ドラえもんの捨て身の行動により、のび太たちが作った雲の王国と引き換えに、雲戻しガスを使って天上人を脅迫し、天上人によって保護・飼育された絶滅動物を手に入れようとした密猟者一味の陰謀は挫かれた。
密猟者は雲戻しガス砲の残骸と共に海中に消え、のび太たちは天上人の議会に引き出される。
のび太「ドラえも~ん、しっかりして~!!」
機能を停止したまま横たわったドラえもんの横で涙するのび太たち。
パルパル「彼らは、自分たちの危険も顧みず、天上世界を守ってくれたのです! 地上人の中にも、こんな人たちがいることを忘れてはいけないと思います!!」
ホイ「のび太さんと、ドラえもんさんのおかげで、僕たち小人族は、アマゾンに村を建設することができたのです!」
モア「私たちも、のび太さんたちが無人島を作って、住まわせてくれました」
以前、のび太とドラえもんに助けられた小人族のホイ一家や絶滅動物ものび太たちを擁護する。
のび太「ドラえもん、お願い! 目ぇ開けて……」
そこに、今まで事態を見守っていた植物星の大使も現れる。
植物星大使「私にも話させていただけませんか?」
天上人「植物星大使閣下……」
植物星大使はドラえもんの前に立つと、まずのび太に挨拶をした。
植物星大使「のび太さん、お久しぶりです」
のび太「えっ? どうして、僕の名前を……?」
植物星大使「それよりドラえもんさんを!」
のび太「えっ……」
植物星大使「むぅんっ!」
植物星大使は緑色の光線をドラえもんに照射。すると、ドラえもんが機能を回復して目覚めた。
のび太「ドラえもん!!」
ドラえもん「のび太く~ん!!」
抱き合って喜ぶ2人。ジャイアン、スネ夫、しずか、パルパルも涙する。
植物星大使「皆さん、実は……私は地球の出身なのです」
植物星大使の告白に議会がどよめく。
植物星大使「まだ私が苗木の時、この2人の方に命を助けられたのです」
テレビ版『さらばキー坊』の回想。
植物星大使「そして、動けるようにしてもらい、知性も与えてもらいました。やがて、植物星のあることを知った私は、その文明を学ぶため、植物星にやって来たのです」
のび太「まさか……キー坊!?」
植物星大使「思い出していただけましたか!」
のび太「キー坊!」
ドラえもん「お久しぶり!」
植物星大使「お世話になりました」
のび太、植物星大使ことキー坊と再会の握手を交わす。
キー坊(植物星大使)「皆さん、確かに地球の自然は破壊されつつあります。しかし、地球上の人々が、自然を守らねばと気づき始めたことは確かです。ゆっくりではありますが前進しています。もうしばらく、見守ってあげるわけにはいかないでしょうか? それまで、植物星は天上人全ての移民を受け入れます!」
キー坊の演説は満場一致で賛成され、ノア計画による地上人粛清は中止となった。
のび太「ありがとう、キー坊!」
ドラえもん「キー坊……じゃない、植物星大使さん、ありがとう!」
キー坊「キー坊のままでいいんです」
畏まるドラえもんに、キー坊は笑って返答。
のび太「僕たち、絶対自然を守るよ!」
ドラえもん「守ろう、守ろうね!!」
しずか「ええ!」
ジャイアン「もちろん!!」
スネ夫「僕も!」
ドラえもん「約束だよ!!」
そして、ドラえもんたちは地上に送り返された。
パルパル「あなたたちのこと、決して忘れないわ。そして、いつの日か地球が元通りの住み良い星になったら、きっと帰ってくるわ!」
のび太「その日が1日も早く来るように、頑張るよ!」
パルパル「さようなら」
一同「さようなら!」
パルパルの円盤が飛び去っていく。
ドラえもん「さぁ、帰ろう」
ジャイアン「帰ろう!」
のび太「ちょっと待った! 今帰ったら、ママがカンカンに怒ってるよ」
ドラえもん「そうだね。ドアのダイヤル、元に戻そう」
しずか「そうしたら宿題ができるわ!」
のび太「ええっ? 宿題? またぁ!?」
ジャイアン「もうクタクタだよ!」
スネ夫「神様~!」
ドラえもんたちは「時差調整ダイヤル」でのび太の部屋に戻り、宿題に取り掛かる。
そしてその数日後、みんなで青空と流れる雲を見上げながら、天上人と地球の未来に想いを馳せるのだった……。
最終更新:2017年11月21日 19:30