トミカヒーロー レスキューフォースの第50話


最終決戦!
すべてのビークルを合体せよ




ついにネオテーラの真の総帥、バーツが現れる。

総司令「非常事態だ! こちらも体制を立て直す。至急帰還せよ!」
R1(アールワン)R2(アールツー)「了解!」

R2「待て!」

マールたちアンドロイド3幹部が、機能を停止して倒れている。


3幹部は消防庁に収容され、開発局の岡村直美、神崎律子のもとで分析が開始される。

律子「準備が整いました」
尚美「それじゃ、始めて」
律子「はい」

機器が稼働すると、突如、3幹部が起き上がる。

輝「下がって!」
3幹部「ドーンドーンド──ン!」「デタデッタ!」「ドドーンドド──ン!」「デタザンスぅ~!」「ホホホホ!」

3幹部は倒れ、それきり動かなくなる。

響助「ビ、ビックリした!」
輝「はぁ、脅かすなよ、もう……」

改めて分析が開始される。

律子「成功です!」
尚美「彼らの記憶メモリーにアクセスできたわね」
律子「分析の結果、彼らのメモリーに、バーツに関する動画データが残されていました」
尚美「今、モニターに出します」

モニターに、マーエンの語りが再生される。

『私がこの星に生み出されたのは、はるか6億年前。私はずっと見守ってきた。数多くの命が栄える、美しいこの地球を…… だが、やがてこの星の調和を乱す生き物が現れた。それが、人間どもだ』
『人間どもは聞き入れず、地球を破壊し続けた。だから私は大淵を使ってネオテーラを創ったのだ。人間どもを滅ぼすために!』

律子「データは以上です」
尚美「6億年前のナノコンピューター…… それは、あの発光体の正体です」
輝「先輩、ナノコンピューターって?」
律子「バクテリアサイズの極小コンピューターのことよ」
石黒「そんな昔に、何者がそんな高度なテクノロジーを持っていたんだ?」
律子「ナノコンピューターの集合体であるバーツは、感情に左右されずに、物事を判断することができます」
尚美「またその計算能力は、我々が使っているコンピューターよりも、はるかに優秀です」
総司令「つまり、バーツの答は正しいと?」
石黒「我々人類は、いずれ地球を滅ぼすのか……?」
輝「冗談じゃない! 俺たちは……」

『異常発生!』

石黒「どうした!?」
レイ「あれを」

石黒「バーツが世界各地に現れたのか!?」

輝たちが外へ出ると、上空に巨大な×印状の姿となったバーツが浮かんでいる。

輝「あれか……!?」
バーツ「これより計画を開始する」

バーツの巨体から地上目がけ、無数の光線が降り注ぐ。
街が炎上し、人々が逃げ惑う。
さらに日本だけではなく、オーストラリア、アメリカ、南極と、いたるところで同様の災害が巻き起こる。

レイ「ニューヨーク上空にもバーツが出現。市内全域が凄まじい雷に襲われています」
寿里「モスクワ市上空に、異常空白域発生! 大量の紫外線が降り注いでいます」
石黒「まるで世界の終わりだ……」

律子「世界で同時多発している超災害は、バーツの分身ともいうべき複数の発光体によって、引き起こされています」
尚美「これらはすべて、東京上空に出現したバーツ本体によって、コントロールされているのよ」
総司令「よって、バーツを破壊し、そのコントロールを絶つ」
律子「けれど、バーツはシールドで守られています」
尚美「そのシールドは、いかなるファイナルレスキューを使っても、破ることはできないわ」
輝「なら、どうやって奴を倒すんですか!?」
総司令「グレートゴッドストライカーよ」
輝「グレート……ゴッドストライカー?」
尚美「ストライカー、ダイバー、セイバーに、中型ビークルのすべてを合体させた究極の巨大ビークル。それが、グレートゴッドストライカーです」
輝「すげぇ……!」
律子「グレートゴッドストライカーの放つ究極のファイナルレスキュー、スーパーファイナルレスキューなら、バーツをシールドごと破壊することが可能よ」
響助「よぉし、やっと希望の光が見えてきたぜ!」
尚美「ただし、注意して。スーパーファイナルレスキューは、1回しか使えないから」
寿里「えっ、そうなんですか!?」
レイ「もしも撃ち損じたら、そのときは……」
総司令「……我々の負けだ。それはすなわち、人類の滅亡を意味する」

