無限にひろがる大宇宙・・・その覇権をかけて、いつ終わるとも知れぬ戦いをつづける二つの巨大な`力`があった。
平和と正義の守護者・・・サイバトロンと
そして――――破壊と混沌の化身・・・デストロンである!
デストロンの艦隊がサイバトロンの艦隊を全滅させた。
オペレーター「サイバトロン第七宇宙艦隊全滅!」
「第五十三区担当偵察衛星群が敵破壊工作班により全機撃墜さる!」
「ヴララ星系方面軍、敵機甲師団の猛攻を受け苦戦中!」
「ユニクロン星エネルゴン調査隊の消息いまだつかめず!」
「アンドロメダ星雲において敵宇宙要塞の建設着々と侵攻中!!」
それらの報告が、サイバトロン軍中央本部で飛び交っていた・
サイバトロン総司令(デストロン軍団の侵略がいっそう激しさをましている・・・今のところ我が軍はかろうじてくい止めている・・・・だが・・・)
「銀河の辺境第九十七太陽系第三惑星ガイア!その奥深くに眠るという・・・アンゴルモアネルギー!!!」
「宇宙を創り宇宙を滅ぼすとまで伝えられるあの`力`がヤツらの手にわたったら・・われらサイバトロン軍の敗北は決定的となる!」
「たのむぞガイアに遣わせし六人の戦士たちよ!」
「サイバトロンの・・・いや!宇宙の命運は、きみたちの戦いにかかっている!!」
そしてここがさいはての星ガイア・・・
副司令アパッチ「くぉらあっ!たるんどるぞ!!!定期パトロールの時間だろうが!」
陽動員タスマニアキッド「だってただでさえこの星の大気はオレたちには危険だってのに、この雨じゃすぐ身体がサビついちゃうよ」
水中工作員スクーバ「雨季の間は敵も長時間のバトルモードは不可能だ」
突撃員ビツグホーン「だからこっちもひと休みしてるとこじゃい」
アパッチ「うおおおおっ!」
アパッチが胸のアパッチランチャーを撃った。
「!」
キッド「な・・・なんだよアパッチ!?味方を殺す気か!?」
アパッチ「自分はかなしい!おまえらそれでもサイバトロン軍人かあっ!」
総司令ライオコンボイ「どうしたんだ一体」
アパッチ「あっコンボイ司令!聞いてください、こいつらがだらけ切って・・・あれ?」
キッド達は立ち上がり、敬礼を送った。
キッド達「「「コンボイ司令おはようございます!」」」
ライコンボイ「ウム」
アパッチ「な・・・おまえらオレに対する態度とだいぶちがうじゃねーか!どーいうことだ!?」
キッド「だってオッサン威厳ねーもん」
アパッチ(だ—―――っ)
「ところでダイバーはどこ行ったんだ?」
守護隊員ダイバー「わてカエルになったせいか、雨がうえしゅうてうれしゅうてたまらんのや。おもわず歌も歌いとなるでぇ♬なんちて、ん」
ダイバーの後ろに大勢のメスガエルが集まっていた。
ダイバー「な・・なんや?わての歌声でメスガエルを引き寄せてもうたんかいな!」
「や・・・やめてえな、わてはあんたらの仲間やない!ゆるされん恋やで!」
メスガエルがダイバーに迫り―――――
ダイバー「変身!」
ダイバーの口からロボットモードの頭が出て、メスガエル達は逃げ出した。
そのままダイバーはバトルモードになった。
ダイバー「やっとわかってくれたか。せやけどちょっとフクザツな心境・・・さてそろそろ帰るか・・・・」
「!」
ガルバロトンの顔を見つけ、ダイバーは飛びのいた。
ダイバー「ガ・・・ガルバトロン!?」
「ん」
ガルバトロンは顔だけのまま、迫ってくる――――
ダイバー「・・・・と思うたら、これは・・・・」
「戦車やーっ!!」
ガルバトトンの顔を象った巨大戦車は、木々をなぎ倒しながら進み、
砲撃で辺りを攻撃していく。
倒れた木が鹿に倒れてきたが、ビッグモスが受け止めた。
