深い森の奥で、遺跡の発掘作業が行われている。
その中で、作業員の一人が、手の中に収まらないほど大きいスタンプのようなものを発見。
すると、スタンプは赤く発光し、作業員の意識を操って、彼の腕に印を押させた。
作業員の体の中から、幻影のような「悪魔」が飛び出して暴れだす。
その様子は、遺跡内に設置されたビデオカメラに記録されている──
その映像を、2021年にて政府特務機関「FENIX」の若林 優次郎とジョージ・狩崎が見ている。
狩崎「50年前、中南米の遺跡で発見された奇妙なスタンプ。このスタンプは、悪魔との契約を可能にする」
映像の中に出てきたスタンプは、現在FENIXで管理されていた。
ケージの中のスタンプが不気味に明滅している。
悪魔崇拝組織「デッドマンズ」のアジト、デッドマンズベース──
オルテカ「私は誰でもない。君たちもそうだ、誰でもない」
フリオ「我慢は終わり! 悲しみは終わり! 見せかけの幸せも終わりだぁー!!」
デッドマンズの幹部であるオルテカとフリオのアジテーションを受けて、信者たちが熱狂する。
さらにデッドマンズのリーダーであるアギレラが客席に登場する。
アギレラ「イケニエを集めてぇ、人間の体の中の『悪魔』を解き放ってぇ、この世のくだらない秩序を破壊しちゃ~う! すべてはぁ、ギフ様の復活のためだよ♡」
アギレラが信者たちの体に次々とスタンプを押していく。すると、信者の中から出現した悪魔「ギフジュニア」が、スタンプの中に吸い込まれていく。
アギレラがステージに立つ。
フリオ「偉大なるギフ様の許嫁……。アギレラ様だ!!」
信者たちのボルテージは高まる一方。
アギレラ「さぁ…… 新たなる進化の時よ」
アギレラ、オルテカ、フリオ「「「グラシアス!デッドマンズ!」」」
FENIXの空中戦艦「フェニックス・スカイベース」──
狩崎「先日のデッドマンズによる襲撃で、我らがFENIXは所有する多くの『バイスタンプ』を奪われました。おそらく今後、デッドマンズの本格的な攻撃が始まるでしょう」
若林「『リバイスシステム』の開発状況は?」
狩崎「悪魔を以て、悪魔を征しましょう」
狩崎が腕時計を操作すると、床が開いて箱が現れる。
箱の中には、変身ベルトであるリバイスドライバーとレックスバイスタンプが収められている。
若林「有資格者は見つかったのか」
狩崎が指を鳴らすと、それに反応してモニターに顔写真が表示される。
若林「五十嵐大二……」
都内某所の銭湯「しあわせ湯」。
一輝「おはようございます!! 今日も一日、お願いします!!」
経営者の長男・五十嵐一輝が、番台に飾られたサッカー選手のポスターに元気よく一礼して、銭湯を掃除し始める。
風呂桶をリフティングし、積み上げられた風呂桶の上にジャストミートさせる一輝。
業務中も、客の背中を流したり、常連の伊良部正造ことぶーさんにコーヒー牛乳を持ってきたりと、懸命に働いている。
一輝「はい、ぶーさん、サービス! いつもありがとね」
正造「おっ! 一輝ちゃ~ん、気が利くねぇ!」
笑顔を返す一輝。
ふいに、その頭の中に声が響く。
声「糖分の採りすぎは危険だぜ?」
一輝が周囲を見回す。しかし、話しかけている者は誰もいない。
声「ハハッ、もしかしてわざと? おぬしもワルのよ~!」
一輝「……やめろっ!」
正造「えっ?」
一輝「あっ、いや…… つい、心の声が……」
そこに一輝の母・幸実が現れ、一輝の頭をはたく。
一輝「痛ぇなぁ、母ちゃん」
幸実「お客さんに何、怒鳴ってんの?」
一輝「いやいや…… ぶーさん、あ、甘いものの飲みすぎ注意ね? 悪魔のささやきに乗っちゃダメだぞ?」
