金田一少年の事件簿(Caseシリーズ)の最終回

美雪「ケホ、じゃあね!はじめちゃん!」
金田一「うーっす!じゃあな美雪!」
美雪と金田一が、金田一の家の前で分かれた。

金田一が郵便受けを見る。
金田一「今日は手紙がけっこう来てんなー!どれどれ」
「ん?なんだ?この手紙・・俺宛だけど差出人の名前がねーじゃん!!」


金田一少年の事件簿

金田一少年の決死行 グランドフィナーレ



金田一の父「おかえり~~~」
金田一の父は、マスクを付けて咳き込んでいた。

金田一「!?どーしたの父ちゃん・・?会社リストラされたの?」
金田一の父「アホ!カゼひて休んだんだ!!見りゃわかるだろ!」
金田一「カゼぐれーで休んでたらホントにリストラされんぜー!頼むよ?家のローンとか残ってんだから。息子の俺におハチを回すなよ?」

金田一「え~~~~、不動山丸越デパートサマーセール大バーゲン、マンションの広告・・・・ウチにそんなモン送ってきてもなー・・おっ!これはフミ宛!しかも男じゃねーか!どれどれ・・」
「「フミちゃんへ、お手紙ありがとう。ボクは・・・・・」」
走ってきたフミが金田一から手紙を引ったくった。
フミ「読むな!!バカはじめ!人の手紙を大声で読むなんてプライバシー侵害よ!!訴えてやる!!」

麻衣「おじゃましてまーす!フミちゃんの同級生の島本麻衣でーす」
フミ「いーよ麻衣ちゃん!あんなヤツに挨拶しなくても!」
金田一「あ~~~~っ、どもども!」
「・・・・さて・・それにしてもこの手紙・・・・いったい誰からだろ?草太がワープロで
手紙書くわきゃねーし・・・第一学校で毎日会ってるし・・ひょっとして立石のヤツかな・・・・?」
金田一が手紙を開けた。
金田一「ハッ」


金田一の母「あらはじめ!帰ってたの?おやつの大福あるわよー!」
金田一「・・・後でいいよ!」
金田一の母「え!?い・・いいの?大福よ?」

金田一は二階の部屋に登っていった。

金田一の母「ちょ・・・・ちょっとはじめ!?」
金田一の母・フミ「「?」」


金田一の母「はじめー!夕食よー!」
金田一「あ――――・・今行く!」

金田一の母「・・・・変ねえ・・あれっきりずっと部屋にこもって・・いつもならつまみ食いの1回や2回っしにくるのに・・・・」
フミ「そっか!わかったおばさん!さっきの手紙のせいだよ!きっと美雪姉ちゃんから「好きな人ができたから、もう会いたくない」――――って手紙だったんだよ!相手はきっと草太でさ!ケケッ、ザマミロ!」

金田一は部屋で、あの手紙を見ていた。
金田一「・・・・・・・よし!」

金田一は持っていたお金をかき集めた。
金田一「う~~~ん、俺の全財産かき集めて、1万5524円―――こりゃちっと足りねーな!」


金田一の母「は?小遣い2ヶ月分前借りですって!?」
金田一「た・・・・頼んます!」
金田一の母「んなコト言ったって今月苦しいのの・・・・!」
母が父を横目で睨み、父は咳き込んだ。
金田一の母「ふ―――っ」
金田一の父「ね・・熱がっ、セ・・セキがっ!!うっー」
金田一・フミ「「・・・・」」

金田一の母「いったい何に使う気よ?」
金田一「それはその~~~~いろいろありまして~~~~ハハハハ・・・・」
金田一の母「しょーがないわね・・・・・」
「はい!6000円!」
金田一「ワオ!サンキュー母ちゃん!」
「・・・・ところでフミ!お前もけっこー貯めこんでたよなー?」
フミ「な・・・なによ!貸さないわよ!!あんた、だいたいなんでそんなお金いるんだよ!」
金田一「・・・・ちょっと・・な!」
フミ「・・・・」

