ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突の最終回

究極生命体アブソリューティアンたちに捕らわれていたウルトラマンレグロスユリアンは無事、ウルトラ戦士たちの活躍で救い出された。
惑星ブリザードで、ウルトラ戦士たちと、アブソリューティアン、そしてタルタロスに引き入れられたウルトラマンベリアルトレギアたちとの決戦が繰り広げられる。

レグロスは、ウルトラマンレオアストラの兄弟と力を合わせて、コスモ幻獣拳の因縁の相手であるアブソリュートディアボロを倒す。
トレギアは、光を信じぬくウルトラマンタイガを目にして、自ら戦いの場を去る。
残るはタルタロス、ティターン、ベリアル。


ウルトラマンジードゼットが、ベリアルに挑む。
ベリアルに奪われていた幻界魔剣ベリアロクが、自らベリアルに見切りをつけて、ゼットの手に戻る。

ゼット「ベリアロク! やっと戻って来てくれたか!」
ベリアロク「フン、本来の持ち主の意地を見せてみろ」
ゼット「あぁ。力を貸してくれ、ハルキ! チェストォォ!!」
ベリアル「な、何!?」
ゼット「うぅおおぉぉ──!!」

ゼットがベリアロクの闇の力を浴びて、新形態、デスシウムライズクローへと強化変身する。

ゼット「ウルトラ凄いパワーだ……!」「ゼスティウムデスバーストォォ!!

ベリアロクを構えての強力な光線が、ベリアル目がけて炸裂する。
ベリアルが大ダメージを受けて、膝をつく。

ジードが歩み寄り、手を差し伸べる。

ベリアル「うぅっ…… はぁ、はぁ……」
ジード「父さん…… ベリアロクの言おうとしていたこと、何となくわかるよ。だって、僕も父さんの遺伝子を──」

ベリアルは荒々しく、ジードの手を払う。

ベリアル「黙れ! 俺はお前の親父の並行同位体だ。息子なんか作った憶えはねぇ!」

ベリアルは傷ついた体を引きずるように、去っていく。

ジード「父さん……」


ウルトラマンゼロは、新形態ウルティメイトシャイニングを長時間維持できるように成長を遂げ、タルタロスとの激闘を続けている。
ゼロの光線を浴びて、タルタロスが大きく後ずさる。

タルタロス「もうじき、あのお方が目覚める…… たとえこの身が滅びようとも、それまでに光の国を手に入れる!」
ゼロ「『あのお方』だと?」

タルタロスが大きく跳躍して宇宙空間にまで飛び出し、惑星上を目がけて、超強力な光線を放つ。

タルタロス「アブソリュートマキシマムデストラクション!! うおぁ──っ!!


M78星雲 光の国・宇宙警備隊本部の、ウルトラの父ウルトラの母

父「このエネルギーの量は!?」
母「いけません! 皆、逃げてください!」


惑星ごと破壊しかねないほどの巨大なエネルギーが、地表に迫る。
ウルトラ戦士たちも、ウルトラマンリブットと戦っていたアブソリュートティターンも、その威力に驚愕する。

ゾフィー「い、いかん!」

光と共に、ウルトラマンキングが降り立つ。

ゼロ「キングの爺さん!?」
キング「たぁぁ──っ!!」

キングが両手から光を放って、タルタロスの光線を受け止める。

キング「そこまでにするのだ── アブソリューティアンよ」
タルタロス「老いぼれが邪魔をするな! あのお方は、我らを導いてくれるお方。貴様とは違う! うおお──っ!!」

タルタロスが光線に力を込め、次第にキングの力を押し戻す。

リブット「皆をレスキューします!」「ストロングネット!!」

ウルトラマンリブットが跳躍し、光の網を張る。
激しい衝撃で空間が裂けて、リブットとタルタロスが飲み込まれてゆく。

タルタロス「う…… うぉぉ!?」
リブット「うわあぁ──っ!!」
ゼロ「リブットぉぉ!?」

光線のぶつかり合いがやむ。
リブットによりウルトラ戦士たちは守られたものの、リブット、タルタロスの姿はどこにもない。
ティターンもいつしか、姿を消している。


ギャラクシーレスキューフォース本部の、イザナ女王と、ソラ

ソラ「各員は、惑星ブリザードから撤退。リブットの信号は…… ロスト、しました……」

泣き崩れそうなソラに、イザナがそっと肩に手を添える。

イザナ「ソラ……」



(ゼロによるナレーション)

