名探偵コナン 絶海の探偵のオープニング

とある岬。
倉田正明が階段を降りる。
そこに停まっていたのは、船だった。
中を調べると、爆弾が仕掛けられていた。

倉田「まさか、これは…… た、大変だ…… 巡査中倉田から、若狭保安部へ至急、至急! 四区岩場付近自爆用と見られる爆発物を積んだ可能性の高い舟艇1隻が……」


翌朝

キャスター「続いてのニュースです。海上保安庁は、舞鶴湾で見つかった不審船から、日本にはない部品のデータを……」
光彦「舞鶴湾って、ここですよね?」
コナン「ああ……」
元太「なんかあったのか?」
歩美「どうしたの?」
コナン「今朝、沿岸で不審船が見つかったんだってさ」
歩美「ん?」
元太「不審船って何だ!?」
園子「ほら、ガキンチョども。間を空けないで、ちゃんと前に進みなさい」
探偵団「はーい!」
蘭「ちょっとお父さん!」
小五郎「ん?」
蘭「保護者なんだから、ちゃんと子供たちを見ててくれないと……」
小五郎「うるせぇな。付き添いが必要だっていうから、来てやったのによ……」
蘭「イージス艦に乗れるなんて滅多にないことなんだよ。10倍以上の長男間だったんだから……」
小五郎「そいつが、馬券だったらよかったのにな……」
蘭「もう!」
コナン(ったく。どこに行ってもぶれねぇな、おっちゃんは……」
園子「っていうか、イージス艦って何なの?」
蘭「えっ? えっと……」
光彦「イージス艦とは、アメリカ海軍が開発した、武器システムを搭載した艦艇のことですよ」
元太「すっげー強え軍艦だよな?」
光彦「はい!」
園子「ずいぶんあっさりした説明ね…… 歩美ちゃんもそういうの興味あんの?」
歩美「ううん。でも、海好きだし。せっかく当たったんだもん!」
蘭「そうよね。滅多にできない体験だもんね! お父さんも競馬のことは忘れて……」
小五郎「わあってるよ」
コナン(この通信は……)

コナンが列を離れようとする。

蘭「あっ、コナン君?」
コナン「僕、ちょっとトイレ」
蘭「早く戻ってきてよ。順番もうすぐなんだから……」
コナン「はーい!」

コナンはトイレに行き、通信に出る。

コナン「何だ? 博士」
博士「いやあ、新しく作った衛星電話の調子が知りたくなってのぉ……」
コナン「海上どころか、まだ船にも乗ってねぇよ」
博士「何じゃ。随分時間がかかっとるようじゃな」
コナン「ああ…… 今朝の不審船騒ぎでセキュリティチェックが厳しくなってるかも」
博士「なるほど……」
コナン「せっかく作ってくれたこの衛星電話も、今回は使わねぇほうがいいかもしれねぇな…… ところで、大阪での会合はうまくいったか?」
博士「ああ。哀君に手伝ってもらったからのぉ…… すごぶる評判じゃった……」
コナン「そっか。じゃあ、公開演習が終わったら合流できそうだな…… あっ、そろそろ列に……」
博士「ところで、ずいぶん待たされて、子供たちが退屈しとるんじゃないか?」
コナン「いや、別に……」
博士「よし、クイズを出してやろう!」
コナン「連絡してきた理由はそっちかよ?」
博士「イージス艦の『イージス』は、ギリシャ神話のゼウスが、娘のアテネに与えた邪悪を払う盾・アイリスからきておるのは知っておるじゃろ? そのゼウスが、悪魔ヒドラとの戦いで、その鋭い牙で身体中を噛まれたそうじゃ。しかしたった1ヶ所だけ噛まれなかった場所があったんじゃ。さぁ、それはどこでしょう?」
コナン「1.首。2.胸。3.腹。4.腰。だってさ…… 博士がどうしてもおめぇらに出題しろって言うからさ」
探偵団「うーん……」
蘭「ていうかコナン君、いつ博士とそんな話したの?」
コナン「えっ? さっきトイレに行った時にね……」
歩美「ねぇ、コナン君。わかんない……」
光彦「降参です」
元太「答えは何だ?」
コナン「答えは、4の腰」
歩美「どうして?」
コナン「神の腰で、噛み残しだってさ……」
元太「はぁ、何だよ。またダジャレか……」
係員「次の方は、参加ハガキを出して前へ出てください」
光彦「あっ、順番きましたよ!」
元太「待ちくたびれたぜ」
園子「こらっ、走るんじゃない!」
係員「手荷物をお持ちの方は、中身が見えるように蓋を開け、係員の前に置いてください。それと、携帯電話は艦内に持ち込めませんので、こちらでお預かりさせていただきます」


いよいよイージス艦が出港。

井上「本日は、海上自衛隊の航海演習に参加していただき、誠にありがとうございます。今日1日、艦内を案内させていただく井上です。よろしくお願いします! では、今回の航海演習の詳細を説明させていただきます。まずは、正面モニターの地図をご覧ください…… 赤く表示されている部分は、自由に見学していただける場所です。それ以外の通路や部屋には入らないようお願いします…… 詳しくは、お手元のパンフレットにも記載してあります。続いて、タイムスケジュールについて説明させていただきます……」

蘭「園子、今何時?」
園子「えーっとね……」
コナン「蘭姉ちゃん、時計は?」
蘭「故障したから修理に出してるの。その間は携帯を時計代わりにしてたんだけど……」
園子「没収されちゃったからね……」
光彦「よかったら、この時計を使ってください」

光彦は蘭に時計を渡す。

蘭「えっ? でも、光彦君は?」
光彦「僕は、デジカメに時計がついてますから、大丈夫です……」
井上「いいですか。船は時間厳守です!」
園子「だって。借りといたら?」
蘭「うん。じゃあ、ありがとうね。光彦君……」
光彦「はい! 防水加工ですから、潮風を気にすることありませんし、時間は電波時計ですからすごく正確ですよ」
元太「電波って何だ?」
光彦「えっ? 知らないんですか? 正しい時間を知らせる電波を、日に何回か受信する時計です」
園子「へぇーっ……」
光彦「ちなみにそれは、朝と夕方の5時に受信します」
歩美「受信って、どこからするの?」
光彦「えっ? それは……」
コナン「この辺だと、福島の電波送信所かな……」
歩美「へぇーっ……」
蘭「コナン君、ずいぶん詳しいのね……」
コナン「そ、それは新一兄ちゃんが……」

すると、轟音が鳴り響く。

歩美「な、何⁉︎」
蘭「何? この不気味な音……」
小五郎「何だ? 何が起こった⁉︎」
井上「落ち着いてください、大丈夫です。今の音は、注排水装置が、海水を大量に吸い込んだ時などに起きる音です」
蘭「ちょっとお父さん! 」
小五郎「ん?」
井上「落ち着いてお座りください。それと、口元の注排水弁が緩んでいるようなので、気をつけてください……」
一同「あははは!」
小五郎「いやあ、どうも×2……」
蘭「お父さん、お願いだから座って!」
コナン(ったく。でも、注排水であんな音がするもんなのか?)

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最終更新:2015年07月28日 22:16