正造「いや、一輝ちゃんが勧めたんだし…… ったく、気が利くんだかおせっかいなんだか、わかったもんじゃないな」
幸実「ぶーさん、ごめんね?」
正造「あいよ」
幸実「またね~」
正造と入れ替わりに、一輝の父・元太が帰宅。
幸実「おかえり」
元太「ただいま」
一輝「おっそ。父ちゃん、昼飯に何時間かかってんだよ」
元太「限界突破の動画撮ってた。『世界一長い縄跳び』の世界記録、何回か知ってるか?」
一輝「えぇ……?」
元太「10709回だ」
一輝「……で、何回跳べたの?」
元太「フフ…… 2回だ!」
幸実が爆笑する。
幸実「あはははは、惜しい!」
元太「イェイ」
一輝「どこがだよ」
その時、番台に備え付けのテレビからニュース速報が発せられる。
アナウンサー「ここで速報が入ってきました。東京湾上空に、巨大な謎の文様が出現中です。同現象は、先日のデッドマンズによるFENIX研究所襲撃事件の直前にも、東京湾上空で確認されており──」
太助「物騒な世の中になってきたもんだ」
妻の肩を揉んでやっていた常連の太助が、懸念を口にする。
一輝がふいに横を向くと──半透明の怪人が隣に立っていた。
怪人と目が合い、目頭を押さえる一輝。だが怪人は消えない。
絶叫し、後ずさる一輝。周りには一輝が独りで勝手に叫んでいるようにしか見えない。
太助の息子・光が心配そうに声をかける。
光「一輝くん、大丈夫?」
怪人「ええ~っ!? 俺っちのこと、見えてるよね?」
一輝「俺…… 疲れてんのかな……」
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仮面ライダーリバイス■ KAMEN RIDER REVICE
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夜、五十嵐家の食卓。
一輝「では、大二のFENIX分隊長就任を祝って…… カンパ~イ!!」
今日の夕食は団らんの象徴・すき焼きだった。
一輝「大二! 明日は銭湯の常連さん連れて、応援に行くからな」
兄の激励を受け、照れ笑いを見せる弟・大二。
大二「そこまでしなくても……」
一輝「行くに決まってんだろ? 旗まで作ったんだからさ」
一輝が「大二がんばれ!」と書かれた旗を見せる。
年頃の妹・さくらは兄の気合の入りように困惑を隠そうともしない。
一輝「な、さくら?」
さくら「明日、空手の稽古あるんだけど」
一輝「たまには休めよ」
さくら「……はいはい」
一輝「新人で隊長だなんて、マジですげーよ。デッドマンズの撲滅は頼んだぞ」
大二「うん……」
元太「よし! パパも明日、留守番しながらすごい動画を撮るぞ」
幸実「パパさん、頑張って!」
さくら「ママ、なんでこんな変な人と結婚したの?」
幸実「コラ、さくら、そんな言い方しないの」
元太「小さいころは、『大きくなったらパパと結婚する』って言ってたのに……」
さくら「へへ~ん、絶対無理!」
元太「動画がある」
さくら「うわ、ちょっ、ダメ!」
大二「いいから、いいから。肉食べよう? 固くなるから」
元太「そうだね……」
その時、再び一輝の中からあの怪人が姿を現す。
怪人「今だ、いっただっきまーす!」
一輝「やめろーっ!」
すき焼きをつまみ食いしようとする怪人を止めようとする一輝だが、その手は怪人をすり抜けて横にいた幸実を突き飛ばしてしまう。
幸実「きゃっ!」
怪人「ありゃりゃ~、やっぱりそういうことか」
一輝「……ほら…… 肉は…… よく火を通したほうがいいかな、って……」
必死に取り繕う一輝。
食事後、銭湯の洗面所で顔を洗ってため息をつく。
怪人「なぁ、俺っちどうやら他人からは見えないみたいだし~、透けちゃうし…… つまんなーい!!」
