紫苑(やっと・・・わかったような気がする・・・オレが月読の剣の力を引き出す事ができなかった理由・・・オレに足りなかったのは明確な意思・・・「何のために闘うのか」、オレはまだ闘える・・・!」 #center(){|&big(){&bold(){最終話 そして幻想の世界へ}}|} 倒れた紫苑に代わり、紅真に挑んだレンザだったが追い詰められていた。 紅真「さぁ・・・止めはこの紅星の剣でくれてやるぜ・・・!」 「・・・あきらめな」 その時、砕かれた月読の剣の柄から巨大な光の帯が放たれた。 紅真・レンザ「「!!?」」 邪馬台国。留守を預かるヤマジ達兵士が鍛錬をしていた。 ヤマジ「よっしゃあ、次は腕立て100回!」 兵士「おーう!!」 「ヤマジ隊長!あの光は!?」 ヤマジ「あァ?」 月読の剣が出した光は、邪馬台国からも見えた。 森の外のハルと壱与も光を見ていた。 ハル「な・・・なんじゃありゃ・・・まさかあの小僧の・・・」 壱与「心の光・・・」 「・・・わかる・・・紫苑君が帰ってくる・・・!!」 紅真「・・・バカな・・・奴の精神は砕いたはず・・・こんな事があるわけねェ・・・!」 レンザ「・・・ヘッ」 紫苑が新たな形となって修復された月読の剣を持って、立ち上がった。 側近「・・・・・シュラ様・・・これは一体・・・!」 シュラ「・・・おそらく一度心具を破壊されて自分自身の心とむかい合う事で、自分に欠けていたものを見出したのだろう」 (・・・あれが月読の剣の真の姿か) 「月の刻印も完全な光を取り戻したようだ」 (これで一つ目の鍵は使用可能となった訳だな・・・) 側近「一つ目の鍵・・・といいますと?」 シュラ「・・・・・古より人々の心に受け継がれてきた「刻印の心具」はこの世に五つ存在する。そしてそれは古の方術士によって常世に封印された高天の都への扉を開く鍵。制した者の願いを実現させるという「神威力」を得るためには必要不可欠なものだ」 側近「・・・では、まさか長きに渡って陰陽連が方術士を育成してきたのは・・・・」 シュラ「・・・・全ての物事には理由が存在する・・・という事だ・・」 紅真「・・・・あくまでオレの前に立ちふさがるのか・・・紫苑・・・!」 「ならば心具だけじゃすまさねェ!!てめェ自身を真っ二つにしてやるまでだ!!」 紅真が自身の心具「紅星の剣」で紫苑に斬りかかる。 紅真「――!!」 紫苑は月読の剣で、紅星の剣の斬撃を受け止めた。 紅真(ぐっ・・・何だこの力は・・・ビクともしない・・・!!) 「うッ!!?」 紅真が弾き飛ばされる。 紫苑「・・・紅真、オレには絶対に負けられない理由がある・・・!!」 紅真「・・・・・それはオレのセリフだ・・・!お前を倒してオレは「最強」を目指す!!」 レンザ「壱―与さ―ん!!!」 ハルと壱与の元へレンザが戻って来た。 壱与「レンザ君!?無事だったのね!」 レンザ「へっへ―当然!オレ様はムテキだもんよっ」 ハル「やれやれ悪運だけは強いじゃの――」 レンザ「がぁッ!!てめ―ど―いう意味だババァ!!」 紫苑も戻って来た。 壱与「・・・お帰り紫苑君!」 紫苑「・・・ああ」 敗れた紅真は、一人座り込んでいた。 そこにシュラが来た。 シュラ「手ひどくやられたようだね、紅真」 紅真「・・・シュラ・・・」 「・・・なあ・・・、・・・教えて・・・くれ。紫苑の負けられない理由って・・・何だ・・・?」 シュラ「・・・・・それを聞いて・・・どうする?」 紅真「・・・そいつを・・・ツブしてやる・・・!!」 その後、彼らの夢は果たして実現したのかどうか・・・ 紫苑達の長い長い旅はここから始まった。 紀元三世紀、動乱の倭国――後に日本と呼ばれるこの国で・・・ 幻想の物語は続く―― #center(){&big(){&bold(){完}}}