七つの大罪 (漫画)の第1話

少年「ほいよっ、大ジョッギ五つ!!」
客「おほっ!」
剣を背負った小柄な少年が、客達に酒を出していた。
客「まだ入れるかい?」
少年「お客さん人数は?」
客「三人で!」
少年「〈豚の帽子〉亭にようこそ――――っ!!」


第1話/七つの大罪

丘の上にある小さな酒場、〈豚の帽子〉亭。そこに鎧を纏った騎士が近づいていた・・・

客「お―――――い!なんでもいいからこっちにつまみ!」
少年「あいさーっ」
客たち「プハ―――ッ、バーニャエール最高~~~~~!!」
「ところでこんな丘の上に酒場なんていつ建ったんだ?」
「そういや・・・三日前に通った時は何もなかったよーな・・・・」

少年「おまちどぉっ!〈豚の帽子〉特製ミートパイ!!」
客たち「「「おおっ、うっまそー!!」
しかし、そのミートパイを食べた客達はすぐにはき出した。
客たち「「「不味―――――――っ!!!!」」」
少年「やっぱり」
客「こらっ、てめっ、なんつーもん出すんだっ!!」
少年「なんでもいいからって言ったじゃん」
客「ケンカ売ってんのか~~~~~!?」
少年「やれやれ・・・困った客だな」
客たち「ンだと、やるかガキ!!?」
「おい・・・・!こいつ剣持ってるぞ」
少年「片づけろ・・・」
少年が指を鳴らした。
客たち「「「え?」」」
一匹の豚が出てきた。
豚「ったく、たりーな~~~~オレになんの用だよ~~~~?」
客「ぶ・・・豚?」
豚「豚?ナメんな、看板豚だっつの」
少年「ホーク、床掃除頼む」
ホーク「ちっ・・・面倒くせー・・・」
自称看板豚のホークが床に吐き出されたミートパイを食べだした。
客「・・・・・・・」
ホーク「ハァ・・・つーかよ~~~~~もーちっとマシな残飯食わせろよな」
少年「豚の丸焼きならマシに作れそうな気がするな。焼くだけだし」
ホーク「んまァ~~~~い!!!この残飯サイコー!!」

客たち「な・・・なんだかどうでもよくなってきたな・・・・」
「お前らも一本取られたか!」
少年「でも酒ならいいモン揃ってるぞ!!オレいろんな土地を動いて回ってるから」
客「じゃ・・・じゃあうまい酒を」
少年「まいど―――!」

客たち「おおっ・・・?たしかに酒はうまい!!」
「じゃあこっちもおかわり!」
少年「まいど――――!」
ホーク「舐め残しなーし!」


ホーク「ハラへったぜ・・・」
少年「今食っただろ」
客たち「そういうや聞いたか?‘さまよう錆の騎士‘の噂・・・!!」
「錆びついた鎧を着こんだ・・・最近出没するってユーレイ騎士だろ?」
「なんだか気味が悪いよなあ・・・」
少年「・・・・・」
客たち「しかもおいつうわ言のように何か呟きながらさまよってるって・・・」
「怖っ!」
「たしか七つの・・・――――なんだっけ?」
「ほらそこの手配板!!」
「え・・・っとそうだ!」

「〈七つの大罪〉!!!」
「―――10年前に王国転覆を謀った大罪人・・・だっけ」
「こいつってまだ捕まってないんだろ?」
「ああ・・・一人たりとも」
「一部じゃ全員死んだって噂もあるけど・・・」
「死んでるねそれ絶対!」
「聖騎士たちが許すわけないよ」
「でもこの手配書毎年更新されてるぜ?聖騎士も必死に捜してるってことじゃねえの?」
「その‘錆の騎士‘ってまさか〈七つの大罪〉のユーレイじゃ・・・・・」
「それでほかの仲間を捜し回ってるのかもよ・・・・」
ホーク「なんだ、この錆くせえニオイは?」

客「なあ、小僧の店員さんはどう思う?」
メリオダス「小僧じゃねーよ!メリオダス!―――――それと店員じゃなくて店主・・・・な!!」
客たち「マ・・・店主?こんな子供が?」
「あれ・・・?メリオ・・・ダスってどっかで聞いたことあるような・・・」

メリオダス「らっしゃい!!」
入ってきたのは、その‘錆の騎士‘だった。
錆の騎士「コフーコフー・・・なな・・・・つの・・・たい・・・ざ・・・・い・・・」
客たち「で・・・・・でたぁああ~~~~~~~っ!!!」
「〈七つの大罪〉だ――――!!」
錆の騎士「七つの・・・・大罪・・・・」

