重戦機エルガイムの第1話




ドリーマーズ




1人の少女、ファンネリア・アムが、息を切らして荒野を駆けている。
盗賊団の1人、ハッシャ・モッシャの乗るマシンナリィ(戦闘メカ)・ゼッダが、アムを追う。

ハッシャ「冗談じゃないぜ。当てないように撃つ方が、よっぽど腕がいるんだぜ。ファンネリアに当てるわけには行かねぇの。──そこだ!」

ハッシャの砲撃が、アムのすぐそばの地面に炸裂する。

アム「もう! ハッシャ・モッシャ、射撃が近過ぎるんじゃないの!?」

アムが坂道を転げ落ちる。

アム「きゃっ! ハッシャ・モッシャめ…… 遅いんだぉよ、あいつが!」


1台のワークス(移動工場と居住空間を兼ねるトレーラー)がやって来る。
操縦席の青年、ミラウー・キャオが、アムが駆けて来るのに気づき、慌てて停車させる。

キャオが外に降りると、アムが倒れている。
アムは薄目で、キャオに気づきつつも、苦しそうに倒れている素振りをする。

キャオ「おい、大丈夫か?」
アム「うぅ、助けて!! あ、期待外れ……」
キャオ「えっ?」
アム「向こうで盗賊に襲われて、私、身ぐるみ剥がされてしまって…… お願いです。後生ですから、助けてください!」
キャオ「身ぐるみ剥がされちゃいないじゃないの」
アム「大事な物は、みんな盗られちゃったのよ!! えぇ~ん!」
キャオ「そ、そいつは…… で、相手は多いのか?」
アム「多くない、多くないわ。スケベそうなのが1人だったんだけど、中古のマシンナリィ持ってて、怖かったわ~!」
キャオ「そ、そうか。よぉし、マシンナリィ1台ぐらいなら任せとけって!」

キャオがフロッサー(エアバイク)に乗り、駆け出す。

キャオ「取っ返してやっからな! 待ってろよ!」
アム「待ってるわ、逞しいお方!」
キャオ「お、ヒヒッ! 行くぜ、山賊ども!」

キャオの姿が見えなくなり、アムは平然と行動を開始する。

アム「あ~あ、もう少しマシだとねぇ…… さて、これでリーリン姐さんの出番とね」

ワークスの荷台には、ヘビーメタル(巨大ロボット兵器)、主役メカのエルガイムが積まれている。

アム「やだぁ! このヘビーメタル、半完成品じゃないの!?」

ワークスに設置されているクレーンに乗り、上方からエルガイムの全身を見渡す。

アム「よいしょ…… あ、完成品らしい。良かった」

ワークスの車内で呑気に昼寝している、主人公ダバ・マイロードが目を覚まし、外に出る。
操縦席にいるはずのキャオがいない。

ダバ「あれ?」

女盗賊ミヤマ・リーリンの乗るフロッサーの一団が近づいて来る。

アム「やっと来た!」

ダバがリーリンたちに気づき、操縦席に乗り込み、ワークスを始動させる。

アム「きゃっ……!」

リーリン「動いた!? アムの奴が動かしてんのかい?」
部下A「いや、アムはクレーンの上だ」

アム「オートマチックなの? 誰かいるの?」

ダバが操縦席から顔を出し、アムに気づく。

アム「あぁっ、まだもう1人いた!」
リーリン「坊や1人かい? かわいそうだね、私と出会ったってのがさ!」

リーリンはフロッサーをワークスへ叩きつけると、自らは機体の上に飛び乗る。
ダバはワークスを自動操縦に切替え、ルーフから顔を出す。
リーリンがセイバー(ビーム剣)を突きつける。

ダバ「うわっ!」
リーリン「まったく、可愛いね…… このスットコドッコイのオッチョコチョイのところがさ」

リーリンがセイバーで斬りつけ、ダバは身を翻してかわす。

リーリン「ふふっ、やるじゃないか」
ダバ「キャオの奴、どこに行ったんだ? あなたは何なんです? このワークスもヘビーメタルも、父の形見なんだ。ホバーサドルをぶつけ、その上、土足で上がり込み、セイバーで斬りかかって、たまんないな!」
リーリン「なら、さっさと降りちまいな。そうすりゃ楽になるよ。ファンネリア・アム! ぼうっとしてないで、手伝ったらどうなんだ!?」
ダバ「無茶でしょ」
リーリン「これが私たちの商売なんだから、しょうがないだろ? 今夜の酒代もいるんだよ!」

