仮面ライダーV3の第2話

ダブルライダーの遺言状


ダブルライダーがカメバズーカの砲撃に晒される中、
仮面ライダーV3が駆けつけた。
V3「せんぱーい!大丈夫ですかー!」
1号「大丈夫だ!俺達に構わず行け、V3!」
2号「少年ライダー隊本部を守ってくれ!」
V3「任せてください!ハリケーン!」

V3が自身のバイク、ハリケーンに乗り、ライダー隊本部へ向かった。

カメバズーカ「ズ~カ!」
1号「心おきなく戦えるぞ」
カメバズーカ「黙れ!少年ライダー隊の本部は立花藤兵衛と共に地の底だ!」
2号「地の底!?」


立花レーシングクラブは、建物が沈みつつあった。
立花「土だ!こりゃどういうことだ!?」
?「この建物全体が地の底に沈んでゆくのだ、シザ~」
立花「誰だ!姿を見せろ!」

床を突き破り、風見の両親と妹を殺した張本人である、デストロン怪人ハサミジャガーが現れた。
ハサミジャガー「シザ~」
立花「デストロンの怪人!」
ハサミジャガー「立花藤兵衛。逃げ道もなく、助けに来る者もいない。ゆっくりとハサミジャガーがなぶり殺してやる」
立花「ふざけるな!ライダーⅠ号2号が必ず来る!」
ハサミジャガー「お前が当てにしてるダブルライダーの姿を見せてやる」

テレビに、カメバズーカの砲撃に晒されるダブルライダーが映された。
立花「ライダー!」
ハサミジャガー「デストロン通信衛星からの生中継だ。よーく見ろ」

やがて、ダブルライダーが爆煙の中に消えた。
ハサミジャガー「ライダーもやられたぞ。堪忍しろ!立花藤兵衛!」
立花「殺したければ殺せ!だが正義は不滅だ!
仮面ライダーがいつか貴様を倒す!」

ハサミジャガー「ふん、仮面ライダーなどいるものか」

?「ハハハ・・・」
V3が上から飛び降りてきた。
ハサミジャガー「貴様は一体誰なんだ!」
V3「仮面ライダーV3!」
ハサミジャガー「何?仮面ライダーV3!?」

V3「立花さんは預かる!」
立花「あんた・・・」

ハサミジャガー「死ねライダーV3!」
V3はハサミジャガーの腕のハサミをかわし、立花が物を投げつけた。
ハサミジャガー「おのれ、こしゃくな」

V3はドアを盾にして、ハサミジャガーのハサミを止めた。

V3「今です、と―――っ!」
V3が立花を連れて、外へ飛び出した。


風見と立花が外に出たが、その前に白煙が吹き出し、デストロンの戦闘員が現れた。
風見「出たな、デストロンの戦闘員」
「オヤジさん早く!」
立花「頼むぞ!」
風見が立花を逃がし、戦闘員と戦う。

ハサミジャガー「シザ~ス!早くかたづけろ!むっ?」

バイクに乗った本郷と一文字が来た。

ハサミジャガー「しまった、まだ生きていたのか」

本郷と一文字が立花と共に戦闘員と戦う。
立花「お前達無事だったのか!」

ハサミジャガー「退けえ!」

戦闘員達が一箇所に集まっていく。

本郷「危ない」
戦闘員が集まった所が爆発を起こした。

本郷「自爆したのか」
立花「いや~手強い相手だった」
一文字「風見は大丈夫か?」

風見は、一人の戦闘員を追いかけていた。
やがて、風見が戦闘員を捕まえた。
風見「言え!デストロンのアジトは!」
戦闘員「く、苦しい」
風見「当たり前だ!俺自身どんな力があるのか分からないんだ!手加減は出来ないぞ!
さあ!言え!」

その時、戦闘員が貫かれ、倒れた。
後ろの壁からハサミジャガーが突いたのだ。
ハサミジャガー「シザ~」

風見がハサミジャガーを追いかけるも、ハサミジャガーはやがて、風見を振り切った。

?「助けてくれ――!」
ハサミジャガーが逃げた方から、頭に傷を負った神父が出てきた。

風見「しっかりして!どうしたんです?」
神父「ば、化け物だ!」
風見「しまった!逃げられたか」


風見が神父を教会に送り届けた。
神父「いやー本当に、何から何までお世話になりまして」
風見「いやあ、本当に軽い怪我で良かったですね。それじゃあ」

バイクで去って行く風見を見送る神父の目が怪しく光った。


それから風見は、家族が葬られた墓に来た。
風見(父さん、母さん、雪子、安らかに眠ってください・・・志郎は心ならずもご両親から頂いた身体を無くしました・・・しかし、正義と平和!大勢の人のために役立てることにお許しください・・・)
「誰だ!」
やって来たのは花束を持った純子だった。
風見「あなたは」
純子が花束を風見の家族の墓に供えた。
風見「あなたは何も気にすることは無い。両親や妹の死はあなたには関係のないことです」
純子「いいえ、お願いです。あたしに何か手伝わせてください」
風見「手伝う?」
純子「私知ってます、貴方が何かと戦ってることを。お願いです」
風見「それでは、一つだけお願いがあります」
純子「えっ?」
風見「僕の周りには一切近づかない。あなたのためだ!あなたを危険な目に合わせたくない・・・いいですね!」
風見が離れていった。