怪人の大声を受けて、一輝が振り向く。
一輝「お前…… 前から、勝手に俺の耳元で喋ってた奴だろ」
怪人「そうそう!」
一輝「いきなり姿現して…… なんなんだよ!」
怪人「ふふーん、それは……」
一輝「は?」
怪人「ヒ・ミ・チュ♡」
たまりかねた一輝が怪人に殴りかかるが、体が透けているためすり抜けてしまう。
そこに大二が来る。
一輝「おっ、大二…… なんだよ」
兄弟は一緒に風呂に入る。
大二「大丈夫? さっき……」
一輝「ああ…… 気にすんなって」
大二「兄ちゃんは、どうして自分の夢を追いかけなかったんだよ」
一輝「……」
大二「兄ちゃんなら、絶対プロサッカー選手になれたって!」
一輝「……俺のことはいいから。さっ、寝るぞ?」
その頃、デッドマンズベースにはデッドマンズによって護送中に拉致された死刑囚・原田智之が運び込まれていた。
フリオ「アギレラ様ぁ! イケニエ候補を連れてまいりました!」
アギレラ「ふーん…… 特別な悪魔が出そう?」
オルテカ「もちろんです。何せこの男、凶悪犯ですから」
原田「俺に、何をする気だ?」
フリオ「うるせぇ!」
オルテカ「契約ですよ」
アギレラがFENIXから奪った「プロトバイスタンプ」を起動させ、原田の体に押し当てる。
『MAMMOTH!』
アギレラ「えいっ♡」
原田の体から抜け出た悪魔が、プロトバイスタンプに内包されたマンモスの遺伝子情報を得て、悪魔獣「マンモス・デッドマン」として実体化した。
マンモス・デッドマンが原田を殴り倒す。
フリオ「おほ~っ! これまたずいぶんと活きの良ぃ~っ!!」
翌日、FENIX分隊長任命式会場。
入場してきた新入隊員たちの中に大二を見つけ、五十嵐家、正造、太助とその家族が旗を振り回しながら声援を送る。
隣の隊員が、大二に話しかけた。
隊員「あれ、五十嵐君の家族?」
大二「違います」
宣言通り自宅にいる元太も、テレビで式典の中継を見ている。
FENIXの司令官・門田ヒロミが祝辞を述べる。
門田「デッドマンズに対抗すべく、精鋭中の精鋭が集まりました。彼らが未来を創るのです。デッドマンズを必ず壊滅させ……」
狩崎「長い」
狩崎が門田を押しのけて壇上に立つ。
狩崎「30年前、一人の科学者が、人間の体内に潜む『悪魔』を分離する『バイスタンプ』を開発しました──私の父です、もう死んじゃいましたが。しかし、愚かな人間たち・デッドマンズが、それを悪用しようとしている。そこで私は、父の遺志を継ぎ、彼らに対抗すべく、人間の体内に潜む悪魔に、同じく人間の体内に眠る強力な生物種の遺伝子の記憶をミックスして、能力化するシステムを完成させました」
狩崎がリバイスドライバーとレックスバイスタンプを公開したその隙に、門田がマイクを奪う。
門田「この新兵器を使い…… 今後の皆さんの平和を約束します!」
客席から拍手が起こる。
その瞬間、会場の壁が粉砕され、デッドマンズがなだれ込んできた。
アギレラ「そんな簡単に約束なんてしちゃって…… 大丈夫?」
『JUNIOR!』
アギレラが地面に白いスタンプを押し当てると、冒頭で信者たちから集めたギフジュニアの大群が実体化を遂げる。
大二「デッドマンズ!」
怪人態に変身したオルテカとフリオ、そして天井を突き破って降りてきたマンモス・デッドマンが、ギフジュニアを率いて人々を襲い始めた。
一輝が観客を避難させる。
一輝「早く! 逃げて!! あっちだ!!」
怪人「ふあ~あ、うるせえなぁ。せっかく気持ちよく寝てたってのに、めっちゃ盛り上がってんじゃん! パーティーじゃん!?」
一輝「今は出てくんな!」
FENIXの隊員たちが立ち向かうが、デッドマン相手には全く歯が立たない。