ビッグモス「大丈夫か?」
ダイバー「みんなーっ、大変やー!!!」
戦車にはデストロンのメンバーが乗っていた。
破壊侯爵メガストーム「くくく・・・この超巨大戦車でサイバトロンを基地もろともぶっとばしてやる。ヤツらも今は雨季だから油断してやがるはず!!」
航空参謀スタースクリーム「ところがどっこいこの戦車ならワタシたちは雨にぬれることなく戦えるってわけ、サイコーッ!」
空爆兵BB「♬ ラジャー!」
メガストーム「もっととばせえっダージ!」
航空士官ダージ「了解!メガストームさま!」
航空士官スラスト「・・・・・・なあダージ・・・・」
タージ「ん、なんやスラスト?運転中に声かけんといてくれ。気が散るさかいにな。お前は目の前のレーダーをよ~~~~く見といてやな。敵が接近してきたら教えてくれたらええねん」
スラスト「・・・・・」
スラストの目の前のレーダーは、既に敵の接近を示していた。
スラスト「・・・・・・なあダージ・・・・
ダージ「だから話しかけんなって!」
スラスト「・・・・・・・」
スラストは筆談でダージに伝えた。
スラスト『サイバトロンきとるで。』
ダージ「ん?」
ビーストモードのライオコンボイ、アパッチ、ビッグホーン、キッドが戦車の元に向かっていた。
ダージ「ラ・・・ラ・・・ライオコンボイィィィ――――――ッ!!!」
「アホゥ、あれほど言うたのになんで教えへんねん!」
スラスト「だからさっきから何回もよんでたやろうが!」
メガストーム「むこうからやってくるとは好都合!ここで息の音止めてくれるわ!」
キッド「あれか、ダイバーの言ってた戦車って。うっへーでけーつ」
ライコンボイ(強力なアンゴルモアエネルギーの波動を感じる・・・あの戦車の動力源・・・か?)
「キッドはわたしと空中から攻撃だ!」
キッド「え?オレに空飛べっての!?」
戦車の砲撃の余波でキッドが上空に打ち上げられた。
キッド「ひ~~~」
「変身!」
キッドは空中でバトルモードに変身した。
そこをインセクトロン強行偵察員のトンボットが掴んだ。
キッド「!?あっ、トンボット!!インセクトロンと共同作戦か!!!」
トンボット「これは三―たちの戦いでもあるザンス、森をあらすヤツはゆるさないザンス!行くザンス、キッド!」
キッド「おう!」
インセクトロン司令ビッグモスに掴まれたライオコンボイがキッドと共に戦車を攻撃する。
キッド「止まれこのデカ面野郎――――!!」
ライオコンボイ「アパッチ!きみはビッグホーンと地上から攻撃してくれ!」
アパッチ「わかったであります」
アパッチ「変身!!」
アパッチとビッグホーンがバトルモードに変身し、戦車を攻撃する。
アパッチ「うおおおおおっ!!!」
ライオコンボイ「操縦室に突入する!!キッド援護してくれ!」
スタースクリーム「そうはいかないわよ!」
スタースクリームの機銃がライオコンボイを撃ち落とした。
ライオコンボイ「うわあっ!」
キッド「司令――――!!」
アパッチ「よくもコンボイ司令を!」
ビッグホーン「例のヤツで仕返しじゃい!」
ビッグホーン「バッファローミサイル照準セット!!!発射!!!」
ビッグホーンの口からミサイルが発射された。
――――だが、戦車には全く効かなかった。
ビッグホーン「あれ?」
アパッチ「ぜんぜんっきいとらんじゃないか!」
ビッグホーン「逃げるんじゃい!」
アパッチ「ビッグホーン川に誘導するぞ!自分に考えがある!」
ビッグホーン「なるほど戦車も水の中なら動きがにぶるってわけかい!」
アパッチ「川までひとっ走りだ!」
ビッグホーン「おう!」
スタースクリーム「BB!キッドも撃ち落としちゃいなさい!」