客たち「お助け~~~!!」
「ひいいいい―――っ!!!」
「こ・・・殺される~~~~~~!!」
客たちは全員、〈豚の帽子亭〉から逃げ出した。

メリオダス「・・・・・お前誰だ?」
メリオダスと錆の騎士が向かい合うも、錆の騎士が倒れた。
メリオダス「お?」

兜が外れ、出てきたのは少女の顔だった。
ホーク「女の子・・・だぜ」
メリオダス「・・・・うんにゃ!!」
ホーク「ええっ!!?」

メリオダスが残りの鎧をはがし、アンダーウエアになった少女をベッドに寝かせた。
メリオダス「この寝顔。この体曲線(ボディライン)
メリオダスが少女の体を眺める。
メリオダス「このニオイ」
メリオダスが少女の股辺りの匂いをかぐ。
メリオダス「この弾力・・・」
メリオダスが少女の胸を掴む。
メリオダス「やっぱり女だな!!」
ホーク「このっ・・・確信犯!!」
ここで少女が起き上がった。
少女「あ・・・・あの・・・・?」
少女が顔を赤らめる。
メリオダス「・・・動悸にも異常なし!」
少女「あ・・・ありがとうございます?」
ホーク「このヤロ~~~飄々と!!」
少女「こ・・・ここは・・・?あの・・私はなぜ・・・・?」
メリオダス「フラ~~~~ッと店に入ってきていきなりぶっ倒れたんだお前」
少女「・・・店・・?」
メリオダス「〈豚の帽子〉亭!オレの店なんだぞ」
少女「あなたが・・・・・店主さん・・・?」
メリオダス「そんなにおかしいか?」
少女「い・・・いえ!その背中の・・・てっきり剣士さんかと」
メリオダス「ああ!」
メリオダスが剣を抜いた。
少女「きゃっ・・・・!!・・・・え?刀が折れてる・・・?」
メリオダスが抜いた剣は柄からすぐのところで刃が折れていた。
メリオダス「へへーっびびった?柄だけでもチラつかせてりゃそれなりに見えんだろ?これぞ食い逃げへの抑止力ってやつだ!!酒場にはいろんな客が来るからな・・・店主も大変だよ」
ホーク「てめーの飯を食わされた挙げ句に金ふんだくられる客のほうが気の毒だ」

少女がホークに抱き着いた。
少女「わあ~~~~っ!喋る豚さんだぁ!!この前父上に誕生日プレゼントにおねだりしたんです!」
ホーク「ホークだぜ!」
メリオダス「お前の豚はなんて言うんだ?」
少女「・・・・・・・」
メリオダス「そだ、腹減ってないか?よけりゃ食わしてやるよ」
ホーク「ひい!?」
少女「ポークちゃんを?」
ホーク「ポークじゃねええ!ホーク!!」
メリオダス「・・・残念ながら店の飯!ニヒヒ・・・」
ホーク「このクソが・・・紛らわしい言い方すんな!」

少女「・・・・・介抱していただいた上に食事まで・・・・・私・・・なんてお礼を言えばいいか・・・」
メリオダス「いーから食えって!」
少女「はい・・・・いただきます!」
メリオダス「どうだ、まずいだろ?」
少女「・・・・・はい」
メリオダス・ホーク「「やっぱり!」」
少女は涙をこぼしだした。
ホーク「しかも泣くほど!!」
少女「・・・でも・・すごく・・おいしい・・・」
メリオダス「なあ・・・お前あんな鎧姿で何してたんだ?」
少女「・・・捜しているんです、〈七つの大罪〉を」
その時、扉が強く叩かれた。
アリオーニという男を初めとした5人の騎士たちが来たのだ。
アリオーニ「開けろ!!村人からの通告があった!!我々はふもとに駐留する聖騎士様配下の騎士団!〈七つの大罪〉とおぼしき錆の騎士を捕らえにきた!!」
メリオダス「なんかうるせえ奴が来た」
少女「聖騎士・・・」

アリオーニ「おとなしく出てこい!!さすれば我々も剣を抜かん!!」
騎士「早くしろっ」
アリオーニ「くくく・・・所詮は古騎士(ロートル)か!我々に畏れをなしたな! よ――――し!!!では30秒だけ時間をやる!!!」
メリオダス「いらん」
アリオーニ「早っ」
メリオダスが出てきた。
アリオーニ「ってなんだ貴様は!?」
メリオダス「オレは店主だ」
アリオーニ「錆の騎士はどこにいる!?そいつを出せ!!」
メリオダス「出てこいよ」
アリオーニ「ハッ!物分かりがいいじゃないか・・・」