石黒「これより作戦を決行する。要救助者は、この地球に生きるすべての命だ。セーブ・ザ・ライフ! レスキュー開始!」
一同「了解!」

輝「着装!」

音声『ビルドアップ』『マックスアップ』

レスキューフォースたちが着装。響助はR2、レイはR3(アールスリー)、寿里はR4(アールフォー)、石黒はR5(アールファイブ)、輝は一気にR1マックスとなる。

R1「R1マックス、着装完了!」

R5「レスキューフェニックス、発進!」
一同「発進!」

R5「レスキューフェニックス・スパイラルカタパルトモード、スタンバイ」
R1「コアストライカーマックス、起動!」
音声『3、2、1、GO』

R2「レスキューダイバー、発進!」
音声『ダイバー・スタートアップ』
R2「ジェットモード!」

R1の乗るレスキューストライカー、R2の乗るレスキューダイバーが稼働。R5はレスキュークレーンに乗り込む。

R5「レスキュークレーン、発進!」
R1「準備はいいっスか?」
R2「おぅ! そっちはどうだ、お2人さん?」

R3はレスキューライザー、R4はレスキューショベルに乗り込む。

R3「こっちもバッチリよ!」
R4「ビークルの操縦は初心者だけど、頑張ります!」
R5「これより作戦を開始します」

レスキューフェニックスから、すべてのレスキュービークルが出動。

一同「爆裂合体!

全9機のビークルがすべて合体し、超大型ビークル・グレートゴッドストライカーが完成する。

一同「完成、グレートゴッドストライカー!!
総司令「頼んだぞ、みんな……」

グレートゴッドストライカーが海上を舞って、上空を目指す。
暗雲の中から、バーツが姿を現す。

R4「エネルギー反応確認、攻撃来ます!」

バーツから、無数の光弾が降り注ぐ。

R3「迎撃開始!」
R5「突貫! クレーンドリルぅぅ!」
R4「火事場のスーパーショベル!」

各ビークルの迎撃が、バーツの光弾を次々にはね返す。

R2「今だ、R1マックス!」
R1「接近します!」

律子「……すごい!」
尚美「これなら、いけるわ!」

グレートゴッドストライカーがバーツに接近する。
その表面は、光の壁で覆われている。

R2「あれがシールドか!」
R5「よし、いくぞ!」

R1「スーパーファイナルレスキューを要請します!」
総司令「スーパーファイナルレスキュー承認。爆裂的に鎮圧せよ!」
一同「スーパーファイナルレスキュー、発動!」

ストライカー『砲撃ノチャンスは一度ダケダ・気合イヲ入レロ』
R1「任せとけぇ!」
ストライカー『ターゲット・ロックオン!』

R1「今だ! グレートフルキャノン!! いっけぇぇ!!

全ビークルの攻撃が、一気にバーツに炸裂する。
バーツの全身があっという間に凍結し、バラバラになってゆく。

ストライカー『命中』
R1たち「よっしゃぁ!」「よし!」「よっしゃあ!」

尚美「目標の消失を確認」
律子「世界各地の発光体も、消え始めました!」

モニター上の世界中のバーツの反応も、消えてゆく。

R1「俺たち、勝ったんだな……」

突如、警報が鳴り響く。

R4「レーダーに反応!? 何かがまだいるわ!」
R1「え!?」

四方八方からの光が空中に集まり、バーツが復活し始める。

バーツ「フハハハハハ! 私の計算は完璧だ。これも想定の範囲内。むろん私は、今の攻撃が一度しか行なえないことも知っている」
R1「何だとぉ!?」
尚美「こちらの攻撃が…… 読まれていたなんて」
律子「大変です!」

モニター上に再び、世界中のバーツの反応が現れ始める。

尚美「世界各地の発光体は、消えたのではなかったのね!」
総司令「緊急事態だ。至急、シミュレーションを」
バーツ「再生システム作動!」

バーツの巨体が完全に復活してしまう。

一同「バーツが、再生した!?」「何てこったぁ……」
R1「隊長、もう一度スーパーファイナルレスキューで!」
R5「忘れたのか!? あの攻撃は、一度しか使えん!」
R1「それじゃあ……!?」

R4「攻撃来ます!」
R1「ぐわぁっ!」
R5「もっと距離をとるんだ!」

律子「シミュレーションの結果が出ました!」
総司令「これは……!? 作戦は失敗だ! すぐに退却しろ!」
R1「嫌です!!」
律子「コンピューターで計算した結果は、作戦成功率0.1パーセント未満なの!」
尚美「スーパーファイナルレスキューが使えない今、私たちに勝ち目はないわ!」
R1「それがどうしたぁぁ!!」