純子「志郎さん!まるで人が変わってしまったみたい」

帰ろうとする純子の前にハサミジャガーが現れた
ハサミジャガー「シザ~ス!風見志郎をおびき寄せる囮にお前がなるのだ」

純子「助けて、たすけ・・・」
逃げる純子の前に戦闘員が出てきた。

ハサミジャガー「捕まえろ」

純子「助けて、助けてったら・・・」
戦闘員が純子を捕まえた。

ハサミジャガー「これでいい。後は風見志郎をおびき寄せるだけだ」
風見「その必要はない」

風見が純子の元へ来て、捕まえていた戦闘員を打ち倒した。

ハサミジャガー「網にかかったな、風見志郎」

風見「俺に構わず逃げろ」
純子「は、はい!」
純子が逃げていった。


ハサミジャガーがハサミを連続して突き出し、
風見は飛び退いた。

風見「変身、V3!」
風見が仮面ライダーV3に変身した。

ハザミジャガー「我がデストロンの攻撃を受けてみよ」
V3(私にはまだV3としての本当の力が分からない。果たして、ハサミジャガーとどの程度戦えるのか・・・)
ハサミジャガー「ライダーV3はその能力に戸惑ってる。V3、恐れるに足らず。いけえ!」

戦闘員がV3に迫り、V3が飛び退いた。
そこへ、1号ライダーの声が聞こえてきた。
1号「聞けV3」
V3「本郷さんの声が聞こえる」
2号「仮面ライダーの超能力は遠く離れていても意思は通じ合えるのだ」

V3「そうか」
1号「右に30度飛べ」
V3「と―――っ!」
V3が戦闘員を飛び越え、ハサミジャガーの前に降り立った。


ハサミジャガー「V3め」

V3の連続パンチがハサミジャガーに炸裂した。

V3「と―――!」
V3が飛び上がった。
2号「そこでキックだ!」
1号「反転しろ、パンチ!」
V3のキックとパンチがハサミジャガーに炸裂、
そこからV3はハサミジャガーを崖の下に投げ落とし、
そこから大爆発が起こった。

V3「勝った・・・」
2号「惑わされるな、ハサミジャガーは逃げた」
1号「腰のV3ホッパーを使え」
V3が腰に付けられていたV3ホッパーを打ち上げた。
2号「500メートル上空から10キロ四方を映し、お前のアンテナに情報が送られる」

デストロンのマークを付けた車が走っていくのが、V3に見えた。
V3「よし、分かった」

V3がハリケーンに乗り、デストロンの車を追った。

V3は止まった車に追いついたが、車の中には誰もいなかった。

V3「消えた。デストロンと言えども、白昼完全に消えるはずは無いんだが・・・」

近くには先程、風見がハサミジャガーに襲われた神父を送り届けた教会があった。
V3「あの教会は」


風見は鍵縄を教会の壁にかけ、登っていく。

教会の中で風見は、あの神父を見付け、追いかけた。
神父が進んでいく先は、地下道となっていた。

風見(一体この地下道はどこまで・・・)
神父が立ち止まった。
神父「ははははは・・・ご苦労だったな、風見志郎」
風見「知っていたのか」
神父「お前の目につくように行動した。やがてはここへ来ることも全て計算済みじゃ」
風見「何?すると貴様の正体は!」
神父「ははははは!」

神父が蝋燭を顔の前に待っていくと、その姿がハサミジャガーに変わった。
ハサミジャガー「ハサミジャガーよ!」
ハサミジャガーが風見に蝋燭を投げつけ、風見はかわした。
ハサミジャガー「聞け!風見志郎。デストロンの東京都全滅作戦の準備はすでに完了したのだ!間抜け」
風見「何だと!」
ハサミジャガー「間もなく、原子爆弾が東京の地下で爆発する」

戦闘員「爆破準備完了」

ハサミジャガー「貴様が行こうとしても間に合うまい」
風見「間に合わないとどうして分かる」
ハサミジャガー「新宿副都心。そして原子爆弾はカメバズーカの身体に埋め込んである」

風見「はははは・・・」
ハサミジャガー「狂ったか、風見志郎め」
風見「抜かったな、ハサミジャガー。風見志郎、すなわち仮面ライダーV3!ライダー1号2号とは常に電子頭脳で通信できるんだ。今の会話は全てライダー1号2号に筒抜けだ」