惑星ブリザードでの決戦から、
少しの時が流れた。

あれ以来、アブソリューティアンたちは
姿を見せていない。

小康状態といったところか──



光の国の訓練施設、ウルトラコロセウム。
ゼロとレグロスが、組み手をしている。

レオとアストラ兄弟が見守り、ゼットもその様子に感嘆している。

レグロス「さすがレオの弟子だ。やるな!」
ゼロ「いや、コスモ幻獣拳が伝説の宇宙最強の拳法だといわれる理由が、わかったぜ」
レグロス「『コスモ幻獣拳が伝説』か…… 俺はL77星やD60が、マグマ星人に襲われた後に、アブソリューティアンたちにさらわれた。失った時間は大きいな……」
アストラ「わかるよ、レグロス。俺も同じくマグマ星人にさらわれ、キングに助けられた」
レグロス「ただ一つだけ、違いがある。俺は過去から連れてこられた」
ゼロ「えっ?」
レオ「そうか。ある意味、お前も並行同位体というわけか」
ゼロ「えっ? どういう……?」
レグロス「そう。つまり、お前たちと違って、俺はまだ若いってことだ!」
アストラ「こ…… こいつぅ!」
レグロス「ははっ!」

アストラとレグロスが笑いつつ、からかい合うように、組み手を始める。

レオ「まったく…… 昔から変わらんな」
ゼロ「フッ。ゼット、お前も参加して、学んで来たらどうだ?」
ゼット「そ、そうしたいんですけど…… ハルキを迎えに行って、一度地球に戻ります。ストレイジの皆も心配してるだろうし、バロッサ星人の生き残りがまた悪さしてるって情報もあるんで」
ゼロ「そうか…… 行ってこい!」
ゼット「はい!」

ゼットが光の国を飛び立つ。
彼を見送るゼロの隣に、ウルトラマンジョーニアスが並ぶ。

ジョーニアス「戦士たちは集った。本格的に、ウルトラリーグの編成を始めよう」
ゼロ「あぁ。光の国を、この宇宙を必ず、守って見せる!」


ザ・キングダム本星の、アブソリュート宮殿。
アブソリュートティターンは、彼らの力の源であるカスケード光線を浴びて、傷を癒している。
そして、ベリアルとトレギア。

ベリアル「俺はここを出る。アブソリューティアンもウルトラマンも必要ねぇ。俺は俺のやり方で力を手に入れる」

ベリアルが空間を割いて、タルタロスに奪われていたギガバトルナイザーと、何かを取り出す。

ベリアル「お前はどうする?」

ベリアルはその何かをトレギアに渡して、ギガバトルナイザーを担ぎ、どこかへ去っていく。

トレギア「これは……!?」

トレギアが闇に堕ちていたときの仮面、トレギアアイ──
トレギアもまた、どこかへ去ってゆく。


ウルトラマンキングの住むキング星の洞窟、キングケイブ。
ウルトラの父と母、ゾフィー、ユリアンが、キングに謁見している。

ゾフィー「タルタロスが言っていた『あのお方』なる存在。奴は『アブソリューティアンを導く存在』だと」
父「それに、ディファレーター光線と同質のエネルギーを放つタワーの報告もあります」
キング「うむ…… 我らウルトラマンと同じような力を持ちながら、別の道を選択した種族── それが、アブソリューティアンだ」
ユリアン「彼らと、和平を結ぶことはできないのでしょうか?」
母「彼らを導く者の出方次第でしょうね。しかし、希望は捨ててはいけませんよ」
ユリアン「はい」

キング「アブソリューティアン──」


ギャラクシーレスキューフォース本部。
イザナ女王のもと、アンドロメロスとソラが、必死に解析を続けている。

メロス「ザ・キングダムの同行は依然、不明…… リブットも…… 未だ、わかりません」
イザナ「そうですか……」
ソラ「……必ず、リブットは戻って来ます! 私は、そう信じています!」



エンディングテーマの後の、エピローグ。

宇宙空間が裂けて、タルタロスが飛び出し、どこかの惑星の大地に降り立つ。
その手には、レグロスたちに敗れたアブソリュートディアボロの心臓部、アブソリュートハートがある。

アブソリュートハートから、死んだはずのディアボロが蘇生し、元通りの姿となる。

ディアボロ「はぁ、はぁ……」
タルタロス「お前の持つアブソリュートハートも、あと5つ。それが無くなると、二度と生き返れない。大事に使え」
ディアボロ「わかってる! それより、ここは一体どこだ?」
タルタロス「むっ…… あれは!?」

視線の先では、ウルトラマントリガーとカルミラ、闇の巨人たちが戦いを繰り広げている。

タルタロス「超古代の闇の巨人……ここは、エタニティコアのある地球か」

そこは、ウルトラマントリガーの世界の地球であった──


(終)

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最終更新:2022年12月02日 14:46