ハッシャ・モッシャが銃を放つ。

リーリン「やめないか、ハッシャ・モッシャ! 傷物にしたら、高く売れないだろ! ま、ミヤマ・リーリンに会ったの、身の不運とあきらめな」

ダバもセイバーを抜き、リーリンと斬り結ぶ。

リーリン「坊や、うまいね!」

ダバが勢い余って、足を踏み外す。

ダバ「わぁっ!」
リーリン「ふふっ、かわいそうだがこれで…… ん?」

ダバは必死に、脚だけでワークスの縁にしがみついている。

リーリン「こいつ……! アム、手を貸したらどうなんだ!?」
アム「ワークスは動いてるのよ? 私には、とてもできないわ」
リーリン「ぶりっ子するんじゃないよ! 売れない芝居小屋から引き取ってやった恩を忘れて! このガキャ!」
ダバ「ガキよりは坊やの方が、可愛らしくていいな」
リーリン「遊んでんじゃないんだよ!!」

ダバが大勢を立て直し、リーリンの剣をかわして飛びのく。
背後にいたアムと、しばし目が合う。

リーリンが斬りかかり、再びダバとリーリンの戦いとなる。

部下A「てめぇも手伝ったらどうなんだ!」
アム「逃げ回る役、やったんでしょ? セイバーもライフルも持っちゃいないよ」

ダバ「いけね、ハッチ開いてない」

盗賊の部下の1人が、銃を放つ。

部下A「さっさと引っ込んじまえってんだよ!」
リーリン「ヘビーメタルに傷つけんじゃないよ! せっかく新品らしいんだからさ!」
ダバ「こんな、ハンドメイドのヘビーメタルを盗ったって……」
リーリン「こういうの流行ってんだからさ、高く売れるんだよ」

リーリンが大きく跳躍し、セイバーを振るう。
ダバがセイバーを振って、迎え撃つ。

リーリン「きゃぁぁっ!」

絶叫と共に、リーリンの片腕が斬り飛ばされる。
リーリンはかろうじて、もう片方の手で、ワークスの淵にぶら下がる。

ダバ「親分さんが腕をやられた! 助けてやれ!」
ハッシャ「あ、姐さん!?」
リーリン「ハ、ハッシャ・モッシャ…… 早く、早くしないかよ!」
ハッシャ「姐さん、もうちょっとの辛抱ですぜ ──姐さん、降りて」

ハッシャのゼッダが、マニピュレーターでリーリンを受け止める。

ハッシャ「姐さん、そ、その腕!?」
アム「あんたがドジだからよ!」
部下A「何言ってんの。お前がもっと色気出して、あいつをボケっとさせりゃうまくいったんだ!」

盗賊の部下がフロッサーにアムを乗せ、駆け去る。
アムが振り返り、ダバに微かに笑いかける。


キャオが帰って来るが、ワークスを見失う。

キャオ「あれ、あらら? ワークスはどこへ行ったんだ?」

停車していたはずのワークスが動いているのに気づく。

キャオ「あの女、ワークスを盗み出すために!? おい、ダバ! ダバ・マイロード! まだ寝てんじゃないだろうな!?」
ダバ「何だよ? どこに行ってたんだ?」
キャオ「あれ? あ、あの、ちょっと、あそこまで盗賊捜しに……」
ダバ「ふ~ん、マメなんだね」
キャオ「キャビンの中なの?」
ダバ「何がさ?」
キャオ「何がって…… あのさ、おいダバ!」
ダバ「何だよ?」
キャオ「知らないのか?」
ダバ「ファンネリア・アムって、女の子のことか?」
キャオ「名前聞き出したの!? ヒャヒャ、こいつ…… 俺より先に、よくやるじゃないの。どうしたんだよ?」
ダバ「行ったよ、仲間と一緒に」
キャオ「え、仲間がいたの!? 誰、そいつは!?」
ダバ「悪い男とか女がついてたな、あの子」
キャオ「そんなの…… あんな可愛い子にかよ!?」
ダバ「普通じゃないの? 可愛い子にトゲがあったりなんかするのは。親父が言ってたよ」
キャオ「あの女……!」


