エックスの乗る戦闘機がΣの城に着地し、エックスが降り立った。
エックス「うわっ!!この・・静寂は・・・・・・」
エックスの周囲には、見渡す限りのレプリロイドやメカニロイドの残骸が散らばっていた。
エックス「`死`そのものだな・・・・全部ゼロ先輩一人で・・・・無事なのか先輩は!?」
「!?」
エックスの周りで残骸が爆発しだし、一本の道が開かれていった。
エックス「Σがよんでるのかっ、行ってやるさっ!!」
建物の中にも、戦闘の跡が刻まれていた。
エックス「これだけの死闘をたった一人で・・・・でもこれじゃ先輩もただじゃ・・・先パイイッ!!」
VAVA「「先輩」、「先輩」・・・か」
エックス「!?」
エックスの後ろに、VAVAの乗るライドアーマーが立っていた。
VAVA「伝説の英雄はなかなか乳離れできねぇとみえるな」
エックス「ヴァヴァ!!」
VAVA「くくくっ、こいつをみて目を覚ましな」
部屋がライトで照らされ、傷つき手足をボール状の枷で固められて気絶したゼロが露わになった。
エックス「ゼロォォ!」
VAVA「ん?なんだ?その左腕は・・・・?」
エックスの左腕は、前回ブーメル・クワンガーを倒すために損傷していた。
VAVA「強くなるまでまっていたが・・・俺の眼鏡ちがいか・・・もう容赦はしないぞ、かまわないな」
「Σ・・・・!!」
Σはモニターで、エックスとVAVAを見ていた。
VAVA「なあΣよ・・・俺はこいつと戦うために、あんたと手を組んだんだ・・約束は守ってもらうぞ」
Σは手に持ったワイングラスを傾ける。
Σ「好きにしろ」
エックス(バスターが発射できないまでも、奴の体にエネルギーを注ぎこむことくらいできるはずだ!!)
振り下ろされたライドアーマーの手をかわし、エックスはVAVAの元に飛び上がったが、
左腕での一撃はかわされ、VAVAのパンチを腹にくらった。
VAVA「バカめ」
そのままライドアーマーの連続パンチが、エックスを打ちのめす。
VAVA「苦肉の一発芸も茶番に終わったなーっ、エックスぅ!!」
エックス「ぐはっ」
エックスが弾き飛ばされた。
エックス「うぐぐ」
VAVA「甘ちゃんの坊やのための・・・子守り唄だ!!」
VAVAが肩のキャノンを連射し、エックスを撃つ。
エックス「!!」
連射が一旦止まり、床が破壊された中エックスは立っていた。
エックス「ま・・・・だ・・だ」
VAVA「これが寝酒の、バーボンだ!!」
キャノンがエックスの胸に当たり、エックスが吹き飛ばされた。
倒れ伏せたエックスは立ち上がろうとするも、VAVAがキャノンを向けていた。
VAVA「きさまとの戦いは、俺の歴史の「シミ」にすらならんかったな・・・・・」
ゼロ「う・・・・うおおおおおっ!!」
ゼロが目覚めた。
ゼロ「う、お、お、お、お、お、お」
エックス「先輩!!」
ゼロを縛る枷にひびが入った。
ゼロ「う・・が・・・ぐ・・エ――――ックス!!」
ゼロが枷を砕き、VAVAの元に飛び出し・・・・
エックス「ゼロぉぉーっ!!」
ゼロとVAVAが閃光に包まれた・・・・
エックス「ゼロ・・・ゼロぉ」
「!!」
ゼロ「大丈夫か?エック・・・ス」
エックス「あ、ゼ・・・」
ゼロは上半身だけとなっていた。
ゼロ「しけた顔するなよ。イグリードに・・・・おこられないで・・・すんだ・・よ・・・・」
エックス「・・・・・」
ゼロ「なあ・・・エック・・・ス・・一緒に・・連れていってくれよ・・・・」
目を閉じ、機能停止したゼロを、エックスは涙を流しながら、抱きしめた・・・
ゼロ(お前の・・つくる、懐かしい・・・未・・来・・・・・へ・・・・)