フミ「わかったよ!ホラ、あたしのヘソクリ!」
フミが金田一にフクロウの貯金箱を渡した。
金田一「サンキュー!フミ!おっ・・けっこー重いじゃん!」

フミ「ちゃんと利子つけて返せよ!トイチだかんな!」
金田一「ト・・・・トイチ!?」


金田一「・・・・全部一円玉・・・・」
「小遣い前借りとフミの千円を足して2万2524円、目標の3万円まであと7476円か・・・さて・・・どーしよっか・・」
「――――――うーん・・・ここはやはり「愛は地球を救っちゃうかも」作戦で、みなさまの御協力をお願いするか・・・・!!うん!」


翌日。
金田一は剣持の元に来ていた。
剣持「おう!金田一!どうした?お前の方からこんなトコ来るなんて珍しいじゃねえか!」
金田一「オッサーン!実はさー、一口500円でカンパしてくんね?」
剣持「は?何のカンパだ?」
金田一「ワケは聞かずに気持ちよく御協力くだせー!」
剣持「まっ・・・・いいけどホラ!」
金田一「うう!ありがとごぜーますだ!!ところで明智サンは?」
剣持「明智警視なら全国の捜査一課の警部クラスを集めてエラソーな自慢話を・・・・・」
明智「エラソーな自慢話とはどういう意味ですか?剣持君!」

剣持の後ろに明智が立っていた。
剣持「い・・いや・・その・・素晴らしい講義を・・・・」
明智「あなたも受けた方がよろしいんじゃないですか?そこの素人探偵に協力を仰がないと事件ひとつも解決できないようでは、警視庁捜査一課の名折れでしょう?」
金田一「ハハハハ!相変わらずの明智節だワ、香港でのケガ、もうだいぶよくなったみてーだな!」
明智「・・・・・ええ・・・・なにやら気味が悪いですね、今日は何の用ですか?」
金田一「500円カンパに来たんだ!明智サンも一口どお!?」
明智「・・いいでしょう!何を企んでいるか知りませんが・・」
金田一「毎度~♡」
明智「そうそう!カンパなら、あそこにいる人たちにも頼めそうですよ」
金田一「?」

俵田「お~~~~っ!!金田一!?金田一じゃねーか!!」
茅「あら」
猪川「おっ!」
長島「チッ」
これまでの事件で金田一と知り合った4人の警部たちが集まっていた。

金田一「あ~~~~っ!俵田さーん!茅さん!!それに長島さんに猪川警部まで!!」

俵田「久しぶりだな~~~!キンダニ!!津野スキー場以来だな!」
俵田が金田一の背中をはたく。
金田一「イテッ!た・・俵田さんもあいかわらず!」
俵田「知ってっか~~~~?俺、あれから昇進して警部になったんだぞ!警部に!」

猪川「はっはっはっ、民間人でこれだけ全国に警察の知り合い作ってる怪しい人物はお前くらいだぞ!」
金田一「いや~~~~まだまだ足んないっスよ猪川警部!四国地方がいねーんだよな~」

長島「ケッ!俺は知り合いでもなんでもないぞ!!」
金田一「そんな~~~~!ツレないな~~~~長島さ~ん!」

茅「この子もホラ、金田一君に会えてこんなに喜んで・・・・!ふふ♡」
金田一「茅さんも、気になる箱ちゃんも元気そうで・・・・」


常談社。
いつき「カンパ?なーんだよ?ひょっとして、コレか?ん?」
金田一「そっ・・そんなんじゃないよー!いつきさーん!!――――ったく、思考が週刊誌なんだから」
いつき「ハハ!いいぜ!それぐらいなら、いくらでも出してやらあ!ホラ!お前にゃ世話になってるしな!」
金田一「あんがと!いつきさん!そういや、みずほちゃん元気してる?」
いつき「おう!最近すっかり体調よくてよ!学校もフツーに通ってんぜ!」
金田一「そうか・・!・・・・・よかったね!」
いつき「?」
金田一「じゃ・・まだ他回んなきゃいけねーから、またね!いつきさん!」

いつき「なーんだ?あいつ・・・・」


玲香のコンサート会場の控え室。
玲香「きゃ~~~っ♡うっそ~~~~!金田一君~~~~!!金田一君からあたしの楽屋に来てくれるなんてカンゲキー♡」
金田一「あ・・・・いや、実は俺、カンパ頼みに来たんだ!」