その夜、ダバたちはワークスを停め、野営をしている。
キャオは炊事でスープを煮ており、ダバは傍らで、親指立て伏せで体を鍛えている。

ダバ「87、88、89……」
キャオ「俺はやっぱ、ポセイダルの正規軍に入りたいな。エルガイムがありゃ、二つ返事で入れてくれっだろ?」
ダバ「俺は反対だ。親父は正規軍には、エルガイムは見せない方がいいって言うし。それに、クワサン・オリビーを捜したいしな」
キャオ「へっ、血は繋がってないってのにさ。熱、熱っ!」
ダバ「けどさ……」
キャオ「明日は、プリャーモに入ってみようぜ」
ダバ「キャビンよりこっちの方がいいよな」
キャオ「コード・センサーはいいのか?」
ダバ「ああ、オンしてる」

盗賊の部下2人が、密かにダバたちを監視している。

部下A「あの馬鹿、俺たちが追いかけてるなんて、考えてないぜ。リーリン姐さんの腕の仕返しができるってもんだぜ。姐さんに報せな」
部下B「へぇ」


リーリンはアジトで、部下たちの手により、切断された腕に義手を接合する処置を受けている。

リーリン「痛ぁっ!」
部下C「押さえていろって!」
ハッシャ「あぁ……ごめんなすって」
部下C「姐さん、これでおしまいです」
リーリン「な、何だよ?」
部下C「ちょいと痛みますけどね。なんせ、腕をくっつけるんだから」
リーリン「ぎゃぁぁっ!」
部下C「終わりました、姐さん!」
リーリン「終わったかい……」
部下C「動かしてみてください」

接合された義手が、元の腕のように動く。

ハッシャ「わぁ、すげぇや」
リーリン「どきな。見てな。ミヤマ・リーリンの名前に賭けても、この2つの腕さえあれば あのガキに、落とし前をつけさせてもらうよ! プリャーモの連中は呼んだろうね?」
ハッシャ「ゼッタが、もう1台来ます」


翌朝の早朝。
ダバとキャオは、ワークスの側でシュラフで寝ている。
アムが、ターバンとフード姿で現れる。
ダバの顔を指で突いてみるが、目を覚まさない。

アム「どういう神経してんだろ? こいつら」
ダバ「ん、ん…… あっ!?」

ダバが飛び起きる。
アムがとっさに、銃を構える。
ダバも銃を抜くが、アムがその銃を弾き飛ばし、キャオの頭に銃があたる。

キャオ「わぁ~っ! ど、どこだ!? なな、何が来た!? お、女……? こんな朝っぱらから、女かよ!? おい、ダバ……」
ダバ「おぅ、起きたか」
アム「よく寝てられんね、あんたら。いい神経してるよ」
キャオ「あ! おめぇ、昨日の女盗賊の片割れの、ファ、ファン……」
アム「ファンネリア・アムってんだよ」
ダバ「また騙しにきたのか?」
アム「騙すつもりなら、とっくの昔にやってるよ!」
ダバ「そりゃそうだ。何しに来たんだ?」
アム「姐さんの腕を斬ったのが、あんただって、どうもね……」
ダバ「何だよ、見てたんだろ? 信じてないような口ぶりだな」
キャオ「何しに来たんだよ、ビラビラターバン」
アム「早く逃げろって、教えにきたのにさ!」
ダバ「逃げた方がいい?」
アム「人がせっかく、二日酔いの頭痛を堪えて、早起きしてきた甲斐がないのね!」
ダバ「ちょっと彼女、今言ったの、どういうこと? ねえ、彼女……」
アム「ファンネリア・アムっての!」
ダバ「お前たちの仲間が、また俺たちを襲うって言うのか?」
キャオ「当たりめぇじゃねぇか! 行くぞ。その女は見張りだ!」
アム「違うってば!」
ダバ「ファンネリア!」
アム「何さ?」
ダバ「ありがとう」
アム「イーッ!」