VAVA「`懐かしい未来`?チップがいかれてるぜ。特A級ハンターもこうなるとただのスクラップだな・・・」
ライドアーマーは破壊されたが、VAVA自身は無傷だった。
VAVA「俺の愛機は特別チューンで手がかかってたんだぜ。お前ら二人の命が代償じゃネジ一本にもならないな。おっと一人はもうくたばっちまってたっけ」
「B級よ・・・・悪いが貴様一人で・・・「先輩」の罪を償ってもらう・・・・」
「!?」
エックスの抱えるゼロの亡骸が、光となってエックスと一体化していった。
それを見ていたΣがワイングラスを握り砕いた。
(ついに・・・`その時`が)
エックスの左腕がゼロのバスターとなり――――
放たれた砲撃が周囲の建物まで粉砕していった。
その砲撃は、エックスのバスターから放たれたものだった。
VAVA「かすっっただけでふっとんじまったぜ、すげーよ」
「これだ!これ!!まってたぜ――――っ、伝説をブチ壊す瞬間をよ――――っ!!!」
「サイコーだぜロックマン―――――ッ!!」
VAVAがキャノンを連射し、エックスがその攻撃を受け続ける。
VAVA「砕けろ!!裂けろ!!消えうせろ――――っ!!」
「ハーハハハハっっ!!」
「くくくっ」
VAVAがキャノンを止めた。
VAVA「伝説も砕けちったか・・・・」
爆煙が晴れると、エックスはバスターをチャージしていた。
エックス「鬼があぁ!!!」
エックスはチャージしたバスターを放った。
VAVA「おめーは最高の獲物だぜ!!ロックマァァァン!!」
VAVAもキャノンを放ったが、エックスのチャージバスターはその砲撃をたやすく砕いた。
VAVA(エックス・・お前は・・・・・サイコーの・・・)
VAVAがチャージバスターに包まれ―――――
大爆発した。
それを見ていたΣは笑っていた。
Σ「くくくくくっ」
エックスが背を向けた所にキャノンが放たれ、エックスの横の壁に当たった。
エックス「・・・・・・」
外装が剥がれ、骸骨の様な姿になりながらも、VAVAはまだ生きていた。
VAVA「伝・・セツ・・・Haオレ・・が・・・つ・・・・Bu・・・ス・・・」
「Guあっ!!」
キャノンが爆発し、VAVAは膝を付いたが、それでもエックスに手を伸ばしてきた。
VAVA「De・・・んセ・・ツつ・・・Bu・・す」
「つ・・・・ブ・・・Su、DeN・・説・・・・・」
VAVAはエックスの首を掴み――――
VAVA「デン・・・説・・・ロック・・Ma・・ん・・・・」
エックスのバスターがVAVAを貫いた――――
VAVAはエックスの首から手を離し、ゆっくりと倒れていった。
エックス「俺は伝説のロックマンじゃない・・・・」
「俺も一匹の・・・」
(鬼だ・・・・・)
エックスは、地獄を摸した禍々しい門の前に来た。
そこには、狼型メカニロイド、ヘルガーダーがいた。
ヘルガーダー「グルルルルルルゥゥ・・」
エックス「地獄の入り口には門番がいたっけ」
ヘルガーダー「グルオオオ―――――ッ!!!」
ヘルガーダーはエックスに飛びかかった。
その門の向こうの部屋に、Σがいた。
Σ「・・・・・・」
「!」
Σの元に外からの光が差し込んだ。
門から顔を見せたのは、ヘルガーダーだった。
Σ「フッ・・・・結局有能な部下は残らなかったか・・・首を長くしてまっていたが・・・・」
「どうした、ヘルガーダー」
ヘルガーダーの頭が床に落ち、乗り込んできたエックスがそれを踏み砕いた。
エックス「地獄の番犬など・・・地獄の住人の敵じゃない・・・・」
Σ「確かに・・・鬼の形相をしているな・・・」
エックス「`無`に還してやるぞシグマ!!!」
Σ「命乞いの台詞はもっと下手にでるものだぞ若造!!」
最終更新:2021年09月26日 07:52