少女が着ていた鎧の一部を背中に乗せたホークが出てきた。
ホーク「フッ・・・オレを呼んだか?この錆の騎士ホークを・・・!!」
騎士「こ、この豚が〈七つの大罪〉ですか!?」
アリオーニ「んなわけないだろ!!」
ホーク「ななんと!オレは残飯処理騎士団団長なんだぜー?」
アリオーニ「んな騎士団があるか!!」
メリオダス「この豚でよければ煮るなり焼くなり好きに・・・」
ホーク「どっちも堪忍しろ!!」
アリオーニがメリオダスの襟首を掴んで、持ち上げた。
アリオーニ「ガキィ・・・!!騎士を愚弄するとはいい度胸だな!!」

そうしてる間に少女が裏口から飛び出した。
騎士「!!」
「アリオーニさん、裏から女が逃げました!!」
アリオーニ「な・・・何!!?おそらくその女が錆の騎士!!追えっ!!!」
騎士たち「「「おお!!」」」

少女を追って、アリオーニたちは森に入った。
アリオーニたち「「「捕らえろぉ―――――っ!!!」」」
「だが、油断は禁物だ!!もし本物の〈七つの大罪〉ならば相当の手練れ!」
「じきにツィーゴ様が合流する手はずだ!!我々はあの女を消耗させ、追い込むだけでいい!!」
「〈七つの大罪〉の一人を捕らえたとなれば、我ら〈山猫の髭〉騎士団の名もグーンと上がるぞ~~~~~!!」
「フハハハッ」
「ぐぎゃっ!!おぶっ」
騎士の一人が背中からの衝撃を受け、転んだ。
アリオーニ「な・・・なんだ?どうした!?」
騎士「ぶっ・・・豚が突進してきます!!」
ホーク「オラオラオラオラオラ!!」
ホークが騎士達を追いかけてきていた。
騎士たち「ぎゃっ!!」
「ごはっ!!」
「でふうっ!!」
ホークの突進が残る騎士達を次々にはね飛ばしていった。

アリオーニ「おわぁ~~~~っ!!来るな来るな!!」
少女「きゃっ!!」
アリオーニが前を向くと、少女の姿は消え、その先は崖になっていた。
アリオーニ「!?」
ホーク「あらよーっと!」
ホークがアリオーニを崖から突き落とした。
アリオーニ「あああああああ・・・」
ホーク「てめーらに恨みはねーが・・・これで今晩の飯の量2倍・・・!」

少女はメリオダスに(胸を掴まれながら)木の上に抱え上げられていた。
少女「・・・あの、二度も・・・助けていただいてなんと・・・お礼を言えばいいか」
メリオダス「――――んで、さっきの話のつづきは?」

巨大な脚の騎士が近づく中、少女はメリオダスとホークに事情を話し始めた。
少女「私が〈七つの大罪〉を捜し旅する理由は・・・聖騎士たちを止めるためです。お二人に何度も助けていただいた恩は決して・・決して忘れません・・・でもどうか私のことは・・・・忘れてください。それじゃ・・・」
ホーク「ちょい待ったお嬢ちゃん!聖騎士たちを止める!?聖騎士っていやこのブリタニアを守る騎士の中の騎士、英雄だろーが?」
少女「・・・・そしてたった一人でも一国の兵力に匹敵する力を持つ恐ろしい存在です。その彼らが、ブリタニアに戦をもたらそうとしていたら?」
メリオダス・ホーク「「!!」」
少女「先日・・・聖騎士たちの謀反(クーデター)により国王が拘束され、実質上王国は聖騎士たちの手中に陥落しました。彼らは戦を始めるため王国と周辺の町・村から人々を強制連行しています。男性には兵士としての訓練を、女性や子供には食料備蓄、老人には城壁の建築を強要し、逆らう者は容赦なく――――・・、・・・しきにこの辺りにも影響が及んでくるでしょう」
ホーク「ま・・・本当かよ!!」
メリオダス「大変だなー」
少女「唯一・・・聖騎士たちを止める希望があるとすれば、〈七つの大罪〉だけなんです!!」
メリオダス「お前さー、〈七つの大罪〉がどんな連中か知ってて捜してんのか?」
少女「まだ私が五つか六つのころ・・・父がよく話をしてくれました」
「〈七つの大罪〉は七匹の獣の印を体に刻んだ七人の凶悪な大罪人から結成された、王国最強最悪の騎士団だったそうです。彼らは今から10年前、王国転覆を謀った疑いで王国全聖騎士から総攻撃を受け、ちりぢりになった・・・」
メリオダス「・・・んで全員死んだって噂もあったけな」
少女「・・・・そんな凄い人たちが簡単に死ぬわけがありません!!」
メリオダス「んー・・・でも大罪人なんだろ?」
少女「現実に人々を苦しめているのは聖騎士たちなんです!!」
その時、メリダス達の足下が揺れた。
メリオダス「!?」
少女「きゃっ・・・」
森から出てきた一人の騎士の剣の一撃が、メリオダス達の立つ地面を切り崩したのだ。