ダバとキャオが、ワークスに乗り込む。

アム「ダバ・マイロードって言ったな……」

キャオ「怖いね、あぁいうの」
ダバ「あんなのは、持て余すね」

アムの乗るフロッサーが、ワークスの横に並ぶ。

アム「そりゃ、あんたが勝手だからよ」
キャオ「あっ、こいつ!」
アム「あんたら勝手が何で、そんなワークスとヘビーメタル持ってんのさ?」
ダバ「いつ追っ手が来るんだよ?」
アム「あたしゃ知らないわよ」
ダバ「追いつかれそうだ!」

リーリン一味のゼッダやフロッサーが、接近して来る。

アム「早いって!」
キャオ「ほれ見ろ、見張りだったんじゃねえか。騙しやがって」
アム「騙してないったら!」
ダバ「キャオ、レーザーキャノンをリモコンで試し撃ちしてみろ」
キャオ「よし、やるぞ」

キャオがレーザーを撃つ、
ダバは、ワークスの上に立ち、周囲を見渡す。

ダバ「マシンナリィが2台か!」

ハッシャのゼッダに加えてもう1台、ゼッダが加勢している。

部下D「ははっ! あんなハンドメイドのヘビーメタルに、姐さんがやられたっての!? おぉ、嫌だ…… ゴロッゾ、前へ出ろ! 奴らの足を止めろ!」

ダバ「まずいな。今度は、かなり組織的だぞ」

アムの隣に、リーリンの乗るフロッサーが並ぶ。

リーリン「アム! あんた、奴らを逃がしたね!?」
アム「ちゃうわ、相手は2人よ? 撃ち合い負けしちゃったのよ。パックちょうだい」
部下E「落とすなよ、ほれ」

リーリンのフロッサーを操縦している部下が、アムに褒美を放る。

アム「へへ、儲けちゃた」

ダバ「あれ? キャオ。フローが置いてないぞ」
キャオ「何だ?」
ダバ「スパイラルフロー*1、どうした?」
キャオ「夕べ整備したとき、ギア・デッキに置いたでしょ、ギア!」

エルガイムを覆う幌が、風に煽られて飛んでゆく。

ダバ「あ、幌が…… あっ、あったあった!」

ダバがスパイラルフロー(エアバイク)に乗って発進する。
岩陰に身を潜めつつ、ワークスを狙う盗賊たちの何人かを、銃で仕留める。

部下「うわぁぁっ!」
ダバ「わぁ、やだ…… おい、死ぬなよ」

ゼッダが迫って来る。
ダバは倒れている盗賊を放り、スパイラルフローでワークスの方へ向かう。

ダバ「ごめんよ! キャオ、エルガイムを出そうよ」
キャオ「やれんのかよ?」
ダバ「人をやるのは嫌だよ。気持ちが悪い…… 不気味だ」
キャオ「わかった」
ダバ「その代わり、ゼッタは撃退してみせるって。あれならマシンだからな。やっても不気味じゃない」
キャオ「了解!」

