あらすじ
神ゼウスと人間との間に生まれたヘラクレスは伝説の英雄であるが、それは甥・イオラオスによって広められた嘘で、実際のヘラクレスは強靭な体を持つ傭兵であり、仲間のアウトリュコスやアムピアラオスらと共に戦場を駆ける途中、トラキアの国王・コテュスの娘で王女のユージニアから王国を侵攻する敵から救う依頼を受けた中でヘラクレスの妻子がケルベロスに殺される幻影・夢が頭に思い浮かび、手下と思われる敵ケンタウロスの所へ行くがそれはただの馬に乗った兵隊であった。
全ては神・幻獣などの伝説の実在の噂を広めて帝国を築き上げようとするコテュス王の策略に過ぎず、国の将軍になるのを反対したヘラクレスは仲間と共にコテュス王に立ち向うもユージニアとアリウスを人質にされた隙にヘラクレスとその仲間は捕えられた中でヘラクレスの国王・エウリュステウスがコテュス王と共謀し障害となるヘラクレスの妻子をケルベロス扮した3匹の狂犬で殺した事が明るみとなり、ユージニアが処刑されようとする中、捕えられた予言者のアムピアラオスの激励でヘラクレスは力尽くで拘束具を破壊し、ユージニアとその仲間らを助け牢獄を抜けて脱出の中でヘラクレスはエウリュステウスを倒し仇を取り、コテュス王との最後の戦いに挑もうとした。
国の城の外ではコテュス王と数多くのトラキア兵が待ち構えていた。
ヘラクレス「トラキア兵達よあの戦いを思い出せ!俺についてこい!」
コテュス「騙されるでない!ヘラクレスは人間だ。神ではない、やつに味方する者は死が待っている。ではお前たちに見せてやろう!連れてこい!」
するとユージニアの息子であるアリウスが人質にされていた。
ユージニア「アリウス!」
アリウス「母上!」
ユージニア「やめて!お願い!やめて!あなたの孫よ!」
コテュス「ヘラクレス。お前は我が子を救えなかったが、この子は救えるかもしれんぞ!」
ユージニア「ねえ、お願いやめて!」
コテュス「負けを認めろ!わしの前に跪け!3つ数える間だけ待ってやる!1つ!」
ユージニア「アリウス!」
コテュス「2つ!」
するとトラキア兵が弓矢に命中し倒れる。
倒したのはコテュス打倒に反対したはずのアウトリュコスであった。
アウトリュコス「ボサっとしてないで、敵を倒せ!」
その隙にアウトリュコスとその仲間は弓で倒す。
ユージニア「アリウス、逃げて!」
アリウスは逃げる。
コテュス「捕まえろ!」
ヘラクレスの仲間らが兵の大群と戦う中でアリウスが狙われるが、それを見たデュデウス自身が盾となる、その隙にアリウスは母のユージニアの元へ行く、デュデウスは数人の弓兵を相手に走り立ち向かい次々と倒すが、戦いの中でデュデウスの腹には数本の矢が刺さっていたのか虫の息間際であった。
ヘラクレス「テュデウス!」
ヘラクレスは倒れた満身創痍のテュデウスのもとへ行く。
コテュス「かかれー!」
その隙にトラキア兵らは突撃するが、仲間は燃えさかる炎の祭壇を次々と倒し、その炎で敵の進行を食い止める。
ヘラクレスはテュデウスを抱え、安全な場所へ行く。
コテュス「槍を投げろ!」
トラキア兵らは逃げるヘラクレスの仲間に槍を一斉に投げる。
コテュス「炎を恐れるな!」
アムピアラオス「これだ、ほら急げ!」
他の仲間ら4人は炎が燃えさかってる巨大な祭壇を押し倒しその拍子で燃え上がった炎で突撃するトラキア兵を倒して、ヘラクレスはデュデウスを抱える中、死に際のデュデウスが微かな言葉でヘラクレスに言う。
デュデウス「ヘラクレス…」
デュデウスはそれを言った後、息を引き取る。
コテュス「盾を構えろ!進め!」
トラキア兵は再びヘラクレスの元へ侵攻する。
ヘラクレス「安らかに眠れ兄弟…」
ヘラクレスは戦死したデュデウスに別れの言葉を言う中、コテュス率いるトラキア兵はヘラクレスの所へ向かう。
コテュス「お前が行っていた通り強い壁は誰にも破られはしない!もう逃げられんぞ!さあここへ降りて来い!」
ヘラクレスは退路がない中、最後の手段として女神ヘラの大きな石像を力尽くで倒そうとした。
コテュス「お前は英雄でも神でもない!ただの傭兵に過ぎんのだ!お前の妻と子は死んで同然だ!」
ヘラクレスはコテュスの怒りを買ったのか力を発揮し女神ヘラの石像の支柱が壊れた拍子にその像が崩れ倒れ、それに怯えた兵隊は逃げる。
コテュス「何をしとる!駄目だ!戻らんか!ヘラクレスを殺すのだ!」
トラキア兵らはヘラの石像の転倒の崩壊に巻き込まれる。
コテュス「あの忌まわしい不届き者を殺せ!」
コテュスはそれを言うも束の間、ヘラの石像の頭に押され、その拍子で城壁が壊れると同時に外に押し出され転落死した。
トラキア兵らは沈黙し、ヘラクレスが戦いを物語った煙と瓦礫の中から来ると、トラキア兵らはヘラクレスに頭を下げる。
トラキア兵一同「ヘーラクレス!」
トラキア兵らはヘラクレスの名を叫び続ける中、ヘラクレスの元にユージニアとアリウスならびにその仲間がやってきて、ヘラクレスを称えるトラキア兵を見ていた。
アムピアラオス「ヘラクレスの真実を知りたいか?これがそうだ。 正直、伝説のままにしておきたい。世界は本物の英雄を求めている。 彼は本当にゼウスの息子なのか、そんなものはどうでもいいだろう。 神の子じゃなくても英雄にはなれる。ただ、自分を英雄と信じればいい。 ヘラクレスはそうした。でもまあ、俺も偉そうなことは言えないな。 本当は今頃、死んでたはずなのに」 |
(終)
最終更新:2017年11月09日 21:25