ホーク「ああああっ!!」
メリオダス達は地面と共に落ちていった。

ツィーゴ「おっと・・・通告にあった人間かどうか、確かめるのを忘れておった」
「決定!!身元不明者二名死亡!!ってことでいいかの?」
地面を切り崩したのは、巨漢の騎士、ツィーゴだった。
騎士「し・・・しかし崖下にアリオーニさんが・・・」
ツィーゴ「ならば三名死亡にしておけばよい」
騎士たち「そ・・・そんなぁ!!!」
「ツィーゴ様、それはあんまりです!」
ツィーゴ「ならば・・・七名死亡か?」
騎士たち「ひっ・・・それだけはお許しを・・・!!」
「ああっ!!」

崖下から、ホークを背負い、少女を抱え、そしてアリオーニも連れてきたメリオダスが飛び上がってきた。
メリオダス「よっと」
アリオーニ「ぶっ」
騎士「アッ・・・アリオーニさん!」

ツィーゴ「お前たち何を勝手に生きておる!!?儂の死亡決定を変更するでないわ!!」
メリオダス「勝手に決定すんな」
ツィーゴ「ぬう~!」

メリオダス「おい・・起きてるか・・?」
少女「う・・・ん」

ツィーゴ「まあよい・・・してどちらが〈七つの大罪〉とおぼしき人物なんじゃ?どちらとも手配書とは似とらんようじゃが・・・?」
メリオダス「よし!オレが合図したら、森に向かって走れ!いいな」
少女「え?はい!」
少女が立ったが、ツィーゴがその左耳に付けられた耳飾りに気づいた。
ツィーゴ「これは儂も運がいい・・・!!」
ホーク「でか!!」
ツィーゴ「その耳飾りの紋章は王家のものだ、つまり御身は――――決定!!エリザベス王女!!」
エリザベス「!」
メリオダス「エリザベス・・・王女?」
エリザベス「・・・・・」
ホーク「エリザベス王女っつったら王国の王女様じゃねーか!?」
ツィーゴ「御身には王国から捜索指令が出ておりましてな。逃げよう、などとは思わんことですぞ?生きたまま捕らえよとの命ではありますが―――――・・・事故死ならば致し方んしでしょうなぁ?」
メリオダス「いくぞ!!」

メリオダス達が走り出した。
エリザベス「私はまだ捕まるわけには・・・諦めるわけにはいきません!!」
ツィーゴ「おお・・・決定―――――っ!!!事故死っ!!!」
ツィーゴが剣を振るい、斬撃を放った。
メリオダスはエリザベスを押し倒し、斬撃から守った。

ツィーゴの斬撃は、森そのものを切り倒した。
ツィーゴ「さて細かい死因報告はどうしたもんかの・・・倒木による圧死か・・・・・?かまいたちによる失血死か・・・?」

エリザベスが気絶から目覚めた。
メリオダス「ようっ、ホークも無事・・・みたいだな」
そう言われたホークの背中に木の枝が突き刺さり、血が吹き出ていた。
ホーク「この豚串状態が無事だと・・・?うわああん!!おっ母~~~!!」
メリオダス「あ!」

ホークがツィーゴの横を抜けて、走り去った。
ツィーゴ「・・・・・豚・・・?まあいい」

エリザベスはツィーゴの方に歩き出した。
メリオダス「エリザベス!おい、どこにいくんだよ?」
エリザベス「・・・・逃げきれません」
メリオダス「お前・・・諦めるわけにはいかねぇって・・・言ってただろ?」
エリザベス「・・・私がおとなしく投降すれば、あなたの命を無闇には奪わないはずです」