エルガイムを乗せた荷台が直立してゆく。

部下D「ヘビーメタルを出そうってのか? 撃てよ! ハッシャ・モッシャ、モタモタするな! ヘビーメタルが動くぞ!」
ハッシャ「ワークスの足を止めりゃいいんだろ?」

盗賊たちの砲撃が迫る。

ダバ「ベッドルームかキャビンか、ヘルメットはどこに置いたっけ…… ドッキング・センサー!」

スパイラルフローが大きく舞い上がり、変形し、エルガイムの頭部に収容され、コクピットとなる。

ダバ「あ、こんなところにあった」

ダバがエルガイム頭部内に放置していたヘルメットをかぶり、戦闘準備に入る。

キャオ「ダバ、何してんの!? 早くしなよ!」
ダバ「やってるよ。いつでもいい、離してくれ。視界良好だ。こんなに追いつかれちゃったの?」
キャオ「出すぞ!」

エルガイムがワークスを離れ、出動する。
盗賊たちの砲撃が依然、呻っている。

ダバ「射撃が正確になってる。あのキンキラキンのゼッタか」

盗賊「ハッシャ、頼むぜ!」
カロモン「姐さん!」
リーリン「まっすぐ行きな! 正製ヘビーじゃないんだ。仕留めるさ。坊や!」
ダバ「邪魔なのは、あの2機か」

エルガイムが大地を蹴り、大きく跳躍する。

部下E「飛んだ!」
リーリン「ジャンプだろ!」

エルガイムが空中から地上に降り立ち、盗賊のフロッサーが煽られて転倒する。

部下「怖い~!」

ダバ「キャオ、ランチャーがいる!」
キャオ「わかってる!」

リーリン「転びなよ!」

リーリンの砲撃が、エルガイムの膝関節の一部を砕く。

ダバ「あの女……! 女って怖い! キャオ!」
キャオ「こっちからも来てんだよ!」

ワークスもまた、リーリンらの砲撃に襲われている。

アム「ありゃ、駄目だ。あれじゃ囲まれちゃう」

ダバ「そこまで行く。我慢しろ!」

リーリン「このぉ!」

リーリンの2撃目が、エルガイムの脚の一部を砕く。
エルガイムが何とかワークスまで辿り着き、ランチャー(ビーム砲)を腕に装着する。

ダバ「ごめん!」

エルガイムのランチャーが、加勢してきたゼッダを仕留める。

部下D「何で当たった? ぐわぁぁっ!」
ダバ「ははっ!」
リーリン「役立たずが…… 口だけ生まれたのかい?」
部下E「姐さん!」

エルガイムの2撃目が、リーリンの乗るフロッサーに命中する。
操縦手の部下が、地面に振り落とされる。

リーリン「くっ……!」
部下E「わぁぁっ!」

リーリンのフロッサーは操縦手を欠き、制御を失って狂ったように走り回る。
ハッシャのゼッダが必死に追う。

リーリン「わぁ~、離れちゃう~! 誰か止めとくれ~!」
ハッシャ「姐さぁん!?」

フロッサーがクラッシュし、リーリンが宙に投げ出される。

リーリン「きゃっ! ハッシャ・モッシャ、落ちるぅ~!」
ハッシャ「落ちるなぁ、姐さん!」

ハッシャのゼッタがリーリンを受け止めて、そのまま一味共々、逃げ去ってゆく。


リーリンのフロッサーを運転していた部下が、倒れている。
ダバたちが地上に降りて、駆け寄る。

ダバ「おい」
部下E「う、うぅっ……」
ダバ「動けないのか?」
部下E「う、打ちどころが悪かった……」
ダバ「キャオ、怪我人だ、怪我人」
部下E「医学部にいたことだってあるんだ、無駄だよ。坊や……」
ダバ「ん?」
部下E「頼みがある。俺の胸ポケット……」
ダバ「ポケット?」
部下E「手形がある」

ダバが彼の胸ポケットから、手形を見つける。

部下E「そ、そいつだ。そいつを、プリャーモのアマンダラ・カマンダラに、届けてくれ……」
ダバ「いいけど……」
キャオ「死んじゃったんだろ?」
ダバ「まだ生きてるよ」
部下E「すまない、とどめを、た、頼む……」
ダバ「やってやれよ」
キャオ「えっ? ば、馬鹿言え…… やったれよ」

アムがやって来る。

アム「何、グズグズしてんのよ? そんなの放っぽいといて、早く逃げないと」
キャオ「何言ってんの!? この人が、とどめ刺してくれって言ってんだよ。やってやんないと」
ダバ「ん、お亡くなりになっている」
キャオ「え?」
ダバ「この人、知ってるの?」
アム「カロモンって人。2・3日前に転がり込んできた人よ。よくは知らないわ」
ダバ「ふうん…… キャオ、移動するぞ。エルガイムの修理は、移動しながらやる」

ダバたちはこうして、アマンダラ・カマンダラなる人物を捜し、プリャーモの地を目指す。


(続く)

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最終更新:2020年05月23日 21:17

*1 スパイラルフローは、新主役メカのエルガイムMk-IIとスパイラルフロー・ビュイの登場後、区別として「フリッカ」と呼ばれたが、この第1話時点では単に「スパイラルフロー」としか呼ばれていない。