門田が防護ガラスを割ってリバイスドライバーを取り出す。
門田「こうなったら俺が……!」
狩崎「やめたほうがいい! 君では悪魔を飼いならせない」
門田「でも…… やるしかないんだ…… 俺が! 我が命を懸けて、世界を守る!! 変身!!」
『REX!』
リバイスドライバーを装着し、レックスバイスタンプを起動させる門田だが──
門田「ぐわっ!!」
門田の体から悪魔が飛び出し、レックスバイスタンプに内包されたティラノサウルスの遺伝子情報を得て、悪魔獣「レックス・デッドマン」として実体化した。
アギレラ「もう一匹増えちゃったぁ! ラッキー♡」
怪人「うわはは~、悪魔出たよ悪魔~! スゲー!!」
レックス・デッドマンが門田を張り倒す。
狩崎「ほぉらね…」
アギレラがテレビ局のカメラを奪って、全国ネットに宣戦布告を始めた。
アギレラ「みんなー♡ ギフ様が復活したら、こんなものじゃ済まないよ? 地獄絵図、チョー楽しみ♡」
アギレラ、オルテカ、フリオ「「「グラシアス!デッドマンズ!」」」
アギレラ「まったね~♡」
アギレラたちが引き上げる。
大二は銃で必死にデッドマンと戦っている。
狩崎「五十嵐 大二!! それは君のものだ!!」
そう言われて大二がリバイスドライバーとレックスバイスタンプを拾い上げるが、門田がレックス・デッドマンを生み出したのを思い出し、装着をためらってしまう。
リバイスドライバーとレックスバイスタンプを床に落とす大二。その音に反応して、レックス・デッドマンが迫る。
一輝「俺の家族に手を出すなぁっ!!」
寸でのところで、一輝が大二を抱えてレックス・デッドマンから逃れた。
一輝「大二! しっかりしろ!」
怪人「いや~、っていうかさぁ、この際はっきりさせときたいんだけど。お前、俺っちのことどう思ってるわけ?」
一輝「は!?」
怪人「ひど~い!! そろそろどういう関係か、はっきりしてよ~!!」
一輝「だからお前は誰なんだよ!?」
怪人「フフッ…… 俺っちは、お前の中に棲む悪魔だよ」
一輝「……えっ?」
怪人→悪魔「どうだ? 俺っちと契約しねぇか」
一輝「何を?」
悪魔「うはははは…… 悪魔に、魂を、売るんだよぉ!! ハッハッハーッ!」
突然の宣告にショックを受ける一輝。そこに幸実の悲鳴が響いて我に返る。
幸実がマンモス・デッドマンに襲われている。
さくらが得意の蹴り技で群がるギフジュニアを蹴散らし、助けに行こうとするが、その間にマンモス・デッドマンの腕の一振りで幸実が吹き飛ばされ、床に胸を強打してしまう。
一輝「母ちゃーん!!」
幸実のもとへ向かおうとする一輝を、レックス・デッドマンが阻む。
悪魔「愛しの母ちゃんを守れる方法があるぜ!」
一輝「教えろ!!」
悪魔「お前も見ただろ? あのバイスタンプを体に押して、俺っちをお前の体の外に出せ! そしたら俺っちが、ぶっ飛ばしてやるよ」
一輝「本当か?」
悪魔「相棒! 失敗を恐れるなって。ここで動かなきゃ、一生後悔するぞぉ?」
一輝が意を決してレックスバイスタンプを拾い、起動させる。
『REX!』
一輝「うわーっ!!」
一輝がレックスバイスタンプを体に押し当てると、あの悪魔が言った通りに実体を得て姿を現した。
悪魔「ウッヒョーッ!! やっと出れたぜぇ!!」
レックス・デッドマンが悪魔に迫る。
しかし悪魔はレックス・デッドマンを難なくぶん殴り、一撃で昏倒させ、ギフジュニアたちを次々となぎ倒していく。
一輝「すげぇ……」
しかし、悪魔は幸実を見るや──
悪魔「うんまそぉ~」
悪魔が幸実に近づいていく。
悪魔「はははは…… こいつは俺っちが食べる獲物だぁ!」
一輝「やめろっ!!」
