とある砂漠。
男「あれは確か、2回目の航海の時だった。私は1人取り残され、島の奥深く迷い込んでしまった…… こ、これは! ダイヤだ。ルビーに、サファイア。エメラルド…… しかし、この谷を抜け出せなかったら、宝石などいくら持っていても意味がない。私は何度もこの崖を登ろうとしたが、無理だった…… どこかに出口はないかと、何日も歩き回ったが、もう腹ペコで動く力もない。このままここで死んでしまうのか?」
その様子をドラえもんとのび太が見ていた。
のび太「シンドバッドがかわいそう…… ねぇ、無事に助かるかな?」
ドラえもん「ふぁーっ…… わかってるくせに。いったい何回見たら気が済むのさ?」
のび太「それを言っちゃあおしまいだよ。気分壊すな、もう……」
すると空から肉が降ってくる。
シンドバッド「ああっ、肉だ! 天から肉が降ってきた。神のお恵みだ……」
そこへ巨大な鳥が現れ、肉を持ち去って行った。
のび太「すごい鳥だね!」
ドラえもん「何回見ても迫力がある!」
のび太「でしょ?」
シンドバッド「ああっ。髪も見放したもうたか……」
盗賊たちが石を鳥にぶつけ、宝石のついた肉を落とさせる。
盗賊たち「宝石だ!」「いっぱいついてるぞ」「ルビー、ダイヤ、サファイア!」「こりゃ大儲けだぞ!」
シンドバッド「そうか! 谷底の宝石を取るために、肉を投げ込んで鳥に取らせる。これは谷を出られるかもしれないぞ!」
のび太「よくそこに気がついたな。ねぇドラえもん!」
しかし、ドラえもんは眠っていた。
のび太「あっ? ったく……」
再び肉が降ってくる。
シンドバッドはそれを自分の体にくくる。
のび太「急げ! すぐ大鳥が来るぞ! ほらきた!」
大鳥が現れ、肉をシンドバッドと一緒に掴んで飛び去る。
のび太「わーい! やったぁ、やったぁ! シンドバッドは無事に帰れることになった……」
ドラえもん「よかった×2。さぁ、僕らも帰ろう……」
のび太「ねぇ、もう1回見てこうよ」
ドラえもん「いい加減にしてよ。今度で3回目だよ? 付き合いきれないよ。ったく!」
のび太「そうだ。これ、しずかちゃんのお土産にしよう! ねぇ、これ1つ拾ってってもいいでしょ?」
ドラえもん「ダメ!! ただ見るだけの世界なんだから!」
のび太「わかってるよ。冗談、冗談……」
ドラえもん「いや、君ならやりかねない……」
こうして2人は元の世界に帰ってきた。
のび太「ああっ、面白かった。また見よう! ねぇドラえもん」
ドラえもん「はい……」
のび太「次どれにしようかな?」
ドラえもん「もう僕ダメ……」
ドラえもん「ええっ? そりゃないよ。ドラえもん! ドラえもんってば。ドラえもーーん!!」
最終更新:2017年06月13日 19:35