義経ちゃん剣風帳の第1話

#1 源義経 眼鏡に転生す


クラスメートA「ねぇ 委員長」
委員長 「はい?」
クラスメートA「この写真なんか委員長に似てない?」

クラスメートが出した写真には、
「タイツを両手両足と頭、股間に挟み込んだ変質者と
変質者と戦っている白装束の女」が写っていた。

沢口 ありす「あっ これって最近変質者を退治してるって噂の」
「戦う巫女さん!?」

クラスメートA「ウソくさいよね~~」
クラスメートB「でもネットにのってたんだよ―――」
ありす「本当だ 静流ちゃんに似てる~~」
委員長「似てません!」 「それに、それは巫女ではなく白拍子です」
ありす・クラスメートAB「白拍子?」

委員長「白拍子とは平安時代後期水干に袴姿という男装で舞う
女性芸能者のことです」
「かの源義経の愛妾静御前も京の都で有名な白拍子でした」
委員長は手帳を閉じる。
ありす・クラスメート2人「「「へぇ〜」」」」
クラスメートB「さっすが 委員長」
委員長「・・・なんかそれバカにされてるみたいだからやめて」


ありす「でもさぁ静流ちゃんがこのかっこしたら すごくかわいいと思うよ」
静流「なっ」「なにいってんのよ!ありす」委員長こと榊静流(さかき しずる)は赤面している。
静流「私はそんなかわいくないです!」
ありす「え~~静流ちゃんかわいいよぉ」
静流「も もうそういうのやめてよっ!」

クラスメートAB「「ニヤリ」」
クラスメートA「私も委員長かぁわいい~って思うけどなぁ~」
静流「かっ」「からかわないでくださいっ」

クラスメートB「私も白拍子姿似合うと思うよ~~~」
静流「似合いません!」
ありす「一回着てみてよ~~」
静流「着ません!」

静流はドアの方に向かった。
クラスメートA「委員長 どこ行くの?」
静流「おしっこです!」 ありす達3人が固まる。
静流「はっ」「はぁああああぁ」
「ちょっちょちょ・・ちょっとそこまでです!」
静流は教室から出て行った。

ありす「静流ちゃん・・・」
クラスメートA「委員長ってからかいがいあるよね〜」
クラスメートB「う〜ん 私が男だったらほっとかないんだけどな~」



静流「う~~~」 「今ごろみんな絶対笑ってるよ・・・」
?『静流 おぬし意外と粗忽者よのぅ』
静流「うるさいなぁ もう!」

静流「・・・・・まったくあなたに取り憑かれてからロクな事がないわ」
?『あ!?なんでもかんでも俺のせいにするな!』
静流の眼鏡の右レンズに青年の姿が浮かんでいた。

?『だいたい憑いてしまったものは仕方あるまい』
静流「あるまいっていわれてもねぇ!」
?『いいからさっさとおしっこしてこい』
静流「うるさい!」

風と共に校舎の屋上に全身をマントで覆った男が現れ、
それに伴い眼鏡に浮かんだ青年が何かを感じた。
?『!』 『来たぞ静流』
静流「え? 来たって・・・」
「ええっ!? まさかこんな所に!?」


静流の居た教室に、『猫耳・猫尻尾・猫の鈴を着けて、
ビギニパンツを履いた半裸の男』が入ってきた。
変質者「にゃ――――!!」
ありす・クラスメート達「「「「「キャ――――!!!」」」」

変質者「にゃ――――!!」
ありす「キャ―――!!」
変質者がありすの左腕に噛み付いた。
ありす「あ・・・ああ・・・」
ありすの頭が、手が、お尻が変化していき、
ありす「にゃ!?」「にゃにゃにゃにゃにゃ~~!?」

クラスメート達「「ありすが猫耳少女にぃ~~~~!?」」
「「しかもゴロゴロされてる~~~~!!」」

ありすは変質者の手でゴロゴロされていた。
ありす「ちがうにゃん 体が勝手に動くにゃん」

変質者「あ・・・あふぅ・・・・・」
「まさか本当に猫耳少女をゴロゴロできるにゃんて・・・・」
変質者は涙を流して喜んでいた。

変質者「いくら猫耳少女のアイコラ作っても心が満たされない日々・・・」
「そんな時あのお方が現れた」

あのお方『力を与えてやろう
好きな事を好きなだけやれる力を!!
しかもパクられない力を!!』


変質者「パクられることなく・・・好きな事を好きなだけ・・・」
「いいの!?」
あのお方『いいとも!!』
彼はこうして「使鬼」と化した。
(この名称が分かるのは次の話だが、都合上この名称を使わせてもらう)