一輝が悪魔を止めようとするが、ギフジュニアに阻まれ近づくことができない。
狩崎がリバイスドライバーを指さす。
狩崎「君! そのドライバーを使って、あの悪魔をコントロールしろ。うまくいけば君自身の力で家族を守れるはずだ!」
悪魔は今にも幸実に飛びかかりそうだ。
一輝がサッカー仕込みのスライディングでギフジュニアの足の間をすり抜け、リバイスドライバーを拾って装着した。
リバイスドライバーを装着した一輝の中に、再び悪魔が吸い込まれていく。
一輝「……沸いてきたぜ……!」
狩崎「ヘイヘイヘイヘイヘーイ…!」
一輝が再びレックスバイスタンプを起動させた。
一輝「俺が、家族を守る!!」
『REX!』
そして、背景にLINEのような変身トークが現れる。
一輝『おい悪魔!だましたな!』
悪魔『何がだよ、ちゃんと助けただろが』
一輝『俺のかーちゃんをまた食おうとしただろ!』
レックスバイスタンプに息を吹きかけ、リバイスドライバー左側の「オーインジェクター」に押し当てる。
変身トークは続く。
悪魔『してない!してない!』
一輝『とぼけるな!』
『COME ON! RE! RE! RE! REX!』
すると悪魔が現れ、バイスタンプ型のエネルギーを持つ。
悪魔「ふふふっ、ははははーっ!ほーっ!」
驚く一輝。
変身トークはまだ続く。
悪魔『ちょっとこの人(一輝)↑、何言っちゃってるんですかぁ?』
一輝『もういい、お前には頼らない。俺が家族を守る!』
悪魔『ふふーん、じゃあ俺っち勝手にするもん!』
狩崎「バイスタンプをセットして、変身しろ!」
言われた通り、リバイスドライバー右側の「バイスタンプゴースロット」にレックスバイスタンプをセットし、オーインジェクターを前面に展開させた。
一輝「……変身!!」
一輝『勝手にしろ!』
その後、レックスバイスタンプの印面が表示され、変身トークが終わる。
悪魔「いやっほーっ!うはははははぁっ!よいしょーっ!」
『BUDDY UP!!』
『OWING! SHOUNING!! ROWLING!!! GOING!!!!』
『KAMEN RIDER! REVI! VICE! REVICE!!』
一輝が変身を遂げると同時に、再び実体化した悪魔もリバイスドライバーの力で出現したアーマーを纏う。
悪魔「フフフ、マジかよ…… 決まったぜ!」
恐怖に竦みきっている大二たちは、この光景をただ見ているしかできない。
狩崎「グゥーレイ──ト!!」
若林もその光景をモニターで見ていた。
若林「『悪魔を以て、悪魔を征す』か」
画面は切り替わる。
悪魔「ワオ、俺っちスゲー!! あっ一輝ちゃん、さっきのは冗談だからね?」
一輝は悪魔の胸ぐらをつかむ。思わずたじろぐ悪魔。
一輝「……お前を殴るのは後だ!」
蘇生したレックス・デッドマンを変身した一輝が再び殴り飛ばす。
さらに瓦礫を蹴り砕き、大量の礫に変えてギフジュニアに広域攻撃を行う。
一輝「まずは…… こいつらだ!!」
会場の外に移動してギフジュニアの群れを迎え撃つ一輝。
そこにマンモス・デッドマンが迫る。
悪魔「待ってろ!」
悪魔が高所からのラリアットで一輝を援護。
一輝「悪魔のくせに、いいとこあるじゃないか!」
悪魔「へへっ! だって、一輝が死んだら俺っちも死んじゃうからね!」
一輝「えっ!? なんだよそれ!」
狩崎「君! ちょいと使ってみて!」
ふいに、戦いの場に狩崎が現れ、新たなスタンプを投げ渡す。
「掌に押せ」のジェスチャーをする狩崎に従い、一輝がスタンプを押すと、スタンプが手持ち武器に変形した。
一輝「おおっ! なんだこれ? へへっ、よし!」