BB「ラジャ!」
キッド「うひゃあっ、あべねえっ!」
「もういいぜトンボット!」
「いやあっ」
キッドは降下する。
キッド「変身!」
キッドはビーストモードに変身し、BBの機銃を踏み台にして、戦車の中に入っていった。
アパッチ「よしっ川だ!!」
ビッグホーン「とびこめいっ!!」
アパッチとビッグホーンは川に飛び込んだ。
ビッグホーン「どうじゃ水ん中にはいってこられるかい。ん?」
いっぽう戦車内部に潜入したキッドは・・・・
キッド「この音・・・エンジンルームが近いのかな・・・・」
「あっ」
その部屋にいたのは、眠りについたまま、パイプにつながれた新破壊大帝ガルバトロンだった。
キッド(ガルバトロン(の体内のアンゴルモアネルギー)が動力源なのか!!こりゃこいつの歯ぎしりの音だったのか・・・)
戦車は川の中を突き進み、アパッチとビッグホーンを追い立てる。
ビッグホーン「水中でもぜんぜんっ平気じゃないか!どうするんじゃアパッチ!!」
メガストーム「この戦車水に弱いと思ったら大マチガイだぜ!」
(しかも兄ちゃん動力でつかれ知らず)
ビッグホーン「もうダメじゃ~~~っ」
アパッチ「今だ!」
ビッグホーン「え?」
戦車の下で爆発が起こった。
メガストーム「な・・なんだ!?」
タージ「下部に攻撃をうけたもよう!」
メガストーム「どういうことだ!?」
戦車の下に付けられたイカのマークの爆弾が次々に爆発していき、
戦車の中に水が流れ込んできた。
スラスト「メガストームさま下部より浸水です!」
メガストーム「言われんでもわかっとるわ!」
キッド「こいつらと心中する気はねーぜ!はやくにげよっと!」
ガルバトロン「ZZZ・・・な・・なんだ!?」
川の中から、ダイバーとスクーバが顔を出した。
ダイバー「うまくいきましたなあ。さすが水中工作員のスクーバはん。ええ腕してまっせ」
ビッグホーン「そうか、スクーバたちに爆弾をしかけさせるために水中におびきよせたんかい!」
アパッチ「底部は装甲がうすいと思ってな」
ビッグホーン「やるやないかい、さすが副官!」
ビッグホーンがアパッチの頭を水に付けた。
アパッチ「く・・・・くるしい・・ゴボボ・・・」
ライオコンボイ「そのとりだ。よくやったアパッチ!」
崖の上にビーストモードのライオコンボイが立っていた。
アパッチ「コンボイ司令!!」
ライオコンボイ「変身!!」
ライオコンボイがバトルモードに変身し、戦車の内部へと飛び込んだ。
メガストーム「ライコンボイ・・・くらえっ!!」
ライオコンボイ「ライオタイフーン!!」
メガストームの銃撃をライオコンボイは右肩のタテガミを回転させて防いだ。
メガストーム「ちいっ」
ライオコンボイ「ライオンクローッ!!」
ライオコンボイの爪の一撃を受け、メガストームはよろけ、その拍子に押したスイッチは・・・
メガストーム「あっしまった。自爆スイッチおしちゃっ・・・」
自爆する戦車から、ライオコンボイとキッドは脱出した。
ライコンボイ「今回はアパッチのお手柄だな」
アパッチ「いやあとんでもないであります」
キッド「見直したぜオッサン」
キッドが押した拍子にアパッチが崖から落ちかける。
アパッチ「うわああっ」
「きさま上官を殺す気かあっ!バツとして腕立て百回じゃ!」
キッド「あーあ、やっぱうるせーオッサンだわ・・・・」
ガルバトロン「ジャングルを走りまわって川で泳ぐ夢を見た・・・気付いたら川の中にいたんだ。体中ダルいそ・・・」
メガストーム「兄ちゃん・・・寝ボケたんじゃんないの・・・・」
{続く
最終更新:2023年02月08日 18:42