グレートゴッドストライカーが海に没するが、再び舞い上がる。

R1「コンピューターがなんだ、計算がなんだ! 俺たちはいつだって、わずかな望みに命を賭けて、苦しむ誰かを助けてきたんだぞ!」
一同「……はっ!」
R1「たった0.1パーセントでも可能性があるなら、あとは現場の気合いで何とかなる! 今までだって俺たち、そうやって頑張ってきたんだ!」

これまでの数々のレスキューの想い出──

R1「誰かを助けたい、その気持ちさえあれば、無限のパワーを発揮する! それが俺たち、レスキューフォースだぁ! みんな、俺を信じてくれ!」
R2「もちろんだぜ、輝!」
R3「私も、あなたに賭けてみるわ!」
R4「私だって、ヒカルンについていくから!」
R5「無論、私もだ!」
ストライカー『オヨバズナガラ・私モ賛同シヨウ!』
R1「ありがとう、みんな! よぉし、行くぞぉ!」
一同「おぅ!」「はい!」

尚美「待ちなさい!
律子「行っちゃ駄目!」

総司令が、2人を制する。

総司令「私も信じるわ。みんなのレスキュー魂を」
律子「総司令……」

バーツ「人類にはこの地球を管理する能力などない。ゆえに、滅びるべきなのだ」
R1「それは、お前が勝手に計算した結果だろう!」

バーツから、嵐のような攻撃が降り注ぐ。

R1「合体解除!」
R3・R4「了解!」

攻撃の瞬間、R3・R4の乗るレスキューライザー、ショベルが分離する。

R3たち「あとは任せたわよ!」「しっかりね、みんな!」
R1「おぅ!」

律子「着弾と同時に合体を解除して、相手の破壊力を打ち消したの!?」
尚美「こんな攻撃、コンピューターは予測してないわ!」

再び攻撃が炸裂する。

R1「クレーン合体解除!」
R5「行けぇ! 2人とも突貫しろぉぉ!!」
R1・R2「ジェットビハイクルモード!」

レスキュークレーンが分離し、レスキューストライカーとダイバーのみの合体となり、バーツ目がけて突き進む。
バーツを覆うシールド目がけ、ビークル機首のドリルが炸裂する。

R2「じゃ、あとよろしく! うぉぉ!!」

レスキューストライカーのみが射出され、シールドをぶち抜いてバーツへ突っ込む。

R2「頼んだぜ!」
R1「はい、先輩! うぉぉ──っ!!」

バーツ「私の計算にはこのような計算が想定されていない」
R1「お前の計算が最初っから間違ってんだ! 人間には、誰かを助けたいと思う心がある! それが、0.1を百にも千にも変える、俺たちのレスキュー魂だあぁぁ──っっ!!」

レスキューストライカーが、バーツ本体の内部へと突き進む。

ストライカー『輝、ストライカーニ・サヨナラヲ……』
R1「あぁ。今日までありがとう、レスキューストライカー…… お前のことは、ずっと忘れない!」

バーツ「ウオオォォ──ッッ!?」

バーツが炎に包まれ、大爆発──!

もうもうと上がる爆炎の中から、コアストライカーのみが飛び出す。
コアストライカーが煙を吹きつつ、海岸に着陸する。

R1「はぁ、はぁ……」
ストライカー『無事カ……? 輝……』
R1「お前も死なずに、何よりだ……」

コアストライカーを降り、輝が素顔を晒す。

輝「終わったんだな…… ネオテーラとの、戦いが」

石黒、レイ、寿里が駆けてくる。

寿里「ヒカル──ン!」
レイ「輝──!」
石黒「輝!」
輝「みんなぁ! あ、あれ? 先輩は」

海の中から、ずぶ濡れの響助が姿を現す。

響助「お──い! おぉい、輝、輝! は、ハァックション!」
輝「あはははは! 先輩──!」


律子「誰かを助けたいと願う心。みんながそんな想いを持てば、バーツが計算した地球の未来は、あるいは変わるのかもしれません」
尚美「未来はきっと、変えられる」
総司令「人の心に、レスキュー魂がある限り……」


コアストライカーをバックに輝たちが並び、寿里がカメラ代りにレスキューコマンダーを向ける。

寿里「みんな、いっくよぉ!」
輝「寿里さん、早く早く!」

5人が揃って爆鎮完了のポーズを決める。

輝「せぇの!」
一同「爆鎮完了──っ!!



こうしてネオテーラは滅んだ。
そして 我々レスキューフォースにも
新たな旅立ちの日が近づいていた

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最終更新:2014年11月03日 05:55