう?」
ヒロユキ「へぇ…… そうなんだ」

空から光が降り注ぐ。

タイガ「おっ、どうやら間に合ったみたいだな」

ザンドリアスが、胸にベビーザンドリアスを携え、空へ昇ってゆく。

タイガ「俺たちが救った命だ!」
ヒロユキ「そっか…… 僕たちが」
タイガ「おぉ──い!! 元気でなぁ!!」

タイガが大きく手を振る。
ベビーザンドリアスが愛らしい声を上げ、母のザンドリアスも礼を述べるように、大きく吠える。
ヒロユキも大きく手を振り、ザンドリアスたちの帰還を見送る。

ヒロユキ「元気でなぁぁ──!!」


#center(){&big(){(続く)}}