玲香「カンパね?わかった!これで足りる?」
玲香は札束を出した。
金田一「わ!そんなにいらないよ!500円でいいんだ!」

金田一「サンキュー!玲香ちゃん!新曲ヒットするといいね!」
玲香「・・・・?う・・うん・・・・」
金田一「じゃ・・俺行かなきゃ!」
玲香「あっ・・・待って!金田一君!」
「・・・・また・・会えるよね・・・・・?」
金田一「ああ!あったりまえじゃん!じゃね!玲香ちゃん!」
玲香「・・・・・」


金田一「・・・・さてここまでで、2万6524円!あとは学校の連中にでも・・・ん?」
金田一の横に、タクシーが止まった。
運転手「お客さん、どこまで?」
金田一「え?お・・・俺は別にタクシーなんか・・・・」
運転手「乗んなよ!運賃はいいからさ!」
金田一「はっ」
「じゃ・・・・お言葉に甘えて不動高校まで・・・・・」
金田一がタクシーに乗った。

金田一「どーゆう風の吹き回しだよ?快盗紳士!!」
運転手「あらバレてた?」
金田一「だってタクシーの上のランプがあんたのマークじゃん!」

運転手が帽子を取った、その素顔(?)は、以前名画を巡って金田一と戦いを繰り広げたもう一人の宿敵、快盗紳士だった。
快盗紳士「ホホホ!面白いでしょ?実は今度不動山美術館にある、和泉宣彦の絵をいただく予定なの♡リターンマッチよ!どう?受けて立つ?」
金田一「――――いや!俺は今度は降りるよ・・・オッサンに任す」
快盗紳士「え~~~~~~!?なんでよ~~~!つれないわね~~~!」
金田一「いや~~~~いろいろあってさ!俺も・・・、それよりついでだから、あんたも乗らない?一口500円!」
快盗紳士「はあ・・?なんであたしが?」
金田一「いいじゃん!こないだ俺の依頼料ガメたでしょ!?」
快盗紳士「――――ったく!しょうがないわね~~~~ハイ!」
金田一「サンキュー♡助かるぜ!」


不動高校。ミス研の部室に金田一が来た。
朝基「やあ!何しに来たのかな?」
金田一「うっっ!お・・・お前は・・・・・!」
朝基「授業もデズに部活だけ顔出すなんて不謹慎極まりない!!」
金田一「あっ・・・朝基!!!ミス研でもねーお前こそどーしてここにいるんだっ!?」

真壁「彼はボクの勧めで今日からミス研に入ったんだよ、金田一君!くぅくっくっく」
鷹島「・・・・・・・」
京谷「そーザンス!うっしっし」
金田一「真壁!それに京谷!お前まで!!で・・・お前ら、今度は何を企んでんの?」
朝基「もちろん知力でお前を倒すことさ!金田一!」

朝基たち「ひとりひとりではかなわなくても、3人合わせりゃ「文殊の知恵」!!」
「行くぞ!金田一っ!!」
「我々の攻撃を受けてみろおおおお!!」

朝基たち「「「精神攻撃~~~~!!」」」
朝基たちは、「みょんみょん」とした思念波を出してきた。
金田一「す・・すごい知力ですこと・・・・最終回だってのに・・・みょんみょん・・・って・・」

エミリ「センパーイ!」
金田一「エミリちゃん!!」
エミリ「七瀬先輩、今日カゼで休みなんですって!ちょうどいいから、帰りにエミリとゴハン食べません?」」
金田一「あ・・ワリーんだけど、今日は他に行く所があってさ!」
エミリ「え~~~~~~エミリ残念~~~~~!」

草太「え!お前今日ダメなの?サッカーのチケット手に入ったから誘おーかと思ったのに・・・・」
金田一「なぬっ!?そいつはちと惜しいな~~~~!」まっ・・・それはさておき、みなさーん!!恵まれない金田一君のために、一口500円で愛の
カンパお願いしまーす♡うふん♡」

草太「え~~~~!一口500円!?高すぎる!何考えてんだ!」
金田一「頼むよ~~~~!助けると思ってさ!」
草太「ん~~~~しょーがねーなー!ホラ500円!!」
金田一「ううっ!!ありがとう草太!やっぱり親友だな!」