ツィーゴはエリザベスを狙い、再び斬撃を放った。
メリオダスがエリザベスを押しのけ、斬撃を外したが、その斬撃が大地を深く刻んでいた。

エリザベス「おねがい・・・!!あなただけでも逃げてください!!」
メリオダス「どのみちありゃオレたち両方殺す気だぞ」
エリザベス「どうして・・・っ」
「私・・・嬉しかったんです。たった・・・一人で・・・〈七つの大罪〉を捜す旅に出て・・・」「旅なんて・・・したことなくって・・・すごく・・・不安で・・・」
「正体がバレないよう、着なれない鎧でくたくたになるまで歩いて・・・・けど・・・誰を・・・頼ることも・・・できなくて・・・」
「なのに・・・あなたはどこの・・・誰とも知らない私に・・・やさしくしてくれて・・・」
「だから・・・私は・・・・名前も知らないあなたを、これ以上・・・・・巻き込みたくないの!!」
涙をこぼすエリザベスに、`メリオダス`は自分の名前を名乗った。
メリオダス「メリオダス、それがオレの名前だ」
エリザベス「・・・メリオ・・・ダス・・?え・・・・・・うそ、まさか・・・そんな・・・だって・・・その姿はまるで・・・・子供・・・」
エリザベスは、斬撃で服が破れたメリオダスの左腕に記された印に気づいた。
エリザベス「その印は・・・獣の・・・・いえ・・・`(ドラゴン)‘の――――!!」
ツィーゴ「ふんっ!!」
そうしてる間に、二人の間際まで来たツィーゴが斬撃を放った。

ツィーゴ「・・・!!、ぬぐおっ!!?」
しかし、二人の方から吹き上がった衝撃がツィーゴの身体に傷を付けた。
騎士「うわっ!」
ツィーゴ「く・・・!!ど・・・どういうことだ~~~?」
(儂の剣は確実に奴らを仕留めた・・・!!だが、一撃をもらったのは・・・・・この儂じゃと!?)
「なんだ・・・それは!?」

エリザベス「刃折れの剣・・・!!?」
メリオダスは、あの刃の折れた剣を抜いていた。
ツィーゴ「童・・・!!そんなガラクタでこの儂とやり合うつもりか・・・!?」
メリオダス「ガラクタぐらいが丁度いい」
ツィーゴ「な・・・!」
エリザベス「メリオダス・・・あなたは本当に、あの・・・・?」
ツィーゴ「メリオダス・・・?ま・・・まてよ、貴様の顔には見覚えが・・・いや・・・だとしたら、何故昔と姿が変わっていない・・・!?」

メリオダス「オレが誰だか・・・わかったか?」
刃折れの剣を構えるメリオダスに、ツィーゴは恐怖を感じた。
ツィーゴ「ま・・・まさか!!本当に貴様は・・・・」
「貴様はぁぁぁぁぁぁ~~~~~~っ!!!!」
ツィーゴが渾身の一撃を放った。
しかし、メリオダスが刃折れの剣を振り――――
メリオダス「〈七つの大罪〉憤怒の罪(ドラゴン・シン)のメリオダス!!!」
ツィーゴ「決定・・・この・・・尋常・・・ならざ・・・る力は、あの伝説の!!」
すさまじい衝撃が巻き起こり、ツィーゴを遙か上空へと吹き飛ばしていった。
ツィーゴ「んぎっ、ぎゃあああああああああぁあああああああ~~~~・・・」

メリオダス「お――――あがった、あがった。だから言ったろ。刃っ欠け(ガラクタ)じゃなけりゃ死んでたぜ」
「これで一人目が見つかったわけだな・・・エリザベス」

ホークは〈豚の帽子亭〉に戻っていた。
ホーク「おっ母、急げ!」

メリオダス「残りの六人の件だけどさ、オレも用があって最近あいつらを捜しはじめたんだ。情報集めのために酒場をやりながらな。これで看板娘がいてくれたら客も情報ももっと集まるな」
「一緒に・・・いくだろ?」
エリザベス「はいっ・・・!!!」

墜落したツィーゴの元に騎士たちが寄ってきた。
騎士「ツ・・・ツィーゴ様しっかり!」
ツィーゴ「ぐ・・・ぐぬぬ、お・・・王国に増援要請を!これは・・・い・・・一大事だぞ!!」
騎士「ん?」

空から、〈豚の帽子亭〉を乗せた、ホークと同じ姿をした巨大な豚が降りてきて、ツィーゴ達を吹き飛ばした。
ツィーゴ「ごあっ!!!」

メリオダス「ナイスタイミング、ホークママ!!」
エリザベス「きゃっ・・・」
ホーク「こんなトコさっさとおさらばしよーぜ!!」

メリオダスとエリザベスを乗せて、巨大豚ことホークママは歩き出した。

ツィーゴ「巨大・・・・豚!?」

エリザベス(この出会いは偶然か、必然か。待ち受けるものは絶望か、希望か――――(七つの大罪)を捜す私とメリオダスの冒険が始まったのです)

(続く)

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最終更新:2019年04月15日 00:09