悪魔「うおーっ、スッゲーッ!! ハンコ押して敵倒すから、『オーインバスター』って名前どう?」
一輝「勝手に決めんなよ!」
悪魔「いいじゃん! ねぇ、みなさん?」
一輝がオーインバスター・アックスモードでギフジュニアを斬り倒し、悪魔が徒手空拳でデッドマンを相手取る。
オーインバスター先端のスタンプを取り外し、オーインバスターに付いているオーインジェクターに押し当てる一輝。
オーインバスターの刃が光り輝く。
『STAMP BY!』
一輝「伏せろ!」
悪魔「えっ、ちょっと今聞こえなっ……」
『OWING SLASH!!』
オーインバスターから斬撃波が放たれ、悪魔を取り押さえていたギフジュニアの群れを直撃。
悪魔「うおっ、危ねーっ!」
悪魔はギリギリで直撃を回避する。
悪魔「……危ねぇじゃねーかよぉ~! でも俺たち、いいコンビになれそうじゃねえか?」
一輝「は? どこがだよ」
ギフジュニアを一掃した一輝と悪魔が、デッドマンたちと決戦を開始。
一輝がレックスバイスタンプを体に押し当てると、下半身が恐竜のごとく肥大化し、デッドマンたちを強烈なキックで吹き飛ばした。
悪魔「みんなーっ!! ねぇねぇねぇ、どっちがいいと思う? やっぱさぁ、強そうな奴を倒したほうが、画的においしいよねぇ?」
一輝「誰に話しかけてんだよ!」
視聴者に話しかける悪魔を無視して、一輝が止めの態勢に入る。
悪魔「あーっ! ちょっと待って、まだ話の途中でしょうが!」
一輝「一気に行くぜ!!」
悪魔「戻ってきてちょうだい!」
一輝がバイスタンプゴースロットを動かすと、一輝と悪魔の両足にエネルギーが集中していく。
悪魔「おっ、ナニコレ!? えっ!? 噓でしょー!?」
走り寄ってきたレックス・デッドマンを一輝が上空に蹴り上げ、マンモス・デッドマンを悪魔が投げ飛ばす。
一輝と悪魔、それぞれの足先にバイスタンプ型のエネルギー体が発生。
『REX STAMPING FINISH!!』
同時キックが炸裂し、レックス・デッドマンとマンモス・デッドマンが爆発した。
悪魔「ウホホ~っ、決まった!」
そこに再び狩崎が現れる。
狩崎「ブラボー! ありがとう、『仮面ライダーリバイス』!」
悪魔「えっ? 誰だよ!?」
狩崎「君(一輝)が『リバイ』で、君(悪魔)が『バイス』だな」
悪魔(バイス)「えっ? ばい、バイス?」
狩崎「決定!」
バイス「え? バイスって、俺っちの名前? ヤバイスー! めっちゃいいじゃん! バイスー!」
一輝(リバイ)がため息をつきながら変身を解除。変身が解けたバイスは一輝の中に戻された。
一輝「俺が…… 仮面ライダー……」
一輝はリバイスドライバーとレックスバイスタンプを狩崎に返却する。
一輝「ありがとうございました」
狩崎「WHAT? これ、もう君のでいいんだけど」
一輝「俺には、銭湯を守るという使命がありますから」
デッドマンズベースではアギレラは黄昏ていた。
アギレラ「ギフ様…… 早く会いたいな……」
そして、画面は切り替わり、マンモス・デッドマンに負傷させられた幸実が、病室で目を覚ました。
元太「ママさん!」
さくら「ママ!」
幸実「……銭湯は?」
思わず黙る一輝たち。
幸実「サボったら…… 怒るよ?」
元太「ママさーん!」
抱きつこうとする元太を一輝が止める。
一輝「ちょっと、落ち着けよ!」
元太「わかってる、安静! ごめん、わかってる……」
一輝「母ちゃん。銭湯…… 俺に任せてよ」
静かにうなずく幸実。
バイス「でゅふふ、なんだか…… 面白くなりそうじゃね? どぅはははは…… どぅははははっ!!」
そして、バイスタンプラリーにレックスバイスタンプが押印された。
最終更新:2023年07月13日 12:41