変質者(=猫耳使鬼)「にゃはぁ~~~」

クラスメート達は次々に猫耳少女にされていく。

猫耳使鬼「・・・・・・完成するにゃ」
「私の夢が完成するにゃ」
「猫耳学園の誕生にゃ――――!!」

猫耳使鬼「3年ん~~B組ぃ~~~」
猫耳使鬼 猫耳生徒「「猫耳しぇんしぇ~~♥」

「先生 おはようにゃ」「おはようにゃ」
猫耳使鬼「おはようにゃ―――!!」

猫耳使鬼「キミ ちょっと待つにゃ」
「校則ではしっぽはスカートの下から出すと決まってるにゃ!」
ありす「そ そにょ・・・」
「下から出すとスカートがめくれて・・・見えちゃうにゃん」
猫耳使鬼「んん~~~? なにが見えるのかにゃ~~?」
「んん~~~?」



 教室に戻った静流が机を叩き、教室を静まらせた。
ありす「静流ちゃん!」
静流「いくつ?」 使鬼「なにが?」
静流「年」 使鬼「・・・・・に 29歳・・・」
静流「来年30歳(みそじ)の大人がやる事ですか!!」
「恥を知りなさい!!」

猫耳使鬼「にゃは~~!」 「・・・キツイ事をいう女にゃ」
「でもなんかゾクゾクしたにゃ―――!!」
猫耳使鬼が静流に飛びかかってきたが、
?「静流殿!!」 あのマントの男が使鬼を校舎の外に蹴り飛ばした。
?「ご無事でござるか 静流殿」
静流「弁慶!」
弁慶「いざ!!」 弁慶が静流に刀を差し出す。

「「魂拍転身」」
静流の体から、静流の魂が出てきて眼鏡の青年の魂と入れ替わった。
そして服装があの白拍子のものになる。

義経「源九郎義経 大見参!!」


使鬼「よし・・・つね・・・?」
「なんで義経!?」

静流『みんなに気づかれないうちに早く』 義経「わかっておる」
先ほどの義経の様に、静流の姿が眼鏡の右レンズに写っていた。

?「甘いワン!」義経「なにぃ!?」
もう一体の使鬼が義経の左腕に噛み付いた。
その使鬼の姿は『犬耳と犬尻尾を生やしたビギニパンツのみの半裸の変質者』である。

犬耳使鬼「危ない所じゃったのう弟よ!」
猫耳使鬼「兄者!」

義経「兄弟だと・・・」
「やられたワン!」義経(体は静流)も犬耳少女になってしまう。
静流『私の体で変なポーズとるな――!』

義経「うっ」 「うおっ」
静流『どうしたの 義経!?』
「すっげえ骨食いてぇ!」「こーゆーやつ!」
静流『・・・・おいおい』

犬耳使鬼「フフフ」 犬耳使鬼がいわゆる「こーゆー骨」を取り出す。
「これの」「ことかワン?」
「さぁ」「お食べ!」
犬耳使鬼は骨を股間に挟み込み、突き出している。
義経「いただきます!!」
静流『いただくな――!』

義経は犬耳使鬼の股間(の骨)に四つん這いで這いよっていく。
静流『私の体なのよ!』 『いやっ』 『やだっ』
猫耳使鬼「シャッターチャンスにゃ 兄者ぁ」
猫耳使鬼はカメラを構えている。
静流『目を覚まして 義経!』


静流『義経ぇ!!』

義経の目の色が正気を戻した。
彼は刀を振り抜き、犬耳使鬼の股間の骨を切り飛ばした。

犬耳使鬼「痛ぁっ!」「痛くないけどなんかいたたたぁ!!」
猫耳使鬼「兄者ぁ~~」 猫耳使鬼は涙を流しながら兄をカメラで撮っている。犬耳使鬼「撮るな~~!」

犬耳使鬼「なぜワン!」 「なぜワシの術が!?」
義経から犬耳などが消えていく。
義経「・・・・ほぅ その程度の術でこの九郎義経を縛れると思うたか?」
弁慶「その通りでござる!」 弁慶が駆けつけた。
弁慶「『平家にあらずは人にあらず』とまで豪語しこの日本をブイブイいわせていた平家一門」義経が刀を振りかぶり、
「源義経はその平家をたった一年で壊滅させた男でござる!」 
恐れおののく兄弟使鬼を、
「漢の格が違うでござる!!」 
一閃の元に切り捨てた。

義経「フッ」 「この俺に戦を挑んだ時点で貴様らの負けだ」
義経が刀を鞘に収める。 魂拍転身が解け、元の静流に戻った。
静流「・・・・・・・というより・・・」
「股間に骨をはさんだ時点で人として負けです!!」
義経『・・・お見事』


弟「兄者」 「大丈夫か兄者」
兄「うう」 
「・・・・ああなぜか胸がすがすがしい気持ちでいっぱいじゃ!」

弟「まるで憑き物がおちたようだよ 兄者!」
兄「もうひきこもりは卒業じゃ 弟よ!」

使鬼だった兄弟は、倒されたことで正気(?)に戻った。
その上の電柱に彼らを使鬼にした『あのお方』が居た。
あのお方「八百余年の時を超え 再び我が野望を邪魔するか
「義経ェエエェッ!!」



#1 完

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最終更新:2014年10月12日 10:09