エミリ「じゃ!エミリも~~~!」
朝基「フッ・・・・敵に塩を送るのも武士の情けか・・・・!」

金田一「へっへ~!サンキューみんな!カンシャカンゲキ~!!」


金田一は自分の部屋に戻った。
金田一「おっしゃー!これで目標の3万円達成!!これで準備はOKだ!さーてー・・・・・・・・・あとは・・」


風邪を引いた美雪は、部屋で寝ていた。
美雪「・・・!!」

金田一が窓から入ってきた。
金田一「よっ!美雪!」
美雪「はじめちゃん!!」
金田一「珍しーな!お前が寝込むなんて!」
美雪「ちょ・・・・ちょっと!窓から入ってこなくても・・」
金田一「あ!寝てろって!お前熱あんだろ?下、閉まってたからさ」
美雪「でも・・」
金田一「俺はちょっと見舞いに来ただけだからさ!」
美雪「・・・・」

金田一「――――もう夏休みだな・・」
美雪「・・・・うん・・去年は海に行ったよね・・・・・」
金田一「・・・・ああ・・・・・あのさ・・俺・・・・・・いなくなったら、さびしい?」
美雪「なに言ってんの?別にさみしくなんかないわよ!」
金田一「・・・・・・そっか・・」

美雪「はじめちゃん・・いなくなっちゃうの・・・・・?」
金田一「バーカ!なに言ってんだよ!」
美雪「なによ~~~~~ヘンなこと言わないでよ!も~~~~~!」
金田一「どうした?顔赤いぞ、まだ熱が―――――、ハッ」

美雪の目から涙が零れていた。

金田一「なっ・・・なんだよ、俺・・・・泣くようなこと言ったか?」
美雪「――――言った!思いっきり言った!」
「いなくなるって・・・・・・」
金田一「ごめん・・」

金田一が美雪とキスをした――――――


金田一「――――まだ・・熱があるみてーだな!」
美雪「・・・・・・・うん」

金田一が窓の方を向くと、窓の外で竜二がビデオを撮っていた。
金田一・竜二「「・・・・・・・」」
竜二「あっ!どうぞ!かまわず続けてください」
金田一「・・・・佐ぁ木いいい~てめえr~~~~~~!!
竜二「わっ」

金田一「このヤロ!そのテープよこせっ!!」
竜二「ダメですっ!これは名探偵、金田一一の赤裸々私生活編なんですから!!」
金田一「なにが赤裸々だっっ!!」
「!、おわ~~~ッ」
竜に「ぎゃっ!!」
金田一が竜二諸共、窓から落ちていった。

美雪「はじめちゃん!」

落ちた金田一の側に、自転車とリュックサックがあった。
美雪「!?はじめちゃん、その荷物と自転車は・・・・・!?」
金田一「あ・・・・・ああ!ちょっとそこまでな!」
美雪「で・・・・でも・・・そこまでって・・・・そんな大きな荷物持ってどこへ・・・」

金田一が自転車に乗った。
金田一「・・・・美雪!」
「またな!」


美雪が下に降りると、金田一は手を振りながら、自転車で去って行った。
美雪「はじめちゃん!はじめちゃん・・・・はじめちゃーん!!」
竜二「・・・・センパイ、どこに行くんですか?あんな荷物持って、長旅ですか?」
美雪「・・・・」
竜二「・・・―――――戻ってきますよね?センパイ・・・・」
美雪「・・・・・・・・・当たり前よ・・・・!必ず帰ってくるよ!」

金田一が分かれ道に差し掛かっていた。
金田一「・・・・さーて、どっちに行くかな・・・」

金田一が草をむしって、投げた。
金田一「よし!こっちだ!」


美雪(帰ってくるよ、もちろん―――――)
(だって、ここにはまだ謎が―――――)
(あいつの大好きなミステリーが、まだまだいっぱい残ってる)
(だから――――大丈夫)
(きっと・・・必ず帰ってくる――――)
(いつかまた――――逢えるその日まで)
(サヨナラ―――――金田一少年・・・・・)

金田一は自転車で走り続ける。


「金田一少年の事件簿」第Ⅰ期 完

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最終更新:2019年12月09日 23:24