ハサミジャガー「何だと!」
風見「俺の声を聞いて、既にダブルライダーは出発したはずだ」

ダブルライダ-はサイクロン号で出発していた。
1号「そうだ風見、俺達は現地に急行している」


風見「俺を罠にかけたつもりが、逆になったな」
ハサミジャガー「くそう、かかれ!」

戦闘員達が風見に襲いかかってきた。
風見は戦闘員を打ち倒していく。

ハサミジャガー「もう逃げられんぞ、風見志郎」


新宿副都心。
1号「いたぞ」
ダブルライダーが戦闘員達を倒し、隠れた。

カメバズーカが倒された戦闘員に近寄る。
カメバズーカ「おい!・・・おい、これはどういうわけだ?」

ダブルライダーがカメバズーカの前に出てきた。
カメバズーカ「ど、どうしてここに!?」
1号「カメバズーカ!貴様にこの東京の平和は乱させん!」
2号「それが私達の任務だ」
カメバズーカ「馬鹿め!貴様等二人では俺に歯が立たんのを忘れたか!ズ~カ!」


風見は、炎に煽られていた。
ハサミジャガー「もう逃げられんぞ風見志郎」
風見「変身、V3!」
変身したV3は炎を越え、ハサミジャガーと戦う。


カメバズーカ「死ねえ!」
カメバズーカの砲撃をダブルライダーはかわした。
1号「いかん、このまま戦っていたら、カメバズーカの身体に埋め込まれた原子爆弾の起爆装置がタイムリミットとなる。何とかしなければ」
2号「ようし」

カメバズーカ「ライダー、東京は後1分で爆発する。ズ~カ!」
2号「カメバズーカを倒さん限り、東京は救う方法はない」
1号「2号、私達によい後継者ができた。行くぞ!」

1号「仮面ライダーの全エネルギーを出すんだ!」
2号「おう!」
ダブルライダーが右手を交差させ、エネルギーを放出した。

カメバズーカ「貴様達、自爆する気か!」
カメバズーカがダブルライダーに引き寄せられていく。
カメバズーカ「よ、よせ」
引き寄せられたカメバズーカをダブルライダーはつかみ、共に飛び上がった。
1号・2号「「とーう!」」
ダブルライダーはカメバズーカと共に空を飛んでいく。

地上に出たハサミジャガーを追うV3を
2人の戦闘員が襲ってきたが、すぐに打ち倒した。
V3「V3!」

ハサミジャガーを追ってV3が吊り橋に向かうと、吊り橋の下にしがみついてた4人の戦闘員が群がってきた。
V3は戦闘員を倒し、吊り橋の下に落としていった。

ハサミジャガー「こしゃくな」

ハサミジャガーはハサミを交差させ、V3に迫る。
ハサミジャガー「死ねえ、くだばれ!」

V3は吊り橋から落ちかけ、手すりにぶら下がった。
ハサミジャガー「ライダーV3、最後だ!死ねえ!」
ハサミで手すりを切られ、V3が地面に落ちた。

1号「ライダーV3、最後のコーチをする!」
2号「ダブルタイフーンを全開にしろ!」
V3「よし!」

V3「V3、ジャンプ!」
V3が吊り橋の上までジャンプした。
ハサミジャガー「くそう、しぶとい奴め」
V3「行くぞ、ハサミジャガー」

V3の連続パンチがハザミジャガーに炸裂した。

V3「V3回転ダブルキック!!」
V3はきりもみ回転を加えたキックをハサミジャガーに炸裂させ、
そこから反転して2発目のキックを炸裂させた。

ハサミジャガー「おのれ・・・V3め・・・シザ~・・・・」
ハサミジャガーが手すりに倒れ込み、大爆発した。

V3「V3!勝った・・・しかし、最後のコーチとは・・・」

V3がカメバズーカを連れて、空を飛ぶダブルライダーを見付けた。
カメバズーカ「ええい!離せ、離せ!」

V3「このままでは1号、2号が危ない。ハリケーン!」

V3はハリケーンに乗り、ダブルライダーを追う。

カメバズーカ「俺の体の中の原子爆弾が爆発するぞ!」

そして、カメバズーカが大爆発。
核爆発の向こうにダブルライダーは消えた・・・・

V3「本郷さ――――ん!!一文字さ―――ん!!」

その爆発を見たV3は海岸に立ち尽くしていたが、
本郷と一文字の声が聞こえてきた。
本郷(風見志郎、いや仮面ライダーV3よ)
一文字(俺達は死なない。いつの日か必ず還ってくる)
本郷(3人の仮面ライダーが揃って戦うまで、全ては君の力に懸かっている!)
一文字(頑張れ、仮面ライダーV3)
本郷(俺達は君を見守ってるぞ・・・・)

ナレーター「東京を死守した仮面ライダー1号、2号はカメバズーカと共に海の彼方に消えた。ライダーV3の本当の活躍がこれから始まっていく」


(つづく)

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最終更新:2020年06月27日 18:26